2020年エリザベス女王杯 全頭評価。その1。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ウィンマイティ―>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”未勝利戦”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線中目からスムースに差し切り。”エルフィンS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”デイジー賞”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線狭くなったがこじ開けて差し切り。”忘れな草賞”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに伸び差し切り。”オークス”ではややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて3着。”2020年紫苑S”ではスローバランスをスタートで遅れて後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが6着まで。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:厩舎不安。

<心肺機能について>未勝利戦で平均バランスを押し切っている、良馬場のマイル戦としてはタイム的に遅いので、高い評価はできない。エルフィンSではややハイペースバランスを中段の後ろから、自身はややスローバランスだったはずで、直線ジリジリしか伸びなかった。

<パワーについて>デイジー賞や忘れな草賞で小回り急坂コースを勝ち切っている、高いパワーを見せたと思う。紫苑Sでスタート遅れて後方からだったが、直線の坂ではしっかりと前との距離を詰めているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>デイジー賞で直線入り口で詰まったが、前をこじ開けてからL2で0.5の加速に対応しているので、自身はもっと加速しているはず。忘れな草賞でも直線入り口で待たされているので、自身はレースラップ以上の加速をしているので、まぁまぁの瞬発力を見せている。

<トップスピードの質について>エルフィンSで道中すぐ外に居たデアリングタクトに全く付いて行けなかった、トップスピードの質ははっきりと低い。オークスでも中段やや前からの押し切りで、この日は良馬場でも時計が掛かっていたので、トップスピードの質は問われていない。

<持続力について>未勝利戦や忘れな草賞で3F戦を勝ち切っているので、持続力は高い。オークスでは4コーナーで早目に動いてしまったが、直線スムースに踏ん張って3着と持続力の高さを見せた。

<その他について>この馬はゴールドシップの産駒で非常によく似た娘、トップスピードの質は低いがパワーと持続力の高さが最大の武器になっている。オークスでは4コーナーでミルコの押し上げに釣られてしまい、仕掛けが早くなりウィンマリリンに差し返されて3着、騎手の勝負勘の悪さを見せてしまった。紫苑Sではスタートが悪く後方から、今まではスタートが良い方だったので今後は注意。秋華賞ではハイペースバランスを中段からスムースだったが凡走、まず休み明けの紫苑Sでマイナス4㎏だったが、ここではプラス10kgと仕上が失敗だった可能性がある。更に直線で伸びない内目を通していたので、コース選択も良くなかった。

好材料はコース適性で忘れな草賞を勝っているので、距離こそ違えど阪神内回りは好相性。この時の2着がイズジョーノキセキなので、高くは評価することはできないが、オークス3着なのでクラス負けの危険はない。悪材料は厩舎不安で、五十嵐忠厩舎は開業27年目で重賞6勝と1流厩舎とは言えない。紫苑Sでも休み明けでマイナス4㎏と3歳馬であることを考えると、成長が感じられなかったし出遅れもあった。更に本番の秋華賞でも今度はプラス10kgと、今度は仕上げ切れていなかった感じ。和田騎手がオークス3着に導いているわけだが、オークスで中段やや前からの差しだったが、秋華賞ではスタートで若干遅れたが、リカバリーして前に行く素振りも見せなかったので、ポジションも不安になるかな~。

<ウィンマリリン>・心肺機能はやや高い、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線押し切り圧勝。”若竹賞”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線外に出したが伸びずに5着。”ミモザ賞”では稍重で平均バランスでやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”フローラS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”オークス”ではややスローバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出したが2着まで。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:体調次第。

<心肺機能について>フローラSがハイペースバランスを先行して押し切っている、直線かなりの向かい風でトップスピードの質を問われなかったことも良かったが、L1を12.1で纏めているので、心肺機能は高い。

<パワーについて>新馬戦、ミモザ賞で小回り急坂の中山と阪神内回りを快勝、新馬戦ではL1も12.0で纏めているので、パワーは武器になるほど高い。

<瞬発力について>若竹賞でL2の11.6に反応できずに手応えが悪かった、直線入り口でも一瞬待たされてしまい、再加速できずに凡走している。逆に快勝した新馬戦、ミモザ賞、フローラSでは直線スムースだったので、瞬発力はかなり低い。

<トップスピードの質について>現状ではまぁまぁの評価しかできないが、良馬場でドスローだった新馬戦でもL2が11.5なので、武器になる程のトップスピードの質はないと思う。オークスでは先行して押し切るところをデアリングタクトに差された、この日は良馬場だが結構かかっていたので、トップスピードの質は問われなかった展開も含めて嵌った印象が強い。

<持続力について>快勝したレースはいずれも3F戦になっていて、3Fまでで持続力の高さを見せている。現状では4F以上の持続力については不明だが、血統的にもフローラSの感じからも対応できそう。

<その他について>ミモザ賞でも4コーナーで馬群を割ってコースを確保したし、フローラSでも内からこじ開けてきた、かなりの闘志を持っているようで馬群に怯まない。オークスでは2番手先行、やや間隔を空けて絶妙なペースで追走して、4コーナーでミルコが仕掛けたがそこで”待って”、直線L2から追い出して2着と横山典騎手が好騎乗を見せた。大外から2番手を取れたしコーナーは終始最内、仕掛けのタイミングもドンピシャでこれ以上の騎乗は出来ない程完璧だったので、同じことをもう一度できるかは微妙。秋華賞では先行したが凡走、この時はオークス以来の休み明けでプラス12㎏、直線も伸びない内を通して全く伸びなかった。更にこの時は初輸送だったことも影響したはず。

