2020年フェブラリーS 全頭評価。その4。

<ブルドックボス>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2016年グリーンチャンネルC”ではハイペースバランスを中段の前から、直線やや前が壁になり待たされたが、L1で明確に落として5着。”2016年室町S”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し1着。”2017年京葉S”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが凡走、この時休み明け。”2017年天王山S”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに5着まで。”2017年カペラS”ではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直競入り口で外に出したが、2着スノードラゴンと交錯してやや狭くなり3着まで。”2018年根岸S”では重馬場でハイペースバランスを中段の前から、直線中目からスムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走。

「フェブラリーSへ向けて」好材料:なし。 悪材料:距離適性、クラス負けの危険。

2016年グリーンチャンネルCでは稍重だったが1400mでL1甘くなって失速、直線前が壁になってやや待たされたが、それでもL1の失速は印象悪い。2017年天王山Sでは直線入り口ですぐ前に居たコウエイエンブレムにはっきり見劣り5着まで、トップスピードの質で見劣った。2017年カペラSでは直線入り口で待たされてしまった、バテ差しになったので3着まで来たが瞬発力の低さは見せた。トップスピードの質で凡走したのが2018年根岸Sで、重馬場のハイペースバランスを中段の前から進めて5着、1400mで1F長かったこともあったはず。

この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けが良くない、2017年京葉Sで凡走しているので間隔空けるのは良くないと思う。

好材料はなし、悪材料は距離適性でマイルははっきりと長いと思う、大井のおおとりOP競争を勝っているが、地方競馬のOPクラスなので評価できない。2016年グリーンチャンネルCでも1400mで1F長かった感じだし、重馬場の2018年根岸Sでも1F長い感じだった。中央の重賞では結果が出ていないし、近走は地方を中心に使われているので、中央のGⅠでは厳しいと思う。

<モズアスコット>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力も高い。

”2018年阪急杯”ではほぼ平均バランスを中段の後ろから、直線は外から追い込んで2着まで。”2018年マイラーズC”では平均バランスを先行、粘ったところを差され2着、この時の1着がサングレーザー。”2018年安田記念”ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、直線はスワ―ヴリチャードの後ろから伸びてバテ差し1着。”2018年マイルCS”ではややスローバランスを中段の後ろから、直線全く伸びずに凡走。”2019年マイラーズC”ではスローバランスを中段から、直線全く伸びず。”2019年安田記念”ではスローバランスを中段のやや前から、直線は内からインディチャンプに一発もらったが、それを差し引いても全く伸びなかった、調教は良く体は出来ていた感じなので精神的な物かも。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを後方から、直線はスムースだったがジリジリと伸びただけ。”2019年スワンS”ではほぼ平均バランスを中段から、直線外からスムースに伸びて2着、まぁまぁのトップスピードと高い持続力でマイスタイルを差し切ったが、1着ダイアトニックにはトップスピードの質で見劣り、この時が中2週。”2019年マイルCS”ではスローバランスを中段から、直線全く伸びずに大敗、伸びない外からになった分を含めてもこのクラスでは苦しい。”2020年根岸S”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外を回して直線外からスムースに伸びて差し切り。

「フェブラリーSへ向けて」好材料:休み明け2走目、ダート適性。 悪材料:距離適性。

2018年マイルCS以降どうも体調が良くないようで、香港マイルを挟んで2019年の始動戦であるマイラーズCでも、ダノンプレミアムに1.0秒も離されて7着と、2018年安田記念1着馬とは思えないほど。馬体重も2108年秋の始動戦だったスワンSで+10kg、これでロードクエストに後ろから差し切られてしまったし、マイルCSでも+2㎏で凡走、年明け初戦のマイラーズCでも+2㎏で凡走している、絞れないということはどこかおかしいのかな~。外厩は宇治田原優駿SでノーザンFと比べると可哀想、昨年連闘で勝ち切ったように外厩に頼れないために、間隔開けずにレースを使って仕上げた方が良いのでしょうね。

2018年安田記念を振り返ると心肺機能とトップスピード、持続力の高さを見せたレースで、もちろんルメール騎手の直線のコース取りは素晴らしかった。2018年のマイラーズCも平均バランスで先行して2着に粘り切った、この時の1着がサングレーザーだったので心肺機能の高さは折り紙付きですね。非ノーザンF生産馬んなので外厩には頼れない、使い減りしないので使いながら良くなるタイプなんだと思う。

2019年毎日王冠で後方から1着ダノンキングリーにトップスピードの質で大きく見劣った、それでもジリジリとは伸びているので距離の問題というよりは、トップスピードの質が落ちてきた可能性がある。もちろんこの時は休み明けだったのでそこは割り引いて考えるべきだが、後方で足を溜めていながらダノンキングリーに比べて0.6も遅い上がりでは勝負にならない。

