2019年富士S 全頭評価 その3。ただの休み明けじゃないノームコア。

<ストロングタイタン>・心肺機能はやや高く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”2017年小倉大賞典”ではハイペースバランスを中段やや前から、4コーナーで最内を通した時に下がってきたマイネルハニーに塞がれてやや待たされる、直線は持続力で5着まで、心肺機能と持続力は見せた。”2017年マレーシアC”ではスローバランスを離れた追走集団の先頭から、後半ロンスパになり1秒以上前の2頭を直線で掴まえて1着、ストーンウェアにはクビ差まで差し込まれたので、トップスピードの質では見劣ったが、持続力は高い。”2017年小倉記念”ではハイペースバランスを中段の前から、4コーナーで一杯になり凡走。”2017年オクトーバーS”ではスローバランスをやや離れた3番手から、直線中目からスムースだったがマウントロブソンにハナ差交わされ2着、重馬場適性の差だと思う。”2017年アンドロメダS”ではほぼ平均バランスを中段から、直線は中目をスムースに抜け出したが、外から重馬場巧者のブラックバゴに屈して2着。”2017年ディセンバーS”では中段の後ろから、直線は中目でやや狭くなったがトップスピードの質で見劣り凡走。”2018年都大路S”ではややスローバランスを2番手先行、L2まで追い出さずにトップスピードに乗せられず凡走。”2018年鳴尾記念”ではややハイペースバランスを中段から、4コーナー最内を回して直線内を伸びて押し切り、トップスピードの質が問われない展開だった。”2018年宝塚記念”ではややハイペースバランスを3,4番手先行、L2でミッキーロケットの出し抜きに反応できずL1で失速、1F長い感じ。”2018年小倉記念”ではスローバランスを中段から、L3の11.1の地点で反応できずに後退して凡走、休み明け4走目の疲労かも。”2018年中日新聞杯”ではハイペースバランスを中段から、直線は外からスムースだったが、ギベオン、ショウナンバッハのトップスピードの質に見劣り3着まで、この時は休み明け。”2019年中山金杯”ではややスローバランスを中段の前から、L3でステイフーリッシュに捲られて前に入られ、直線は後退して凡走、この時は57㎏。”2019年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや前から、L2で一杯になり凡走、この時は半年ぶり。”2019年小倉記念”ではスローバランスを逃げて殿負け、L1で一杯になっていて心肺機能や距離適正で勝負にならなかった。

「富士Sへ向けて」好材料:初のマイル戦。悪材料:近走の成績の悪さ。

この馬はトップスピードの質が低いので、先行して押し切るかハイペースバランスでの持続力勝負になって台頭する。鳴尾記念ではややハイペースバランスでの押し切りだったし、中日新聞杯ではハイペースバランスを中段から持続力を生かして伸びたが、ギベオンとショウナンバッハにトップスピードの質で明確に見劣った。心肺機能に関してはまぁまぁの物を持っていて、中日新聞杯では中段からになったが自身平均ぐらいでは走っているはず、これを3着まで粘ったのはなかなか。外国産馬だがノーザンファームしがらきで仕上げられるので、休み明けでも走る、中日新聞杯が4カ月ぶりで3着、マレーシアCが5カ月ぶりだからね。七夕賞が6カ月ぶりで凡走しているのは、さすがに間隔が長かった可能性がある。

好材料は初のマイル戦で前走もL1で一杯になっていたので、距離短縮は非常に良いと思う。もちろん初めてのマイルなので道中のペースはかなり速くなるはずで、これに対応できるかどうかは未知数。間隔がやや空いているがこれは好走実績もあるので問題ない。悪材料は近走の成績の悪さで今年になり全て2000m戦だがほぼ殿負け、さすがにここで復活できるかは・・・。

<ダッシングブレイズ>・パワーと瞬発力型で心肺機能に時間制限がある。

トップスピードの質は高く持続力はまぁまぁ。

・軽い高速馬場が得意。・隠れノーザン。

”2017年エプソムC”では高速馬場をドスローから先行して、L3最速で強烈な加速から質の高いトップスピード持続で1着。”2018年小倉大賞典”では休み明けで4着。2000以上では最後まで息が持たずに凡走。”2018年チャレンジC”ではスローバランスを離れた追走集団の後ろから、全く伸びずに凡走。”2019年日経新春杯”ではハイペースバランスを最後方から、3,4コーナー最内を回して先団に取り付いたが、直線伸びずに凡走。”2019年京都記念”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー最内を回して先団に取り付き直線ジリジリ伸びたが7着まで。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、直線外からスムースだったがL1で失速して凡走。”2019年新潟記念”では平均バランスを中段から、直線中目からスムースだったがL2で一杯になり凡走。

「富士Sへ向けて」好材料:休み明け2走目、マイル。悪材料:近走の成績の悪さ。

もともと瞬発力とトップスピードを武器にOP入りしたが、初重賞の東京新聞杯で大事故を起こしてしまった、その後はまぁまぁの成績だったが休み明けの洛陽Sで1着とようやくらしさを見せた。2017年のエプソムCで瞬発力の高さを見せつけたし、持続力もまぁまぁの物を見せた。その後は距離が伸びて良さが出ていない、心肺機能が付いて行かない感じで、スローバランスでも後半失速してしまい凡走が目立った。年齢とともに瞬発力も落ちてきた感じなので、後方からでは苦しいレースが続いている。この馬は外厩がノーザンFしがらきなので休み明けでも不安はない。

