2023年札幌記念 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ウインマリリン>・心肺機能はやや高い、パワーは高い、瞬発力はやや高い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線押し切り圧勝。”若竹賞”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線外に出したが伸びずに5着。”ミモザ賞”では稍重で平均バランスでやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”フローラS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”オークス”ではややスローバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出したが2着まで。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の2番手から、3,4コーナー最内を回して直線一瞬待たされてから伸びたが4着まで。”2021年AJCC”では不良馬場でスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが6着まで。”2021年日経賞”ではスローバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに出し抜き快勝。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年オールカマー”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線一瞬待たされたがコースが空いて1着。”2021年エリザベス女王杯”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して4コーナーで一杯になり凡走。”2022年大阪杯”ややハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年宝塚記念”ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年札幌記念”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに粘って3着。“2022年エリザベス女王杯”では重馬場で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着同着。

「札幌記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:休み明け。

<心肺機能について>フローラSがハイペースバランスを先行して押し切っている、直線かなりの向かい風でトップスピードの質を問われなかったことも良かったが、L1を12.1で纏めているので、心肺機能は高い。2022年宝塚記念ではハイペースバランスを中断のやや前から、直線入り口から苦しくなってしまったので、心肺機能で見劣った感じ。

<パワーについて>新馬戦、ミモザ賞で小回り急坂の中山と阪神内回りを快勝、新馬戦ではL1も12.0で纏めているので、パワーは武器になるほど高い。2021年オールカマーではL1でコースが空いてから抜け出しているので、パワーの高さを見せた。

<瞬発力について>若竹賞でL2の11.6に反応できずに手応えが悪かった、直線入り口でも一瞬待たされてしまい、再加速できずに凡走している。逆に快勝した新馬戦、ミモザ賞、フローラSでは直線スムースだったので、特にミモザ賞ではL2で出し抜いているので、まぁまぁの評価。2020年AJCCでは4コーナーで一瞬待ってしまった、これで6着は休み明けを考えてもやや物足りないので、瞬発力で勝負するべきではない。2021年日経賞では3番手先行からL2最速戦、ここでインから抜け出し快勝したので瞬発力を見せた。

<トップスピードの質について>現状ではまぁまぁの評価しかできないが、良馬場でドスローだった新馬戦でもL2が11.5なので、武器になる程のトップスピードの質はないと思う。オークスでは先行して押し切るところをデアリングタクトに差された、この日は良馬場だが結構かかっていたので、トップスピードの質は問われなかった展開も含めて嵌った印象が強い。2020年エリザベス女王杯では4コーナーで一瞬待たされてしまい、トップスピードの質で見劣った。

<持続力について>快勝したレースはいずれも3F戦になっていて、3Fまでで持続力の高さを見せている。現状では4F以上の持続力については不明だが、血統的にもフローラSの感じからも対応できそう。2021年オールカマーでは4F戦で快勝しているので、持続力は高い。2022年札幌記念では先行して3着、前残りの馬場で持続力を生かして3着。2022年エリザベス女王杯ではスタートやや早く中段のやや前から、3,4コーナーで馬場の良い外目を回したことで持続力が活きた。

<その他について>ミモザ賞でも4コーナーで馬群を割ってコースを確保したし、フローラSでも内からこじ開けてきた、かなりの闘志を持っているようで馬群に怯まない。オークスでは2番手先行、やや間隔を空けて絶妙なペースで追走して、4コーナーでミルコが仕掛けたがそこで”待って、直線L2から追い出して2着と横山典騎手が好騎乗を見せた。大外から2番手を取れたしコーナーは終始最内、仕掛けのタイミングもドンピシャでこれ以上の騎乗は出来ない程完璧だったので、同じことをもう一度できるかは微妙。

秋華賞では先行したが凡走、この時はオークス以来の休み明けでプラス12㎏、直線も伸びない内を通して全く伸びなかった。更にこの時は初輸送だったことも影響したはず。2021年天皇賞(春)では中段から5着、斤量56㎏と距離は克服している。2021年エリザベス女王杯では中間に肘腫の影響があり、仕上げ切れずに凡走。2022年大阪杯では先行したが4コーナーで一杯になり凡走、調教は良かったので輸送の影響かもしれない。

この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くない、秋華賞が5カ月弱の間隔で大敗、この時は裂傷の影響も。2021年AJCCでも2カ月強の間隔で6着だった。2021年日経賞では2か月の間隔で快勝、この間隔までが好走条件だと思う。2021年オールカマーでは休み明けで好走、手塚厩舎なので休み明けでも仕上げてきた。肘腫の手術に成功したようで、体調面には不安が無い。

好材料はコース適性で、昨年のこのレース3着なので好相性。2000mはフローラSも勝っているし、2200mのエリザベス女王杯で2着なので、距離適性は良いと思う。悪材料は休み明けで、この馬は昨年のエリザベス女王杯で3カ月弱を2着している、この時は重馬場だった。前走のドバイシーマCでは4コーナーから直線入り口でペースがあがった時に、追走一杯になり負けている。この事から休み明けではトップスピードの質が戻らない可能性があり、海外帰りで5カ月の間隔だと切れ負けのリスクがある。

