2021年スプリンターズS 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ダイメイフジ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・間隔空けると良くないが使い減りしない。・1200がベスト。

”2018年ラピスラズリS”では平均バランスを中段のインから、直線ではL2最速戦になりトップスピードの質を生かして差し切り。”2018年安土城S”ではスローバランスを中段の後ろから、直線はL2最速戦で外に出して瞬発力とトップスピードを生かして差し切り、この時の2着がモズアスコット。”2019年阪急杯”では体重が減らずに凡走、1400も良くない。”2019年オーシャンS”ではハイペースバランスを中段から、バテ差しで3着、連闘で馬体がやや絞れた。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段の後ろから、伸びない外を回して凡走、このクラスでは苦しい。”2019年京王杯SCでは0.3のややスローバランスを2番手先行、直線L1標識まで先頭列で粘っていたが、その後に明確に垂れて10着、1F長い。”2019年函館SS”ではほぼ平均バランスを3番手先行、L2でカイザーメランジェに瞬発力で見劣り、直線はトップスピードの質で見劣り4着。”2019年UHB賞”ではハイペースバランスを3,4番手から、直線はやや前に詰まったがジリジリ伸びて3着、1着リナーテにはトップスピードの質で見劣り、この時+10㎏。”2019年オーロカップ”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線ややバランスが悪く、ジリジリで7着まで、この時マイナス16㎏。”2019年京阪杯”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが早々に一杯になり凡走。”2020年大和S”では重馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年名鉄杯”では稍重で平均バランスを逃げて圧勝。”2020年オアシスS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、L1手前で一杯になっている。”2020年栗東S”では重馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”2020年函館SS”ではややハイペースバランスを逃げ、3,4コーナー最内を回して直線スムースに粘って2着。”2020年キーンランドC”では重馬場でややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線入り口で一杯。”2020年カペラS(ダート)”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず4着。”2020年ギャラクシーS”ではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年カーバンクルS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着まで。”2021年根岸S”では稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年オーシャンS”ではややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「スプリンターズSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:休み明け、クラス負けの危険。

1歳上にダイメイプリンセス居るのだが、とても良く似ている。まず適正距離が1200、馬体重が安定しない、不思議なことに一緒に走ると隣の枠になるなど興味深い兄弟ですね。1400では安土城Sでモズアスコットを破っているが、この時はスローバランスを内目からスムース、対してモズアスコットは後方から大きく外を回されてのもの、加えて連闘で安田記念に挑むローテーで仕上げ切っていなかったはず。1400では良くないことははっきりしていると思う。

1200ではラピスラズリSでモズスーパーフレアを差し切って1着、この時はモズスーパーフレアが北村友一騎手で平均バランスにしてしまったので、モズスーパーフレアのレースにはなっていなかったが、トップスピードの質はまぁまぁの物を見せた。オーシャンSではハイペースバランスを3着、上位2頭にはやや離されたが4着のペイシャフェリシタは押さえ切った、ペイシャフェリシタは内枠を引くとやたら好走する馬なのでこれを抑えきったのは高評価だと思う。この時は持続力は見せたので、体調さえ良ければ重賞でも十分好走できるだけのポテンシャルは持っている。問題はその体調で、馬体重が平気で10kg以上増減してしまう、これはお姉ちゃんのダイメイプリンセスも一緒で、厩舎に問題があって仕上げには不安がある。休み明けが良くないのも厩舎の問題が大きく、これもダイメイプリンセスと一緒。

2019年オーロCでは平均バランスで中段やや前から、トップスピードの質で見劣り凡走した。2019年京阪杯では平均バランスを中段やや前からだったが、直線早々に一杯になり凡走した、敗因がよく分からない負け方で今後が大いに不安になる敗戦だった。2020年大和Sでは初ダートで中段からだったが、重馬場で前が止まらず後ろからトップスピードの質で切れ負けして凡走。この負け方からも中途半端な戦法は合わないと思う。2020年名鉄杯では平均バランスを逃げて圧勝、2着がテーオージーニアスなので高評価。2020年オアシスSではハイペースバランスを逃げて凡走、L1で一杯になったので距離適性の問題だと思う。2020年栗東Sではハイペースバランスを先行して凡走した。

距離適性がはっきりした感じで、芝でもダートでも前半が33秒台のハイペースバランスになると、1200mまでという事なんだと思う。2020年大和Sなんかプラス18㎏だから、距離適性以前に走れる状態ではなかったはず。2020年函館SSではややハイペースバランスを2着、ダートで逃げ・先行をして行き脚が付いた感じでスムースに逃げられたし、2番手のダイアトニック豊騎手がプレッシャーを掛けなかったことも好走理由だと思う、元々これくらいやれれて当然だが仕上げが雑で安定感がない。2020年キーンランドCでは前走から2カ月強の間隔開けでマイナス14㎏、当然のように凡走した。2020年スプリンターズSではスタート出たが出して行かずに中段のやや後ろから、2走続けてマイナス14㎏で走れる状態ではなかった。

