2021年京都大賞典 全頭評価。その1。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<アイアンバローズ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はやや低い。  

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。    

・スタートでやや遅れる。

レース名 着順 内容
猪名川特別 3着 スローバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず3着。スローからの4F戦で1秒台のラップは踏めていないので、トップスピードの質は高くない。
境港特別 2着 スローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着まで。ここでもトップスピードの質で届かず。
箱根特別 3着 スローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。L1で後ろから差されたのは、11秒台前半を持続できなかったからだと思う。
白鷺特別 1着 スローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。L2から減速戦になる流れでパワーと持続力を見せた。
緑風S 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。6F戦で持続力の高さを見せた。
総評
猪名川特別では後方からになり、3コーナー手前でジワっと上がっている、4F戦になって追い込んでいるが3着までで、10秒台のラップは踏めていないのでトップスピードの質は高くない。L1までジリジリと差を詰めているので、持続力は高いものを見せた。境港特別では少頭数の中段の後ろから、前半が歩くようなスローバランスで上がり1番時計の33.3だが、直線進路変更した1着ナオミラフィネが33.5なので、差せなかった理由はトップスピードの質が高くないからだと思う。箱根特別では中段やや前から、L3から11秒台の前半に入ったラップには対応できたが、L1で後ろからエヒトに差されたのは、11秒台の前半をL1まで持続できないからでスピード負けした感じ。

白鷺特別ではレース自体は6F戦になっているが、これは前の2頭がL6からスパートしたため。メイン集団は5F戦になっていて、L2までは前の2頭のラップがレースラップに影響しているが、L1はこの馬のラップで12.3迄減速している、これで境港特別で差し損ねたナオミラフィネを5馬身ぶっちぎったので、パワーと持続力の高さは相当な物だと思う。緑風Sではスローからの6F戦になり、L1のバテ差しでハナ差の差し切り、L3、L2の11秒台前半では追走までで、L1でバテ差す格好の勝ち方なので、トップスピードの質は評価できない。

この馬はノーザンF生産馬なので間隔空けても走る、箱根特別では2カ月の間隔で3着、白鷺特別も2か月強の間隔で1着。神戸新聞杯はプラス18㎏だったので、この辺は仕方ないのかな~。スタートで伸びあがるような所があり遅れてしまう。

「京都大賞典へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はコース適性で、阪神2400mは1-2-0-0と好相性。2400mも3-2-1-1と着外の1回は後方から届かなかった青葉賞なので、距離適性も非常に高い。悪材料はクラス負けの危険で、前走条件戦を勝ち上がったばかりで初の重賞、ただこのタイプはレースレベルが上がった方が良いタイプなので、格上げ戦も苦にしない可能性はある。スタートが良くないので、得意のロンスパになるかは展開待ちになってしまう。ミルコが乗れば中盤でスイッチを入れに行く動きも期待できるが、他の騎手だと無難に乗ってしまうと思うので、スローからの3Fでは出番なく終わってしまうかも。

適性:梅

<アリストテレス>・心肺機能はやや高い、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

”すみれS”ではスローバランスをやや離れた3番手から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが差されて2着。”2020年プリンシパルS”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年出雲埼特別”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”2020年小牧特別”ではスローバランスを3番手先行、3コーナー手前で先頭に立ち内目を回して直線は壮絶な叩き合いで1着。”菊花賞”ではスローバランスをやや離れたメイン集団の中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着。”2021年AJCC”では不良馬場でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2021年阪神大賞典”では重馬場でややスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに4着まで。”2021年宝塚記念”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「京都大賞典へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:近走の不振。

<心肺機能について>2021年AJCCで後半5Fのロンスパを押し切っているので、心肺機能は十分持っている。2021年天皇賞(春)でハイペースバランスを中段の前から、スムースだったが流れ込むだけ、3着争いはしていたので心肺機能は見せている。

<パワーについて>すみれSでL1の坂を苦にせず2着、この時の1着がレクセランスでクビ差なので、パワーは十分にある。2020年AJCCでは不良馬場で快勝、L1では13.3迄落しているのでかなり消耗したレースになったが、押し切っているのでパワーの高さは見せた。

<瞬発力について>出雲崎特別でも小牧特別でも出し抜けるほどの瞬発力は見せていない。

<トップスピードの質について>プリンシパルSで上がり33秒台に対応できずに凡走。好走している時も上がりが掛かる時だし、出雲崎特別では新潟なので33秒台を出しているが、トップスピードの質で勝負するタイプではない。2021年宝塚記念ではスローバランスを中段からスムースだったが伸びなかった、単純にトップスピードの質で見劣っただけでなく、クラス負けの懸念も出てきた。

<持続力について>小牧特別で早目先頭から押し切ったし、出雲埼特別でも3F戦を勝っているので、持続力はまぁまぁ。菊花賞でがL1までしっかり伸びて2着、この時はコントレイルとクビ差だったので持続力はまぁまぁ。2021年阪神大賞典では超ロンスパ戦になり、直線失速したので持続力はまぁまぁまで。

<その他について>菊花賞では終始コントレイルをベタマークするルメール騎手の執念の騎乗で2着、スローからの3F戦だったのでレースレベルには疑問もあるが、近親にリンカーンが居る血統で長距離適正を見せた。

好材料は・・・、ミルコへの乗り替りも好材料とは言えないと思う。悪材料は近走の不振で、GⅡとGⅠなので評価が難しいが、人気よりも下の着順なので良くはないですね。エピファネイアの産駒は2世代しか走っていなが、古馬になって苦戦する馬が多い印象で、デアリングタクトも金鯱賞を取りこぼし、クイーンエリザベス2世Cでキセキと同タイムの3着。シーズンズギフトは古馬になって鳴かず飛ばずだし、クラヴェルは悪くはないが、ムジカとイズジョーノキセキは未だ条件馬なので、成長に疑問符が出てきた。これはエピファネイア産駒の特徴というよりも、まだ成長のさせ方が確立されていない可能性があり、初年度産駒だからこその苦戦と見て良いかも。休み明けでも走るし、本来ならばクラス負けの危険はないので、菊花賞の力を出せれば・・・。

適性:竹