2021年関屋記念 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<マイスタイル>・心肺機能は高く、パワーもある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

“弥生賞”ではスローバランスを逃げて2着、L2で0.5秒加速する瞬発力と、L1でのパワーと持続力を見せた。”ダービー”ではスローバランスを逃げて4着、L2で0.6の加速ラップを踏んでいて、これはレイデオロと互角の瞬発力、L1では持続力の差で落としたが4着は立派。”2018年福島民報杯”ではハイペースバランスを後続を離して2番手先行、L2最速だが消耗戦気味になり持続力を生かして2着。”2018年新潟大賞典”ではスローバランスを中段から、直線外からスムースだったがトップスピードの質で見劣り6着。”2018年洞爺湖特別”ではややスローバランスを逃げて圧勝、L2で0.5の加速をして出し抜き後続に差を付けた。”2018年五稜郭S”ではややスローバランスを逃げて圧勝、L2で0.6の加速ラップを踏み出し抜き、2着スティッフェリオ、3着ドレッドノータスには決定的な差を付けた。”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを4番手で先行、L4でペースが上がったところを外から捲って凡走。”2018年福島記念”ではハイペースバランスを2頭で離して逃げ体勢から、L3で一旦息を入れてL2で出し抜きに掛かるも思ったほど伸びずに2着。”2018年中日新聞杯”ではハイペースバランスを後続を離して逃げて凡走、ペースが速過ぎて自滅。”2019年京都金杯”では平均バランスを3,4番手先行、L2で自身0.7位の瞬発力を見せて内から抜けてきたグァンチャーレを振り切って2着、1着パクスアメリカーナにはトップスピードの質と持続力で見劣り。”2019年小倉大賞典”ではほぼ平均バランスを離れた追走集団の中段から、追走集団もL5から11秒台に入ったことで、息が持たずに凡走。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段やや前から、消耗戦になり馬場の良い外から粘って3着、トップスピードの質を問われなかった。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを3,4番手先行、4コーナーで前が下がってきて大きく不利を受け凡走。”2019年函館記念”では平均バランスを逃げ切り、L2最速戦で得意の展開に持ち込めた。”2019年スワンS”ではほぼ平均バランスを中段から、直線入り口で瞬発力を生かして抜け出したがゴール前差されて3着、この時が休み明け。”2019年マイルCS”ではスローバランスを逃げて4着、スローに落としたうえに直線も上がりの掛かる馬場でトップスピードの質を問われなかった。”2019年阪神C”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが外目に出したこともあり伸びず、この時が休み明け3走目。”2020年阪急杯”ではややハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線L1手前で一杯になり凡走。”2020年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線入り口で一杯になり凡走。”2021年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを逃げて4着。”2021年新潟大賞典”ではハイペースバランスを逃げて凡走。

「関屋記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

改めてこの馬のレースを見直してみて驚いたのが、スローバランスからのL2で見せる瞬発力。これを見せたのが弥生賞、ダービー、洞爺湖特別、五稜郭S、京都金杯でいずれも好走している。この馬は意外に脚質と言うか能力の幅が広い馬で、トップスピードが低い以外は結構まとまったポテンシャルを持っている。心肺機能の高さはダービー卿CTや京都金杯で見せているし、持続力の高さは上記のレースで見せている。キタサンブラックを弱くしたような馬と言う印象で、特にスローペースからのL2で出し抜く様はよく似ているし、キタサンブラックが不良馬場の天皇賞秋で見せた心肺機能と持続力の高さも、レベルの差こそあれ持っている、豊騎手が乗ったら重賞の1つや2つ勝ちそうな気がする。

中日新聞杯では完全にオーバーペースで自滅している、その前の福島記念が高速馬場のなかハイペースバランスで2着なので、同じイメージで乗ったんだと思う。つまり馬場読みが出来ていないんだよね、小倉大賞典でもサイモンラムセスが3着に残っているので、あのペースで正解なんだけど、何を考えているのか中段に控えてL5から11秒台に入るロンスパで凡走したからね。そうそうロンスパで凡走する辺りもキタサンブラックと似ていますね、宝塚記念でミルコに追い出しを掛けられて、ロンスパになって凡走したのを思い出した。

2019年函館記念を快勝したが、平均バランスを離した逃げに持ち込んでL2最速戦という、勝ってくださいのレース展開だった。もちろんこんな展開はめったにない。2019年マイルCSではスローバランスをマイペースの逃げで4着、良馬場だが重い馬場でトップスピードの質を問われなかった。非ノーザンF生産馬だが休み明けでもまぁまぁ、この辺りは逃げ馬らしい部分。2018年福島民報杯2着、2018年福島記念2着、2019年スワンS3着と下級条件から上級条件でも力を出せる。2019年巴賞は中段からになり直線で詰まってレースにならなかったので度外視。2019年マイルCSでは逃げてスローバランスに落としたことで4着に粘った、他に行く馬がいなかったので自分の形に持ち込めたことが大きかった。 2019年阪神Cでは平均バランスを中段やや前から、直線中目から外目を通したこともあり伸びず、この時が休み明け3走目だったので疲労の影響もあったはず。2020年阪急杯ではややハイペースバランスを2,3番手先行、心肺機能で見劣り凡走した。

