2021年エリザベス女王杯 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ソフトフルート>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”君子蘭賞”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがジリジリまでで4着。”矢車賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2020年町田特別”では稍重でスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出したが差されて3着。”2020年夕月特別”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて3着。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線コースが無く外に出してからジリジリ。”2021年京橋S”ではややハイペースバランスをバラケタ中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年シドニーT”では稍重でスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年マーメイドS”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年新潟牝馬S”では稍重でややスローバランスを少頭数でバラケタ中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>未勝利戦で平均バランスを3着している、この時のクビ差2着がバビットなので、まぁまぁの評価。

<パワーについて>夕月特別ではL2の坂をものともしなかったし、君子蘭賞でも坂で失速はしていない。

<瞬発力について>矢車賞で直線入り口までコースが空かなかったが、L2で0.6の加速を見せているので、まぁまぁの評価。2020年エリザベス女王杯では直線で前が壁になってしまい、外に出してから伸びがイマイチだった、瞬発力の低さを見せてしまった感じ。2021年新潟牝馬Sでは2F戦になって、L2区間ですぐ前に居たマリアエレーナに若干引き離されているので、瞬発力の低さを見せた。

<トップスピードの質について>君子蘭賞で差し損ねている、この時は3F戦でL3,L2が11.3-11.1だったが、これに追走一杯になりL1でジワっとバテ差すまでだった。夕月特別でもロンスパなので悪くないが、上り3F34秒台なので高いとは言えない。秋華賞では稍重でハイペースバランスだったので、トップスピードの質は問われていない。2021年京橋Sでは3F戦でL2最速戦になって凡走、後ろからアカイイトとイズジョーノキセキに差されているので、トップスピードの質で見劣り。2021年マーメイドSではL2区間でトップスピードの質で見劣り。

<持続力について>夕月特別で5Fのロンスパを差し切っている、11秒台を連発してきたので持続力は高い。秋華賞では後方から3着を確保、L3まで動かなかったことでしっかり伸びたので、持続力は見せた。2021年シドニーTでは稍重で5F戦になっていて、これを直線スムースに差し切っているので持続力の高さを見せた。

<その他について>デビューから中1か月で8戦使っていて、この使い方は疑問。道悪が苦手なようで、新馬戦、未勝利戦の重馬場だけでなく、町田特別でも稍重で3着に負けている、この時は51㎏だったので57㎏のゼーゲン、55㎏のペレに差されたのは印象が悪い。秋華賞でバテ差して3着しているように、ハイペースバランスのバテ差しや、スローなら後半のロンスパで周りが苦しくなったところで台頭するタイプ。自身で展開を作れる馬ではないので、展開待ちになってしまう。

好材料は距離適性で前走の新潟牝馬Sで2200mを2着、昨年のこのレースでも0.6差6着なので、この距離は合うと思う。悪材料はクラス負けの危険で、秋華賞3着はあるがこの時は後ろに居たことで嵌った感が強い。マーメイドSで8着だし、前走の新潟牝馬Sでもムジカ、フィオリキアリと同タイムなので、このクラスではやや足りない印象。

適性:梅

<テルツェット>・心肺機能はまぁまぁ、パワー有る、瞬発力はまぁまぁ。 

・トップスピードの質はやや高く、持続力はまぁまぁ。 ・スタートが良くない。

レース名 着順 内容
ミモザ賞 3着 稍重で平均バランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。
村上特別 1着 ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて快勝。
国立特別 1着 スローバランスを少頭数の中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。
節分賞 1着 スローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。
ダービー卿CT 1着 ハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。
2021年ヴィクトリアM 14着 スローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年クイーンS 1着 平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。トップスピードの質が問われない展開になり、持続力が活きた格好だが、ルメール騎手のコース取りも素晴らしかった。
総評
ミモザ賞ではL2でウインマリリンに瞬発力で見劣り、L1ではウインキートスに持続力で見劣り。村上特別では中段から差し切り、ややハイペースバランスで自身も平均には入っていたはず、なのでまぁまぁの心肺機能とL2最速戦をL2で先頭に立ったのでまぁまぁの瞬発力とトップスピードの質も見せたし、L1でも差を広げているので持続力も見せた。ミモザ賞との比較ではマイルで良さを見せてきた感じだが、新潟だったので額面通りには受け取れない。国立特別ではスローバランスで、L3から10.8-11.0-11.6をL2で差を詰めているので、自身は10秒台を2連発したはずでトップスピードの質と持続力を見せた。

