2022年ヴィクトリアM 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

ソングライン ・心肺機能は高い、パワーはある、瞬発力はやや高い。  

・トップスピードの質はやや高い、持続力は高い。  ・厩舎不安。

レース名 着順 内容
新馬戦 2着 稍重でややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着まで。
未勝利戦 1着 平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて差し切り。
紅梅S 1着 ハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて快勝。
桜花賞 15着 ややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
NHKマイルC 2着 ハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出したが2着。L2ではメンバー中最も機敏に反応していたので、瞬発力の高さを見せた。
2021年関屋記念 3着 平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。L2での反応が悪かった。
2021年富士S 1着 ややスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。持続力の高さを見せた。
2021年阪神C ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
未勝利戦では中緩みの無い平均バランスを中段やや後ろから、L1までスムースに伸びて差し切り、持続力の高さを見せた。紅梅賞では中段やや前からハイペースバランスを押し切り、心肺機能と持続力の高さを見せた。新馬戦からスタートが良くなく、紅梅賞で中段やや前に行けたが、この時は少頭数でルメール騎手だった。桜花賞では3コーナー手前でメイケイエールにぶつけられてしまい、スムースなレースが出来なかった。直線で全く伸びていないので、トップスピードの質は期待できない。

NHKマイルCではハイペースバランスを中段やや前で自身平均くらい、L2で一気に差を詰めて瞬発力の高さを見せたし、この部分では11.0くらいなのでトップスピードの質もやや高いものを見せた。2021年関屋記念ではL2で反応が悪く3着まで、休み明けだが51㎏での取りこぼしは印象が悪い。2021年富士Sでは中緩みのない展開で差し切り、持続力の高さを見せた。関屋記念とNHKマイルC、富士Sを比べると関屋記念で人気を裏切ったのは厩舎の仕上げに問題があった感じ。2021年阪神Cでは中段からだったが全く伸びなかった、クラス負けしたのではなく体調面の問題のような負け方なので、輸送の可能性が高い。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:厩舎不安、海外帰り。

好材料はコース適性で、NHKマイルC2着、富士S1着含めて府中マイルは2-1-0-0と好相性。もちろんクラス負けの危険もないし、前走ドバイで55.1㎏だったので斤量も不安なし。悪材料は厩舎不安で、関屋記念を取りこぼしたのが印象悪い、プラス6㎏で仕上げに問題があった可能性がある、林厩舎は1流厩舎とは言えないので不安はある。海外帰りで3カ月弱の間隔も不安で、ノーザンF天栄でどこまで仕上がるかですね。

適性:松-

<デアリングタクト>・心肺機能は不明、パワーは高い、瞬発力は高い。

・トップスピードの質は高い、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線前に詰まったが外に出してから差し切り。”エルフィンS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り圧勝。”桜花賞”では重馬場でハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて圧勝。”オークス”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線L2まで前が壁になったが、そこから強烈な瞬発力とトップスピードの質で差し切り。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り圧勝。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線詰まってしまい3着まで。”2021年金鯱賞”では重馬場でややスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線反応が悪く届かず2着まで。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:距離適性、コース適性。 悪材料:故障長休明け。

<心肺機能について>桜花賞では中段の後ろから進め、自身も平均バランスには入っている。これを直線外からゴボウ抜きしたので、心肺機能もまぁまぁの物を見せた。

<パワーについて>桜花賞で阪神重馬場を圧勝したことからも、パワーは十分に高いはず。秋華賞でも稍重でハイペースバランスを差し切り、上がりタイムは遅いが他を圧倒している。

<瞬発力について>新馬戦で直線詰まってから外に出し、L1だけで差し切っている。このレースはL1最速で11.3を踏んでいるので、詰まってからの再加速で瞬発力を見せた。オークスでL2まで前が壁になったがコースが空いた瞬間に、瞬時に反応して強烈な瞬発力を見せた。

<トップスピードの質について>新馬戦、フェアリーSともにL1最速戦で11秒前半のラップを踏んでいる、馬場を考えればまぁまぁの物は見せたと思う。オークスで10秒台を2連発して差し切っている、ここでも強烈なトップスピードの質を見せた。

