2019年安田記念 全頭評価。その2。

<ケイアイノーテック>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く、持続力も高い。

”NHKマイルC”では平均バランスを後方から、直線スムースに運んで1着。”2018年毎日王冠”ではスローバランスを中段から、直線はジリジリで0.4差5着まで、前半足を溜められなかった。”2018年マイルCS”ではスローバランスを先行、外を回ったこともあり凡走。

「安田記念へ向けて」まず前走は休み明けだった、10頭立ての6着なので全く評価できないけど、後方からになり出番の無い展開だった。上り32.1は2番時計だけどこれは評価してもしょうがない、もちろんこのタイムを出せるということは良いんだけど、展開的に評価対象にならないんですよね。NHKマイルCで平均バランスを後方から直線勝負に徹して差し切ったのは、トップスピードの質と持続力を見せている。同じコースなのでここでも期待したいが不安要素も多い。まず乗り替わり、幸騎手への乗り替りで一線級の騎手に依頼しても断られたのかと勘ぐってしまう、朝日杯FSで4着のコンビなのでそれ程不安視することはないと思うけどね~。2つ目はメンバー構成を見て平均やハイペースバランスで消耗戦になるかと言われると、戸崎騎手をどこまで信用するか・・・。最後にこの馬の絶対能力、NHKマイルC以降全くいいところが無いし、復活の兆しも見えない、成長力という面でも不安でNHKマイルCがピークだった可能性はあると思う。

ただ期待が持てる面もあって、まずコース適正、これはNHKマイルCと同じコースだから展開に恵まれれば好走できる可能性はある。もう一つが斤量で前走で58㎏を経験している。これは結構重要で、GⅠでも58㎏を背負うレースは意外に少ない、天皇賞(春・秋)、宝塚記念と安田記念でリピーター以外で58㎏を経験している馬は少ない、この経験が生きればあるいは・・・。

<サクラアンプルール>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高く瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはない、持続力は高い。・休み明けでも走るがやや割引。

”2019年AJCC”ではスローバランスを中段から、動き出しが遅く届かず5着。”2018年札幌記念”では稍重ハイペースバランスを中段から、4コーナー早目に仕掛けて先頭に立つもバテて6着、前半が速く消耗した。”2018年日経賞”では平均バランスを中段の後ろから、4コーナーから早目に追って2番手まで上がるも、チェスナットコートに差し返される、トップスピードには乗ったがチェスナットコートのトップスピードの質に屈する形。”2019年日経賞”ではスローバランスを中段最内から、ロンスパになり持続力を生かして3着、すぐ前に居たゴーフォーザサミットを差し切り。

「安田記念へ向けて」まずはマイルがどうなのか、芝で最短は1800m、中山記念で2,4着がある。ただ1800と1600では全くペースが違うし前半800mを45秒台で走った経験などあるはずもない。良馬場ならスピード負けするはずで、ここでは買いにくい。

一応前走の日経賞を見て見ると、メイショウテッコンが逃げてスローバランス、後半ロンスパを最内の中段、直線で前のゴーフォザサミットを差して3着は、持続力の高さを見せた。元々無類の中山巧者で、スローバランスからトップスピードの質を問われないというのはこの馬に最も合う展開だった。持続力とパワーはまだまだ一線級であることを見せたと思う、一線級は言い過ぎかもしれないが・・・。

2019年AJCCでは瞬発力の無さを見せてしまった、4コーナーでシャケトラが動いた時に、すぐ前に居たメートルダールは反応したが、この馬は置かれてしまい結果的にこの反応の悪さの分届かなかった。トップスピードと瞬発力は低いので、不良馬場にでもならないと追走一杯になってしまうはず。2か月半の間隔空けも懸念材料で、休み明けでも走るがGⅠ、しかもマイルのGⅠになれば完璧に仕上げても苦しいからね~。これは不安というか疑念なのですが、何で安田記念なんでしょう?この馬の適性を考えたら宝塚記念の方が良いと思うのですが・・・、8歳になって思うように使えていないのかもしれないし、陣営が手詰まりで思い切った路線変更をしてきたのか。いずれにしてもここにきての奇策では、いい結果が出るとは思えませんね。

<サングレーザー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・内枠から最短コースを通して、追い出しを我慢してのL1バテ差しが勝ちパターン。・休み明けでも走る。

”2018年マイラーズC”では平均バランスを中段から、コーナーで内を回して直線待ってバテ差し1着、この時が5番枠。”2018年安田記念”では平均バランスを中段から、4コーナー外を回して早目に追い出し5着、この時が15番枠。”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、インコースをロスなく回ってL1バテ差し、この時が2番枠。”2018年天皇賞秋”ではスローバランスを中段から、4コーナー外を回して2着まで、この時が9番枠だが12頭立てで内目を回せてロスは最小限、L3からのバテ差しで持続力の高さを見せた。。”2019年大阪杯”ではスローバランスを後方から、4コーナーも外を回して直線伸びず、海外帰りの休み明けで馬体重も+10kgと本調子ではなかった。

「安田記念へ向けて」前走大阪杯は海外帰りの休み明けで良くなかった、休み明けは走る馬だし海外帰りで体調がイマイチだったのでしょう。天皇賞(秋)に行きましょう、キセキがスローバランスで逃げて後半ロンスパ、レイデオロにはL3で一瞬置かれたがジリジリ伸びてキセキをハナ差捉えて2着、心肺機能の高さと持続力を見せた、内枠ならレイデオロともっと僅差だったのではないでしょうか。

