2020年桜花賞 全頭評価。その3。

<スマイルカナ>・心肺機能まぁまぁ、パワーは高い、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”新馬戦”では平均バランスを逃げ切り、タイムは平凡だが持続力は見せた。”赤松賞”ではスローバランスを中段やや前から、かなり掛かっていて自滅。”ひいらぎ賞”ではスローバランスを逃げ切り、先頭に立って折り合う特徴を見せた。”フェアリーS”では平均バランスを逃げ切り、持続力とパワーを見せた。”チューリップ賞”ではややスローバランスを中段の前から、かなり掛かっていて自滅。

「桜花賞へ向けて」好材料:なし。 悪材料:使い詰め。

<心肺機能について>新馬戦はタイム自体平凡だったが、平均バランスでシッカリと押し切っている。フェアリーSの逃げ切りが高評価で、平均バランスで1:34.0で押し切った。この時は決して高速馬場ではなく前日の古馬2勝クラスマイル戦で1:34.4だった。このことから心肺機能はまぁまぁの物を見せている。

<パワーについて>中山での好走があり、逃げて押し切っているのでパワーは高い、ひいらぎ賞でもL1が11.7なので坂を苦にしていない。

<瞬発力について>逃げてしまえばL2で出し抜くだけの瞬発力を持っている、ひいらぎ賞でL3から11.6-11.1、フェアリーSではL3から11.8-11.2なので悪くない。

<トップスピードの質について>明確に見劣ったのが赤松賞で、直線スムースだったが全く伸びなかった、もちろんこの時は逃げられなかったことでかなり掛かっていたので、折り合いが付いた時の末脚は未知数だが。

<持続力について>逃げての押し切りが好走パターンだし、L1での落ち込みも悪くないので持続力は評価していいと思う。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは不安がある、赤松賞は3か月半ぶりで凡走したが、この時は逃げていないので度外視していい。レース振りを見るといわゆる「先頭に立ちたいリーダータイプ」なんだろうと思う、逃げられなかった時にかなり掛かって自滅しているので、怖がらずに逃げた方が好結果が出そう。

好材料はなし、悪材料は使い詰めの疲労で、この馬は疲労に弱いディープインパクト産駒、昨年の11月から中1か月で3走して2カ月挟んで4走目のチューリップ賞で凡走、そこから中1か月なので疲労が抜けているかは、大きな不安材料になる。もう一点不安なのが逃げられるかどうか、この馬は「リーダータイプ」なので逃げてこその馬、当然レシステンシアという強敵が居るのは悪材料。加えて逃げて結果を出してきたが前半33秒台で逃げたことはないので、スピード負けの危険もある。

<チェーンオブラブ>・心肺機能は未知数、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く、持続力はやや低い。

”新馬戦”ではややスローバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”未勝利戦”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”赤松賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。”フェアリーS”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からバテ差し2着。”チューリップ賞”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「桜花賞へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:コース適性、クラス負けの危険。

<心肺機能について>平均バランスやハイペースバランスを走っていないので未知数。

<パワーについて>フェアリーSでL1の坂をものともしないで、グイグイとバテ差して来たので、パワーは十分。

<瞬発力について>未勝利戦でまぁまぁの瞬発力を見せて驚いたが、このレースはスローからのL2最速戦、L3の11.6からL2で11.1に加速するラップを、L2で前と差を詰めてきたので、自身のL2は10秒台に入っていたはず。登坂地点でもあるので瞬発力は評価すべきだと思う。

<トップスピードの質について>これも未勝利戦で自身のL2が10秒台に入っているので高いと思う。

<持続力について>問題は持続力で、現状では高いとは言えない。赤松賞で差し切れなかった理由がこれで、後方から進めたがL4で12秒台に緩んだことで、直線入り口では馬群に取り付けていた、これで先頭を射程圏に入れられたにもかかわらず捉えきれなかった。このレースではレースの上り3Fが33.9とかなり速く、L1も11.5と落していない。これでこの馬はL1の伸びが鈍っていたので、持続力が低い可能性がある。ハーツクライ産駒なので持続力が低いというのは意外だが、フェアリーSでもバテ差しで2着まで来たがL1は12.0も掛かっているので、トップスピードの持続力がやや低い感じはある。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産なので休み明けはやや不安。

