2019年鳴尾記念 全頭評価。その2。

<ブラックスピネル>・心肺機能は高くパワーはまぁまぁ、瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

・休み明けは良くなく、使い減りしない。

”2017年京都金杯”ではハイペースバランスを中段やや前の最内から、直線はコースが空くのに待たされてから追い出して2着、この時の1着がエアスピネル56.5㎏、3着がフィエロ57.5㎏で自身は55㎏、斤量と直線待たされたことを考慮すれば高評価、心肺機能と持続力を見せた。”2017年東京新聞杯”ではスローバランスを逃げて押し切り、逃げて上がり32.7なので後方からでは苦しい展開に持ち込めた。”2017年マイラーズC”ではスローバランスを中段から、内・前優位の馬場を上がり最速で追い込んだが4着、中緩みのない4F戦で持続力は見せた。”2019年富士S”ではスローバランスを逃げて押し切り、翌日の1000万条件1800のタイムが1:46.8なので評価はしにくい、2着がトリコロールブルーでレースレベルは評価できない。”2019年小倉大賞典”では離れた追走集団の2番手から実質スローバランス、L3から掴まえに行ったがL1で一杯、この時の2着がタニノフランケルで追走集団の先頭でほぼ同じ位置、1頭分外を回したが持続力で明確に見劣ったがタニノは54㎏、ブラックは57㎏で斤量の分は考慮すべき。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを逃げて0.4差5着、ハンデ戦で57㎏を背負っていたことを考えると好評価、1着のメールドグラースは54㎏だった。

「鳴尾記念へ向けて」2017年の春以降不調が続いたが、今年1月のポルックスSで初ダートを走り12着、これで刺激が入ったのか次走の白富士Sで久々の1着、その後小倉大賞典と新潟記念は斤量が重く7着、5着だがタイム差は少ない。この感じから今年になって復調したと思って良いと思う、ポルックスSから中2週で白富士Sを勝ち、2017年の京都金杯、東京新聞杯も間隔が1か月と間隔空けない方が良いし、使い詰めでもヘコタレナイのは母父アグネスデジタルの性質でしょうね。今回も1か月ほどなので十分好走できる条件です。

今年の好走レースで白富士Sを見て見ると、スローバランスを逃げて押し切った、3F戦になっていて持続力を発揮している、2着はトリコロールブルー、3着アップクオークだし、タイムも良くないのでレースレベルは評価していなかったけど、その後の小倉大賞典、新潟記念で随分と評価は上がった。その小倉大賞典では実質スローバランスを終始タニノフランケルの1頭分外を回されて、ちょっとロスが大きかったし斤量も57㎏でタニノに比べて3㎏も重かった、L1までは踏ん張っていたし、1着のスティッフェリオは直線入り口までブラックの直後で風除けに出来たのは大きい。

もう1レース新潟大賞典ではスローバランスを逃げて5着、このレースは完全な差し決着でトップスピードの質を問われてしまった、まぁそういう展開にしたのはこの馬と言うか鞍上の三浦騎手なんだけどね。それでも1~4着と6着は中段より後ろに居た馬だったし、1着のメールドグラースは54㎏、4着のルックトゥワイスは55㎏なのにこの馬は57㎏だからちょっとかわいそうだった、それでも1着から0.4差だから高評価でしょう。ルックトゥワイスは次走の目黒記念で55kgを背負って圧勝しているから、レースレベルは間違いなく高いと思う。

不安はやはり三浦騎手かな、今年になって三浦騎手が乗るようになり好走しているが、前走のペースがいただけない。この馬はマイラーズCなどで高いトップスピードの質を見せているが、逃げたり先行したりすれば、余程のスローバランスでもなければ高いトップスピードは見せられない、ミルコが乗った時の東京新聞杯みたいな時ですね。新潟大賞典はペースが中途半端で中段よりも後ろの馬が楽をしてしまったんだよね、逃げるならドスローかハイペースか極端なペースの方がこの馬には合うが、三浦騎手だと中途半端なペースになってしまうと思う。タニノフランケル豊騎手にペースを 委ねるとしても、極端なペースにはしないはずなので、三浦騎手がこの馬のペースを作っていくしかない、出来るのか?う~ん・・・これが出来るなら今頃GⅠの3つや4つ勝っているんだよな~。内枠引いてタニノを行かせてしまうと脚を余して負けそう、思い切った騎乗をして欲しいが確信が持てない、という事でメンバー構成と斤量を考えると十分好走の可能性はあるが、イマイチ信用できないんだよな~。

<ブラックバゴ >・バゴの産駒でかなり掛かりやすいので重馬場で。

・休み明けは良くない。・心肺機能はやや低く、パワーは高く瞬発力も高い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はある。

・高速馬場ではスピード負けしてしまう。

”2017年アンドロメダS”では重馬場でしっかり折り合い1着。”2017年五稜郭S”では初コースで刺激が入り良馬場でも折り合って1着。”2016年アメジストS”は重馬場だが休み明けで凡走。”2019年京都記念”ではスローバランスを後方から、中緩みを早目に押し上げるも2番手の外まで、直線は力尽き6着。”2018年中山金杯”ではスローバランスを後方から、L1のバテ差しを上がり最速で僅差の4着まで、この時もやや掛かっていたが後半はロンスパになって折り合えた。”2019年日経賞”ではスローバランスを後方から、後半のロンスパに追走一杯で凡走。”2019年都大路S”ではややスローバランスを出遅れ最後方から、向正面の緩まない位置で押し上げてしまい、4コーナーで一杯になり凡走、高速馬場で緩まなかったしスピード負けしてしまった。