好材料は休み明け2走目で、前走よりは上積みが見込めると思う。マイルは得意距離だが、重賞でのマイル戦となると最近の調子から大きな期待はできないかな。悪材料は近走の成績の悪さで、最後に馬券になったのは2年前のエプソムCまで遡らなければならない。最近は長めの距離を使われていたので、マイル戦でどこまで巻き返せるのか不安の方が大きいと思う。

<トミケンキルカス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

・1400がベストでマイルは長い。

”2018年11月東京1000万条件”ではスローバランスを逃げて圧勝、初芝で休み明け2走目。”2018年市川S”ではほぼ平均バランスを2番手から、L1で失速して5着まで、1F長い感じ。”2019年新春S”ではハイペースバランスを2番手から、L3で一杯になり凡走、1F長い。”2019年晩春S”ではややハイペースバランスを逃げ争いをして2番手から、直線粘って3着まで、この時は休み明け。”2019年フリーウェイS”ではスローバランスをやや離して逃げて押し切り、1400の距離適性とスローバランスが良かった。”2019年パラダイスS”ではスローバランスをやや離れた2番手から、直線はトップスピードの質で見劣り5着。”2019年関屋記念”ではややスローバランスを離れた追走集団の前から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。

「富士Sへ向けて」好材料:無し。悪材料:距離。

ずっとダートを使われてきたが昨年秋に芝に転向していきなり1着、この時は1400mで圧勝だった、スローバランスだったが緩まない流れで持続力は見せた、フリーウェイSでも1400でスローバランスを逃げて押し切りで、この時も緩まない流れで持続力見せた。まぁまぁの心肺機能を見せたのが晩春Sで、逃げ争いでハイペースバランスになり後続を離していた、直線では粘って0.3差の3着なのでハイペースバランスでも勝負にはなる。トップスピードの質が低いのはパラダイスSで見せていて、スローバランスを離れた2番手からになり、直線で切れ負けした。適性距離は1400mまでで、ダート戦も含めて3着以内は全て1400m以下。初めての重賞になった2019年関屋記念ではスローバランスを離れた追走集団の前から、当然のようにトップスピードの質で見劣り凡走した。

好材料はない。悪材料はまず距離でこの馬は1400までだと思う。高速馬場はフリーウェイSで勝っているので悪くはないが、1F長いと思う。

<ノームコア>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けは良くない。

”2018年フローラS”ではスローバランスを2番手追走、4F戦に持ち込み粘って3着、この時の1着がサトノワルキューレでトップスピードの質では見劣り。”2019年愛知杯”ではスローバランスを中段やや後ろから、直線伸びたが2着まで、この時が間隔2か月半。”2018年エリ女”ではスローバランスを中段の前から、L2最速戦に反応できずに5着。”2018年紫苑S”ではスローバランスを中段の前から、3F戦を圧勝していてL2で0.5くらいは詰めているので11.0くらいは踏んでいる、一瞬だけいい脚を使うイメージか。”2019年中山牝馬S”ではややスローバランスを中段の後ろから、終始最内を追走して直線でも最内を突いて前が壁、L1だけ追ってバテ差し7着。”2019年ヴィクトリアM”ではハイペースバランスを中段から、直線はスムースに中目に出してしっかり伸びた、ハイペースバランスの消耗戦で持続力を発揮。

「富士Sへ向けて」好材料:コース適正。悪材料:骨折休養明け。

ノーザンファーム生産馬だが競りに出されて個人馬主の所有、デビュー戦は福島で石川騎手と全く期待されていなかった感じだが、そのデビュー戦で能力の片鱗を見せた。前半48.0なので速くはないが前後半で見ると1秒以上のハイペースバランスになっている、これを2頭で競りながら逃げて4コーナーで競り落とし、L3で12.6からバテてしまうかと思わせて、L2で12.2に引き上げてL1も12.2で持続力を見せた、後続には3馬身以上の差をつけて圧勝してる。もちろん相手が弱いんだけど、内容的にはタイム以上に中身があるな~っと感心しました。

勝った愛知杯がスタートで躓いて中段の後ろから、L2から追い出して2着だった、目視だがL2から10.9-11.0くらいは出ているはずでトップスピードも高いじゃんと思ったが、前半1000mが遅過ぎの62.2で超スローバランス、牝馬限定とはいえGⅢのレベルではなかった。翌日の500万条件熱田特別で1:59.8が出る馬場だったことを考えると好評価はできない。2019年ヴィクトリアMが圧巻の内容で、年明け3走目の上積みと母父クロフネの血が覚醒した感じ、ハイペースバランスを中段から進めてスーパーレコードで勝ち切った。これぞフレンチヂュピティの持続力というのをいかんなく発揮してきたし、古馬になって少しずつ適性距離が短くなってきたんだと思う。ベストのマイル戦で最高のパフォーマンスを見せたと思うが、レース後に骨折が判明した。

好材料はコース適正で、ヴィクトリアMでスーパーレコードを出して勝ち切った舞台なので、全く不安はない。悪材料は骨折休養明けでどこまで仕上げているか、ノーザンF生産馬なのであまり心配はないが、ただの休み明けではないのでここは不安ですね。ルメール騎手へ乗り替りですが、テン乗りでもないのでマイナスではないですね。