2022年札幌記念 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<マカヒキ>・心肺機能特化型で瞬発力は年齢とともに落ちてきた。走りに無駄が無く長距離向き。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2017年天皇賞秋”は不良馬場で持続力を問われる展開になり、高い心肺機能で5着に好走。”2017年ジャパンC”では距離が伸びて4着に好走。 ”2018年札幌記念”では稍重馬場で前半からハイペースになり、消耗戦の持続力勝負を外からねじ伏せて2着。”2017年大阪杯、2018年有馬記念”では坂上ゴールで失速。”2019年京都記念”ではスローバランスを中段の後ろから、直線は外からジリジリ伸びて3着まで、L1でバテ差して来たので持続力は見せた。”2019年大阪杯”ではスローバランスを後方の最内から、直線中目に出してⅬ1でバテ差し4着まで、前日の雨で良馬場だが時計が掛かっていたのでトップスピードの質を問われなかった。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを最後方から、直線も伸びずに凡走。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを後方から、ユーキャンスマイルと同じ位置から直線に入ったが、トップスピードの質で見劣り凡走、この時が休み明け。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを最後方から、3,4コーナー最内を回して馬群に取り付き直線半ばで外に出し追い込んだが4着まで。”2020年大阪杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して凡走。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが8着まで。”2021年京都大賞典”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて1着。”2021年ジャパンC”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年京都記念”では稍重でスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。“2022年大阪杯”ではややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「札幌記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:近走の不振。

3年前にダービーを勝ってから3年、GⅠでは掲示板はあるが馬券には絡まないレースが続いている。同じディープ産駒で1歳下のアルアインが大阪杯を勝ち2つ目のGⅠタイトル獲得、ディープ産駒牡馬は2つ目のGⅠ獲得に苦労しているが、アルアインがそれを破ったので、これに続きたいところ。

2019年になって3着、4着と調子を上げているように見えるが、京都記念は相手が弱いし、大阪杯では後方から別のレースをしてのもので好評価をしていいのかどうか・・・。まず京都記念ではスローバランスからL2最速戦、馬場も重くトップスピードの質を問われなかった、相手もダンビュライトとステイフーリッシュに負けてしまっていて高評価は出来ない。大阪杯も終始最内の後方からロスなく進めた割には4着までで、4コーナーで外から勝負に行ったブラストワンピースに比べて相当楽をしている。

心肺機能と持続力は元々高いがトップスピードの質は程々、瞬発力は年齢とともに下がってきた感じ。逃げたり先行できればいいのだが、スタートも良くなく中段より後ろからになり届かないというのが現状の評価。道悪で周りが苦しくなった時に台頭したのが、2017年天皇賞(秋)と2018年札幌記念で、心肺機能と持続力が問われるような展開ならばまだまだ好走する可能性はあるが、スタートが悪くなってしまったので展開が向いても届かなくなってしまった。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の後方からで、メイン集団はスローバランス、4コーナーで内目を回して直線スムースだったが凡走、この時が休み明け。2021年天皇賞(春)では中段やや後ろからだったが、直線は流れ込むだけ、休み明けの影響だと思う。

この馬はノーザンF生産馬の割に休み明けがピリッとしない、2018年の札幌記念こそ2着だったが、この時は稍重でトップスピードの質を問われていないし、この時の3着が休み明けは全く走らない非ノーザンF生産のハービンジャー産駒モズカッチャンだった、これで同タイムだから休み明けは全く評価できない。2019年の宝塚記念も11着とその前の大阪杯4着からは見る影もない着順だった。2019年天皇賞(秋)も直線トップスピードの質で見劣り凡走だった。

2019年ジャパンCでは2400mへの延長で心肺機能と持続力が生きて最後方から追い込んで4着、重馬場で消耗戦になったことで最後方から追い込めたことと、道悪適性も見せた。2020年大阪杯では後方から3,4コーナー外目を回して当然のように凡走した、この時が休み明けなのでそれも影響しているはず。2021年京都大賞典では8Fの超ロンスパ消耗戦、無駄のない走法が生きてバテ差し1着。2021年ジャパンCではスローバランスになり出番なし。2022年京都記念ではスローからの5F戦を中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り凡走。2022年大阪杯後方から全くレースにならず、今のこの馬のトップスピードの質では苦しい。

好材料はコース適性で、2018年のこのレースで2着している、稍重だったので速い時計を求められなかったことが良かった。悪材料は近走の不振で、良馬場ではスピード負けしてしまうので、道悪待ちになってしまう。現状では2000mは短い感じ。

適性:梅

<ユーバーレーベン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では不良馬場でスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して中段まで上がり、直線スムースに抜け出し差し切り。”札幌2歳S”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに粘って2着。”アルテミスS”ではスローバランスを中段から徐々にポジションを下げて後方、3,4コーナー内目を回して直線やや待たされたが届かず。”阪神JF”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”フラワーC”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”フローラS”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず3着まで。”オークス”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”秋華賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ジャパンC”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線若干狭くなり進路変更して6着まで。”2022年京都記念”では稍重でスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「札幌記念へ向けて」好材料:コース適性、距離適性。 悪材料:休み明け。

