2022年AJCC 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<キングオブコージ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”2019年東京3歳1勝クラス”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったがジリジリまでで凡走。”京都1勝クラス”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線最内で一瞬待たされたが空いてから伸びて差し切り。”2020年潮来特別”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し1着。”2020年湾岸S”ではスローバランスをやや離れた追走集団のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。”2020年目黒記念”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2020年京都大賞典”では稍重で平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年オールカマー”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年中日新聞杯”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに5着。

「AJCCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:体調。

<心肺機能について>2020年目黒記念がややスローバランスだが、中盤以降の1600mを95.4で走り切っている、かなりのロンスパ戦になっていて、心肺機能が低ければ到底最後まで持たない。これを54㎏とは言え差し切っているので心肺機能はまぁまぁで。

<パワーについて>潮来特別で先行して押し切り、L1の坂でもグイグイ上がっているので、パワーは十分にある。湾岸SでもL1の坂で2番手以下を圧倒している。

<瞬発力について>京都1勝クラスでは2番手先行から、直線最内で一瞬詰まったが空いてからしっかり伸びている、ラップタイムには表れていないが自身は一瞬ブレーキしているはずで、再加速は出来ているのでまぁまぁの評価で良いと思う。

<トップスピードの質について>東京の1勝クラスで差し損ねている、この時は新馬戦でも上がり33秒台出ている府中の標準的な馬場、ややハイペースバランスを中段最内で自身は平均くらいのはず、これで直線スムースだったがジリジリしか伸びなかった。休み明け2走目で走り頃だったので、トップスピードの質が低いと言わざるおえない。この馬は母系がサドラーズウェルズ系なので、血統通りのトップスピードの質だと思う。京都1勝クラスでさすがの騎乗を見せてきた、前走差し損ねた反省からしっかりと先行、クラスを考えてもスローバランスは容易に予想できたはずで、後方からの選択肢はなかったはず。横山典騎手らしい騎乗で直線一瞬詰まったが押し切っている。2020年京都大賞典では稍重で平均バランス、4コーナーですぐ前に居たグローリーヴェイズに見劣り3着までだった。

<持続力について>京都1勝クラスで後半12.0前後を4連発して押し切っているので、持続力の高さを見せた。この日は新春Sでもマイルで1:36.8だったので時計は掛かっていたので、休み明けの分も含めて十分なパフォーマンス。潮来特別では3F戦を先行押切、L1でも11.8で纏めているので持続力は見せている。湾岸Sでも4F戦を圧勝する程の持続力を見せている。2020年目黒記念では超ロンスパ戦を押し切り、後半1600mの勝負になっていて11秒台後半から12.1で纏める持続力の高さはかなりのもの。2021年中日新聞杯では中段の前から先行、このレースはスローからの5F戦で持続力勝負になっているが、直線入り口ではすぐ後ろに居たボッケリーニにL1で差されている。斤量はこちらが0.5㎏軽いので斤量負けではなく、Ⅼ1で差されたことから全盛時の持続力に戻っていない感じ。

<その他について>母父がGalileoなのでサドラーズウェルズの影響が色濃く出ている、まぁまぁの心肺機能と高いパワー、持続力が武器でトップスピードの質では勝負にならない。この辺りは主戦の横山典騎手が分かっている感じなので、乗り替わった時は要注意。2020年目黒記念を初重賞で制しているが、この時は54㎏だったことは考慮した方が良い、2着アイスバブルが直線で詰まっていたし55㎏、3着のステイフーリッシュは57.5㎏も背負っていた。横山典騎手が馬場を読み切っていたようで、この日はダービーデイでかなり重い良馬場、これでスタート出して行かずに中段の後ろから前半は我慢、残り8Fからペースが上がっての持続力勝負になり、トップスピードの質が問われなかったことも良かった。2020年京都大賞典では稍重だったが対応してきた、ロードカナロア産駒で道悪が不安だったが、母系のサドラーズウェルズの影響で対応できたのかもしれない。

2020年京都大賞典後に骨折。2021年オールカマーでは骨折休養明けで10カ月強の間隔で凡走、内優位の馬場だったし、休みが長かったので息が持たなかった印象もあった。