節分賞ではスローバランスで中段のやや後ろから、この時は中緩みが11.7と大きくなかったことで、トップスピードの質が問われる比率は大きくなかった、これでもL2で一気に差を詰めているので、パワーと持続力を見せた。ダービー卿CTではハイペースバランスを中段のやや後ろからで、自身はややスローくらいだったはず、これで外から差し切ったのでバテ差しが嵌った。この時すぐ後ろに居たカテドラル56㎏にゴール前で詰め寄られたので、まぁまぁの評価まで。2021年ヴィクトリアMでは後方から届かず凡走、この馬のトップスピードの質では勝負にならなかった。2021年クイーンSでは平均バランスだったので、トップスピードの質が問われず差し切り、4コーナーのコース取りが神懸っていたし、直線ではマジックキャッスルを目標に出来た。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:初輸送。

好材料はコース適性でダービー卿CTを勝ている、中山は阪神内回りと相関性が強いのでコース適性は良いはず。この馬は叔母さんにラヴズオンリーユーが居るので、初距離だが2200mはこなせると思う。悪材料は初輸送で4歳で関西圏への輸送経験がない。この辺りが厩舎の能力を表している感じで、牝馬なのでこなせるかどうか。クラス負けの危険も若干あるが、前走のクイーンSでマジックキャッスルに勝っているので、大きな不安はないと思う。スタートが良くないので届くかどうかの方が不安ですね。

適性:竹

<デゼル>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。

”未勝利戦”では稍重で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線馬群の中からスムースに伸びて差し切り。”スイトピーS”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”オークス”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”ローズS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず4着。”2021年迎春S”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になり追い出しが遅れて3着。”2021年初音S”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年阪神牝馬S”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年ヴィクトリアM”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年府中牝馬S”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが全く伸びずに凡走。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:休み明け2走目。 悪材料:斤量。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>未勝利戦の阪神でL1までしっかり伸びているし、スイトピーSでもL2の坂で10.1くらいを出しているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>スイトピーSではL3自身11.2くらいで、L4からかなり加速をしている。ただしこの時はスローバランスで超高速馬場であったことを考えると、現状では高いとは言えない。2021年迎春Sでは直線入り口で前が壁になり、空いてからもジリジリしか伸びなかったので瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>未勝利戦ではL2部分で一気に差を詰めていて、全体11.5を自身10.8くらいを叩き出している、このL2区間では馬群の中でコースを探しながらだったので、本気追っている風でもないことを考えると、相当なポテンシャルが有る。スイトピーSのL2は自身10.1くらい、キレッキレなトップスピードの質を見せた。2021年阪神牝馬Sでは中段やや後ろからスムースに伸びた、L3から10秒台に入る流れを差し切るだけのトップスピードの質を見せた。

<持続力について>スイトピーSでは超高速馬場だったが、L1でも11.2と全く落としていない、未勝利戦でも稍重だたが3F戦を自身L1も12.0くらいで纏めているので、持続力は高いはず。2021年初音Sでは平均バランスを中段やや後ろから、L2で11.3くらいは出したはずでL1も11秒台のはずなので、持続力の高さを見せた。2021年阪神牝馬Sでは中段のやや後ろから、L1までしっかり伸びて、と言うかL1の減速率が低い事での差し切り、持続力の高さを見せた。

<その他について>未勝利戦、スイトピーSとスタートが悪く中段の後ろから、二の足自体は悪くないので中段には取り付けているが、内枠で包まれるとリカバリーできない可能性がある。オークスでは中段の後ろから3,4コーナー中目を回している、デアリングタクトに対しても外を回しているので、距離ロスはあったはず。これでL1で伸びを欠いたので距離適性も出たかもしれない。