<心肺機能について>札幌2歳Sでハイペースバランスを後方から進めた、自身はスローバランスだがL4から大捲りに行って僅差2着と、心肺機能がまぁまぁであることは見せた。

<パワーについて>新馬戦、アルテミスSとL2の坂自体は克服しているので、パワーは十分にある。特に新馬戦は不良馬場だったので、その中で坂区間のラップが11.3というのは好印象。フラワーCでは4F戦でL1バテ差して来たのでパワーは高いものを見せた。

<瞬発力について>フローラSではL2で差を詰められなかったので、瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>新馬戦は不良馬場だし、アルテミスSは後方からになって届かず、トップスピードの質はまぁまぁまで。阪神JFでは後方からショート捲りで3着まで、まぁまぁのトップスピードの質を見せた。フローラSではL2までは差を詰めていないので、トップスピードの質はまぁまぁまで。2021年ジャパンCでは直線すぐ前に居たコントレイルに見劣り、トップスピードの質が高くないことを見せた。

<持続力について>高い持続力を見せたのが札幌2歳Sで、L4から大捲りに行って僅差2着、この時の1着がソダシなので高評価で良いと思う。ゴールドシップ産駒らしさが出た感じで、後半の持続力が最大の武器になりそう。阪神JFでも後方からショート捲りを打って3着まで来たので、持続力は高い。フラワーCでは4F戦でL1バテ差して来たので持続力は高い。オークスでは中緩みのない平均バランスで、トップスピードの質が問われなかったことで持続力が活きた。

<その他について>アルテミスSの直線で首を右に向けていたのが気掛かり、右回りの方がスムースな可能性がある。持続力の項でも書いたが、この馬はゴールドシップ産駒でお父さんによく似ている。スタートが不安定部分までそっくりで、そのため自分でレースを作れないのは弱点ですね。ハイペースバランスになれば縦長になりまくっても距離ロスが最小限、これが札幌2歳Sだった。ただ前に持続力と心肺機能の秀でた馬が居ると差し切れないことも見せてしまった。

阪神JFではややスローバランスをショート捲りで3着、この日は直線だけ含水率が上がった馬場で、パワーと持続力を見せた。秋華賞では消耗戦を後方からで、適性的には合っていたが全く伸びず、この時は休み明けだった。2022年京都記念では休み明けで凡走。

好材料はコース適性で、札幌2歳Sでソダシと同タイム2着、フローラSで2000mを3着しているので好相性。オークス馬なのでクラス負けの危険はないはず。悪材料は休み明けで、この馬は非ノーザンF生産馬なので、休み明けは良くない。秋華賞が5カ月弱で凡走、京都記念でも1番人気5着と苦戦している。

適性:竹-

<ユニコーンライオン>・心肺機能はやや低く、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを先行して、持続力勝負で1着。”つばき賞”ではハイペースバランスを中段からバテ差し2着、この時の1着がワールドプレミアでタイムはかなり良い。”スプリングS”では平均バランスをスタートで立ち上がってしまい後方から、追走でもやや苦労しながら直線は着を拾うだけで凡走、この時が初輸送。”アーリントンC”ではややスローバランスを3番手先行、直線粘ったが5着、0.1差なので悪くはない。”2019年八雲特別”ではほぼ平均バランスをやや離れた2番手先行、L2最速戦を押し切って1着、持続力を見せた。”2019年松前特別”ではスローバランスを3番手追走、L3から11秒台に入りL1で12.5に落とす消耗戦を持続力を生かして差し切り。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、トップスピードの質で見劣り5着。”2020年STV賞”ではややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ストークS”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年弥彦S”では稍重でスローバランスを並んで逃げて押し切り。”2021年鳴尾記念”ではスローバランスを逃げ切り。”2021年宝塚記念”ではスローバランスを逃げ粘り2着。

「札幌記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:体調。

外国産馬でイマイチ血統的な特徴は把握できなていないが、母系にサドラーズウェルズが居るので、パワーと持続力が武器だと思う。実際のレース結果でも持続力は相当なものを見せているし、アーリントンCも坂でしっかり頑張っていた。心肺機能もまぁまぁの物を見せていて、八雲特別では平均バランスをやや離れた2番手から押し切っている、洋芝の函館コースだしL2最速戦でまぁまぁの瞬発力も見せた。トップスピードの質は低いが、先行していい脚を長く使うタイプですね。スプリングSで大敗しているが、出遅れていたし追走も苦労していたので、初輸送の影響で体調がイマイチだったのだと思う。

2020年STV賞では中段の前からで、直線前に馬が居たが詰まる感じではなったので、トップスピードの質で見劣っている。2021年ストークSでは直線スムース、L2の11.1では差を詰めていないので、トップスピードの質は評価できないが、L1の坂で差を詰めているので、パワーと持続力は見せた。2021年弥彦Sでは逃げ切り、スローバランスで心肺機能を問われず、稍重でトップスピードの質も問われない特殊な展開だった。