札幌記念でハイペースバランスでバテ差し1着、心肺機能の高さを見せたし、バテ差しの持続力も見せている、この時は内枠でロスなく運べたことも良かった。2018年の安田記念は8枠から、終始外を回されてしまい持続力は見せたが5着まで、ここで注意したいのが4着のサトノアレスで、サングレーザーよりも3馬身位後ろから差してきた、ここで明確にトップスピードの質で見劣ってしまった。福永騎手だったが決して溜め差しではなくL3から追い出していたので、トップスピードの質が高くないことは認めた方が良いと思う。

2018年マイラーズCでは平均バランスを中段から、4コーナー上手く内を回して圧勝、この時の2着がモズアスコット、3着が京都巧者のエアスピネルなのでレースレベルは高い。天皇賞(秋)こそ6枠で2着と好走したが、この時は12頭立てでキセキが中緩みを作らなかったために、中段でもコーナーで中目を回せた、それでもL3でレイデオロに一瞬置かれてしまったので、内枠から中段の最内のポジションが欲しい、ペースバランスも平均やハイペースバランスの方が持続力を生かせるので、できればアエロリットのペースだと良いんだけど。ちょっと古いけどデイリー杯2歳Sでスローバランスを先行して、トップスピードの質で見劣っているからね。アエロリットと一緒に買いたい馬かな~。

<ステルヴィオ>・心肺機能はやや低かったが古馬になり上がってきた。

・パワーと瞬発力の両立型。

・トップスピードの質は高い、持続力もある。

・休み明けでも走る。

”2017年朝日杯FS”ではややスローバランスを後方から直線で追い込み2着。”2018年スプリングS”では離れた追走集団の中段やや後ろから、L3からのロンスパに乗りトップスピード持続で競り勝ち1着。”2018年ダービー”では距離が持たずに凡走、休み明け3走目も良くなかった可能性あり。”2018年毎日王冠”ではスローバランスからの5Fロンスパ戦を中段からトップスピード持続で2着まで、この時が休み明け。”2018年マイルCS”ではややスローバランスからL2最速戦を瞬発力を生かして内から差し切り。”2019年中山記念”ではバラケた中段から実質平均バランス、3,4コーナーで外を回して直線は3着まで、ウィンブライトには喰らい付くまでで、ラッキーライラックを差せず。”2019年大阪杯”ではスローバランスを中段やや前から、キセキの直後で直線を迎えたがL1で一杯になり殿負け。

「安田記念へ向けて」まず前走の大阪杯はL1で明確に落としてしまったので、距離の可能性が高いと思う、皐月賞では4着だったが最後方からだったし、心肺機能的に楽だったのかもしれない、ダービーでも直線伸びてはきたけど8着だから、質の高い走りをするにはマイルから1800までだと思う。中山記念では自身スローバランスを長くいい脚を使ってきた、ウィンブライトに対してやや外を回して脚色は見劣らなかったのは立派だと思う。この時は丸山騎手でコース取が甘い、3,4コーナーでウィンブライトを内に閉じ込めるようなコース取なら勝っていたかもしれない。マイルCSでは中段の最内からコースロスなく進めて、L2最速戦に反応して1着だった、外目は伸びない馬場だったので馬場の恩恵はあったが、前に居たアルアインを差し切っているし、後ろに居たペルシアンナイトはしっかり押さえ切った。

ダノンプレイミアムが勝ったサウジアラビアRCはハイペースバランスだが中段の後ろからで自身はスローバランス、これを直線バテ差しでダノンに0.3差まで迫った、この感じからもあまりハイペースバランスは良くないと思う、平均バランスくらいで後方からゆったり入った方が良いのは毎日王冠でも見せたし、マイルCSもややスローバランスでコースロスなく進めたので、ハイペースバランスに巻き込まれない方が良い。中段の後ろ辺りから差してくる競馬ならレーン騎手は上手いから、乗り替りも問題ないはず。

<スマートオーディン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はあまりない。

・トップスピードの質は高く持続力も高いが、掛かりやすく自滅している。

”2016年京都新聞杯”ではスローバランスを後方から、4コーナーから楽に捲って圧勝。この時も掛かっていた。”2019年京都金杯”では平均バランスを後方から、掛かっていたが直線では10着だがしっかり伸びて上がり1番時計。マイル以下なら掛かっても持つかもしれない。”2019年阪急杯”では平均バランスを最後方追走から大外一気の差し切り、短縮で折り合えた。2019年京王杯SCでは0.3のややスローバランスを最後方から、直線大外を回して伸びきれず、上がり最速だが前が止まらない馬場で届かず。

「安田記念へ向けて」近2走でこの馬のレース方針が決まった感じ、後方から折り合い重視で直線届くかどうか。3歳の頃から気性が悪くとにかく掛かる馬、ダービー後は体調が整わず(足元の不安らしい)長期の休養を余儀なくされた。その後はご存知の通り中距離で掛かっては凡走だったが、1400の阪急杯で後方から折り合って追い込みで1着、トップスピードと持続力を見せた。

このことから課題はマイルの流れで折り合えるのかどうか、これはペース次第で阪急杯は800m45.7なので、流れてしまえば折り合えるはず。なので枠はどこでもいい、元々スタート悪いから後方からになるはずなので、他力本願になるが平均以上で流れてくれればチャンスはあると思う。もう一つ馬場も気になる要素で、京王杯SCはほぼ平均バランスだったが、前が止まらなかった、上位の馬は全て中段より前に居た馬で占められて出番が無かった。先週からCコースに替わってダービーも2番手先行のロジャーバローズと、追走集団の前目につけていたダノンキングリーだった、同じような馬場状態なら後方からでは届かないし、無理に中段を取ろうとすれば掛かる可能性が高くなると思うので、余程ハイペースバランスにならない限り厳しいと思う。