好材料はコース適性で、中山2200mは湾岸Sで1着があるし、潮来特別も中山2500mで勝っているので、このコースは相性が良い。目黒記念1着、京都大賞典3着があるのでクラス負けの危険はない。悪材料は体調で、京都大賞典後に骨折して10カ月強の骨折休養明けのオールカマーで凡走、これは仕方ないが次の中日新聞杯がピリッとしなかった。2か月半の間隔でプラス10㎏、骨折歴がある馬なので強い調教が出来なかった可能性があるし、その影響か長所である持続力が発揮できなかった。この時の最終追い切りはウッドで時計もまぁまぁだったので、単純に持続力が落ちてしまった可能性もある。

適性:竹

<クレッシェンドラブ>・心肺機能は高い、パワーも高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはなく、持続力は高い。

”2018年霞ケ浦特別”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外を回してL1で突き放して圧勝、パワーと持続力を見せた。”2019年迎春S”ではスローバランスを中段から、直線入り口で前が壁になり、L1標識付近で再度コースが無く外に出してから伸びて3着まで、持続力とパワーは見せたが瞬発力は低い。”2019年美浦S”ではほぼ平均バランスをスタートでややバランスを崩して後方から、中盤から11秒台に入るロンスパになり3,4コーナー外を回してバテ差し1着、心肺機能を見せた。”2019年福島民報杯”ではハイペースバランスをスタートでややバランスを崩して中段の後ろから、3,4コーナーで外を回して直線我慢して2着まで、中盤で同じ位置に居た1着レッドローゼスよりも先に動き目標にされた、3着カデナは押さえ切っている。”2019年七夕賞”ではハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、1着ミッキースワローを目標に捲りを打って2着まで、持続力と心肺機能を見せた。”2019年オールカマー”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して詰まってしまい追い出しが遅れて5着まで。”2019年福島記念”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2020年中山金杯”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが7着まで。”2020年七夕賞”では重馬場で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り1着。”2020年オールカマー”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが4着まで。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが凡走。”2020年有馬記念”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが凡走。”2021年大阪杯”では重馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「AJCCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:近走の不振。

2018年九十九里特別が非常に雑なレースで、スローバランスだが離れた3番手を単独追走、レースラップでL4から11.7-11.5-11.3-12.3をなぜかL4から前を追いかけた、稍重馬場で自身推定L4から11.5-11.4くらいのはずで、さすがにこのラップではL1苦しくなる。この辺りが内田騎手の危険なところですね。

美浦Sが平均バランスを後方からになったが、L4辺りから捲って行って勝ち切ってしまった、2着がシンギュラリティ―なのでこの持続力は評価すべきだと思う。心肺機能を見せたのが福島民報杯と七夕賞で共にハイペースバランスを後方から、自身は平均バランスくらいのはずでロンスパの末にバテ差して来たのは、持続力だけでなく心肺機能も好評価。福島民報杯では動き出しが早かったので、正直凡走もある展開だったがこれで2着に残ったし、3着のカデナを抑えきったのは驚いた。レッドローゼスよりも先に動いた分が響いての2着なので、内田騎手の判断は良くなかったと思う。美浦Sでも平均バランスを後方から動き出すタイミングが早かったように思う、内田騎手のこの判断は今後も継続して乗るようだと不安材料になりそう。

2019年オールカマーではスタート決めて中段やや後ろから、直線で前が壁になり追い出しが遅れて凡走した、完全に脚を余した負け方で内田騎手のコース取りの問題。L1で再加速したように見えるが、前が11.8まで落しているので瞬発力は高くない。それでも自身Ⅼ1で11.5くらいは出しているはずで持続力の高さは見せた。2019年福島記念ではハイペースバランスを中段から、L4からジワっと上がって行って3,4コーナー外を回して押し切り、この時は自身が55㎏に対して2着ステイフーリッシュが57.5㎏、3着ミッキースワローが58.5㎏なので高くは評価できない。ただしL4から自身11秒台に入っているはずで、L1も12.1なので持続力の高さは評価した方が良いと思う。すぐ前に居てコーナーで併せてきたのがステイフーリッシュなので、斤量と着差も含めてトップスピードの質は高くはないと思う。

