2019年CBC賞 全頭評価。その5。

<ラベンダーヴァレイ>・心肺期のはまぁまぁ、パワーもまぁまぁ、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く、持続力も高い。

”2016年チューリップ賞”ではスローバランスを中段やや前から、L2の途中まで追い出しを待ってしまい3着まで。”2016年桜花賞”ではややスローバランスを中段のやや前外から、ここでもL2の途中まで追い出さずに凡走、瞬発力は低い。”2018年フィリピンT”ではハイペースバランスを中段の後ろから、直線は外からスムースに伸びて2着、トップスピードの質と持続力を見せた。”2018年勝浦特別”ではハイペースバランスを中段外から、3,4コーナーで内に入れて直線で前が壁になって脚を余す形、この時がモレイラ騎手。”2018年鳥羽特別”ではハイペースバランスを中段から、4コーナー出口から追い出し外から伸びて1着、トップスピードの質と持続力を見せた、この時もモレイラ騎手。”2019年トリトンS”ではスローバランスを中段から、直線は外からスムースだったが伸びずに凡走。”2019年淀屋橋S”ではほぼ平均バランスを中段から、直線はL2過ぎから追い出して2着。”2019年彦根S”ではスローバランスを中段から、直線はL2過ぎから追い出して4着。”2019年水無月S”ではハイペースバランスを中段やや前から、直線残り300mまで追い出しを待ってしまい逃げ馬を捉えられず2着。

「CBC賞へ向けて」ハッキリした特徴としては瞬発力が低い、中段やや前の先行集団を見る位置からレースを進めることが多く、直線に入った所では「いつでも差し切れる」と錯覚するんだと思う、ところがそこから伸びない。トップスピードに入るまでに時間が掛かってしまうので、差し損じの負けとか後方から勢いをつけてきた馬に差されてしまう。モレイラ騎手が乗った2走を見てみましょう、勝浦特別では中段の外で掛かっていた為、3コーナー付近で内に入れて折り合わせた、L3、L2と11秒台前半で流れて勢いが付いたがL1のバテ差しの所で前が壁になってしまった。続く鳥羽特別でもモレイラ騎手が乗って、中段の外から4コーナー出口から早目に追い出して1着、L3から加速し始めてL2最速の11.1をやや詰めたのでここで10秒台入った可能性はあるし、L1でも11.5くらいは出していて持続力も相当高い。1度乗ってこの特性を理解したモレイラ騎手には脱帽。

不安は騎手で岩田望来騎手、3走乗っているが追い出しが遅い、トリトンSでは外からスムースだったし直線入り口から追い出していたので、伸びない理由が何なのか、内目を通した馬が上位に来ているし、スローバランスだったので中段から外を回しては苦しかったのかも。前走の福永騎手もL2過ぎまで待ってしまったので2着と、どうしても勝ち切れないんだよね。岩田望来騎手が4回目の騎乗でこの辺りを理解しているかどうかは未知数で、大きな不安材料。逆に好材料もあってそれが斤量、小柄な馬なので51㎏は魅力的だし、2カ月の休み明け2走目も期待が持てる。鳥羽特別のようにハイペースバランスになって、中段の外から早目に追い出した時は突き抜ける可能性は十分あると思う。

<レッドアンシェル>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはないが持続力はある。

・外から直線スムースに加速すること、直線進路変更しないことが好走条件。

”アーリントンC”ではほぼ平均バランスを後方から、直線は外からスムースの加速したが、L1でペルシアンナイトの持続力に見劣り2着。”NHKマイルC”では平均バランスを中段のやや後ろから、直線は外からスムースだったがL1で伸びきれずに4着まで。”2017年富士S”ではスローバランスを逃げて4着、L1で明確に落として差される。”2017年リゲルS”ではややスローバランスを内枠から先行して、直線は上手く中目に出してスムースに加速。L3から11.1に入る3F戦を圧勝。”2018年京都金杯”ではハイペースバランスを中段から、L1標識までは伸びが良かったがそこから垂れて3着。”2018年ダービー卿CT”では中段の最内から、直線は狭くなって7着。”2018年垂水S”重馬場ではスローバランスを中段の外から、直線はL1標識まで先頭だったが垂れて3着。”2018年仲秋S”では平均バランスを中段の外から、直線良く伸びたが3着、この時は58㎏だった。”2018年石清水S”ではハイペースバランスを中段から、直線は外からスムースだったが外からタイムトリップに差され2着、この時が4カ月の休み明け。”2019年斑鳩S”ではスローバランスを後方から、L2最速戦の瞬発力勝負にトップスピードの質で見劣り3着、直線の進路変更も良くなかった。”2019年彦根”ではスローバランスを3番手の最内先行、直線は内目からスムースに伸びて圧勝、1200で運動時間が短かったことと、最内からスムースだったことが良かった。

