2019年クイーンS 全頭評価。その1。

<ウインファビラス>・心肺機能が低くパワー型で瞬発力はない。

・トップスピードの質は低く持続力はまぁまぁ。

・前半が流れると後半息切れする。・間隔空けると良くない。

”2017年ニューイヤーS”では高速馬場で平均バランス、内から先行して粘り込み、高速馬場の割に前半46.8とかなり遅い。”2018年ロードカナロアメモリアル”ではハイペースバランスを先行して凡走、前半45.0で息切れ。”2018年常総S”ではスローバランスを先行して押し切り、前半がドスロー。”2019年中山牝馬S”ではスローバランスを中段から、L2の加速には対応してきたがL1で失速して凡走。”2019年福島牝馬S”ではスローバランスを2番手先行、L4から11秒台に入るロンスパでL1失速。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを先行、4コーナーで狭くなり直線は失速。

「クイーンSへ向けて」好材料:・・・。悪材料:高速馬場、クラス実績。

阪神JFでメジャーエンブレムの2着に入った馬だが、その後は期待ほどの成績を出せていない。正直言ってこの世代はメジャーエンブレムとそれ以外という感じで、世代レベルは高くないと思う。アドマイヤリードがヴィクトリアMを勝っているが、稍重だったしその後もGⅠ馬らしい活躍は出来ていない。シンハライトやジュエラーはさっさと引退しちゃったし、ヴィブロスも海外では大活躍だけど国内ではイマイチだった。

この馬の持ち味としては持続力の高さだけで、トップスピードの質、心肺機能、瞬発力はいずれも低い。特に心肺機能は年とともに下がってきてしまった感じで、平均バランスのニューイヤーS、ハイペースバランスの巴賞で凡走してしまった。心配なのは持ち味の持続力まで下がってきた感じで、2走前の福島牝馬SでL4からのロンスパで凡走してしまった。

過去に洋芝を走ったのは前走の巴賞だけなので、コース適正は不明だし近走の成績から不安材料ばかり。重馬場や不良馬場になればステイゴールドの血が生きる可能性はある、常総Sを勝った時は良馬場で1:48.5と準OPにもかかわらずかなり遅い、11.0のラップを1度だけ踏んだだけで、あとは11秒台の後半を踏んでいるだけなので、速いラップで息切れするんだと思う。重馬場で速いラップを求められない展開がマストで、雨頼みになりそう。

<ウラヌスチャーム>・心肺機能は低くはないはず、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

”2018年三面川特別”ではスローバランスを中段やや後ろの内から、直線ではL1まで前が壁になり僅差の2着まで。”2018年ローズS”ではスローバランスを後方から、4コーナー外を回して直線スムースだったが届かず5着まで、前が止まらない流れで差し切れず。”2019年迎春S”ではスローバランスを中段の後方から、L3で前段に取り付きL2最速戦を差し切り。”2019年愛知杯”ではスローバランスを中段から、直線エンジンの掛かりが遅く挟まれて追えなくなり4着。”2019年中山牝馬S”ではややスローバランスを後方から、L3で1着のデンコウアンジュの後ろに取り付いたが、直線差せずに2着まで。

「クイーンSへ向けて」好材料:コーナーが大きいのでトップスピードと持続力が生かしやすいコース。悪材料:ルーラーシップ産駒の休み明け。

この馬最大の武器はトップスピードの質と持続力の高さで、三面川Sでは平坦コースとは言えかなりレベルが高かった。心肺機能は低くはないはずで、中山牝馬Sがややスローバランスで4コーナー外目からフロンティアクイーンに取り付き、ゴールまでしっかり走り切った。ハイペースバランスに対応できるかどうかは未知数だが、現状ではスローバランスから高いトップスピードと持続力を生かしたいタイプだと思う。

札幌コースは3コーナー過ぎからL3に入るコースなので、中山に似た3,4コーナーの感じ、直線は平坦なので中山牝馬Sで好走しているのは好材料だと思う。ただゴール前に坂がないので前が止まらない可能性はあるので、仕掛け所は結構重要になる。昨年のディアドラのイメージで良いと思うんだけど、同じように乗れるかどうかは騎手次第。ルーラーシップの産駒なので休み明けは不安材料、まぁノーザンファーム生産馬は休み明けでも走る馬が多いから、あまり気にしない方がいいかも、迎春Sで2か月半の休み明けを勝ち切っているので。

