2020年鳴尾記念 全頭評価。その4。

赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。

<ドミナートゥス>・心肺機能は高い、パワーは高い、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”夏木立賞”ではハイペースバランスを離れた追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2018年宮崎特別”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”2018年甲斐時S”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2020年白富士S”では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走、この時が長期休養明け。”2020年福島民報杯”では重馬場でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー外目を回して直線粘って2着。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:騎手強化。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>2020年福島民報杯でハイペースバランスを先行して2着、1着のマイネルサーパスは後方で足を溜めていたので、重馬場の中で先行して2着に粘ったのは心肺機能が高い証拠。この時の3着が中山金杯2着のウィンイクシードなので、高評価でいいと思う。

<パワーについて>阪神の坂でも失速していないし、重馬場の福島民報杯でも2着とパワーの高さを見せた。

<瞬発力について>2018年甲斐時S出は超スローバランスだったが、L3で1.3秒の加速ラップに対応している。この時はさすがにスローペースだったので、まぁまぁの評価でいいと思う。

<トップスピードの質について>2018年甲斐時Sで上り3F32.7を叩き出していてるが、この時は超スローバランス。阪神の500万条件でも超スローバランスでL3、L2が11.1と11.0なのでまぁまぁの評価で良いと思う。夏木立賞でレイエンダにはっきり見劣ったので、高いという評価はできない。

<持続力について>2018年宮崎特別で後半5Fから11秒台を連発して勝ち切っているので、持続力は非常に高い。2020年福島民報杯でもハイペースバランスを先行して粘っているので、持続力は武器になる。

<その他について>この馬はノーザンF生産馬だがルーラーシップの産駒、夏木立賞でレイデオロに大きく見劣ったのは休み明けの影響もあったかもしれない。それでもノーザンFしがらきで工夫して仕上げているので、間隔空けても大きな不安はない。2018年甲斐時S後に剥離骨折で1年3カ月の休養、復帰した2020年白富士Sではさすがに凡走したが、続く福島民報杯で強い2着なので、改めて能力の高さを見せた。

好材料は2カ月弱の間隔で、この馬はルーラ産駒なので間隔空けてしまうとやや不安が出てくる。なので2カ月弱の間隔は好材料で良いと思う。今回は松山君に乗り替わり、前走は吉田隼騎手が重馬場にも拘らずハイペースバランスで先行させてしまった、ペース認識の悪い騎手なので仕方ないが、それでも2着は立派だった。当然松山君なら大幅騎手強化。悪材料はクラス負けの危険で、重賞は初挑戦、前走リステッドで強いレースをしているし、3歳時には絶好調時のレイエンダの2着があるし、前走も中山金杯2着のウィンイクシードを下しているので、大きな不安はないかな。

<パフォーマプロミス>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2018年日経新春杯”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに差し切り。”2018年目黒記念”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2018年宝塚記念”では稍重でややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線伸びずに凡走。”2018年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2018年有馬記念”では稍重で平均バランスをやや離れた追走集団の中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。”2019年京都記念”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線ジリジリで4着。”2019年天皇賞(春)ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:骨折休養明け。

<心肺機能について>2018年宝塚記念でややハイペースバランスを中段の後ろから、自身も平均には入っていたはずで稍重とはいえこれで直線全く伸びなかった。4コーナーではすぐ前に居たワーザーが2着なので、心肺機能はかなり低そう。

<パワーについて>目黒記念とアルゼンチン共和国杯を好走しているようにパワーは高い、このコースは坂の途中からスタートするので、府中だがかなりパワーが要求されるコース、後半もしっかりと伸びているのでパワーは十分にある。

<瞬発力について>2019年天皇賞(春)でフィエールマン、グーローリーヴェイズにL2の加速で明確に見劣った、ここで勝負を決められてしまったので瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>2018年目黒記念でL3,L2が11秒台前半になり僅差だったが3着と差し切れなかった、2019年天皇賞(春)でもL2の11.0で遅れているので、トップスピードの質はまぁまぁ。アルゼンチン共和国杯で差し切っているが、超高速馬場だったし相手がムイトオブリガートとマコトガラハットなので、トップスピードの質は高くは評価できない。

<持続力について>これがこの馬の武器で、L4から11秒台の半ばくらいのラップを連発するのが好走パターン、L4,L3から11秒のラップを連発したのが2018年日経新春杯1着、2018年目黒記念3着、2018年アルゼンチン共和国杯1着、2019年天皇賞(春)3着。L4.L3からのラップで12秒台を踏むような重い馬場だったのが2018年宝塚記念稍重で9着、2018年有馬記念稍重で14着、2019年京都記念4着だった。このことからも11秒台を連発した時の、トップスピード持続力こそがこの馬の武器だと思う。ただし11秒台の前半のラップを踏まされてしまうと、トップスピードの質で見劣ってしまう。

<その他について>この馬はノーザンF生産馬なので休み明けを苦にしない、2018年目黒記念、2018年アルゼンチン共和国杯を休み明けで好走している。2019年天皇賞(春)後に骨折。

好材料はコース適性で阪神内回りは初めてだが、中山内回りのグレイトフルSを勝ち切っている。小回りコースなら11秒台前半のラップを踏まされる心配はないし、良馬場想定なのでL4からは11秒台後半のラップを淡々と踏みそうなののも好材料。悪材料は骨折休養明けで1年2か月ぶり、さすがに休養期間が長くGⅢとはいえいきなり走れるかどうか。