2020年カペラSではダートでバテ差し4着まで、スタート出たが前に行く素振りも見せずに、届かず4着という結果は残念。騎手が過去のこの馬のダート成績を見ていないのだろう、前に行かないと3着以内は難しいはず。2020年ギャラクシーSでは中段やや前からで3コーナー入り口で狭くなった、これでリズムを崩したのか直線全く伸びずに凡走、砂を被ると良くないのかもしれない。2021年カーバンクルSでは平均バランスを中段から、直線スムースに伸びて2着だった、この時は57㎏を背負っていて、1着のレジェ―ロが51㎏だったので高評価で良いと思う。2021年根岸Sではスタート出して行ったが中段の前から、直線スムースだったが砂を被った影響か伸びずに凡走した。2021年オーシャンSでは中段の前から進めたが凡走、調教が良くなく厩舎不安が出てしまった。2021年高松宮記念ではスタート出たが前に行けずに凡走。

好材料は距離適性で、1200mは昨年の函館SSで2着、2年前のオーシャンSで3着と好相性。悪材料はまず休み明けで、この馬は非ノーザンF生産馬で厩舎も1流ではない、3カ月以上の間隔だとダートだが2020年大和Sで10着、2018年京阪杯13着なので大きな不安材料。クラス負けの危険も大いにあって、GⅠ、GⅡでは勝負になっていないし、2着だった昨年の函館SSでは1着ダイアトニックが58㎏に対して、自身は56㎏で0.3秒離されてしまったので、このクラスでは苦しいと思う。

適性:梅

<ダノンスマッシュ>・心肺機能は高い、パワーはやや低い、瞬発力は高い。

・トップスピードの質はやや高く持続力はまぁまぁ。

・休み明けでも走る。

”2019年シルクロードS”ではハイペースバランスを中段やや前、直線前が詰まってL1だけで11.1で圧勝。”2018年京阪杯”ではほぼ平均バランスを先行して内から圧勝、L1は11.4で瞬発力抜群。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段の前から、直線追い出しを待った分だけ伸びずに4着、3コーナー入り口で内に切れ込み制裁。”2019年キーンランドC”ではハイペースバランスを中段から、4コーナー外を回して直線スムースで1着、稍重馬場だったことと薬物問題でローテの狂いがあり、イマイチな内容だった。”2019年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線入り口で待たされてしまい3着まで。”2020年オーシャンS”ではハイペースバランスをスタートでやや遅れてリカバリーして中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2020年高松宮記念”では重馬場で平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回したが直線伸びずに凡走。”2020年京王杯SC”ではスローバランスを逃げて押し切り。”2020年安田記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2020年セントウルS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出して1着。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて快勝。

「スプリンターズSへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

NHKマイルCや高松宮記念を見ていると、上り坂で苦労している。NHKマイルCでは1列後ろに居たギベオンに、L2の坂部分で一気に抜かれた、ただこれでズルズル下がるわけではなくL1の平坦部分では互角のスピードだった。これは高松宮記念でも上り坂の途中まで追い出しを待ってしまい、この馬にとって一番苦手な坂の途中から「行け!」と言われても・・・。なのでパワー不足の可能性は現状では否定できないと思う。

それ以上に強烈な瞬発力とトップスピードの質を持っていて、シルクロードSや京阪杯で直線詰まりながらも、こじ開けてからの加速は他を圧倒していた。シルクロードSではハイペースバランスを先行しているので自身もハイペースバランスだった、これでⅬ1の強烈な瞬発力とトップスピードの質を見せたのは、高い心肺機能のなせる業だろう。勝ったとはいえやや物足りなかったのが2019年キーンランドCで、この時は稍重だったことと薬物問題でローテーが狂った影響だと思う、2018年のキーンランドCも稍重で2着だったので、稍重では自慢の瞬発力が鈍る可能性はあると思う。

2019年スプリンターズSでは直線内枠で待たされたが、登坂で加速が鈍り3着まで、坂上では再度盛り返したので東京や中京は大丈夫なはず。坂に差し掛かった地点で明確にタワーオブロンドンに引き離されてしまったので、坂はやや割引。2020年オーシャンSではスタートでやや出遅れた、前が開いていたのでリカバリーできたが印象は良くない。中段やや前で進め最内を回して直線スムース、坂上でナックビーナスを交わしているので、坂は苦手なんだろう。2020年高松宮記念では直線全く伸びずに凡走、前走海外帰りの休み明けを勝ってしまった反動の可能性が高い。2020年京王杯SCでは稍重でスローバランスを逃げて押し切り、府中稍重表記の馬場状態を読み切ったレーン騎手の好騎乗。ロードカナロア産駒で5歳になるが、今のところ蓄積疲労は出ていない。

