2021年エリザベス女王杯 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ランブリングアレー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はやや低い。 

・トップスピードの質はやや高い、持続力は高い。

レース名 着順 内容
2020年小倉記念 6着 ハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着。4コーナーから早目にショート捲りに行って一旦先頭に立ったが、L1で失速している、この時は2カ月弱の間隔でマイナス8㎏だった。
2020年カシオペアS 1着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。
2020年ターコイズS 7着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年愛知杯 2着 ハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し2着。
2021年中山牝馬S 1着 不良馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。
2021年ヴィクトリアM 2着 ”2021年ヴィクトリアM”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて2着。
2021年オールカマー 7着 スローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線入り口まで前が空かずに凡走。瞬発力の低さを見せた。
総評
新馬戦ではスローバランスを中段から、直線ではエンジンの掛かりが遅く、なかなかトップスピードにまで上がらずに辛勝。白菊賞では平均バランスを中段やや後ろから、L2まで溜めてしまい外から差される。トップスピードの質はまぁまぁ、瞬発力が低く溜めると良くない。心肺機能は高く持続力もありそう。2020年小倉記念ではマイナス8㎏が良くなかったのか、ショート捲りに行って一旦先頭に立ったがL1で失速した。2020年カシオペアSでは平均バランスを中段の前からで心肺機能を見せたし、4F戦で持続力の高さも見せた。

2020年ターコイズSでは4コーナーですぐ横に居たスマイルカナに見劣り、スピード不足の感があった。ただし前半やや掛かっていたし、仕掛も若干早かった印象がある。2021年愛知杯では3,4コーナーで中緩みからL2最速戦を2着、同じ位置で直線に入ったマジックキャッスルと首差だったので、持続力で若干見劣った、この時は外の方が伸びていたので、福永騎手のコース取りは疑問。。2021年中山牝馬Sでは中段からのバテ差しが届き差し切り、母系のロベルトとサドラーズウェルズが入っていたので、パワーと持続力が活きた。2021年ヴィクトリアMでは中段の後ろからで、前半はゆったり入れた、これで直線スムースでL2は10秒台に入っているのでトップスピードの質は見せた。2021年オールカマーでは3,4コーナーで内に拘ってしまい、外と前が壁になり加速できずに凡走した。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:特になし。

好材料はコース適性で、阪神内回りは条件戦だが垂水Sで1着、四国新聞杯で2着と好走しているし、阪神内回りと相関性の高い中山では、中山牝馬Sを勝っているので好相性だと思う。今回は休み明け2走目で、この馬は社台F生産馬なのでノーザンFに比べて外厩が弱い。それが前走のオールカマーでの凡走理由で、馬体重もプラス8㎏と完全に太目残しだった。さすがにここを目標にしてくれば仕上げてくるはずで、上積みが期待できる。ヴィクトリアMで2着があるので、当然クラス負けの危険もない。悪材料は特になく、前走のオールカマーで始めて2200mを走って凡走したが、これは休み明けの影響が大きいと思うので度外視、叔父さんにトーセンラーとスピルバークが居るので、2200mはこなせると思う。

適性:松

<リュヌルージュ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

”稲荷特別”ではややスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2020年中山牝馬S”では不良馬場で平均バランスをやや離れた2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線粘って2着。”2020年福島牝馬S”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年マーメイドS”では稍重で平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2020年七夕賞”では重馬場で平均バランスを離れた中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。”2021年中山金杯”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回してL2で一杯になり凡走。”2021年六甲S”では稍重で平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが全く伸びずに凡走。”2021年大阪ハンブルクC”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年福島牝馬S”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年新潟牝馬S”では稍重でややスローバランスを逃げて凡走。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>2020年中山牝馬Sで不良馬場の平均バランスを先行、自身も平均バランスに入っているので2着は悪くなかったし、心肺機能もまぁまぁの評価で良いと思う。

<パワーについて>2020年中山牝馬SでL1までしっかり粘って2着と、パワーは十分あることを見せた。2020年マーメイドSでも阪神のL1も粘っているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>2020年稲荷特別ではスローからのL2最速戦で、L3からL2で0.5の加速をしている、出し抜いている程ではないので高いとは言えないが、まぁまぁの物は見せた。2020年エリザベス女王杯では中段からで、L2の瞬発力に対応できなかった、このクラスで求められる瞬発力には対応できない。

<トップスピードの質について>福島牝馬Sでは平均バランスを中段やや前からで、自身はややスローバランスだったがL2で手応えが悪くなっているので、トップスピードの質で見劣った可能性が高い。2020年マーメイドSでは稍重で平均バランス、直線スムースだったが後ろからセンテリュオに差されているので、トップスピードの質で見劣った。2021年六甲Sでは中段の後ろからで全く伸びず、トップスピードの質では勝負にならない。2021年福島牝馬Sでは直線スムースだったが、L2で10秒台に入るラップに対応できずに凡走している。2021年新潟牝馬Sでは逃げて2F戦に持ち込む謎騎乗で凡走。

<持続力について>2020年中山牝馬Sで先行して2着に粘り込んだ、この時は50㎏の軽ハンデだったが不良馬場で先行して唯一好走したのは評価した方が良いと思う。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産馬だが休み明けでも走る、条件戦だが2年連続稲荷特別で1着、2着。札幌の500万条件でも勝っている。2021年中山金杯ではL2で一杯になり凡走、L3が11.5でⅬ2が11.3なので速いラップを踏んで一杯になった感じ。2021年大阪ハンブルクCでは中段のやや前からで、直線11秒台の前半に対応できずに凡走した。

好材料はコース適性で、2020年のマーメイドSで3着があるので、阪神内回りは悪くないと思う。悪材料はクラス負けの危険で、重賞ではハンデ戦以外は好走例がない。昨年も12着と勝負にならなかったので、このクラスでは苦しいと思う。