フランケルの産駒は旬が短い感じで、一度調子を崩すとなかなか復調してくれない、というか一度調子を崩すと復活しないんだよね~、ソウルスターリングも良くないしミスエルテは引退しちゃったからね~。と思っていたら2019年のスワンSで僅差の2着に好走してきた、休み明け2走目で中2週と一叩きされて少しはピリッとした感じ。2019年マイルCSでは終始外を回されたが、大敗してしまったのでこのクラスでは苦しいと思う。2020年根岸Sでは初ダートで1着、出遅れたが上手くリカバリーして中段のやや後ろから、中緩みで息が入ったことで後半もしっかりと伸びた。

好材料は休み明け2走目になることで、この馬は非ノーザンF生産馬で休み明けが良くない、一叩きされたので更なる上積みが期待できる。が、前走休み明けで激走しているので、余程ダート適性が高かったか休み明けでも走れる仕上げを見つけたか。前走の末脚は驚くべきものでダート適性は高いと思う。悪材料は距離適性で、2018年安田記念を勝っているが以後ははっきりと適性距離が短くなった、2019年スワンSで1400mを久々に2着しているように、現状ではマイルは長いかもしれない。

<ワイドファラオ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

”京都未勝利戦”ではややスローバランスを逃げて2着、マイルだが内回り、L2で加速して2番手以下を引き離すも、外からスムースに加速したマイネルウィルトスに差される。”中京未勝利戦”ではややハイペースバランスを4番手で先行、坂を上り切ってから抜け出し1着、L1での垂が少なく持続力の高さを見せた。”ニュージーランドT”ではスローバランスを逃げ切り、L3で0.7の加速ラップを踏んでから終いまで落とさない持続力を見せた。高速馬場で前半かなり楽な展開で恵まれた感はある、翌日の隅田川特別が1:33.5なのでタイムには不満もある。”2019年NHKマイルC”ではややハイペースバランスを中段の前から、直線はトップスピードの質で見劣り9着まで。”2019年ユニコーンS”ではハイペースバランスを逃げ切り、L1で落しているがトップスピードの質が問われない展開で押し切れた。”2019年みやこS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、4コーナーで狭くなり下がってしまい5着まで。”2019年チャンピオンズC”ではややスローバランスを中段から、終始外を回したこともありL2で一杯になり凡走。”2020年根岸S”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが5着まで、この時58㎏。

「フェブラリーSへ向けて」好材料:斤量1㎏減、コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

京都未勝利戦のL2で見せた瞬間的な加速は、逃げ馬として大きな武器になるが、外からスムースに加速したマイネルウィルトスに差されているようにトップスピードの質は高くはない。この辺りが京都コースの内・外の違いで、外回りは4コーナー出口がきつく外からスムースに加速するのが難しい。内回りはコーナー出口が緩やかなので、外からの加速が付きやすいこともも関係している。瞬間的な加速はニュージランドTでも見せていてL4からL3で0.7の加速、この時は番手のメイショウショウブが付いてきたが、メイショウも瞬間的な加速を武器にするタイプで、デイリー杯でのL3からL2への加速で見せている。直線でメイショウに詰め寄られたが振り切っていることからも持続力は高い物を見せているが、前半が楽をし過ぎていて高評価とまでは言えない。中京の未勝利戦でややハイペースバランスで勝ち切っている、当日はまぁまぁ時計の掛かる標準的な馬場で、タイム自体は割り引く必要はないと思うが、上がり3F35.3だったことから、NZTも含めてトップスピードの限界は見せた感じ。

NHKマイルCで芝でのトップスピードの質に見切りをつけたようでダートに矛先を替えてきた。初ダートのユニコーンSではハイペースバランスを逃げ切りと、道中のスピードとトップスピードの質が問われない展開での持続力を見せてきた。みやこSが残念な内容で、かなりのハイペースバランスを第2先行の形からバテ差しに行くところでアクシデントがあった、4コーナーでウェスタールンドが狭いところを割ってきた時に、接触もあって投げ出してしまった。馬群の中でコースを主張する程の闘志は持っていない感じ。ただこのアクシデントが無ければ先行勢では唯一好走できそうな感じは見せたし、ここにきて心肺機能も更に良くなった感じを見せた。2019年チャンピオンズCでは終始中段の外を回してL2で一杯、距離が長かったし終始外を回してしまい展開も合わなかった。2020年根岸Sでは中段の前から進めたが、直線では伸びなかった。この時は58㎏だった。

この馬は非ノーザンF生産馬で外厩は吉澤SW、その割に休み明けでも仕上がりが早く、2019年ニュージーランドT、2019年テレ玉杯を好走している、この辺りは名門角居厩舎の手腕でしょうね。2カ月弱の間隔になった2019年みやこSはありえない程のハイペースになったし、勝負所で不利も受けているので度外視していいと思う。

好材料は斤量が1㎏軽くなる点で、前走は開催日が数日違うことで1㎏重い斤量になってしまった、これで5着なので今回は期待が持てる。コース適性も3歳時にユニコーンSを勝っているので良いし、芝でも好走歴があるので芝スタートの方が序盤の自由度は増すはず。悪材料はクラス負けの危険で、GⅠでは好走歴がない。チャンピオンズCは距離の問題かもしれないので、マイルで粘れるかどうか。