2020年ダービー 全頭評価。その5。

赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。

<レクセランス>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに差し切り。”福寿草特別”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”すみれS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに差し切り。”皐月賞”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走。

「ダービーへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>すみれSで阪神の急坂をものともしなかったので、高いパワーがあるはず。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>福寿草特別では馬場がかなり重く、上り3F35.0でもまぁまぁだと思う。すみれSでも34.8なので、高いとは言えない。

<持続力について>すみれSが4F戦になっていて、これを3,4コーナー外から捲り追い込みで差し切っているので、持続力はまぁまぁのものを見せた。L1で12.3迄落としているので高いとは言い切れない。

<その他について>皐月賞は初輸送の影響が出たのか全く伸びなかった、内目は馬場が悪かったこともあるがそれにしても負け過ぎ。

好材料は距離適性ですみれSで2200mを勝っている、ただスローバランスの4F戦を差し切っているがL1で12.3迄落としているのは印象が悪い。この日は古馬2勝クラス1800mで1:46.3が出ている、しかもこのレースは稍重ですみれSでは良馬場に回復しているので、高くは評価できない。前走は初輸送だったので、輸送経験がある今回は上積みが見込めるが、ディープ産駒で休み明け3走目で短期間に輸送が2回と、決していい条件ではない。悪材料はクラス負けの危険で、すみれSも内容は高く評価できないし、前走は初輸送もあったが11着と全く勝負にならなかった。

<ワ―ケア>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は高い。

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。

”新馬戦”では稍重でスローバランスを中段から、4コーナー外目を回して直線はL3まで前が壁になったが、L2で10秒台のラップを踏んで圧勝、トップスピードの質と持続力を見せた。”アイビーS”では重馬場でスローバランスを中段から、直線L2標識まで馬の後ろに入れて、L2から外に出して圧勝。”2019年ホープフルS”では平均バランスを中段の後ろから、4コーナー外を回して3着まで。”弥生賞”ではややハイペースバランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。

「ダービーへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:・・・。

新馬戦では稍重だったがL2で10秒台のラップを叩き出して圧勝したし、アイビーSでもL2で10秒台のラップを踏んで圧勝している。どちらもL2標識まで馬の後ろで我慢してから、L2で10秒台のラップを叩き出している、特にアイビーSではL3のレースラップ11.7、これはワ―ケアも仕掛けていないので同じくらいのラップだったはずで、ここからL2で10秒台、恐らく10.5くらいは踏んでいるので瞬発力も高いものを見せたし、L2は登坂区間なのでパワーも高い。しかもL1でも11.2と持続力の高さも見せている。ただし府中の重馬場なので、上がりタイムを見ても額面通りには受け取れない部分も、当日の富士Sでも1:33.0でノームコアの上り3F33.2だからね~。

2019年ホープフルSでは平均バランスを中段の後ろから、スタートで寄られてしまいポジションが後ろになってしまったが、4コーナー外から上がって3着は確保した、持続力とパワーは見せた。弥生賞では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の中段から、自身ややスローだったはずで3,4コーナーは中目を回していたが、外からサトノフラッグに捲られてしまい直線差せずに2着までだった、重馬場でトップスピードの質が問われなかったので、やや消化不良な印象。

この馬はノーザンF生産馬なので当然休み明けでも走るはず、ハーツクライ産駒なので疲労への不安の方が大きい。弥生賞が休み明けで2着に好走している。

好材料はコース適性で、新馬戦、アイビーSと府中で2連勝、特にアイビーSでは重馬場だったが上り3F33.3、L2では10秒台に入っていてL1も11.2だった。府中なので重馬場と言ってもこの上りが出ているので、額面通りには受け取れないが。それでもL2で10秒台を叩き出したトップスピードの質は評価した方が良いと思う。悪材料は特になくホープフルSでコントレイルの3着だが、0.5秒も離されている。2着のヴェルトライゼンデが上手く乗ったとはいえ、0.3秒離されているし、ヴェルトライゼンデがスプリングSでも2着、皐月賞で8着を考えると強気な印は打ちにくい。

<ヴァルコス>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着。”未勝利戦”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。”未勝利戦”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線外に進路変更後にしっかり伸びて差し切り。”セントポーリア賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったがジリジリで4着まで。”ゆきやなぎ賞”では稍重で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線早目先頭から押し切り。”青葉賞”ではスローバランスを中段やや後ろから、向正面で押し上げ中段の前で3,4コーナー外目を回して、直線スムースだったが2着まで。

「ダービーへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:騎手不安。

<心肺機能について>勝ち上がった未勝利戦、稍重だったゆきやなぎ賞で平均バランスを押し切っている、特に未勝利戦では1:47.6と走破時計も優秀。

<パワーについて>阪神の急坂をものともせずに登っている、ゆきやなぎ賞でも早目先頭で後続を寄せ付けなかったので、パワーは十分ある。

<瞬発力について>セントポーリア賞でL4からL3で0.8の加速ラップ、これを外目を回して追走一杯になっている、L2標識では前からやや離されてしまったので、瞬発力で見劣ったんだと思う。

<トップスピードの質について>大きな弱点がトップスピードの質で、11秒台前半のラップは今のところ見せていない。セントポーリア賞のL2は11.2だが、この馬はここで引き離されてしまったので、自身は11.5くらいだと思う。当日は標準やや高速くらいの馬場だったので、この上り3Fは評価できない。

<持続力について>この馬最大の武器が持続力で、勝ち切ったゆきやなぎ賞はL3から11秒台だったが、この時は稍重馬場で平均バランスを押し切っている。さらに驚いたのが青葉賞でこの時はL5から11秒台のロンスパ戦になっている、この馬は三浦騎手が何をトチ狂ったか中段から向正面で上がって行き、これで全体のスイッチが入り11秒台に入る。なのでこの馬自身は5F戦ではなくL6から11秒台に入っていたはず、しかも馬群の外を回してL2から11.5を連発して最終的に、3着のフィリオアレグロを差し返している。2018年アーモンドアイが勝ったジャパンCは8F戦という異様なロンスパで後半1000mを57.2だった、青葉賞は後半1000m57.9なのでこれを外を回して2着に粘った持続力は驚異的だと思う。お父さんノヴェリストがキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで、ハービンジャーが持っていたコースレコードを2秒も縮める5馬身差圧勝、血統的にも中距離の持続力勝負が得意なのだろう。

<その他について>どうも二の足が遅くスタート自体は下手ではないが、中段以降からのレースが多い。特に間隔を空けてしまった時は二の足が遅い傾向がある。

好材料はコース適性で前走青葉賞でかなりの強さを見せた、ゆきやなぎ賞でも2400mを勝ち切っているように、血統的にもこの距離は好材料。悪材料は三浦騎手の継続騎乗で、前走の騎乗はかなり酷かった。中盤12.5に緩んだところでスイッチを入れに行くのは良いと思うが、11秒台に入ったにもかかわらず終始馬群の外を回して、かなり苦しいレースを強いられている。これだけでなくスタートでいつも通り二の足が遅かったが、フィリオアレグロの後ろが取れるにもかかわらず、なぜか内を空けて馬群の中目を回していた。この辺りのレース勘、ペース認識の悪さはこの短期間で治るものではなく、大きな不安材料だと思う。

<ヴェルトライゼンデ>・心肺機能は不明、パワーは不明、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”では重馬場でややスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナーで捲り追い込み行って直線で突き放して圧勝。”萩S”では稍重でスローバランスを中段から、直線入り口でスムースに外に出して押し切り。”2019年ホープフルS”では平均バランスを中段のから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”スプリングS”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着。”皐月賞”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線内目に切り込み凡走。

「ダービーへ向けて」好材料:・・・。 悪材料:クラス負けの不安。

新馬戦では重馬場でスローバランスと特性はあまり見せていないが、萩SではL3で12.2から11.2へ一気に加速している、稍重で前半が遅いので高い評価はできないが、一応トップスピードの質と瞬発力は見せている。これを平均やハイペースバランスでも見せられれば相当強いが・・・。2019年ホープフルSでは平均バランスを中段から進めて2着まで、終始1着コントレイルの後ろから進めてスピード負けしているが、心肺機能と持続力、パワーは見せた。

スプリングSではスローバランスを中段やや前から、向正面でミルコの押し上げに釣られて早目に動いたことで、直線一杯になり2着までだった。この時の鞍上がテン乗り池添騎手だったので、仕方ない面もあるが。皐月賞では中段から進めたが、直線は馬場の悪い内目に切り込んでしまい凡走した。

この馬はノーザンF生産馬なので休み明けは問題ないはず、ドリームジャーニー産駒なので案外使い減りしないかもしれない。

好材料は無し、お兄ちゃんがワールドプレミアなので距離は持つともう。悪材料はクラス負けの危険で、前走皐月賞は8着で全く勝負にならなかったし、スプリングSでもガロアクリークに0.2差つけられている。ホープフルSではコントレイルに0.2差だったが、手応えが全く違ったのでこの着差は額面通りに受け取らない方が良いと思う。