2020年ダービー卿CTではスタートで遅れてしまい初手は後方、ここから3番手付近まで上がって先行したが、このリカバリーで相当消耗したようで、直線入り口で一杯になってしまった。2021年ダービー卿CTではスタート決めて逃げ体勢、4着だったが上位3頭は全て自身よりも軽かったので高評価で良いと思う。2021年新潟大賞典では2F目で10.6なので、前半で消耗した感じ。

好材料は距離適性でマイルは好走多数、マイルCSでも4着がある程なのでこのクラスならクラス負けの危険もないと思う。横山典騎手の継続騎乗は当然好材料で、緩めることなく平均バランス以上には引き上げるはず。悪材料は特になく、休み明けでも走ることは再三見せているし、斤量も56㎏ならばプラス材料になる。

適性:松

<ミラアイトーン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

”2019年鞍馬S”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線入り口でやや待たされてから伸びて差し切り。”2019年北九州記念”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。”2019年オパールS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線早々に諦めて凡走。”2019年タンザナイトS”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年北九州短距離S”では重馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年谷川岳S”ではスローバランスを逃げて3着。”2020年米子S”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年巴賞”ではスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー最内を回して直線やや狭くなって2着。”2020年関屋記念では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。”2020年キャピタルS”では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年ニューイヤーS”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年谷川岳S”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年エプソムC”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「関屋記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>1200mでもハイペースバランスは良くなくて、条件戦では紫川特別を勝っているが小倉で1分8秒台だし、上り3Fも34.2とかなり苦しかったはず。OPに上がってからもハイペースバランスのレースでは苦しんでいる。自身が平均バランスくらいでは後半が苦しくなってしまう。2019年タンザナイトSで平均バランスを中段やや後ろからで、自身ややスローまで入っていたはず、これで全く伸びなかったので心肺機能は低いと言わざるおえない。2020年関屋記念でややハイ気味の平均バランスを先行、0.4差5着だがこの時は良馬場でも前夜の雨でかなり重かった、これで差し勢の末脚が削がれているので、パンパンの良馬場で同じことが出来るかは未知数。2020年キャピタルSでは平均バランスを2番手先行で、自身も平均に入っていたが僅差の3着に好走しているので、まぁまぁの心肺機能を見せた。

<パワーについて>条件戦だが淀屋橋Sで阪神の坂を克服しているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>2020年巴賞ではスローバランスを先行、直線狭くなってからの伸びがイマイチで2着までだったので、待たされてからの再加速は出来ていない。

<トップスピードの質について>1200mで差し切るレースが結構あるが、決してキレキッレのトップスピードの質があるわけではなく、どちらかと言うとバテ差しタイプ。2021年ニューイヤーSが平均バランスからL2最速11.2、これに外から対応しているのでまぁまぁの瞬発力を見せた。2021年谷川岳Sでは2番手先行から、L2の10.9ですぐ前に居たシュリに引き離されてしまったので、トップスピードの質が高くないことを見せた。2021年エプソムCではスタート出遅れて後方から、直線入り口では2着サトノフラッグのすぐ横だったので、トップスピードの質で見劣った。

<持続力について>前半がスローであることが条件になるが、後半の5F戦にも対応できることは2020年巴賞で見せている、この時はかなりのスローバランスだったので、レースレベルには疑問符が付くが、後半5Fから11秒台を連発出来た持続力は評価すべきだと思う。2020年谷川岳Sでもスローバランスにも拘わらず、後続をやや離して逃げられたことで3着に粘った。2021年谷川岳Sではスローバランスを2番手先行、L2で外からトラインに並ばれたがL1で競り落としたので持続力は見せた。

<その他について>ノーザンF生産馬なので休み明けでも走ることは再三見せていて、2020年谷川岳Sが3カ月弱、紫川特別は半年ぶりで勝ち切っている。

好材料はコース適性で、同コースの谷川岳Sで2年連続で3着、昨年のこのレースも0.2差5着。悪材料はクラス負けの危険で、昨年のこのレースが0.2差だが5着、重賞では前走出遅れもあって結果を出していない。今年の谷川岳SはL1が12.5迄減速しているので、レースレベルを考えると馬券内は苦しいかも。