<ブラックスピネル>・心肺機能は高くパワーはまぁまぁ、瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

・休み明けは良くなく、使い減りしない。

”2017年京都金杯”ではハイペースバランスを中段やや前の最内から、直線はコースが空くのに待たされてから追い出して2着、この時の1着がエアスピネル56.5㎏、3着がフィエロ57.5㎏で自身は55㎏、斤量と直線待たされたことを考慮すれば高評価、心肺機能と持続力を見せた。”2017年東京新聞杯”ではスローバランスを逃げて押し切り、逃げて上がり32.7なので後方からでは苦しい展開に持ち込めた。”2017年マイラーズC”ではスローバランスを中段から、内・前優位の馬場を上がり最速で追い込んだが4着、中緩みのない4F戦で持続力は見せた。”2019年富士S”ではスローバランスを逃げて押し切り、翌日の1000万条件1800のタイムが1:46.8なので評価はしにくい、2着がトリコロールブルーでレースレベルは評価できない。”2019年小倉大賞典”では離れた追走集団の2番手から実質スローバランス、L3から掴まえに行ったがL1で一杯、この時の2着がタニノフランケルで追走集団の先頭でほぼ同じ位置、1頭分外を回したが持続力で明確に見劣ったがタニノは54㎏、ブラックは57㎏で斤量の分は考慮すべき。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを逃げて0.4差5着、ハンデ戦で57㎏を背負っていたことを考えると好評価、1着のメールドグラースは54㎏だった。”2019年鳴尾記念”ではスローバランスを逃げて2着、持続力を生かせた。”2019年七夕賞”では稍重でハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、L3で一杯になり凡走。”2018年新潟記念”では平均バランスを逃げて4着、 先行勢の中では54㎏のジナンボーには先着されたが、こちらは57kgだったし他の先行馬は下位に沈んでいるので高評価。 ”2019年チャレンジC”ではスローバランスを中段のやや前から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2020年中山金杯”ではややスローバランスを逃げて凡走。”2020年新潟大賞典”ではややスローバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時が去勢明け。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:体調。

2017年の春以降不調が続いたが、2019年1月のポルックスSで初ダートを走り12着、これで刺激が入ったのか次走の白富士Sで久々の1着、その後2019年小倉大賞典と2019年新潟記念は斤量が重く7着、5着だがタイム差は少ない。この感じから2019年になって復調したと思って良いと思う、ポルックスSから中2週で白富士Sを勝ち、2017年の京都金杯、2017年東京新聞杯も間隔が1か月と間隔空けない方が良いし、使い詰めでもヘコタレナイのは母父アグネスデジタルの性質でしょうね。好走したレースで2019年白富士Sを見て見ると、スローバランスを逃げて押し切った、3F戦になっていて持続力を発揮している、2着はトリコロールブルー、3着アップクオークだし、タイムも良くないのでレースレベルは評価していなかったけど、その後の小倉大賞典、2019年新潟記念で随分と評価は上がった。その2019年小倉大賞典では実質スローバランスを終始タニノフランケルの1頭分外を回されて、ちょっとロスが大きかったし斤量も57㎏でタニノに比べて3㎏も重かった、L1までは踏ん張っていたし、1着のスティッフェリオは直線入り口までブラックスピネルの直後で風除けに出来たのは大きい。

もう1レース2019年新潟大賞典ではスローバランスを逃げて5着、このレースは完全な差し決着でトップスピードの質を問われてしまった、まぁそういう展開にしたのはこの馬と言うか鞍上の三浦騎手なんだけどね。それでも1~4着と6着は中段より後ろに居た馬だったし、1着のメールドグラースは54㎏、4着のルックトゥワイスは55㎏なのにこの馬は57㎏だからちょっとかわいそうだった、それでも1着から0.4差だから高評価でしょう。ルックトゥワイスは次走の目黒記念で55kgを背負って圧勝しているから、レースレベルは間違いなく高いと思う。

2019年新潟記念では平均バランスを逃げて4着、この時の1着がユーキャンスマイルなので高評価でいいと思う。2着ジナンボーが先行していて唯一好走しているが54 kgだったことでかなり恵まれていた。2019年チャレンジCではスミヨン騎手が自分の型に嵌めてしまい中段やや前から進めて、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。2020年中山金杯ではスローバランスで逃げたが、後半5Fのロンスパに持ち込んでしまい凡走した、誰も来ていないのに自分から苦手なロンスパに持ち込む謎騎乗だった。ここで去勢して、続く2020年新潟大賞典では中段の前から進めて、直線切れ負け。ここでも後半4Fのロンスパになっているので、使える脚が短いんだよね。もちろん去勢の影響もあったはず。

好材料はコース適性で昨年のこのレース2着、1着メールドグラースとは0.2差なので好材料で良いと思う。使える足が短くギリギリ4F戦までなので、小回りコースで速いラップを要求されないことも含めて相性は良いコースだと思う。今回は松若騎手に乗り替わり、手が合うのか8回コンビを組んで全て4着以内なので、これも好材料で良いと思う。悪材料は去勢明け2走目でどこまで体調が戻っているか、前走が見せ場なく負けているだけに大きな期待はしにくいが、体調万全なら怖い存在。