<持続力について>新馬戦、フェアリーSともにL1最速戦になっているので、最後までしっかりとした末脚を使ってきた、特にエルフィンSではややハイペースバランスを中段の後ろから進めたが、捲り追い込みに行って圧勝している。L1では流していたので追えばまだまだ伸びそうだった。桜花賞で直線ゴボウ抜きしていて高い持続力見せている。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の中段やや前からで、メイン集団はスローバランス、L5からのロンスパには対応していて、L1でカレンブーケドールを競り落としたように、持続力も見せた。この馬の場合は瞬発力とトップスピードの質を引き出すためには、溜める必要があるが持続力自体は持っている。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産馬だがエルフィンSが3カ月弱の間隔開けで圧勝している、休み明けを苦にしないのかもしれない。更に秋華賞ではオークス以来でも圧勝と、休み明けでも走ることを見せた。エピファネイアの産駒らしい特性が瞬発力の高さで、新馬戦でも直線で前が詰まってから再加速して、L1最速戦を差し切っている。恐らく自身のL1ラップはレースラップよりも速いはずで、トップスピードの質共々今後に期待が持てる。2020年ジャパンCでは直線で詰まってしまい3着までだった、オークスでも同じように詰まっているので、内枠だと松山君が取りこぼす可能性は付き纏う。2021年金鯱賞では重馬場でややスローバランス、この馬にとっては馬場状態や展開は不問で良いと思うが、この時は休み明けで香港遠征前、100%の仕上げでなかったことでL2の反応が良くなかった。左回りで内に刺さってしまい、それを修正した分が影響した感じ。

クイーンエリザベス2世C後に繋靭帯炎を発症。

好材料は距離適性でマイルは新馬戦から桜花賞まで3連勝で好相性。コース適性もオークスを勝っているし、ジャパンCも僅差3着なので好相性。お婆ちゃんのデアリングハートがこのレース3着、NHKマイルCでも2着しているので、血統的にも好相性で良いと思う。悪材料は故障で長期休養明けになる点で、繋靭帯炎は再発の可能性もあるので、いきなり強い調教をしてくるかどうか。休み明け自体は問題がない馬だが、さすがに1年となると不安が出る。

適性:竹+

ディヴィーナ 特性 ・心肺機能はやや高く、パワーは有る、瞬発力は不明。   

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

   レース名   (ペース) 着順(馬場状態) 内容
中京1勝クラス(平均バランス)
1着(良)
スタート~道中
五分に出て3,4番手先行。
3,4コーナー
内目をスムース。
直線
スムースに抜け出し押し切り。
中京2勝クラス(スローバランス) 1着(良) スタート~道中 五分に出て中段から。
3,4コーナー 中目をスムース。
直線 スムースに差し切り。
武庫川S(スローバランス)
6着(稍)
スタート~道中
スタートで遅れて後方から。
3,4コーナー
内目を回してスムースだが掛かっている。
直線
スムースだったが伸びずに凡走。
豊橋S(ハイペースバランス) 1着(稍) スタート~道中 五分に出てやや促し中段の前から。
3,4コーナー 中目をスムース。
直線 スムースに差し切り1着。
中京1勝クラスでは自身も平均バランスに入っていたので、心肺機能を見せた。中京2勝クラスではかなりのスローバランスを中段から、L2で10.7が出ているが、2F戦になっていてレースレベルには疑問。武庫川Sでは稍重でスローからの3F戦、スタート出遅れて後方からになり届かなかったので、トップスピードの質は高くない。豊橋Sではハイペースバランスを中段の前から、直線では一旦交わしたライティアにゴール前で迫られたので、持続力に若干不安が出ている。自身もハイペースバランスに入っていたはずなので、心肺機能はやや高いものを見せた。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:血統。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は血統で、お母さんヴィルシーナがこのレース2勝しているし、お父さんのモーリスも安田記念で1,2着と、血統的にはこのコースと好相性のはず。マイルは3-0-0-1で全て条件戦だが好相性。悪材料はクラス負けの危険で、OPに上がったばかりでいきなりのGⅠ、前走も相手が弱かったのでこのクラスでは苦しいと思う。

