2019年セントライト記念 回顧。川田騎手のハングリーさが出た。

走破時計 2:11.5  前半1000m 59.8  上り3F 35.9

まず馬場状態です、昨夜かなり降ったようで朝から芝は重馬場、ダートは不良馬場まで悪化していました。9R白井特別2勝クラス1800mで1:50.1と走破時計自体は遅いのですが、1着サトノダムゼルの上り3Fは33.8、2着のロフティフレーズが33.6で上がっています、騎手の意識と馬場状態の乖離が大きいという事ですね。実際セントライト記念でも2:11.5という時計が出ていて、このタイムは昨年ジェネラーレウーノが勝った時よりも速いです、もちろん昨年は良馬場でした。

ここからは推測ですが中山競馬場芝コースはエクイターフの割合が増えたんじゃないでしょうか。今年のエプソムCが稍重でレイエンダの上りが32.7と、稍重とは思えないどころか、良馬場でもなかなか出ない上がりタイムを記録していました。多少雨が降ってもスピードに影響しない芝、これがエクイターフの特徴でないかと思います。根が非常に密に生えるそうで、馬に蹴られても剥がれないことがエクイターフのいい点ですが、同時に硬いスポンジのような吸水性と排水性、反発力を同時に持っているような気がします。余程の大雨にでもならない限り従来の重馬場のイメージで予想するのは危険でしょうね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回のレースラップです、馬場があまりに特殊なため比較レースはありません。

隊列が決まった2F目過ぎから11.9~12.2のラップを淡々と刻んでいます、L3以降もペースが上がっていないので、リオンリオン辺りは有酸素運動のギリギリ上限付近で走り続けた感じですね、これ以上速くなればゴール前で失速していたはずですし、遅ければトップスピードの質で見劣り差されていたと思います。このペースで3,4コーナー外を回した先行馬はどうしても苦しくなりますね、それがランフォザローゼスで直線入り口で一杯になっていました。

今回中段よりも前に居て上位に来た馬、サトノルークス、ザダル、そして3,4コーナーで外を回したルヴォルグは高い心肺機能を持っていますね。ついでに持続力も高いタイプですね。

逃げたのはアトミックフォースでした、2番手に外からナイママ、リオンリオンは控えて3番手の最内。外からランフォザローゼスが上がりヱングレーバーを挟んでザダルがリオンリオンを見る位置。オセアグレイト、やや下げたサトノルークスがこの位置で、その外にルヴォルグ。中段のやや後ろからサトノラディウス、エターナルヴィテス、マテリアルワールド、シークレットラン、タガノディアマンテ。後方からになったのがメイショウテンゲン、ニシノデイジー、ミューチャリー、モズベッロ。

マテリアルワールドが逃げる予想をしていましたが、この辺りはサンプルの少ない3歳限定レースですね、展開は正確に予想できませんでした。リオンリオンの出方やランフォザローゼスが先行、ザダルも最内から前目というあたりは想定通りでしたね。サトノルークスはやや行き脚が付かない感じで、川田騎手もスタート後にかなり押していました、中段を確保したことで落ち着きましたが、2の脚の遅さは今後の課題ですね。

ルヴォルグももう少し前が理想だと思いますが、外枠からで中段が精一杯の感じ。ニシノデイジーもスタート良かったわりには後方になってしまいましたね、掛かる馬なので一を取るために出して行くと掛かるのを恐れたんだと思います、この馬は内枠が欲しいですね。モズベッロはスタートが良くなく大きく後れてしまいました、ミルコもスタートが上手くないので、この辺りは今後の課題ですね。

4コーナーから直線入り口です、アトミックフォースとナイママがまだ頑張っています、この2頭の間を狙ったのがリオンリオンですね、かなりワイドに馬が並んでしまったので、ランフォザローゼスよりも外の馬はかなり苦しかったはずです。その中でザダルとサトノルークスは内で我慢、ニシノデイジーが外から勢いを付けてきました。

直線L1標識付近です、ここでリオンリオンが抜け出します、リオンリオンが作ったスペースにザダルとサトノルークスが入ってきますが、1頭分のスペースしかないのでかなり狭くなりましたね。前走も詰まっている石橋騎手もここは引けませんでしたね、もちろん川田騎手も引くわけが無く、ナイママが外に寄れてくれたことでスペースが出来ました。石橋騎手はいつもこういうアグレッシブさを出して行けば、飛躍できると思うのですが。

外からの馬はルヴォルグがまぁまぁの伸び、ニシノデイジーはバテ差す形で伸びましたが5着まで。ヱングレーバーは心肺機能の問題かな、ランフォザローゼスは青葉賞で心肺機能を見せている割には負け過ぎですね、何か他に原因がありそうですが。メイショウテンゲンもこの馬場状態ではスピードが足りませんね、もっと悪化しないと良さが出ないと思います。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はリオンリオン、アトミックフォースを行かせて3番手の最内でしたから、絶好の位置取りでしたね。直線入り口でアトミックフォースとナイママの間を割ったコース取も見事でしたし、L1も落とさない持続力を見せました。青葉賞ではL1落としていたので、持続力が高まったのか2200mの距離が良かったのかは、判断しかねるところですね。懸念していた休み明けもノーザンFの外厩で問題がない事が分かったので、今後は休み明けから不安なく評価できますね。

2着はサトノルークス、8番人気ですか(ΦωΦ)フフフ…、皐月賞、ダービーは敗因がはっきりしていましたし、500万条件やすみれSの内容からも好走して驚けない馬でした、もちろん川田騎手の好騎乗あってのものですが。気になったのはスタート後2の脚が遅かったことですね、川田君が懸命に推して中段を確保していましたから、これを次走の騎手が出来るのかどうかは未知数ですね。

3着はザダル、本質的には内枠で待たされるよりも、外からスムースに持続力を発揮したいタイプだと思いました。まぁお父さんがトーセンラーですから似た感じなのでしょう。京都外回りはお父さんが得意としていたコースなので、菊花賞に出てくるようなら楽しみです。石橋騎手も背水の陣で最低限の仕事は出来たと思います。

4着はルヴォルグ、改めて力のあるところを見せましたね、3,4コーナーで外を回してこの着順は評価すべきでしょう。今回は枠に泣かされましたね、この4着で見限るのは早計だと思います。

5着はニシノデイジー、序盤のポジションが後ろ過ぎましたね、もう少しペースが上がって前がバテれば出番もあったと思いますが、掛かるのを恐れているのでしょう、ポジションを取れないと苦しくなりますね。内枠で狙いたいかな~。

馬券の方は的中でした、よかった。昨夜4時まで作業した甲斐がありました。