好材料はなし、悪材料はコース適性でフェアリーSを見ていると、直線の短いコースの方が良さそう。赤松賞でもL1で鈍った感じだし、前走のチューリップ賞でもL1で後ろから差されている。その前走で阪神JFの上位陣に完敗したので、ここではクラス負けの危険が大きいと思う。

<デアリングタクト>・心肺機能は不明、パワーはは不明、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線前に詰まったが外に出してから差し切り。”エルフィンS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り圧勝。

「桜花賞へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:コース適性。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>現状では不明。

<瞬発力について>新馬戦で直線詰まってから外に出し、L1だけで差し切っている。このレースはL1最速で11.3を踏んでいるので、詰まってからの再加速で瞬発力を見せた。

<トップスピードの質について>新馬戦、フェアリーSともにL1最速戦で11秒前半のラップを踏んでいる、馬場を考えればまぁまぁの物は見せたと思う。

<持続力について>新馬戦、フェアリーSともにL1最速戦になっているので、最後までしっかりとした末脚を使ってきた、特にエルフィンSではややハイペースバランスを中段の後ろから進めたが、捲り追い込みに行って圧勝している。L1では流していたので追えばまだまだ伸びそうだった。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産馬だがエルフィンSが3カ月弱の間隔開けで圧勝している、休み明けを苦にしないのかもしれない。エピファネイアの産駒らしい特性が瞬発力の高さで、新馬戦でも直線で前が詰まってから再加速して、L1最速戦を差し切っている。恐らく自身のL1ラップはレースラップよりも速いはずで、トップスピードの質共々今後に期待が持てる。

好材料は距離適性で新馬戦、エルフィンSとマイルで連勝、新馬戦ではスローバランスを詰まってから差し切り、エルフィンSではややハイペースバランスを後方から、捲り追い込みに行って圧勝と異なる展開で勝ち切っていることも印象が良い。悪材料というか未知数なのが坂への対応で、デビューから京都しか使っていないので、阪神コースを克服できるかどうか。松山騎手は今季好調なので騎手不安はないと思う。

<ナイントゥファイブ>・心肺機能は高い、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

・道悪大好き。

”新馬戦”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線外からスムースだったが凡走。”京都未勝利戦”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースだったが2着まで。”阪神未勝利戦”では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”千両賞”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに4着。”フィリーズレビュー”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回してスムースに抜け出したが3着。

「桜花賞へ向けて」好材料:休み明け走目。 悪材料:距離適性。

<心肺機能について>阪神未勝利戦が平均バランスで押し切り、更に良かったのがフィリーズレビューでハイペースバランスを2番手先行で3着と、心肺機能の高さを見せてきた。

<パワーについて>阪神内回りで好走しているので、パワーは十分高いものを見せている。

<瞬発力について>新馬戦で直線加速できなかったので、瞬発力は期待できない。

<トップスピードの質について>新馬戦がスローバランスを後方から進めたが、直線全く伸びなかったし、次の京都未勝利戦でもスローバランスを後ろから差されているので、トップスピードの質は低い。

<持続力について>フィリーズレビューでハイペースバランスを3着に粘っているので、悪くはないが高く評価できるほどではない。

<その他について>この馬はノーザンF生産馬なので休み明けは苦にしない、フィリーズレビューでも3着に好走している。スクリーンヒーロー産駒なので馬場が悪くなればなるほど期待できる、それがまさにフィリーズレビューの激走だった。

好材料は休み明け2走目、ノーザンF生産馬なので休み明けを苦にしないことから、上積みまでは見込めないが。悪材料は距離適性で、千両賞では展開が向かなかったが、相手を考えると4着は印象が悪い。決定的にトップスピードの質が足りないので、マイルでハイペースバランスを先行してどこまで粘れるかになる。