2020年高松宮記念 全頭評価。その4。

<ティーハーフ>・心肺機能は低く、パワーはあるが瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力もある。

・重馬場は良くない、休み明けでも走る。

”2019年シルクロードS”ではハイペースバランスを後方から追い込んで3着。”2019年淀短距離S”ではハイペースバランスを後方から追い込んで3着、この時休み明け、59㎏。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段馬群の中から、直線は進路取りに迷ったロスもあり5着まで、中段が取れて内優位の馬場も味方した。”2020年淀単距離S”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線スムースだが伸びずに凡走。”2020年シルクロードS”ではハイペースバランスを中段の後ろから、終始最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年オーシャンS”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。

「高松宮記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:近走の成績の悪さ。

2019年高松宮記念が意外にいいスタートを切って中段から競馬をした、スタートかなり出して行ったが掛かることもなく追走できたのは収穫、直線も進路取りでロスがあった、ミスターメロディーの後ろに決め打ちすれば3着は有ったはずで、かなり惜しいレースだった。元々トップスピードと持続力は高く、209年淀短距離Sでは59㎏を背負わされて3着、シルクロードSではダノンスマッシュの0.2差3着と、9歳にして復活してきた。

好調期と不調期があるような馬で、デビューから2013年の葵Sまでが好調、2013年セントウルSから2014年テレチバ杯迄が不調期、2015年3月1000万条件から2015年キーンランドCまでが好調期、2015年スプリンターズSから2016年京阪杯迄が不調期、2017年高松宮記念から2017年CBC賞までが好調期、2017年オパールSから2018年スプリンターズSまでが不調期、2019年淀単距離Sから好調期に入ったのかもしれない。

2020年になってトップスピードの質に陰りが見えてきた感じで、2020年淀短距離Sでは59㎏と休み明けで凡走、2020年シルクロードSでは休み明け2走目で57㎏、終始最内を回してロスもなく直線もスムースだったが全く伸びなかった。10歳になりさすがに衰えてきた可能性がある。2020年オーシャンSでは後方からスムースだったが伸びずに凡走、年齢的にも限界を迎えていると思う。

好材料は2017年、2019年と好走しているのでコース適性は高い。悪材料は近走の成績の悪さで、淀短距離Sこそ59㎏で可哀想だったが、シルクロードSは57㎏、オーシャンSは56㎏で凡走しているので、9歳で衰えを感じる。

<ナックビーナス>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・トップスピードの質は低く、ハイペースバランスを粘り込むタイプ。

・休み明け3走目以降は疲労で良くない、ただし負けるとリセットする。

・休み明けはまぁまぁ。

”2018年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段のやや前から、直線バテ差しで3着、この時は使い詰めだったが2走前に5着に凡走していた。”2018年函館SS”ではハイペースバランスを先行して3着に粘り込み、この時が休み明け。”2018年キーンランドC”では稍重でハイペースバランスを逃げて1着。”2018年スプリンターズS”稍重ではハイペースバランスを先行して7着、この時が連続好走の3走目。”2019年オーシャンS”ではハイペースバランスを先行して粘り込み、この時が休み明け2走目。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段やや前から、3コーナー入り口でダノンスマッシュに大きく不利を受けてバランス崩す、4コーナーで外を回して直線伸びずに凡走。”2019年キーンランドC”ではハイペースバランスを逃げて5着、この時は海外帰りの休み明け。”2019年ラピスラズリS”ではスローバランスを逃げ、休み明けで58㎏。”2019年タンザナイトS”では平均バランスを逃げて2着、コース適性の差が出た感じ。”2020年オーシャンS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出したが、坂上でダノンスマッシュに差されて2着。

「高松宮記念へ向けて」好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:騎手弱化。

ダイワメジャー産駒で瞬発力やトップスピードの質は低いが、心肺機能と持続力が高く逃げ・先行で押し切ってしまうのが好走パターン。心肺機能はオーシャンSを3年連続で2着に好走していて、全てハイペースバランスを先行しているので、持続力も非常に高い。牝馬にしては大型馬で2019年カーバンクルSでは牡馬相手に58㎏で2着に好走している、斤量負けしないだけでなく坂上ゴールのコースでも好走するパワーも十分ある。

疲れやすく間隔詰めると疲労で凡走することがある。凡走する時は大抵使い詰めか、中1か月以内で疲労が抜けなかった時、2018年高松宮記念で3着に好走したが、タイムも遅くややレベルの低いGⅠだった可能性がある。

