2019年エリザベス女王杯 全頭評価。その2。ゴージャスランチは騎手強化。

<クロノジェネシス>・バゴ産駒でかなり掛かる、外枠は危険。

・強烈な瞬発力がありトップスピードの質は高く持続力はまぁまぁ。

・心肺機能も高いがハイペースバランスでは割引。

・パワーも有り坂でも加速できる。

”アイビーS”では内枠から中段の前で何とか折り合って直線、コースを取り切るのにやや手間取るが坂から一気に加速して圧勝。”阪神JF”ではスタートで出遅れ最後方から折り合いに専念、4コーナーでダノンファンタジーの外を回された分2着に。”クイーンC”ではスローバランスを外枠から掛かりながら中段から、直線はビーチサンバが来てからL2で追い出し圧勝。”桜花賞”ではスローバランスをインコースの中段から、序盤掛かっていたが中盤で折り合う、直線は前が壁になり外に出してから瞬発力とバテ差しで3着。”オークス”では平均バランスを先行、4F戦になり脚が溜まらず3着まで。”2019年秋華賞”では平均バランスを中段から、稍重で消耗戦になりバテ差し1着、この時が休み明け。

「エリザベス女王へ向けて」好材料:コース適正、休み明け2走目。悪材料:距離。

馬のポテンシャルだけならグランアレグリアを凌ぐ可能性がある、強烈な瞬発力、高いトップスピード、まぁまぁの持続力と非の打ち所がないっように見えて、実は大きな弱点を抱えている、それが気性でとにかく掛かる。アイビーSなんかは内枠で折り合ってから強烈な瞬発力で圧勝している、クイーンCでは外枠で行きたがったがマイルで何とか勝ち切った、この時も掛かっていて上り33.1だがやや物足りない。桜花賞では内枠で直線前が壁になり絶望的な状況だったが、前が開いてからの強烈な瞬発力で3着まで持ってきた、もちろん褒められた騎乗ではなくスムースなら2着はあったはず。オークスも内枠を引けて折り合えたことで3着、ただL2の坂が苦手なカレンブーケドールにやっとこさ並んだだけで、L1では突き放されてしまったので恐らく距離が長かったんだと思う。本質的にはマイルから1800mまでじゃないかな~。ノーザンF生産馬なので休み明けは問題ないと思う、2か月の間隔を空けたクィーンCを圧勝している。

好材料は前走秋華賞を快勝したコース適正で、内回りと外回りの違いがあるが京都コースとは相性が良いと思う。外回りでもL2最速戦になりやすいレースなので、この馬の瞬発力が生きる可能性は高い。休み明けでも走るノーザンF生産馬だが当然2走目で上積みに期待したい。悪材料は距離で2200mは長いと思う、まぁ秋華賞の時も長いと思っていたのをあっさりひっくり返されたので、あまり強く言えないんだけど。秋華賞は稍重で後半は全て12秒台のラップで中段からなので、前半も無理はしていない。そもそもシゲルピンクダイヤが3着に来ちゃう展開なので、距離適正を超えてしまうレース展開だった可能性が滝と思う(←まだ言ってる)。クロフネの血は距離を制限すると思うんだけどね~。

<ゴージャスランチ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”カーネーションC”ではスローバランスを中段のやや前から、直線スムースにジワジワ伸びて1着、持続力の高さを見せたが馬場とペースを考えるとトップスピードの質はまぁまぁ。”ローズS”ではスローバランスを逃げたが、Ⅼ3でカンタービレに捲られて4着まで、休み明けでやや反応が悪かった。”秋華賞”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが、トップスピードの質で明確に見劣り8着。“2019年東京1000万条件”ではスローバランスを2番手先行でやや掛かり気味、持続力は見せたがトップスピードの質で見劣り2着、この時が休み明け。”2019年テレビ山梨杯”ではスローバランスを中段からやや掛かり気味、L2まで前が壁になり待たされてしまいトップスピードの質に入らずに5着まで、瞬発力の低さを見せた。”2019年野島埼特別”ではスローバランスを中段から、L3から捲り追い込みで1着、持続力を見せた。”2019年パールS”ではスローバランスをやや離れた中段から、3,4コーナー最内を回して直線中目からスムースだったが、トップスピードの質で見劣り4着、この時が休み明け4走目で疲労の影響かも。”2019年佐渡S”ではスローバランスを3,4番手先行、3,4コーナー外を回して5F戦になったがトップスピードの質で見劣り2着まで、この時が休み明け。”2019年日本海S”ではスローバランスを逃げて押し切り1着、4F戦に持ち込んで持続力を生かせた。