適性:梅

<デゼル>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。

”未勝利戦”では稍重で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線馬群の中からスムースに伸びて差し切り。”スイトピーS”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”オークス”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”ローズS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず4着。”2021年迎春S”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になり追い出しが遅れて3着。”2021年初音S”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年阪神牝馬S”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年ヴィクトリアM”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年府中牝馬S”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが全く伸びずに凡走。”2021年エリザベス女王杯”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年愛知杯”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2022年阪神牝馬S”ではややスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:コース適性、距離適性。 悪材料:クラス負けの危険、斤量。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>未勝利戦の阪神でL1までしっかり伸びているし、スイトピーSでもL2の坂で10.1くらいを出しているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>スイトピーSではL3自身11.2くらいで、L4からかなり加速をしている。ただしこの時はスローバランスで超高速馬場であったことを考えると、現状では高いとは言えない。2021年迎春Sでは直線入り口で前が壁になり、空いてからもジリジリしか伸びなかったので瞬発力は低い。2021年エリザベス女王杯では56㎏でL3区間で反応が悪かった。

<トップスピードの質について>未勝利戦ではL2部分で一気に差を詰めていて、全体11.5を自身10.8くらいを叩き出している、このL2区間では馬群の中でコースを探しながらだったので、本気追っている風でもないことを考えると、相当なポテンシャルが有る。スイトピーSのL2は自身10.1くらい、キレッキレなトップスピードの質を見せた。2021年阪神牝馬Sでは中段やや後ろからスムースに伸びた、L3から10秒台に入る流れを差し切るだけのトップスピードの質を見せた。2022年愛知杯では中段のやや後ろから、直線スムースに伸びて3着、上がり3F34.2なのでトップスピードの質はまぁまぁまでだったが、この時は4F戦だし上位2頭は軽ハンデだった。2022年阪神牝馬Sでは中段のやや後ろから、中緩みがなかったことと内・前優位の馬場で3着までだったので、この時のトップスピードの質はやや高いくらい。なので条件が揃えばトップスピードの質は高いものを見せるが、中緩みがないとやや高いくらいになりそう。

<持続力について>スイトピーSでは超高速馬場だったが、L1でも11.2と全く落としていない、未勝利戦でも稍重だたが3F戦を自身L1も12.0くらいで纏めているので、持続力は高いはず。2021年初音Sでは平均バランスを中段やや後ろから、L2で11.3くらいは出したはずでL1も11秒台のはずなので、持続力の高さを見せた。2021年阪神牝馬Sでは中段のやや後ろから、L1までしっかり伸びて、と言うかL1の減速率が低い事での差し切り、持続力の高さを見せた。

<その他について>未勝利戦、スイトピーSとスタートが悪く中段の後ろから、二の足自体は悪くないので中段には取り付けているが、内枠で包まれるとリカバリーできない可能性がある。オークスでは中段の後ろから3,4コーナー中目を回している、デアリングタクトに対しても外を回しているので、距離ロスはあったはず。これでL1で伸びを欠いたので距離適性も出たかもしれない。

ローズSではスタートで右寄れ出遅れ、3,4コーナーから外を回して直線も外、上位3頭が3,4コーナーで内を回していたので馬場差を考えれば高評価で良いと思う。2021年ヴィクトリアMでは55㎏が堪えたような負け方だった。2021年府中牝馬Sではスローバランス中段の前からだったが、全く伸びずに凡走した。スローバランスを先行しているので心肺機能が敗因ではない、55㎏の斤量の可能性が高い。2022年愛知杯では55.5㎏で3着、キレッキレの上りを見せられなかったので、斤量の影響はあたっと思う。

好材料はコース適性と距離適性で、スイトピーS1着、初音S1着と府中の1800mを2勝している。阪神牝馬Sは1,3着なのでマイルも好相性。悪材料はクラス負けの危険で、これは斤量も関わってくるがGⅠで55㎏以上になると好走歴がない。昨年のこのレースは4番人気で8着だし、近2走は55㎏、55.5㎏で3着に入っているが、上がり最速ではなかったことからも、斤量の影響はあったと思う。川田騎手からの乗り替りも大きな不安材料ですね。

適性:竹-