2021年鳴尾記念ではスローからの4F戦に持ち込み逃げ切り、前日の雨で良馬場だが直線は乾ききっていなかった感じで、直線差し勢の末脚が鈍ったことでの逃げ切りだと思う。2021年宝塚記念ではスローバランスを逃げて2着、スローからの4F戦という得意パターンに持ち込めたことと、L1で競り落としたレイパパレの距離適性にも助けられた。もちろん前残りの馬場も味方になったので、嵌った感もあるが58㎏を克服したし、前でレースを作れるのは強み。

好材料は距離適性で、2000mは鳴尾記念で圧勝、2200mの宝塚記念でも2着に好走している。悪材料は体調面で、蟻洞で1年強休んで、前走は復帰戦にダートのプロキオンSを選び16着。蟻洞は競走能力には影響はないはずなので、ダートを使ったということはまだ爪に不安があるのかもしれない、調教をしっかりできれば問題はないと思いますが。

適性:竹

<レッドガラン>・心肺機能はやや低い、パワーは高い、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はやや高い、持続力は高い。

”2019年蓬莱峡特別”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースに差し切り。”2019年ムーンライトハンデ”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2019年逆瀬川S”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2020年白富士S”では平均バランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2020年大阪城S”では稍重で平均バランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”2020年新潟大賞典”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着まで。”2020年鳴尾記念”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに5着。”2021年洛陽S”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になり追い出しが遅れて3着まで。”2021年東風S”では重馬場でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL2で一杯になり凡走。”2021年ポートアイランドS”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年カシオペアS”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線外に出して4着まで。”2021年リゲルS”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2022年中山金杯”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。”2022年京都記念”では稍重でスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年大阪杯”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着まで。”2022年新潟大賞典”ではややスローバランスを中段のやや後ろから、3コーナー手前で中段の前まで上がり、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。

「札幌記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>2020年大阪城Sで平均バランスを先行して押し切り、後半5F戦を圧勝しているので心肺機能はまぁまぁ。2021年東風Sではハイペースバランスを中段の前から、L2で一杯になったので心肺機能で見劣り。2021年ポートアイランドSでは平均バランスを中段のやや後ろから、自身はスローだったがこれでも末脚が鈍っているので、前半はゆったり入った方が良さそう。

<パワーについて>阪神での好走歴が多く、L1の坂でも失速していないのでパワーは高い。

<瞬発力について>2021年洛陽Sではスローからの4F戦で、直線前が壁になり再加速に手間取って届かず。

<トップスピードの質について>2019年逆瀬川SでL3が11.0を踏んでいる、ただしこの地点は下り坂だし当日は超高速馬場なので額面通りに受け取らない方が良いと思う。2020年白富士Sで後方からになり届かなかった、この時は前走の反動が出た可能性もあるが、届かなかったのは事実なので高くは評価できない。2021年リゲルSでは直線入り口ですぐ後ろに居たエアロロノアに見劣り、トップスピードの質が高くないことを見せた。

<持続力について>これは武器になる程の高さを持っている、まず2019年蓬莱峡特別が後半5Fのロンスパ戦、これでL1まで11秒台で押し切った。2019年逆瀬川Sでもスタート後の1F目以外は全て11秒台のラップで差し切りと、驚異的な持続力を見せた。2022年中山金杯ではスローからの5F戦を、中段の前から押し切ったので持続力を見せた。2022年大阪杯ではスローバランスだが、中緩みがなかったことでL1甘くなって4着。2022年新潟大賞典では初手は中段のやや後ろから、3コーナー手前で中段の前に上がり、3,4コーナーでは中緩みが出来て3F戦、L1で差し切っているので持続力を見せた。

<その他について>この馬は社台F生産馬で休み明けは不安定、ムーンライトハンデが7着に凡走したが、3カ月の間隔空けだった逆瀬川Sは勝ち切っている。更にロードカナロア産駒なので反動が出る、2020年白富士Sでは出遅れ届かず、2020年新潟大賞典でもスタートイマイチで中段の後ろからになり届かなかった。

2020年鳴尾記念では終始中目を回して直線スムースだったが5着まで、クラス負けの感もある。2021年カシオペアSでは中段の前から、直線で伸びない外に出してしまい4着まで。2021年リゲルSではスタート出たが、スローバランスにも拘わらずジリジリ下げてしまったので届かなかった。2022年京都記念では中段のやや前からで、展開的には合っていたがL1で失速したので距離が長かった感じ。

好材料は距離適性で、2000mは中山金杯、新潟大賞典で1着と好相性。洋芝は初めてだが、母父がシンボリクリスエスなのでこなせるパワーは有るはず。悪材料はクラス負けの危険で、GⅡは京都記念で6着だけ、スーパーGⅡでハンデも貰えないので通用するかどうか。パンサラッサがハイペースにして、自身一本調子のペースになってしまうと終いが甘くなる可能性があり、展開面の不安もある。

適性:竹