2024年NHKマイルC 回顧。ルメール騎手はレース勘が戻ていなかった。

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走破時計1:32.4    前半800m 46.3  上がり3F 34.1

まずは馬場状態ですが良馬場、土曜日に散水しているので含水率が上がっています。9Rの分倍河原Sが3勝クラスのマイル戦で1:32.5、標準的な良馬場のタイムですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2024年ジュニアCのグラフです。

今回のグラフ青で特徴的なのは、12.0を2連発している中緩みですね。これはジュニアCのグラフ赤と大きな違いです。直線でアクシデントがあったので単純に比較はできませんが、少なくともキャプテンシーにとっては、中緩みを作るよりも、ジュニアCのように一本調子のラップで押し切った方が良かったと思います。結果論ですが、中緩みを作らなければ直線で不利を受けなかった可能性もあるし、ミルコに対する評価を下げざるおえませんね。

ジャンタルマンタルに関しては朝日杯FSでも、似たようなラップ推移で快勝していますから、一番得意な展開だったはずです。逆にアスコリピチェーノにとってはあまり良くない、瞬発力が高い訳ではないので、桜花賞でも直線入り口で一発貰ってから、再加速に手間取りましたからね。よく2着まで持って来たなという感じ、まともにやればジャンタルマンタルよりも力は上ではないでしょうか。

逃げたのはキャプテンシー、ボンドガールとマスクオールウィンが先行。中段の前からイフェイオン、アスコリピチェーノ、ジャンタルマンタル。中段のやや前からノーブルロジャー、ロジリオン、エンヤラヴフェイス。中段からダノンマッキンリー、チャンネルトンネル、ゴンバデカーブース。中段のやや後ろからディスペランツァ、ウォーターリヒト。中段の後ろからアレンジャー、ユキノロイヤル、後方からアルセナール、シュトラウスという並びでした。

初手の段階でアスコリピチェーノを閉じ込めたジャンタルマンタル。川田騎手はこれを狙っていた節がありますね、もちろんマスクオールウィンが前に居てくれた幸運もありますが。こういうエゲツナイことを狙ってできるようになれば、川田時代の到来だと思います。

ペースは平均ですが、ここからコーナー区間で中緩みが出来ます。当然馬群が凝縮しました。

4コーナーです、中緩みが出来たことで馬群が凝縮、アスコリピチェーノが動けなくなります。これが直線で起きたアクシデントの原因ですね。ロジリオンも馬群の中に入っていますが、直線入り口で外に居たエンヤラヴフェイスがやや遅れたことでコースが空きスムースでした。

直線L2標識付近です、ジャンタルマンタルは追い出しを我慢して、アスコリピチェーノの進路を殺します。キャプテンシーとマスクオールウィンの間にスペースがあるので、ルメール騎手はここを狙いました。しかしマスクオールウィンがフラフラしたことで、アスコリピチェーノが更に内に行き、キャプテンシー、ボンドガールと接触して躓きます。

直線入り口でエンヤラヴフェイスが若干遅れたことで、ロジリオンのコースが空きます。ロジリオンはこの反応が良かったですね。外からゴンバデカーブースがスムースでした。

直線L1標識付近です、ジャンタルマンタルがスムースに抜け出し、ロジリオンが続きます。接触があったキャプテンシーとボンドガールが下がり、アスコリピチェーノはバランスを崩しながらも立て直してジリジリ。外からゴンバデカーブースがスムースですね。

ここからジャンタルマンタルが押し切り、ロジリオンが追走しますが差が詰まらず。逆にアスコリピチェーノが内から伸びてきて2着を確保しました。再加速は遅いのですが、自力の高さでなんとかロジリオンを差し切った感じですね。ゴンバデカーブースはジリジリまでで、4着に上がるのがやっとでした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はジャンタルマンタル、馬の能力ではアスコリピチェーノの方が上だと思います。ただ今回は川田騎手が最高の騎乗をしましたね。マスクオールウィンが前に居た幸運もあり、この展開を最高の形で生かしての1着。トップスピードの質と持続力の高さ、まぁまぁの心肺機能は朝日杯FSで見せているので、川田騎手が能力を出し切らせたということですね。

2着はアスコリピチェーノ、いつもよりもやや前の位置取りでしたが、心肺機能に不安がない馬なので、この位置取りは悪くなかったと思います。不運だったのは前にマスクオールウィンが居たことで、この影響が直線でのアクシデントに繋がりましたね。もちろんマスクオールウィンが悪い訳ではなく、ルメール騎手がまだ本調子でなかった感じ、肉体的には問題なくとも、レース勘が戻ていなかった感じですね。L2区間で躓いた後、再加速は遅かったのですが、L1でジリジリ伸びた持続力は目を見張るものがありました。スムースなら勝っていた感じなので、今後のマイル路線はこの馬が中心になりそうですね。

3着はロジリオン、この馬もスムースなレースをしました。戸崎騎手らしい好位差し狙いでしたが、トップスピードの質でジャンタルマンタルに、持続力でアスコリピチェーノに若干見劣った感じですね。前走はドン詰まりでしたから、スムースならこれくらいやれて当然でした。

4着はゴンバデカーブース、休みが長かった割に良く走ったなという印象。この一叩きでどこまで変わるかですね。

5着はイフェイオン、この馬も一瞬影響は受けましたが、大きな不利ではなく、通常のレースでも見られる進路変更の範疇でした。これで5着なので最高に展開が向いても、このクラスではこの辺りが精一杯という感じですね。

馬券の方は的中でした、馬連と3連複当たりましたが、配当が安かったですね。次回は京王杯SCとヴィクトリアMの予定です。