走破時計1:19.7 前半600m34.0 34.0-34.3平均バランス
良馬場 含水率 ゴール前 10.8% 4コーナー 9.9%(5:00)
クッション値 10.2 やや硬め(7:30)
まずは馬場状態ですが良馬場でした。先週に引き続き高速馬場で1分19秒台の決着、1,2着は中段よりも前の馬でしたから前が止まらない馬場でもありましたね。
下のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。1枚目の青は今回、赤は2020年スワンS、緑が2020年阪急杯のラップです。2枚目の赤は2020年マイルCS、緑が2020年安田記念です。
まず1枚目は直近のGⅡ1400mだった2レースと比較、スワンSは35.5-34.3でスローバランス、阪急杯は34.1-34.8でややハイペースバランスでした。ステルヴィオの成績を見てみると、阪急杯5着、スワンS2着、阪神C12着でした。阪神Cと阪急杯は平均とハイペースバランスで後半は減速戦、スワンSはスローバランスですが実はトップスピードの質がそれ程問われていませんでした。ステルヴィオはキンカメ系で5歳になり、蓄積疲労からトップスピードの質が落ちてきました、それが顕著に出たのが今年の安田記念で、上がり2番時計でしたが届きませんでした。これは前半無理をしてしまうとトップスピードの質を引き出せなくなった、いわゆるAT値が下がってしまった可能性があります。安田記念は後方からで中緩みがあったので前半は無理をしていません、それでも届かないということがこの馬の今の状態なんでしょうね。そしてスワンSではまさかのスローバランス、しかも当日は直線で時計が掛かっていてトップスピードの質も問われていなかった。それに対して阪神Cでは中緩みの無い平均バランスで消耗戦になり、前半で脚を使ってしまった感じですね。加えて前が止まらない高速馬場では、今のステルヴィオのトップスピードの質では勝負になりませんでしたね。
2枚目です、こちらはインディチャンプが好走したマイルCSと安田記念です、どちらも中緩みがあります、この中緩みでインディチャンプは前と差を詰めているんですね。今回は中緩みが無く前との差を詰められずに、加えて高速馬場で前が止まらない、なにしろダノンファンタジーは前に居て上がり34.1ですから、インディチャンプの34.0では届くはずがないですね。問題はインディチャンプが脚を余して負けていることで、これは前半積極的に位置を取らなかった福永騎手のミスでしょう。この辺りは福永騎手の甘さと言うか、ルメール騎手のように何が何でも勝つという執念を感じさせない部分ですね。
逃げたのはイベリス、2番手ヤマカツマーメイドの外にマルターズディオサ。引いたクラヴィスオレアが中段の前で、ダノンファンタジーが内、外からジャンダルム、ミッキーブリランテが上がってきました。中段からクリノガウディ―、フィアーノロマーノ、サウンドキアラ、中段の後ろからレインボーフラッグ、ステルヴィオ、インディチャンプ。後方からタマモメイトウ、キングハート、ブラックムーンという並びでした。
逃げるかと思われたクラヴィスオレアですが、スタート五分に出ましたが行き脚が足りずに1F目で諦めましたね、これで中段の前まで下がってしまいました。逃げたのはイベリス、ヤマカツマーメイドが2番手で、外からマルターズディオサがそのすぐ後ろまで上がりました。前半が34.0なのでそこまで飛ばしている訳ではない、なので前の馬にとっても厳しいペースではなかったですね。
ダノンファンタジーはスタート決めて中段の前から、この距離で前半が速くなれば折り合いが付いていましたね。ヴィクトリアMの時も前半34.2で折り合いはついていたので、この距離が良いのでしょうね。ステルヴィオはスタートでタイミングが合わず、リカバリーもできずに中段の後ろでした。今のステルヴィオでは出遅れるとリカバリーするスピードが無いのでしょうね。
サウンドキアラも五分に出ましたが、押して押して中段がやっとなので、まだ良い頃には戻っていない感じですね。インディチャンプは五分に出ながら、福永騎手が全く促さずに中段の後ろから、ハイペースバランスではないのでこの位置取りは大失態ですね。インディチャンプやフィアーノロマーノの位置で、ややスローくらいだったと思います。