2020年中山金杯が大問題で、内田騎手の良くない面が出てしまった感じのレースだった。スローバランスで後方からになったが、向正面で動かず勝負権を失っている。このレースは後半の5F11秒台を連発するロンスパ戦になっていて、L4辺りで押して促していたが前が11.7で引っ張っているので上がって行けるはずもなかった。L1で12.7迄落ちたところをバテ差しで7着まで来たが、雑なレースをしたなという印象。2019年オールカマーで内枠から直線詰まっている、これが伏線になって3番枠から詰まるのを嫌って後方まで下げたんだと思う。オールカマーでは少頭数で外に出すチャンスはいくらでもあったし、中山金杯でも中段の後ろで馬群が切れているので、後方まで下げる必要はなかった。結果論に聞こえると思うが、1流騎手は内枠で中段からでも、レース中に馬群の切れ目から外に出してスムースな競馬をするので、内田騎手が乗る限りは真ん中よりも外の枠が欲しいと思う。

2020年七夕賞では重馬場で平均バランスを中段の後ろから、スタートは五分に出たが促しても進んでいかない感じで、二の足の遅さを見せてしまった。向正面でジリジリ上がって3コーナーでは中段まで進出、重馬場で馬群がバラケタことで外からではなく、中目をスムースに上がって行けたし、馬場の悪い内側のギリギリ外を通した感じのコース取りも良かった。L3で13.0まで落しているのでかなり力の要る馬場状態で、持続力の高さを見せてきた。

2020年オールカマーではスローバランスで少頭数、中段の前から進めてスムースだったが4着まで。この時は超スローバランスで3コーナーから一気にペースアップ、このペースに巻き込まれてしまい末脚が鈍った感じで、普段先行していないので息が持たなかった感じ。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の中段やや前からで、メイン集団はスローバランス、3,4コーナーで走り難そうな感じで左回りの不安が出た。直線L2で一杯になっているのでL5から11秒台を連発して心肺機能が一杯になった感じ。2020年有馬記念では中段の内から、スムースだったが直線伸びなかったのはクラス負けのだと思う。

2021年大阪杯では重馬場で中段から、重馬場は問題なかったがこのクラスでは苦しい。2021年七夕賞では稍重で中段やや後ろから、L3の時点でかなり苦しくなっていて、直線は全く伸びなかったので一気に衰えた感じが見えた。

好材料はコース適性で、オールカマーで4,5着、条件戦だが迎春Sで3着、中山自体も好走歴多数でコース適性は良いはず。悪材料は近走の不振で、2020年オールカマー4着以降凡走続き、特に前走の七夕賞では2019年2着、2020年1着と得意としているレースだったが、1番人気で14着とレースになっていない。58㎏のトップハンデも堪えたはずだが、7歳になっての衰えの方が影響した感じ。明け8歳でここからの上積みは期待できない。

適性:梅

<スマイル>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
長良川特別 2着 ややハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。トップスピードの質で見劣り。
2勝クラス 2着 スローバランスを2番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。1㎏の斤量差が響いた。
館山特別 1着 スローバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。パワーの高さを見せた。
阿武隈S 6着 稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
迎春S 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。パワーと持続力を見せた。
長良川特別ではややハイペースバランスを中段のやや前からで、自身は平均くらい。直線L2区間でフライライクバードにあっさり交わされて引き離されているので、トップスピードの質で大きく見劣りした、ただまぁまぁの心肺機能と持続力は見せている。2勝クラスでは先行して押し切り寸前に差されて2着、1㎏重かったのでハナ差はこの影響。ただスローからの3F戦で自身の上り3F34.2は評価できない。館山特別ではスローからの5F戦で先行押し切り、L1で後続を突き放したので、パワーと持続力を見せた。阿武隈Sでは稍重で離れた中段のやや前から、差せずに差されているのでトップスピードの質で見劣り。迎春Sではスローからの4F戦を先行押し切り、L1で後続を引き離したのでパワーと持続力を見せた。

「AJCCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、騎手弱化。

好材料はコース適性で、前走の迎春Sが同コースで快勝、スローからの4F戦を先行押し切りと、得意パターンに持ち込めたことは大きかった。3走前の館山特別でもⅬ1で突き放して圧勝しているので、コース適性は非常に高い。悪材料はクラス負けの危険で、前走条件戦を勝ち上がったばかりで、いきなりのGⅡは苦しいかも。ルメール騎手が非常に上手く乗っていたので、乗り替りは大きな不安材料ですね。もう一点不安な点はこの馬がダイワメジャー産駒であること、ダイワメジャー産駒は2000m以上の重賞では成績がイマイチなので、条件戦では2500mでの好走歴はあるが不安ではある。

適性:竹