2019年阪神C 全頭評価。その5。

<グランドボヌール>・心肺機能はやや足りない、パワーは有る。

・トップスピードの質は低く持続力タイプ。

・前半34.0が分水嶺でそれ以下では凡走。・左回りの方が良い。

・休み明け良くない。

”トリトンS”ではスローバランスを2番手先行して押し切り、左回り、前半34.9。”淀短距離S”ではハイペースバランスを2番手先行して凡走、前半34.0、右回り。”フリーウェイS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、前半34.0、左回り、休み明け。”2019年安土城S”ではややハイペースバランスを3番手の外から先行、直線は早々に一杯になり凡走、心肺機能の低さを見せた。”2019年CBC賞”では不良馬場の平均バランスを3,4番手先行、L3,L2でトップスピードの質で見劣り流れ込むだけ。”2019年中京記念”では平均バランスを2番手先行、直線入り口で先頭に立ったがL1で一杯になり5着まで。

「阪神Cへ向けて」好材料:・・・。悪材料:休み明け、良馬場、クラス負けの危険。

安土城Sも心肺機能の低さを見せてしまった、前半33.9なのでこの馬の好走できるレンジではない。安土城Sが前半33.9のハイペースバランスで10着、トリトンSが前半34.9のスローバランスで1着、淀短距離Sが前半34.0のハイペースバランスで11着、中京日経賞が前半34.6のスローバランスで1着、三鷹特別が前半33.8のハイペースバランスで10着、神奈川新聞杯が前半35.7のスローバランスで5着だがこの時は休み明け。休み明けと前半34.0以下のスローバランス、これがこの馬の分水嶺ですね。

上記の好走条件なら1200~1400では安定しているどころか勝ち切っているので、思い切って最後方からレースを進めるようだと、自身はスローバランスになるはずで、届くかどうかにはなるがチャンスはありそうだが、ここまではっきりした特性を示しているにも関わらず、今まで後方から進めたことはないので1度試して欲しいけどね。

一点だけ覚えておきたいのは、こういうタイプの馬は重馬場以上に悪化した時に台頭する可能性ですね、この馬は重馬場を走ったことが無いのですが、持っているスピードが芝の短距離では足りないうえに、心肺機能も低いが中京で3勝しているようにパワーは有りそう。馬場が悪化して速いラップを要求されなければ、可能性は少し上がるかもしれませんね。

2019年CBC賞ではその不良馬場の中で3,4番手先行、最内からコースロスが無かったが、L3,L2でトップスピードの質で見劣った。不良馬場の前半34.9は速かった可能性がある、元々心肺機能が低いので平均バランスから、L3、L2でもう一足求められる展開では苦しい。2019年中京記念では稍重で平均バランスを2番手先行、直線入り口で先頭に立ったがL1で一杯になった、この時の前半3Fが35.3で好走条件に合っているがL1で失速しているので1F長かったんだと思う。この感じだと1400mの道悪がベスト条件になりそう。

好材料は無し、悪材料はまず休み明けが良くない点ですね、2018年神奈川新聞杯でも好走条件だったが3番人気で5着と良くなかった。良馬場でこのクラスになると前半3Fは33秒台に入ることも珍しくないので、前半のペース次第ですが不安が大きい。クラス負けの危険も大いにあって重賞では結果が出ていない、今回はハンデ戦でもないし苦しいと思う。

<シュウジ>・心肺期のはやや低い、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2016年函館SS”ではハイペースバランスを最内先行、直線粘って2着、この時の1着が50㎏のソルヴェイグでハナ差、自身は52㎏。”2016年キーンランドC”では平均バランスを逃げて2着、この時が53㎏。”2016年スプリンターズS”ではハイペースバランスを内から先行、逃げたミッキーアイル、先行のソルヴェイグと首-首差の4着、持続力は互角。”2016年阪神C”ではややハイペースバランスを中段の最内から、直線はスムースに外目に出して差し切り、この時は稍重でトップスピードの質を問われていない。”2018年ラピスラズリS”では平均バランスを中段から、直線は外目を回して伸びきれず4着まで、同じ位置から差し切ったダイメイフジにトップスピードで見劣り。”2019年千葉S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線は楽に抜け出して圧勝、初ダートで適性を見せた。”2019年京葉S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線は伸びきれず3着、この時は59㎏。”2019年キーンランドC”ではハイペースバランスを中段から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。

「阪神Cへ向けて」好材料:なし。悪材料:芝替わり。

3歳時にスプリンターズS4着があったが、斤量が55㎏でこの恩恵は大きかった、先行したのもあるがトップスピードの質が高くないので、持続力頼みになるが勝ち身に遅かった。阪神Cではまさにこの持続力が生きた格好で、稍重だったことでトップスピードの質を問われなかった、この時の2着がイスラボニータなのでこれは評価しないといけない。