この馬は中山コースとの相性が異様に良く、1200mでは3-6-0-1と驚くべき好成績を上げている。着外の1回は7着だった2018年スプリンターズSで、この時は稍重で前半33.0だったのでさすがに速過ぎた。コース形態を見るとスタートから下りが続くコースで、これは中京1200mも似たコース形態、だからなのか2018年の高松宮記念で3着に好走している、2019年はダノンスマッシュの斜行被害で凡走したので度外視していいと思う。2019年タンザナイトSは阪神で2着、これがコース形態の影響だと思う。2020年オーシャンSでは2番手先行、坂ではしっかり粘ったが坂上でダノンスマッシュに差されて2着。

好材料は2018年に3着になっているコース適性で、中京1200mは得意の中山1200mと形態が似ている。もちろん右回り左回りの違いはあるが、スタートから下り坂が続き直線に上り坂というのがこの馬には合うのだと思う。近走も凡走していないし特に前走はダノンスマッシュ相手に0.2差2着と、タワーオブロンドンは内枠と休み明けでピリッとしなかったが寄せ付けなかったのは高評価。この馬は社台F生産馬だが休み明けを苦にしないが、2走目の上積みは期待できる。悪材料は横山典騎手から田辺騎手への乗り替りでハッキリマイナス、ペース認識に不安のあることはフェブラリーSで見せているので、無理なペースで逃げ争いをしたり、スローにもかかわらず動かないなどの危険は大いにある。

<ノームコア>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2018年フローラS”ではスローバランスを2番手追走、4F戦に持ち込み粘って3着、この時の1着がサトノワルキューレでトップスピードの質では見劣り。”2019年愛知杯”ではスローバランスを中段やや後ろから、直線伸びたが2着まで、この時が間隔2か月半。”2018年エリ女”ではスローバランスを中段の前から、L2最速戦に反応できずに5着。”2018年紫苑S”ではスローバランスを中段の前から、3F戦を圧勝していてL2で0.5くらいは詰めているので11.0くらいは踏んでいる、一瞬だけいい脚を使うイメージか。”2019年中山牝馬S”ではややスローバランスを中段の後ろから、終始最内を追走して直線でも最内を突いて前が壁、L1だけ追ってバテ差し7着。”2019年ヴィクトリアM”ではハイペースバランスを中段から、直線はスムースに中目に出してしっかり伸びた、ハイペースバランスの消耗戦で持続力を発揮。”2019年富士S”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースに伸びて差し切り。

「高松宮記念へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:海外帰りの休み明け、初距離、騎手弱化。

ノーザンファーム生産馬だが競りに出されて個人馬主の所有、デビュー戦は福島で石川騎手と全く期待されていなかった感じだが、そのデビュー戦で能力の片鱗を見せた。前半48.0なので速くはないが前後半で見ると1秒以上のハイペースバランスになっている、これを2頭で競りながら逃げて4コーナーで競り落とし、L3で12.6からバテてしまうかと思わせて、L2で12.2に引き上げてL1も12.2で持続力を見せた、後続には3馬身以上の差をつけて圧勝してる。もちろん相手が弱いんだけど、内容的にはタイム以上に中身があるな~っと感心しました。

勝った愛知杯がスタートで躓いて中段の後ろから、L2から追い出して2着だった、目視だがL2から10.9-11.0くらいは出ているはずでトップスピードも高いじゃんと思ったが、前半1000mが遅過ぎの62.2で超スローバランス、牝馬限定とはいえGⅢのレベルではなかった。翌日の500万条件熱田特別で1:59.8が出る馬場だったことを考えると好評価はできない。2019年ヴィクトリアMが圧巻の内容で、年明け3走目の上積みと母父クロフネの血が覚醒した感じ、ハイペースバランスを中段から進めてスーパーレコードで勝ち切った。これぞフレンチヂュピティの持続力というのをいかんなく発揮してきたし、古馬になって少しずつ適性距離が短くなってきたんだと思う。ベストのマイル戦で最高のパフォーマンスを見せたと思うが、レース後に骨折が判明した。

2019年富士Sでは骨折休養明けで稍重、牡馬混合の重賞と結構厳しい条件だったがあっさり勝ち切った、マイルへの高い距離適性を見せたし、骨折の影響も感じさせない走りだった。

好材料は見つけにくい、悪材料は前走が香港マイルで海外帰りの休み明けになること、この馬はノーザンF生産馬で休み明けを苦にしない。ハービンジャー産駒は休み明けが良くない馬が多いが、この馬は休み明けでも富士Sで勝ち切っている。ただし今回は海外帰りという条件がプラスされるし、目標はヴィクトリアMの可能性が高いので、メイチで仕上げてくるかも未知数。距離も1200mは初めてで1400も未経験、エンジンの掛かりが遅い感じがあるので、1200mは忙しいかもしれない。騎手はルメール騎手からの乗り替りなので悪材料、横山典騎手は今季好調だがムラの多い騎手なのでプラスには評価しずらい。