適性:竹

<ラセット>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力は低い。  

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

レース名 着順          内容
2020年安土城S 8着 平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず8着。
2020年米子S 2着 ややスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜けて2着。
2020年中京記念 2着 ハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて2着。
2020年京成杯AH 13着 平均バランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2020年ポートアイランドS 3着 ハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。
2020年リゲルS 8着 スローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年京都金杯 13着 ややスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年六甲S 2着 稍重で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線待たされてから伸びて2着。
2021年マイラーズC 11着 ”2021年マイラーズC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー内目を回して直線やや狭くなったが伸びずに凡走。
2021年米子S 8着 重馬場でややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回してL3でブレーキ、直線でも狭くなって凡走。騎手の能力不足が出ている。
総評
安土城Sでは平均バランスを中段のやや前からで、直線スムースだったが伸びなかったのは心肺機能が問われたためだと思う。2020年米子Sではややスローバランスだが後半5Fのロンスパになり、後方からバテ差しが届いた、持続力は見せたがトップスピードの質は高いとは言えない。2020年中京記念では後方から、直線バテ差しで2着。2020年京成杯AHでは前残りで届かず凡走。2020年ポートアイランドSでは直線で一旦2着に上がったが、ゴール前で差されて3着、持続力で見劣った感じ。2020年ポートアイランドSでもL1標識まで伸びたが、ゴール前で失速して凡走したので持続力にやや疑問符が付いた。2021年京都金杯では中段やや後ろから伸びずに凡走、左回りが良くなかった感じ。2021年六甲Sでは直線待たされてからバテ差し2着、この時はL1まで追い出せなかったのでゴール前までしっかり伸びた。2021年米子SではL3でブレーキ、ここからの再加速に手間取り直線で狭くなった、瞬発力の低さは仕方ないが騎手の判断能力が足を引っ張っている。

「関屋記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:騎手不安。

好材料は距離適性で、マイルは好走多数で好相性。近2走はスムースさを欠いていたので、度外視して良いと思う。中京記念2着があるのでクラス負けの危険は少ないはずだし、2カ月の間隔も六甲Sで2着があるので問題なし。トップスピードの質は高いものを見せているので、初めての新潟でも対応できるかもしれない。悪材料は騎手不安で、近2走の凡走は騎手が原因、誰が乗るか分からないがここが最大の不安材料ですね。ただ新潟は最後の直線で外に広がる傾向があるので、詰まる可能性は少ないかも。

適性:松

<ロータスランド>・心肺機能はやや高い、パワーはある、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

”新馬戦”ではスローバランスを2番手先行、L2から追い出して押し切り。”もみじS”では不良馬場でややハイペースバランスを2,3番手先行、直線L2から追い出して2着、外から勢いを付けてきたラウダシオンにトップスピードの質で見劣った。”2019年阪神JF”ではハイペースバランスを2番手先行、直線入り口で一杯になり凡走。”2021年2月1勝クラス”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。”2021年3月1勝クラス”では稍重でややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。”2021年須磨特別”では稍重でスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。”2021年米子S”では重馬場でややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。”2021年中京記念(小倉)”ではスローバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。

「関屋記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:コース適性、クラス負けの危険。

サンプルが少なく不明な点が多いが、それも2戦とも福永競馬をしているので持続力が高いのかどうかが分からないんだよね~。もみじSで不良馬場をややハイペースバランスで先行して2着だから、持続力は高そうだけど上がり3Fが36.0ではなんとも・・・。血統的には父系も母系もアメリカ型なので、ダートや芝でも短距離で良さが出そうだけど、これもやってみないと分からない。2019年阪神JFではハイペースバランスを2番手先行、直線入り口で一杯になっているのでこの距離では心肺機能が持たないと思う、1200で見直しかも。

2021年2月阪神1勝クラスではスタート良かったが下げて中段から、直線ではL2で逃げ馬に引き離されたが、L1でジリジリ伸びてきたので、パワーと持続力を見せた。2021年3月1勝クラス稍重でトップスピードの質が問われず、パワーと持続力で快勝した。この時は中段の前から進めたことも良かったはず。須磨特別では稍重だったが高速馬場、2番手先行から3F戦を抜け出し下り坂を利用してトップスピードの質を誤魔化せた。2021年米子Sでは重馬場でややハイペースバランス、自身は平均くらいで心肺機能の高さを見せたし、持続力とパワーも見せた。2021年中京記念(小倉)で弱点を曝け出してしまった、この開催の小倉は異様な高速馬場で、スローバランスを容認した騎手のペース認識の悪さに足を引っ張られた。これでL4から11秒台の半ばを連発する展開になり、トップスピードの質で見劣った。特に下り坂がなかったことでスピード負けした格好で、L1でもバテていないので距離適性は1800mまで持つはず。

好材料は距離適性で、マイルは好走多数で1800mでも問題ない事は前走で見せた。悪材料はコース適性で、3歳時に早苗賞で新潟1800mを走っているが、バビットの2番手先行で差せずに2着、スローからの4F戦でⅬ1が12.2迄落しているので、持続力で若干見劣った感じ。下り坂がないのでトップスピードの質は誤魔化せないし、中緩みがないと持続力で若干見劣る可能性もある。クラス負けの危険は前走見せていて、適性の幅が狭いので自分の形に持ち込めないと脆い。米子Sの3着のクラヴァシュドールがクイーンS5着だったので、このクラスでは苦しいかも。

適性:竹