「CBC賞へ向けて」血統的な背景もありずっとマイルを使われてきて成績がイマイチだったが、前走1200で圧勝してきた。マイル戦では差しに回っても逃・先行でもL1で垂れてしまっていたが、1400m以下ではL1までシッカリ伸びている、このことから高い強度では運動時間が限られるタイプだと思う。1400m以下では2-1-2-0と、2歳のもみじS1着も含めて3着以内を外していないのもうなずける。今回も1200mなので距離適正は良い。

トップスピードの質と持続力は高いが瞬発力は低いと思う、これはマンハッタンカフェの産駒によく見られる特徴で、直線は外目からスムースに加速して長くいい脚を使えば非常に強いレースをする、反面直線で前に詰まって進路変更や再加速を問われると厳しくなる、ルージュバックがこのタイプでしたね。気になるのは前走の勝ち方で、福永騎手が最も得意とする最内先行からの溜め差しだった、今回も乗り替わりなく前走のイメージを引き摺って、内に詰まると再加速に手間取り凡走の危険もあると思う。大事に使われていて5歳でまだ14戦、前走が2カ月の間隔空けなので疲労の心配はなし、左回りも東京のマイルで4着が2回と問題なし。重馬場も富士Sで4着とL1まで先頭を走っていたので、十分こなせると思う。内枠に入って中段に閉じ込められるようだと怖いが、重馬場になると馬群もばらけるので不安は少ないと思う。

<コパノディール>心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

・左回りの方が良い。

”2015年朝日FS”では平均バランスを最後方の最内から、直線は中目をジリジリ伸びるバテ差しで上がってきたが、ゴール前で前が壁になり追えずに10着、1着リオンディーズ、2着エアスピネルには離されたが3着のシャドウアプローチとは0.3差。”2016年中京500万条件”ではスローバランスを後方から、L3から追い出して外からスムースだったがトップスピードの質が足りずに3着まで。”2017年新潟500万条件”ではハイペースバランスを中段の後ろから、直線はスムースに外に出して差し切り、ダートでパワーと持続力が生きた感じ。”2018年吾妻小富士賞”ではハイペースバランスを中段の後ろから、直線入り口では口向きが悪く左に傾いていたが、手前を替えてからは伸びて3着、持続力を見せた。”2018年さくらんぼ特別”ではハイペースバランスを後方から、直線は入り口で手前を替えるのに手間取った感じだが、バテ差して4着。”2018年豊栄特別”ではハイペースバランスを後方から、直線外に出すのに手間取ったがバテ差しで0.2差6着。”2018年鳥羽特別”ではハイペースバランスを後方から、直線L1まで馬群に詰まって追い出せずに、上がり最速で0.2差4着まで。”2019年知立特別”ではスローバランスを3番手の最内先行、直線は内目からスムースに加速してL1の持続力で勝ち切る、位置取りショックとスローバランス、持続力が生きた。”2019年駿風S”では中段の後ろから伸びない内を走らされて4着まで、持続力は見せたが馬場に泣かされた。”2019年韋駄天S”では中段の後ろから全く伸びずに凡走、疲労の可能性。

「CBC賞へ向けて」2018年の東小富士賞などで直線入り口で左に傾く仕草が目立っていた、右回りだと直線入り口でなかなか手前を替えないようで、バランスが悪いまま加速していたので、左回りの方が良いと思う。左右の差を比べて見ると、右回りの平均着順が8.05着、左回りの平均着順が5.18着と明らかに左回りの方が良い。直線入り口でスムースに手前を替えられる左回りは、2勝していて中央場所ではこの2勝だけ。中京でも勝っているのでコース適正は良い。

トップスピードが足りないのは再三見せていて、スタートが良くないこともあり後方から届くかどうかの展開待ちになっている。今年の知立特別ではスローバランスを先行して1着、戸崎騎手が内から出して行って上手く流れに乗せた、ややスローバランスの展開も味方して粘り切ったのは持続力の高さ故、元々ハイペースバランスでバテ差し、それもL1でグ~ンっと伸びるように前に迫る脚質だから持続力の高さは相当なもの。

中京の500万条件で重馬場の中、上がり1番時計で3着があるし、2走前の新潟1000直でも重馬場で伸びない内目を走って上がり1番時計4着なので、重馬場適正はあると思う。先行するにしても追い込みに回るにしてもトップスピードの質は低いのである程度流れてくれないと届かない、中京左回りは最高の舞台でトップスピードの質を問われない展開なら好走する可能性は十分あると思う。不安は前走の敗因で、見立て通り使い詰めの疲労によるものなら、中1か月強で回復するのかどうか。テン乗りの騎手も不安材料ですね。