適性:梅

<レイパパレ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では平均バランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”3歳以上1勝クラス”では平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になったがこじ開け差し切り。”2020年糸魚川特別”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線前をこじ開けて差し切り。”2020年大原S”ではややスローバランスを逃げ切り。”2020年チャレンジC”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2021年大阪杯”では重馬場でハイペースバランスを逃げ切り圧勝。”2021年宝塚記念”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年オールカマー”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で垂れて4着。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:距離適性。

<心肺機能について>新馬戦では平均バランスを先行しているが、全体時計が遅くあまり評価できない。3歳1勝クラスも平均バランスだったが中段からで、自身はややスローくらいだが、L1以外全て11秒台なので、まぁまぁの評価で良いと思う。大原SでもスローバランスだったがL1以外すべて11秒台を逃げているので、まぁまぁの評価。2021年大阪杯では重馬場でハイペースバランス逃げ切り圧勝、高い心肺機能を見せた。

<パワーについて>3歳1勝クラスで阪神の坂をものともしないで差し切り、L1手前まで狭かったので、坂での減速率も低く、パワーは十分にある。

<瞬発力について>糸魚川特別でL3から0.5の加速をしている、新潟なので高い評価はできないが、まぁまの評価で良いと思う。

<トップスピードの質について>3歳1勝クラスで直線スムースではなかったが、L2で11.2(推定)を叩き出して先頭に並んでいる。大原Sでは逃げてL2が11.4なのでトップスピードの質はまぁまぁで良いと思う。2020年チャレンジCでは4F戦でL3最速11.1、これは自身のラップなのでトップスピードの質もまぁまぁで良いと思う。2021年宝塚記念ではスローバランスを2番手先行、スムースだったがスローからの4F戦でクロノジェネシスにトップスピードの質で見劣っている。

<持続力について>大原Sで逃げ切っているし、糸魚川特別で4F戦で押し切っているので、持続力は高いはず。2020年チャレンジCではスローバランスからの4F戦、L4過ぎから先頭に並び直線入り口では早目先頭で押し切り、かなり高い持続力を見せた。

<その他について>チャレンジCでは前半行きたがっていたので、気性難が出てきたかも。2021年大阪杯では重馬場でハイペースバランスを逃げ切り、これだけでも心肺機能の高さを見せたが、驚くべきことにL2最速11.6を叩き出してきた、この0.5の加速は驚異的。チャレンジCで掛かっていた気性難は、重馬場だったからか折り合いが付いていた。単騎でスムースにマイペースだたことで折り合えたのかもしれないので、気性難は今後も注意。2021年宝塚記念では残り100mでユニコーンライオンに差し返されたので、距離適性は2000mまでだと思う。距離適性がはっきりしたのが2021年オールカマーで、先行したが残り100mから減速率が大きくなり失速して4着。小柄な牝馬で58㎏相当では苦しいかもしれない。

好材料はコース適性で、阪神内回りでは大阪杯で1着、チャレンジCも1着。宝塚記念でも3着と格好は付けたが・・・。悪材料はその宝塚記念から距離適性が不安ですね、宝塚記念では残り100mでユニコーンライオンに差し返され、オールカマーでも残り100mで減速率が大きくなったので、2200mは1F長い可能性が高い。相手次第だが、オールカマーでも4着でステイフーリッシュを退けたし、宝塚記念でも4着のカレンブーケドールとは2馬身差なので、3着辺りに粘り込める可能性はあると思うが。

適性:竹-

<ロザムール>・心肺機能は高く、パワーは有る、瞬発力は低い。    

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
常総S 1着 スローバランスを逃げ切り。スローからの3F戦に持ち込みまぁまぁの持続力を見せた。
2021年中山金杯 4着 スローバランスを逃げて4着。スローからの4F戦でL1の失速が目立った。
2021年中山牝馬S 2着 不良馬場でハイペースバランスを逃げて2着。心肺機能の高さを見せた。
2021年福島牝馬S 4着 スローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年七夕賞 2着 稍重でハイペースバランスを逃げて2着。心肺機能の高さを見せた。
2021年オールカマー 10着 スローバランスを逃げて凡走。スローにしてしまいスピード負けしてしまった。
総評
好走した常総Sを見るとスローからの3F戦でL3から11秒台後半、2021年中山牝馬Sと2021年七夕賞でも後半は消耗戦。逆に苦戦した2021年中山金杯と2021年福島牝馬Sでは後半で11秒台の前半を踏んでいる、これでL1一気に失速したので、持続力が低い訳ではなくAT値が低いために、11秒台の前半を踏んでしまうと苦しくなるのだろう。2021年中山牝馬Sと2021年七夕賞ではハイペースバランスを逃げて2着しているので、心肺機能は高いし中山の急坂もこなしているのでパワーも高い。2021年オールカマーではスローにしてしまいスピード負けしてしまったので、騎手不安が出てしまった。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、初輸送。

好材料はコース適性で、中山牝馬Sで2着、七夕賞で2着と坂上ゴールの小回りコースで好走しているので、阪神内回りはこなせるはず。悪材料はクラス負けの危険で、重賞では中山牝馬S2着、七夕賞2着があるがいずれもハンデを貰っていたし、中山金杯の4着もハンデ戦だったので、初GⅠということも踏まえてこのクラスでは苦しい感じ。5歳になるが初めて関西圏へ輸送されることも大きな不安材料で、この辺りに厩舎の無計画さが見て取れる。逃げ馬なので馬場が渋った時に、ノーマークで逃げ切り、もしくは逃げ粘りという可能性はあると思う。

適性:梅