好材料はコース適性で、阪神は初めてだが中山2000mで2勝しているので、直線が短く坂上ゴールは克服している、両グランプリは同じ馬が好走するので、中山と阪神内回りは共通性があると思う。今回は54㎏で出走できるのの好材料ですね。悪材料は体調不安で、秋華賞では肘腫の影響でぶっつけ本番、初輸送の影響もあって凡走しているの。今回は輸送の経験をしているし休み明け2走目なので、肘腫の影響だけですね。

<ウラヌスチャーム>・心肺機能は低くはないはず、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力も高い。

”2018年三面川特別”ではスローバランスを中段やや後ろの内から、直線ではL1まで前が壁になり僅差の2着まで。”2018年ローズS”ではスローバランスを後方から、4コーナー外を回して直線スムースだったが届かず5着まで、前が止まらない流れで差し切れず。”2019年迎春S”ではスローバランスを中段の後方から、L3で前段に取り付きL2最速戦を差し切り。”2019年愛知杯”ではスローバランスを中段から、直線エンジンの掛かりが遅く挟まれて追えなくなり4着。”2019年中山牝馬S”ではややスローバランスを後方から、L3で1着のデンコウアンジュの後ろに取り付いたが、直線差せずに2着まで。”2019年クイーンS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが届かず4着まで、この時休み明け。”2019年京都大賞典”では平均バランスを後方から、直線は内目から伸びたがジリジリで7着まで。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを後方から、直線まで動けず凡走したのは展開があまりにも合わなかった。”2020年AJCC”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線L1標識付近で一杯になり凡走、この時が休み明け。”2020年中山牝馬S”では不良馬場で平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年メトロポリタンS”ではスローバランスを逃げ切り。2020年目黒記念”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年札幌日経OP”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年丹頂S”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線進路変更もあって5着まで。”2020年新潟牝馬S”では重馬場でスローバランスを中段やや後ろから、向正面で内から先頭に上がり3,4コーナー内目を回して直線スムースに押し切り圧勝。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険、騎手弱化。

この馬最大の武器はトップスピードの質と持続力の高さで、三面川Sでは平坦コースとは言えかなりレベルが高かった。心肺機能は低くはないはずで、中山牝馬Sがややスローバランスで4コーナー外目からフロンティアクイーンに取り付き、ゴールまでしっかり走り切った。この中山牝馬Sではカワキタエンカ池添騎手がガタガタのペースで逃げたこともあり、ややスローバランスにもかかわらず逃げ先行勢が総崩れになっている、前がバテた時に台頭することが証明されてしまった形で、展開の影響をかなり受けるんだと思う。ハイペースバランスに対応できるかどうかは未知数だが、現状ではスローバランスからまぁまぁトップスピードと持続力を生かしたいタイプだと思う。2019年エリザベス女王杯ではドスローの展開を後方からになってしまい凡走、日頃から後方で控える競馬をしているのでポジションを取れなかった。

2020年AJCCでは後方から届かず凡走、2020年中山牝馬Sでも中段から届かなかったので、トップスピードの質で勝負出来ないことを見せた。2020年メトロポリタンSでは横山典騎手が逃げ切り、スローからの3F戦に持ち込み押し切っているので持続力の高さを見せた。2020年目黒記念では逃げられなかった、他に速い馬が居ると前に行けないことを見せてしまったので、今後はメンバー次第になってしまう。2020年丹頂Sでは中段の前からで、自身も平均バランスに入っていたはず、コーナーはロスなく回したが、直線で外に出すロスが有って伸びなかった。瞬発力の低さを見せてしまった感じ。2020年新潟牝馬Sでは中段のやや後ろからだったが、向正面で内から上がって押し切り圧勝した。自身は5F戦にしての押し切りで持続力の高さを見せた。

ノーザンF生産のルーラーシップ産駒だが、休み明けはピリッとしない。全くダメではないが100%まで上がってこない感じで、一叩きされた方が良いタイプだと思う。クイーンSでもイマイチピリッとせずに4着、自慢のトップスピードがやや鈍った感じだった。京都大賞典でも展開が向かなかったとはいえ、ピリッとしなかった。2020年札幌日経OPでも休み明けで凡走。

好材料は距離適性で前走も2200mを圧勝している。中山の2200m迎春Sも勝っているので、コース適性も良いはず。今回は休み明け4走目だが、この馬はルーラーシップ産駒で休み明けが良くなく使い減りしないので、疲労の心配はなくむしろ好材料。悪材料はクラス負けの危険で、重賞では2019年中山牝馬S2着以外は馬券になっていない。前走は向正面で内からロスなく上がって行けたが、かなり恵まれた展開で再現性はないと思う。スタートは相変わらず良くないし、このメンバーで先行出来る可能性は低い、加えてトップスピードの質では勝負できないので、展開的にもかなり苦しいと思う。今回は騎手弱化と言うか・・・、斉藤新騎手に乗り替わり。お父さんの厩舎の馬なのでその関係だと思うが、印象は良くないかな~。