2021年天皇賞(春) 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ディアスティマ>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。 

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
青葉賞 18着 スローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して4コーナーで一杯になり凡走。
1勝クラス 1着 ハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
本栖湖特別 2着 スローバランスを逃げて2着。
グッドラックH 1着 スローバランスを逃げ切り圧勝。
松籟S 1着 平均バランスを逃げて快勝。
総評
1勝クラスではハイペースバランスを中段の前からで、自身もハイペースバランスに入っていたはずで、心肺機能と持続力を見せた。本栖湖特別ではスローバランスで逃げて2着、トップスピードの質で見劣った。グッドラックHではスローバランスで逃げて、L5から12秒台前半を連発して圧勝、L2で出し抜いているのでまぁまぁの瞬発力と、L1で差を広げたパワーと持続力も見せた。松籟SでもL2で出し抜いているので瞬発力は見せたし、このレースはL6から11秒台に入る超ロンスパ戦なので持続力の高さも相当なもの。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はコース適性で前走同コースの松籟Sを快勝、距離を伸ばしながらパフォーマンスを上げている。ノーザンF生産馬なので2カ月強の間隔も問題なし。悪材料はクラス負けの危険で、前走条件戦を勝ち上がったばかり、その松籟Sで0.7差4着だったシロニイが、阪神大賞典で1.6差4着だったので、馬場状態を考えてもどこまで通用するかは未知数。ただしこの馬はディープインパクト産駒なので、格上げ戦では期待が出来る。

適性:松

<ディバインフォース>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
菊花賞 4着 スローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが4着まで。
中山2勝クラス 2着 スローバランスをやや離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着まで。
グッドラックH 6着 スローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが6着まで。
阪神2勝クラス 2着 スローバランスを少頭数でバラケタ後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。
淡路特別 1着 ハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。
サンシャインS 3着 稍重でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。
総評
菊花賞では後方から、4コーナーから直線入り口でかなり外を回してしまい大きく距離ロス、これでヴェロックスと0.1差の4着なので距離ロスがなければ3着はあったはず、長距離適性を見せた。中山2勝クラスでは後方から直線追い込んだが2着、キレッキレのトップスピードの質がない事を見せた。グッドラックHではポツンから捲り追い込みに行ったが6着まで、L4で11.7が出ているので捲りは苦しかったはず。阪神2勝クラスでは4コーナーですぐ前に居たアドマイヤポラリスに大きく見劣り、L2で一気に引き離されたので瞬発力の低さ、トップスピードの質で見劣り。淡路特別ではハイペースバランスを大きく離れた後方から、バテ差しが決まり1着だったので持続力は見せた。サンシャインSでは道中すぐ前に居たアドマイヤポラリスに1馬身半差の3着、4コーナーで大外を回されて距離ロスをし多分が大きかったが、L1までしっかりだったのでパワーと持続力は見せた。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は距離適性で、2019年になるが菊花賞で0.3差4着がある、近走を見ても距離が長い方がレース内容が良いので、長距離戦は合うはず。悪材料はクラス負けの危険で、3勝クラスをクリアしていない、アドマイヤポラリスにはっきり見劣っているし、初めての古馬GⅠで通用するかどうかは大きな不安材料。

適性:竹

<ナムラドノヴァン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは低い、瞬発力はやや低い。 

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
六社S 15着 稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。L2の11.8ですぐ前に居たサトノラディウスに引き離されたので、坂での加速が苦手かもしれない。
岸和田S 6着 平均バランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走。中緩みの無い展開で11秒半ばを連発されてバテ差せなかった。
グレイトフルS 6着 スローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。3コーナーから押し上げたが、L2の11.4で差を詰められずに届かなかったので、トップスピードの質が低いことを見せた。
2021年万葉S 1着 ややスローバランスを中段の後ろから、向正面で中段に上がり3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。L2の坂て前で前段に取り付いたが、坂では加速できていない。坂上で突き放しているがこの時は51㎏の軽ハンデだったので、額面通りには受け取れない。
2021年ダイヤモンドS 4着 スローバランスを中段やや後ろから、中段の後ろまで下げて3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。坂で伸びが鈍っている。
2021年阪神大賞典 3着 重馬場でややスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて3着。
総評
トップスピードの質が低いバテ差しタイプで、スタートが遅いために前に行けない。新潟の未勝利戦で平均バランスを先行して3着しているので、心肺機能はまぁまぁの物を持っているが、スタートを諦めた感じのレースが続いているので、今更前に行く期待は持てない。パワーが足りない感じで坂では前の馬を抜けていない、持続力は持っているので坂上でのバテ差しが持ち味になる。2021年阪神大賞典では超ロンスパになり、重馬場も合ってトップスピードの質が問われず、外目を回したことで3着に届いた。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:良馬場への対応。