4コーナーです、この地点でL2標識ですから11.3の地点です。このラップを外からというのは苦しいですね、サウンドキアラとインディチャンプが届かなかった理由は、この距離ロスもあったでしょうね。ダノンファンタジーは内からスムース、直線入り口でヤマカツマーメイドが外に膨らんだので、イベリスの外からスムースに直線に入りました。マルターズディオサもスムースでしたが、内から3頭目を回した分だけ距離ロスがありました、これは外枠でしたから運が無かったですね。
フィアーノロマーノはスムースにコーナーを回して、直線でもスムースでした。この馬はトップスピードの質で勝負するタイプではないので、この位置ではハイペースバランスのバテ差しにならないと無理ですね、結局前走京阪杯はハイペースバランスをバテ差しになったので、これを見て差しに回ったんだと思います。ところが今回は平均バランスで前が止まらない馬場、これでは届きませんね。
直線L1標識付近です、イベリスが粘るところダノンファンタジーが並びかけます、外からマルターズディオサが粘るところ、さらに外からサウンドキアラとインディチャンプが追い込んできます。ここからは減速区間なので、「伸びる」という言葉は適切ではないですね。差を詰めてきているダノンファンタジー、マルターズディオサ、インディチャンプ、サウンドキアラは減速率が他馬よりも低かったということ。イベリスとヤマカツマーメイドはジリジリ後退、フィアーノロマーノとクリノガウディ―、ジャンダルムは流れ込むだけでした。ジャンダルムは穴で期待しましたが、この結果からもこのクラスではちょっと厳しいですね、ハンデを貰ってどうかだと思います。
では1頭ずつ見て行きます。
1着はダノンファンタジー、スタート決めて折り合いも付き、内からスムースにコーナーを回って、直線入り口ではヤマカツマーメイドが外に膨れてくれたので、スムースに抜け出しました。1400mへの短縮、GⅠの裏開催で藤岡佑騎手を確保した時点で、この馬の流れでしたね。これで前半が速い方が折り合いが付くことが分かったので、今後は1200mも含めて短距離で買いたい馬ですね。
2着はマルターズディオサ、平均バランスを見抜いて前に行ったのかは分かりませんが、とにかく前に行ったことが好走要因ですね。未勝利戦やサフラン賞では後方から上がり最速で差し切っていますから、適性の幅が広い馬ですね。今回は外枠だったので、3,4コーナーで内から3頭目を回されてしまい距離ロス、この部分が痛かったですね。勝ったダノンファンタジーは内でスムースでしたから、枠が逆なら着順が変っていた可能性はあると思います。前半3F34.0に対応して先行しているので、1400mまでは守備範囲でしょう、ヴィクトリアMでは前半33秒台もありますからね。1200mで先行すると危うくなるかもしれませんが、展開不問なので今後も安定した成績が期待できます。ただし間隔開けた時にですが。
3着はインディチャンプ、ラップグラフのところで殆どで書いてしまいましたが、前半の位置取りが全てですね。福永騎手の馬場読み、ペース判断、馬の能力判断、この辺の不味さがモロに出てしまいました。ゴールまで差を詰めているように、完全に脚を余しているのでもっと前に居れば勝っていたでしょうね。これで短距離を諦めるのは良くないので、ぜひ今後も1200mから1600mまで幅広く走って欲しいです。
4着がサウンドキアラ、最後は差を詰めてきたので、随分と戻ってきたなという感じ。ただ春の頃はスタートも良く二の足も速かったので、この部分はまだまだですね。調教でまっすぐ走れるようになったら、重い印で勝負したいです。
5着はクリノガウディ―、上り3F34.3ですからトップスピードの質では勝負できないことを改めて見せましたね。平均バランスでしたからもう少し前で勝負したかったし、休み明けだった分も影響したはず。
イベリスは6着、L1まで踏ん張っていましたが最後に55㎏が影響した感じですね。ミッキーブリランテは殿負け、4コーナーで一杯になっているので、この距離では忙しい感じですね。弟のダノンザキッドがホープフルSを勝ったので、距離を伸ばした方が良いかも。
馬券の方はハズレ、インディチャンプ1頭軸にしてしまい、馬連万馬券を取り逃す大失態、猛省しています。