2020年安田記念では平均バランスを逃げたが凡走、前走の反動が出て粘り切れなかった。2020年セントウルSでは先行からしっかり押し切り、L2の坂部分ではビアンフェと同じような加速だったので、坂での不安は残した。2020年スプリンターズSではハイペースバランスを中段の前からで、自身もハイペースバランスに入っていた、これで直線スムースに抜け出したが坂でもたついたこともあり2着。反動が心配されたが調教をセーブすることで克服してきたので、今後は反動を気にする必要はない。

2020年香港スプリントを勝ち切った、目視だがハイペースバランスを中段からのバテ差しになっていて、持続力の高さを見せた。2021年高松宮記念ではスタートが出たことが好走に繋がった、外目の枠で偶数馬番だったので、ゲート内で待たされなかったことが良かった。

好材料はコース適性で、中山1200mはスプリンターズS2回とオーシャンSで1-1-1-0とパーフェクト。当然クラス負けの危険はないし、道悪も苦にしない。悪材料は特になく、休み明けでも走るというか、休み明けの方が良いタイプで高松宮記念を勝ち切った。ポジションの自由度もある馬なので、ハイペースに巻き込まれる心配はないし、持ち時計も2年前のスプリンターズSで1:07.2があるので、このメンバーの中では一番不安が無いかな~。

適性:松

<ビアンフェ>・心肺機能は高く、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”では稍重で平均バランスを中段の前から、直線内目から抜けたが外からオータムレッド(阪神JF11着)に差されて2着。”未勝利戦”では稍重でややハイペースバランスを逃げて1着、心肺機能と持続力の高さはまぁまぁ。”函館2歳S”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、2着タイセイビジョンが直線入り口でやや待たされたし脚色はタイセイの方が良かった。”京王杯2歳S”ではややスローバランスを逃げて2着、1着タイセイビジョンにはトップスピードの質で見劣り。”2019年朝日杯FS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、残り150mまで先頭で踏ん張っていたので距離の可能性が高い。”2020年ファルコンS”では重馬場でハイペースバランスを離れた2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で失速して凡走。”2020年葵S”ではハイペースバランスを逃げ切り。”2020年セントウルS”ではハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー最内を回してここでやや控えて、直線スムースだったが5着まで。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを逃げ争いで凡走。”2021年オーシャンS”ではややハイペースバランスを逃げて3着。”2021年函館SS”ではハイペースバランスを逃げ切り。

「スプリンターズSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

新馬戦では平均バランスを中段から差しに行って抜け出したが、決定的なリードを奪えなかったこともありゴール前で差されてしまった。未勝利戦では逃げて良さを見せてきて、ややハイペースバランスを押し切っているので心肺機能は見せたが、L1で12.0まで落としているので持続力はまぁまぁ。これは続く函館2歳Sでも見せていてL1が12.4とかなり落としている、この時は2秒のハイペースバランスで後続の脚を削いでしまったので圧勝しているが、タイセイビジョンは上記のように力を出し切っていなかった。1F延長の京王杯2歳Sでは何を思ったかややスローバランスにしてしまった、当然直線ではトップスピードの質で勝るタイセイビジョンに圧倒されてしまった、それでも2着は確保したが騎手の判断には大いに不安にさせられる結果。2019年朝日杯FSではかなりのハイペースバランスを逃げて凡走、残り150mまでは先頭で踏ん張れたので1400mで見直し。

2020年ファルコンSでは重馬場で1400m以上の距離適性が求められた感じで、L1で失速して凡走した。休み明けの影響もあったかもしれない。2020年葵Sではハイペースバランスを逃げ切ったので、改めて心肺機能の高さを見せた。ただし2着のレジェ―ロにクビ差まで迫られたので、持続力はまぁまのレベルで良いと思う。2020年セントウルSでは3コーナー過ぎから控えてしまい、逃げたセイウンコウセイから2,3馬身間隔を空けた、これで差しに行ったが伸びずに5着だったので謎騎乗と言う他ない。2020年スプリンターズSではゲート難が出てしまい、レース前に終わっていた。ハイペースバランスを逃げ争いになり大敗、今後もゲート難の不安を残した。2021年オーシャンSでは逃げて3着、去勢の影響で折り合いが付きマイペースで逃げられた。調教が緩かったのでその分差された感じもあるので、余裕残しの感じ。2021年函館SSでは逃げ切り、ハイペースバランスに持ち込み心肺機能と持続力の高さを見せた。2021年セントウルSを予定していたが、寝違えて出走取りやめ。

好材料は距離適性で、去勢の効果もあり1200mで安定した成績を出している。昨年のこのレースは去勢前で、レース前から入れ込んでいたので度外視して良いと思う、なのでコース適性もオーシャンS3着から問題ないはず。悪材料はクラス負けの危険で、オーシャンS3着、函館SS1着と重賞で好走しているが、この2レースで僅差だったのがセントウルS5着のカレンモエ、モエちゃんは特に不利もなく正攻法のレースをしているので力負けの感があり、ビアンフェもスプリント路線のトップに居るかどうか疑問が残る。

適性:竹