ここから低迷してしまい凡走を続けてしまう、ラピスラズリSでは同じ位置からレースをした、ダイメイフジに明確にトップスピードで見劣った、トップスピードの質が低い持続力タイプなので前に行けないとどうしても苦しくなる、芝ではなかなか先行出来なくなったことで、ダートに矛先を替えたのが3走前の千葉Sで、いきなり1着と結果を出してきた。勝因はズバリ先行出来たことだろう、ハイペースバランスを先行して圧勝しているので、持続力の高さは健在。次の京葉Sでは先行できたが59㎏を背負って3着まで、さすがに59㎏は重かったと思うのでこの3着も好評価していいと思う。2017年の凡走したレースがいずれも前半33秒台だったことからも、芝でハイペースの中先行してしまうと心肺機能が持たない、かと言って中段以降に控えてもトップスピードの質で見劣ってしまう、ダートはこの2つを上手くカバーできる舞台なのだろう。

好材料はなし、悪材料は芝に替わることで、先行出来ずにトップスピードの質で見劣ってしまう。キーンランドCもボロ負けしているしここでは苦しいはず。

<シヴァージ>・心肺機能は高い、パワーはある、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はいやや低く、持続力もまあまあ。

”テレビ静岡賞”ではややハイペースバランスを3,4番手先行、3,4コーナー外目から進め直線先頭に立ったがゴール前で差されて2着、持続力がやや足りない感じ。”2018年貴船S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線先頭に立ったが差されて2着。”2018年御影S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線は先頭に立ったがゴール前で差されて3着。”2019年播磨S”ではハイペースバランスを中段から、直線は外からスムースにバテ差し2着。”2019年鳴門S”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー外を回して直線外からスムースだったが差し切れずに2着。”2019年立夏S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線スムーズに抜け出し先頭に立ったがゴール前で差され3着。”2019年秋嶺S”では平均バランスを先頭から2、3番手に下げて折り合い、直線入り口で前が壁になってしまい追い出しを待たされ、トップスピードの質と持続力でやや見劣り4着。”2019年神無月S”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の前から 、直線はスムーズに伸びて1着。

「阪神Cへ向けて」好材料:距離適正。悪材料:初芝、クラス負けの危険。

1600万条件を勝ち上がるのに8戦も要してしまったが、 そのうち7戦で3着以内と抜群の安定感を誇る。1400mを中心に使われてきたが良馬場では1F長い感じでゴール前で差されてしまうことが多い、 L2で抜け出してもL1で12秒台の後半までラップを落としてしまうので後ろから差されてしまいどうしても一着が取れなかった。持続力はまあまあという評価しかできない。 播磨Sで中段から差す競馬をして2着になっているが、この時は稍重で前半無理をしなかったことで足が溜まった感じはあった、ただこのレースは1着ファッショニスタに3馬身も離されているのでトップスピードの質を高くは評価できない。

1400ではハイペースバランスで好走しているので心肺機能は高いと思う、東京競馬場でもL1で落としているのでパワー不足で阪神の急坂を落としているのではなく、単に持続力が足りなくなって落としているだけなのでパワーは十分持っている。瞬発力の低さを見せてしまったのが秋嶺Sで直線入り口で前が壁になってしまい抜け出すのに手間取っていた、この時は稍重だったがマイル戦だったので距離も1F長かったかもしれない。

良馬場では1200mが合っていそうだがスタート自体がそれほど速いわけでもなく、先行できなければトップスピードの質に不安があるので、現状では1400mが良いが持続力を誤魔化すためにも道悪の方が良いと思う。この馬は非ノーザンF生産馬だが外厩はノーザンファームしがらきを使う隠れノーザン、なので休み明けは苦にしない。2019年播磨Sが休み明けで2着に好走、2019年秋嶺Sでは4着に敗れているが、この時は直線入り口で前が壁になってしまったので度外視して良いと思う。

好材料は距離適正で1400mはダートで常に好走している距離、ダートではL1持続力がやや足りなくなってしまうが芝ならばそれを補える可能性はある。実際前走は重馬場の中L1で0.2加速して押し切っている。悪材料は初めての芝に替わることで適正があるかどうか全くの未知数、First Samuraiの産駒は芝で好走歴がないので血統的には不安が大きい。 前走3勝クラスを勝ち上がったばかりなので当然クラス負けの危険はあるし、芝のスピードについていけるかどうかも未知数。