「エリザベス女王へ向けて」好材料:騎手強化。悪材料:コース適正、休み明け、クラス負けの危険。

未勝利戦で平均バランスを3着しているので心肺機能はまぁまぁだと思う、この時の1着がアル―シャなので悪くはない。スローからのロンスパが得意パターンで、日本海Sや野島埼特別で良いレースを見せた、4F戦くらいに持ち込むことで持続力の高さを生かせるが、テレビ山梨杯で見せたように直線でスムースさを欠くと、瞬発力の低さを見せて再加速に手間取ってしまう。トップスピードの質もまぁまぁのレベルで、秋華賞ではっきりと見劣った、この時はカンタービレにも後ろから差されているので、トップスピードの質で勝負しない方が良い。

好材料は騎手強化で、なんとデットーリ騎手へ乗り替わり、現状最高レベルの騎手の一人で超好材料。悪材料は多く、まずコース適正が良くない、秋華賞だけでなくパールSでも4着とトップスピードの質と瞬発力を問われてしまうと、好走は期待できない。休み明けも良くなく非ノーザンF生産馬なのでどうしても外厩は見劣る、この馬自身休み明けでは勝ち切れないレースが多く、ローズS,1000万条件、佐渡Sと勝てていない。ローカルの条件戦を勝ち上がったばかりで、牝馬限定とはいえいきなりのGⅠではクラス負けのリスクは大きいと思う、今年から降級制度が無くなったことで、夏の上り馬に対する信頼は大きく落ちている。

<サトノガーネット>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く、持続力も高い。

”2018年近江特別”ではスローバランスを後方から、3,4コーナーで外を回して直線はスムースだったが3着まで、軽い高速馬場で前が止まらなかったがトップスピードの質と持続力の高さを見せた。”2018年フォーチュンC”ではスローバランスを最後方の最内から、直線自分から壁に突っ込み凡走、これは度外視。”2019年糺の森特別”ではハイペースバランスを大きく離れた追走集団の中段から、追い出しのタイミングが遅く、直線も狭いところに突っ込み届かず凡走。”2019年オーストラリアT”ではスローバランスを最後方から、ここでも追い出しが遅く前が止まらずに2着まで。”2019年三田特別”ではややハイペースバランスを離れた追走集団の中段から、4コーナーで外に出して直線スムースに伸びて差し切り、持続力を見せた。”2019年五稜郭S”ではスローバランスを中段から、直線は外からスムースに伸びてハナ差1着、2着がすぐ前に居たカリビアンゴールド。”2019年クイーンS”ではスローバランスを後方から、L2で待たされてすぐ前に居たスカーレットカラーに瞬発力で見劣り6着。”2019年府中牝馬S”ではややスローバランスを最後方から、追走一杯で凡走、高速馬場で道中付いて行けなかった。

「エリザベス女王へ向けて」好材料:前半はスローになりやすいレース。悪材料:クラス負けの危険。

ディープ産駒らしく高いトップスピードの質と持続力が武器で、直線で進路変更すると再加速に手間取っているので瞬発力は低い。フォーチュンCと糺の森特別は騎手で負けたレースで馬に責任はない、ここで馬群に詰まってからの瞬発力の無さを見せた。トップスピードと持続力の高さは近江特別やオーストラリアTで見せていて、近2走も外からスムースに差す競馬で良さを見せた、最後方からでは余程前が止まる展開でないと差し切れないことは、オーストラリアT で見せたので、中段からの競馬になっているのは、成績の安定感としては良いことだと思う。初の重賞となったクイーンSでは出遅れてしまい後方から、L2で待たされてしまい瞬発力で見劣った、ただ0.4差の6着と初重賞にしては格好を付けてきたかな、この時は使い詰めだったので、出遅れは精神的な疲労の可能性が高い。

2019年府中牝馬Sでは道中のペースに付いて行けずにレースにならなかった、高速府中で前半から追走一杯になっていたので、このクラスになるとスピード負けしてしまう。2019年三田特別の800m通過が48.7で1着、五稜郭Sの800m通過が49.6で1着、2019年クイーンSの800m通過が48.4で6着、2019年府中牝馬Sの800m通過が46.7で8着。クイーンSは騎手で負けたレースなので度外視したいが、800m通過が速くなってしまうと苦しくなるんだと思う。

好材料はスローになりやすいレースで、過去3年800mは全て49秒台なので、中段を取れればチャンスはありそう。今年もクロコスミアがレースを作れば過去2年と同様のペースになる可能性があるし、ゴージャスランチもハイペースで逃げるタイプではない。悪材料はクラス負けの危険で重賞では好走できていない、クイーンSが瞬発力勝負で負けているだけで、直線スムースなレースではなかったので、全く通用しないとは言い切れない。

コメント

  1. アラシヤマ より:

    デットーリはメルボルンの降着でエリ女乗れなくなりましたねー。。

    • みやや より:

      アラシヤマさん、ありがとうございます。残念ですよね、せっかく世界トップレベルの騎乗が見られると思ったのに。
      幸騎手みたいですね、ちょっと評価は落ちますかね~。
      アクートを物差しにするとセンテリュオよりも上の評価はしにくいですね、休み明けも微妙ですし。