好材料は距離適性で、前走の阪神大賞典で2着、万葉S1着と長距離で消耗戦に滅法強い。悪材料は良馬場への対応で、この馬はスピード能力が低いために、トップスピードの質が問われてしまうと苦しくなる。ダイヤモンドSでも11秒台連発のレースラップに対応できなかった。道悪になれば再度の好走もあると思う。

適性:梅

<マカヒキ>・心肺機能特化型で瞬発力は年齢とともに落ちてきた。走りに無駄が無く長距離向き。

・パワーが足りないので坂上ゴールは良くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2017年天皇賞秋”は不良馬場で持続力を問われる展開になり、高い心肺機能で5着に好走。”2017年ジャパンC”では距離が伸びて4着に好走。 ”2018年札幌記念”では稍重馬場で前半からハイペースになり、消耗戦の持続力勝負を外からねじ伏せて2着。”2017年大阪杯、2018年有馬記念”では坂上ゴールで失速。”2019年京都記念”ではスローバランスを中段の後ろから、直線は外からジリジリ伸びて3着まで、L1でバテ差して来たので持続力は見せた。”2019年大阪杯”ではスローバランスを後方の最内から、直線中目に出してⅬ1でバテ差し4着まで、前日の雨で良馬場だが時計が掛かっていたのでトップスピードの質を問われなかった。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを最後方から、直線も伸びずに凡走。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを後方から、ユーキャンスマイルと同じ位置から直線に入ったが、トップスピードの質で見劣り凡走、この時が休み明け。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを最後方から、3,4コーナー最内を回して馬群に取り付き直線半ばで外に出し追い込んだが4着まで。”2020年大阪杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して凡走。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:休み明け。

3年前にダービーを勝ってから3年、GⅠでは掲示板はあるが馬券には絡まないレースが続いている。同じディープ産駒で1歳下のアルアインが大阪杯を勝ち2つ目のGⅠタイトル獲得、ディープ産駒牡馬は2つ目のGⅠ獲得に苦労しているが、アルアインがそれを破ったので、これに続きたいところ。

2019年になって3着、4着と調子を上げているように見えるが、京都記念は相手が弱いし、大阪杯では後方から別のレースをしてのもので好評価をしていいのかどうか・・・。まず京都記念ではスローバランスからL2最速戦、馬場も重くトップスピードのを問われなかった、相手もダンビュライトとステイフーリッシュに負けてしまっていて高評価は出来ない。大阪杯も終始最内の後方からロスなく進めた割には4着までで、4コーナーで外から勝負に行ったブラストワンピースに比べて相当楽をしている。

心肺機能と持続力は元々高いがトップスピードの質は程々、瞬発力は年齢とともに下がってきた感じ。逃げたり先行できればいいのだが、スタートも良くなく中段より後ろからになり届かないというのが現状の評価。道悪で周りが苦しくなった時に台頭したのが、2017年天皇賞(秋)と2018年札幌記念で、心肺機能と持続力が問われるような展開ならばまだまだ好走する可能性はあるが、スタートが悪くなってしまったので展開が向いても届かなくなってしまった。

この馬はノーザンF生産馬の割に休み明けがピリッとしない、2018年の札幌記念こそ2着だったが、この時は稍重でトップスピードの質を問われていないし、この時の3着が休み明けは全く走らない非ノーザンF生産のハービンジャー産駒モズカッチャンだった、これで同タイムだから休み明けは全く評価できない。2019年の宝塚記念も11着とその前の大阪杯4着からは見る影もない着順だった。2019年天皇賞(秋)も直線トップスピードの質で見劣り凡走だった。2019年ジャパンCでは2400mへの延長で心肺機能と持続力が生きて最後方から追い込んで4着、重馬場で消耗戦になったことで最後方から追い込めたことと、道悪適性も見せた。2020年大阪杯では後方から3,4コーナー外目を回して当然のように凡走した、この時が休み明けなのでそれも影響しているはず。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の後方からで、メイン集団はスローバランス、4コーナーで内目を回して直線スムースだったが凡走、この時が休み明け。

好材料はなし、この馬の場合は走っている時の体の使い方に無駄がないので、長距離戦は合うと思う。悪材料は休み明けで、特に良馬場でトップスピードの質が問われると対応できないことが多い。今回は5カ月強の間隔だし、8歳になっての衰えも不安材料。

適性:竹