適性:竹

ジャックドール ・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は不明。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
プリンシパルS 5着 スローバランスを逃げて5着。トップスピ度の質で見劣り。
1勝クラス 1着 スローバランスを2番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。持続力を見せた
浜名湖特別 1着 スローバランスを逃げ切り。持続力を見せた。
ウェルカムS 1着 スローバランスを逃げ切り。持続力を見せた。
2022年白富士S 1着 スローバランスを逃げ切り。持続力を見せた。
2022年金鯱賞 1着 スローバランスを逃げ切り。スローからのロンスパで持続力を見せた。
2022年大阪杯 5着 ややハイペースバランスを逃げて5着。心肺機能が高くないことを見せた。
2022年札幌記念 1着 ハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。
2022年天皇賞(秋) 4着 ハイペースバランスを離れたメイン集団の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着まで。
2023年大阪杯 1着 平均バランスをスタート早く逃げ切り。
2023年安田記念 5着 ややスローバランスをスタートやや早く2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。
プリンシパルSでは逃げたがスローからの3F戦、トップスピ度の質で見劣り5着。1勝クラスではスローからの4F戦を2番手先行、持続力の高さを見せた。浜名湖特別ではスローからの4F戦を逃げ切り、L2で10.8を出しているが差を広げていないので、トップスピードの質はまぁまぁまで。ウェルカムSではスローからの4F戦を逃げ切り、このレースはL3で11.0が出ているがここでは差を広げていないので、トップスピードの質はまぁまぁ、L2からの減速区間で差を広げたので、パワーと持続力を見せた。

2022年白富士Sではスローバランス、開幕週で高速馬場だったので、中緩みで12秒台に入らなかった、実質4F戦でL1が12.4まで落ちたところで、アドマイヤハダルに0.2まで詰められたので、持続力はやや高い位。2022年金鯱賞では逃げ切り、ロンスパに持ち込みL3で最速11.0を出しているが、この区間は下り坂で瞬発力は見せていない。持続力はかなり高い。

2022年大阪杯ではややハイペースバランス逃げて5着、2F目に10.3を出してしまい苦しくなったので、心肺機能は高くない可能性がある。落鉄の影響もあった。2022年札幌記念ではハイペースバランスを先行押し切り、前残りで上がりレースの上り3Fが37.7も掛る異様な重い馬場で、心肺機能は未知数のままで良いと思う。2022年天皇賞(秋)ではメイン集団の中段の前からで、スローからの3F戦に付き合ってしまいトップスピードの質で見劣り凡走、騎手のペース認識の悪さが出た。

2023年大阪杯ではスタート早く逃げ切り、スローからのロンスパに持ち込み辛勝、これが勝ちパターン。2023年安田記念では2番手先行、直線L2で先頭に立ったが、最後はトップスピードの質で見劣った。

「札幌記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:展開。

好材料はコース適性で、昨年のこのレースを勝っているので好相性。昨年も休み明けだったので不安なし。悪材料は展開面で、この馬は前半ソロっと出して行ってのロンスパが得意。ユニコーンライオンが出走するようなので、ハイペースに付き合うと苦しくなりそう。

適性:松-

シャフリヤール ・心肺機能はまぁまぁ、パワーある、瞬発力は不明。 

・トップスピードの質はやや高く、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。
共同通信杯 3着 スローバランスを少頭数の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。L2でエフフォーリアの加速には対応できていないので、瞬発力は低くトップスピードの質もやや高いというレベル。。L1でヴィクティファルスとの差を詰めてきたので持続力は見せている。
毎日杯 1着 平均バランスを少頭数の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線一瞬待たされてからスムースに抜け出し1着。平均バランスを前で押し切った格好だが、L1で11.7迄落としているので心肺機能はまぁまぁ。走破時計は良いがこの日は超高速馬場で額面通りには受け取れない。
ダービー 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。前半からエフフォーリアをマークしてスムースに差し切れた。
神戸新聞杯 4着 不良馬場でスローバランスを中段のやや前からでやや掛かり気味、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに4着。気性に不安を残した。
2021年ジャパンC 3着 スローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。1コーナーでやや不利があった。
2022年天皇賞(秋) 5着 ハイペースバランスを離れたメイン集団の中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2022年ジャパンC 2着 スローバランスをスタート五分に出て中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。
共同通信杯でエフフォーリアとの差がはっきりしてしまった、まずL2最速戦で瞬発力で見劣り、トップスピードの質でも見劣っている、L1でヴィクティファルスとの差を詰めたので、4F戦の持続力は見せている。毎日杯ではもの凄い走破時計が出たが、この日は超高速馬場で古馬2勝クラスマイル戦でも1:32.4が出ているので、額面通りには受け取れない。毎日杯のL1が11.7まで落としていて、ここでグレートマジシャンに詰め寄られているのが印象悪い。共同通信杯で瞬発力に疑問符が付いたが、もしかしたら坂が苦手な可能性がありこの点は未知数。

ダービーではエフフォーリアをマークする形で、直線ギリギリまで仕掛けを待てたことで差し切れた。トップスピードの質と持続力を見せた。神戸新聞杯では不良馬場だったが、前半やや掛かっていた。これで直線伸びなかったので、不良馬場の影響もあったと思うが、前半掛かった影響もあったはず。

2021年ジャパンCではスローバランスを中段のやや前から、1コーナーでやや不利があったが大きな影響はなく、直線で反応が悪かったのは前走の反動の可能性が高い。2022年天皇賞(秋)ではパドックからやや煩く、返し馬でも行きたがり、レースでもやや掛かっていた。スローからの3F戦で直線反応が悪かったので、折り合い面の不安が出た感じ。

2022年ジャパンCでは内優位の馬場とコースで7枠から、終始馬群の外を回されてしまい距離ロス。直線スムースだったが2着までだったのは高評価で良いが、L1で左に大きく寄れているのは印象が悪い。

「札幌記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

好材料は距離適性で、1800mから2400mまで好走しているので、2000mは好相性で良いと思う。悪材料は特になく、休み明けでも走るので問題なし。洋芝はやってみないと分からない。

適性:松