2019年弥生賞 回顧。


走破時計2:03.3 前半1000m通過61.8 上り3F37.0

馬場状態は重馬場まで悪化してしまいました、稍重辺りで収まるかと思いましたが結構降りましたね。これは完全に想定外でした。ただ12Rの1000万条件ではマイルで1:35.9なので、重馬場という程悪化しているわけではないんですけどね~。この辺りは騎手の意識、田辺騎手の意識の問題ですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。

ラップは前半800mからほぼフラット、つまり全く仕掛けなかったんですね。引き上げずにただ減速していっただけって言うレースでした。L2は下り坂なんですがじわっと減速していて、これで後続が楽に取り付いてしまうんですね。メイショウテンゲンやブレイキングドーンが楽に取り付いてロスなく外を回して、馬場の良い直線の外目を伸びるというレースでした。

展開はラストドラフトが逃げ体勢、内からカントル、ヴァンゲドミンゴ、ニシノデイジーが掛かりながらここに居て、内からサトノラディウス、外にナイママ、メイショウテンゲンはこの後ろですね。やや離れてブレイキングドーン、シュヴァルツリーゼ、ラバスト―ンという並びでした。

サトノラディウスは逃げるかと思ったんですが全く行く気を見せず、押し出されるようにラストドラフトが逃げました、問題は馬場で重馬場発表ほど悪くないんですよね、直線はかなり荒れていましたが、道中は稍重程度で決して悪くなかった。ここで平均バランスのスローペースに落としたことでラストドラフトは苦しい展開になりました。特にL2でやや減速している部分が致命的でしたね。

L2で引き上げなかったことで内は渋滞して外からメイショウテンゲン、シュヴァルツリーゼ、ブレイキングドーンが楽に先団に取り付けました。内のラストドラフト、カントルが加速しないまま直線に入ったのとは対照的に、上位3頭は4コーナーから加速して直線に入っているこの差が出たという事ですね。

4コーナーの出口はこんな感じでラストドラフトは馬場の良い外に行こうとしますが、すでにメイショウテンゲンに来られてしまいます。インに詰まったカントルは空いた内を突いて伸びませんでした。サトノラディウスも内目を通して伸びず。ニシノデイジーは前半から掛かっていてレースになりませんでしたね、これはホープフルSで直線内に詰まったために、今回は道中からカントルの斜め後方に位置したために、前に壁を作れずに折り合えなかったんでしょう。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はメイショウテンゲン、スタートまずまずで中段に取り付いてレースが出来ました。L2で上手く先頭列に並べたことが大きくて、上り3F36.7は馬場を考えても褒められたものではないと思います。上がりが掛かる展開になり、持続力が生きたという事ですね。今後も馬場に拘わらずこういう展開で台頭するタイプなんので覚えておきましょう、お母さんそっくりですよね。

2着はシュヴァルツリーゼ、ハーツ産駒でトニービンの血を持っていることが大きいですね、重でも走ることが分かったのは収穫です。この馬もL2で前が加速しないので取り付けた口で、持続力が生きましたね。

3着はブレイキングドーン、ヴィクトワールピサの産駒で重馬場巧者っぷりを発揮しましたね。この馬もL2で前が加速しない中を取り付けた1頭ですね。瞬発力とトップスピードの質を問われてしまうと苦しいので、今後も重馬場では注意が必要ですね。

4着にニシノデイジー、ホープフルSの反省を生かして詰らないように競馬をしたのが、かえって悪い方に出てしまいましたね。終始掛かっていていましたから、この4着は高評価ですね。内枠で折り合いが付けばトップクラスに居ることは間違いないと思います。

5着はカントル、L2で加速できなかったことと、直線で馬場の悪い内を走ったことが敗因ですね。母系がキンカメなので決して重馬場が苦手なわけではないと思うので、今後も重馬場で嫌う必要はないと思います。

6着にサトノラディウス、予想の段階ではパワー型だと思ったんですが、今回のレースを見るとパワーが足りないのかもしれませんね。梅花賞も重い力の要る馬場だったので、軽い高速馬場の方が良いかもしれません。

7着にラストドラフト、新馬戦の走りから軽い高速馬場向きかもしれませんが、ノヴェリストの産駒なので重馬場が苦手なわけはないと思います。同じノヴェリストの産駒のコスモカレンドゥラが中山未勝利戦を稍重で勝っています、この時のL3からのラップが12.0-11.7-11.9なのでL2でしっかり加速しているんですね。もちろん稍重と重馬場の違いがあるので一概には言えませんが、この産駒たちはどう見ても瞬発力があるタイプではないので、今回は乗り替りで運が無かったですね。
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