ローズSではスタートで右寄れ出遅れ、3,4コーナーから外を回して直線も外、上位3頭が3,4コーナーで内を回していたので馬場差を考えれば高評価で良いと思う。2021年ヴィクトリアMでは55㎏が堪えたような負け方だった。2021年府中牝馬Sではスローバランス中段の前からだったが、全く伸びずに凡走した。スローバランスを先行しているので心肺機能が敗因ではない、55㎏の斤量の可能性が高い。

好材料は休み明け2走目で、この馬は社台F生産馬なので一叩きされての上積みは期待できる。悪材料は斤量で55㎏以上では好走例がない、小柄な馬ではないので偶々という可能性もあるが。古馬の重賞ではイマイチな成績の豊騎手への乗り替りは不安。

適性:梅

<ムジカ>・心肺機能はやや低い、パワーは有る、瞬発力は高い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2020年5月京都未勝利戦”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、向正面で中段やや前に上がり、3,4コーナー内目を回して直線馬群を割って差し切り。”2020年1勝クラス”では稍重でややペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”ローズS(中京)”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線進路変更してから伸びて2着まで。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して4コーナーで詰まってしまい8着まで。”2021年但馬S”では稍重で平均バランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2021年福島牝馬S”ではスローバランスを後方から、向正面で中段まで上がり3,4コーナー内目を回して直線前をカットされて5着まで。”2021年垂水S”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年関ヶ原S”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年新潟牝馬S”では稍重でややスローバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険、届くかどうか。

<心肺機能について>2020年5月京都未勝利戦で勝ち上がってきた、この時は2.2秒のハイペースバランス、これで向正面から中段まで上がっているので、L5やL4では11秒台に入っている可能性がある。これで馬群を割って差し切っているので心肺機能はまぁまぁで良いと思う。2021年垂水Sではハイペースバランスを中段からで、自身は平均くらいで心肺機能で見劣った感じ。

<パワーについて>ローズSでL2の坂を加速しているので、パワーは十分にある。2021年但馬SではL1の坂で差を詰めているのでパワーは十分にある。

<瞬発力について>ローズSで直線L2標識まで前が壁、進路変更後に坂を一気に加速しているので、瞬発力を見せてきた。エピファネイアの産駒なので溜めた時の爆発力はお父さん譲りですね。秋華賞では4コーナーで詰まってからの再加速に手間取っている、瞬発力が低いというよりも進路変更したことが原因だと思ので、スムースでないと瞬発力も発揮できない。2021年新潟牝馬Sでは2F戦でⅬ2区間で若干離されているの瞬発力は期待できない。

<トップスピードの質について>ローズSのL2からは11秒台の前半、L3は馬群の中だったのでレースラップと一緒だが、L2で前が空いてから猛然と加速していて11.0は出している。なのでかなり高いトップスピードの質を見せた。2021年福島牝馬Sでは向正面で中段まで上がり、直線L1標識までスムースだった、このL1までの区間で前に出られず10.9には追走までだったので、前をカットされている。2021年関ヶ原Sではスローからの4F戦で届かず、この馬のトップスピードの質では苦しかった。

<持続力について>ローズSでL3から11秒台を連発しているので、持続力は高い。ただ2020年1勝クラスで2着に取りこぼしている、この時は休み明けで前半やや掛かっていたので、この影響だとすると休み明けは持続力がやや低下するかもしれない。2021年但馬Sスローからの5F戦で2着、持続力の高さを見せている。

<その他について>2020年1勝クラスでは休み明けの影響か、前半やや掛かっていた。秋華賞では4コーナーで詰まってしまい、外の出すのが遅れて8着までだった、騎手のコース取りが悪過ぎて度外視して良いと思う。

好材料は距離適性で、前走の新潟牝馬Sで2200mを3着なので好相性で良いと思う。悪材料はクラス負けの危険でこの馬は3勝クラスをクリアしていないし、前走もOPで3着とピリッとしなかった。

適性:梅