「鳴尾記念へ向けて」バゴの産駒でとにかく掛かりやす、良馬場では枠の内外に関係なく掛かってしまうので、馬群に近づくとテンションが上がるタイプですね。アンドロメダSでは重馬場で折り合えたので、後方から差し切りで持続力を見せた、この時の2着がストロングタイタンなので評価しないといけない、まぁ2㎏貰っていたのでそこは考慮しないといけませんけどね。中山金杯では後半ロンスパで流れたために折り合えたことで、上がり最速で4着、この時の2着が同じ56㎏のウィンブライトで0.1差なので、折り合いさえ付けばこれくらいの能力は持っている。

もう一点気になるのがスピード負けしてしまうところかな、前走高速馬場で後方からになり、向正面の緩まない地点で無駄に押し上げてしまったが、それでも4コーナーで一杯になってしまったので、心肺機能は低いと思うし、持っているスピードも低いのだろう。開幕週で高速馬場になってしまうと苦しいかもしれない、もちろん不良馬場にでもなればチャンス到来ですけどね。

<プラチナムバレット>・心肺機能は低い、パワーはまぁまぁ、瞬発力低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”京都新聞杯”では離れた追走集団の中段からスローバランス、直線外から差し切り、トップスピードの質を見せた。”2018年大阪城S”ではスローバランスを中段から、直線スムースに追ったが3着、道中内に居た1着トリコロールブルーに直線外に出してから差されトップスピードの質で見劣り、2着のグァンチャーレも終始最内に居てコースロスなく進めたし、この2頭は55㎏でこちらは57㎏なのでまぁまぁの評価。”2018年都大路S”ではスローバランスを中段から、直線入り口で他馬と接触して追うのを止めて凡走。”2018年七夕賞”ではハイペースバランスを中段の内目から、3,4コーナーで前の馬に接触して落馬、前走の影響かも。”2018年京都大賞典”では離れた追走集団の先頭でスローバランス、L5辺りでスマートレイアーに並ばれてペースが上がりロンスパ、直線は一杯になり凡走、前走の落馬の影響は有りそう。”2019年メイS”ではスローバランスを中段の前から、直線は走りのバランスが悪くL2で失速して凡走。

「鳴尾記念へ向けて」都大路Sの直線で他馬と接触して以降完全にバランスが狂っている、七夕賞でも軽微な接触で落馬してしまったしその後も良くない。京都大賞典もアンドロメダSも直線で失速してしまい大敗。前走は6カ月ぶりだが直線までは走れていたが、直線ですぐ前に居たのが勝ったダイワギャグニ―で、L2で離されて一杯になり凡走と、全くいいところが無かっただけでなく、直線で右に寄れる仕草も目立ってバランスも悪かった。現状では印を回せないどころか、無事に完走を願う程良く見えない。

<メールドグラース>・心肺機能は不明、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。・ルーラー産駒で休み明け良くない。

”2019年京都1000万条件”では良馬場でもかなり重い馬場を、超スローバランスから3Fになり辛勝、トップスピードの質が低いために苦戦したかも。”2019年尼崎S”ではややスローバランスから、後半ロンスパになり押し切り。”2019年新潟記念”ではスローバランスを中段から、直線スムースに加速して外から伸びて1着、まぁまぁのトップスピードの質と持続力を見せたがこの時は54㎏。

「鳴尾記念へ向けて」今年になって1000万条件から3連勝で一気に重賞馬に、もちろん前走新潟記念は54㎏で斤量の面では恵まれた、レーン騎手も中段からスムースなコース取で完璧だったからね。加えてトップスピードの質もまぁまぁのものを見せたし、持続力は元々高い物を見せていた。尼崎Sでは阪神内回りで56㎏を背負って圧勝しているので、コース適正も問題ない。ルーラー産駒なので疲労の心配も少ないので、総合的に見て1番不安が少ない馬だと思います。

<ユウチェンジ>ここでは無理。

「鳴尾記念へ向けて」2歳時にアイビーS2着があるが、国内では500万条件すら勝っていないし、1000万条件でも4着が最高なので芝の重賞では無理だと思う。

<ヴォ―ガ>ここでは無理。

「鳴尾記念へ向けて」ユウチェンジと同じ厩舎で、フルゲート割れの重賞を見つけるや登録しちゃうのは癖なのかな?

<エイシンレーザー>ここでは無理。

「鳴尾記念へ向けて」この馬も芝はおろかダートでも1000万条件を勝っていない、ここでまともに走るとは思えませんね。

ユウチェンジ、ヴォ―ガ、エイシンレーザーのチャレンジは決して非難する気はありません、こういう現状のレベルを大きく超える挑戦によって、ガラッと変わる可能性は十分ある、もちろん次のレースですが。今回の挑戦をただの記念出走にしないためにも、しっかり仕上げてしっかりとしたレースをして欲しいですね。