乗り替りについては藤岡佑騎手で、ローズSで1回乗っていますね。この時は5着だったがレース後に「今の感じならもう1列前でレースをした方が良かったかもしれません」とコメントしていたので、今回は中段辺りを狙ってくるかもしれませんね。差し届かずの位置よりは中段からの勝負の方が可能性は高いと思うので、ローズSの印象を持って乗るようならプラスに評価してもいいかも。

<エイシンティンクル>・心肺機能は低くパワーはある、瞬発力はない。

・トップスピードの質は低いく、持続力は高い。

・マイルがベストで、1800は高速馬場で。

”2018年小豆島特別”ではややスローバランスから緩めることなくL3で10秒台に入れての減速戦、インディチャンプの強襲を受けるもアタマ差しのぎ切る。”2018年豊明特別”では重馬場でハイペースバランスを4番手追走から、直線外から伸びて粘り込み。”2018年関屋記念”では高速馬場で平均バランスの逃げになり、直線ではトップスピードの質で見劣り3着。”2019年京都牝馬S”では平均バランスをスタートイマイチから2F目の速い地点で4,5番手に押し上げて先行、直線は一杯になり凡走、この時が休み明け。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを2番手先行、直線はL1で一杯になり凡走、ハイペースバランスで心肺機能の低さを見せた。”2019年都大路S”では0.4のややスローバランスを逃げて3着、1800で高速馬場だった為に粘り切れた感じ。

「クイーンSへ向けて」好材料:高速馬場適性、騎手強化。悪材料:1800はギリギリ、2か月半の休み明け。

エイシンヒカリの妹でお兄ちゃんと同じように逃げて良さが出ている、ただハイペースバランスまで引き上げてしまうと苦しくなるので、心肺機能は高くはないですね。都大路Sで平均バランスを逃げて3着しているように、平均バランスなら心肺機能は持つ感じ。距離は1800までで高速馬場が条件になりそう、これも都大路SでL1顕著に垂れているが、L2通過が1:32.3だったのでマイルがベストだと思う。スタートで遅れることがあり、それが京都牝馬Sでこの時は平均バランスだったが、2F目の速い地点でリカバリーしてしまい、ここで脚を使ってしまった感じ。ダービー卿CTでもスタートイマイチだったので、内枠で出遅れると包まれる危険はある。

開幕週の札幌で例年通りなら高速馬場のはずで、1800mでも距離はギリギリ持つはず。最大の好材料は豊騎手への乗り替りで、逃げに関しては文句なく日本一と言っていいと思う。都大路Sなんかはスタートすんなり出て逃げられたが、ダービー卿CT、京都牝馬Sではスタートで遅れ、速いラップを踏んでいる2F目でリカバリーしてしまった、10秒台のラップを踏んでいる地点で押し上げているので、自身は10秒台前半のラップを踏んだはずで息切れしてしまうのも仕方ないと思う。この辺りは豊騎手で改善されるはずだし、他に逃げタイプはミッキーチャームくらいで、ハイペースバランスで逃げるタイプではない。出走未定のリリックドラマとリンディーポップが出てきてもハイペースバランスにはしたくないはずなのだが、騎手が荻野極騎手と菱田騎手で超ハイペースで逃げる可能性も0ではない。もちろんそんなペースに豊騎手が付き合うわけはないが、スタート決めて逃げ体勢のエイシンティンクルに対して、競りかけるように逃げの手に出た時に、エイシンティンクルのテンションが上がってしまう危険はある。そういう意味では出走しないでほしい2頭かな~。

悪材料としては渋った時の1800mで距離が持たない可能性がある。もう一点不安なのが今回2か月半の休み明けになる点。ノーザンF生産馬ではないのでどうしても外厩は弱い、京都牝馬Sと野島崎Sで凡走しているがどちらも5カ月ぶりだった、今回に比べて長いのであまり参考にならないがプラスではないはず。