2019年クイーンS 全頭評価。その5。

<シャンティローザ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはなく、持続力は高い。

・休み明けでも走る。

”2018年9月阪神500万条件”では平均バランスを中段やや前から、直線入り口でスムースに中目に出して差し切り、馬場を考えるとトップスピードの質はイマイチ。”2018年堀川特別”ではややスローバランスを後方から、直線はスムースだったがトップスピードの質で見劣り3着。”2019年北大路特別”ではほぼ平均バランスを中段から、直線はスムースに中目から伸びて1着、L2が12.1、L1が12.2掛かる展開でトップスピードの質を問われなかったが、4着ラテュロスの瞬発力には見劣った、この時が休み明け。”2019年初音S”ではスローバランスを最後方から、4コーナー最内を回して馬群に取り付き直線は馬群を縫って伸びたが3着、馬場と展開を考えれば良く伸びたが、最後方から良さが出る馬ではない。”2019年垂水S”ではハイペースバランスをスタートで遅れて後方から、4コーナー外を回して直線スムースだったが伸びきれず3着、心肺機能はまぁまぁだがトップスピードの質で見劣り。

「クイーンSへ向けて」好材料:持続力を生かしやすいコース。悪材料:騎手弱化、トップスピードの質が低いので高速馬場への適正は不安。

2018年の夏以降に本格化した感じで安定感が出てきた、トップスピードの質が高くないことは再三見せていて、500万条件を勝った時も上がり3Fは35.3だったし、垂水Sもハイペースバランスを後方から追い込んだが、更に後ろからワイプティアーズに差し切られている。初音Sで上がり3F33.1と言うタイムを記録しているが、この時はスローバランスを最後方からだったし、高速馬場だったのでちょっと特殊な条件だった。

心肺機能はまぁまぁのものを持っていて、500万条件を勝った時が平均バランスを中段の前から押し切ったし、北大路特別でも平均バランスを中段から差し切っている。垂水Sでもハイペースバランスを後方からで、自身は平均バランスくらいのはず、これを3,4コーナーで大外を回して追い込んではきたので、心肺機能の評価はまぁまぁとしておく。瞬発力の無さは北大路特別で見せていて、直線でラテュロスの加速に明確に見劣った。ただ同じ北大路特別で瞬発力で一旦前に出られたラテュロスを、持続力を生かして交わしているので、持続力は評価すべき。

好材料としてはコーナーが大きく持続力を生かしやすいコース形態、これくらいかな~。悪材料の方が多くて、騎手は藤岡康太騎手でミルコからの乗り替りでは見劣ってしまう。開幕週の高速馬場もトップスピードの質を問われてしまうと厳しいかもしれない。

<フィニフティ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”クイーンC”ではハイペースバランスを中段から、直線外からスムースに伸びて2着、トップスピードの質がやや低いが持続力は高い。”桜花賞”では平均バランスを後方から、直線は外からスムースだったが伸びずに凡走、すぐ後ろに居たアーモンドアイに並ぶ間もなく交わされて瞬発力の低さを見せた。”ローズS”ではスローバランスを中段から、L1手前で一杯になって凡走、1F長い可能性がある、この時休み明け。”2019年初音S”ではスローバランスを中段の前から、直線はスムースだったが2着、1着ダノングレースはすぐ後ろから進路変更して差し切っているので、瞬発力とトップスピードの質で見劣り。”2019年うずしおS”ではややスローバランスを中段から、直線外からスムースに加速できたが3着。”2019年パールS”ではスローバランスを後方から、向正面で2番手まで押し上げて直線L1で一杯になり凡走。”2019年五稜郭S”ではスローバランスを2、3番手先行、L2で一杯になり凡走。

「クイーンSへ向けて」好材料:・・・。悪材料:1F長い可能性、クラス負けの危険。

この馬のベストレースと言うとクイーンCになると思うが、東京の高速馬場でテトラドラクマがハイペースバランスを押し切ったレース、これを中段から進めて直線で持続力を発揮して0.1差2着まで持ってきた、この持続力の高さは母父クロフネから来ているのだろう。トップスピードの質はクイーンC、初音S、ローズSで見せていてスローバランスを中段からでは届かない、まぁそれ以前にローズSでは距離だと思うがⅬ1手前で失速してしまった。距離に関しては軽い高速馬場でマイルまでが合っていると思う、これを先行して押し切るような展開を試して欲しいんだけどね。瞬発力の無さは桜花賞でアーモンドアイに並ばれる間もなく交わされているし、初音Sでダノングレースに交わされているので期待できない。休み明けでも走るのは初音Sで見せていて+20㎏で2着に好走、ノーザンファーム生産馬なのでこの辺りはしっかりしていますね。

好材料はあまりなくて開幕週の高速馬場なら1800でも誤魔化せる可能性はあると思う。悪材料としてはやっぱり距離なんだよね、高速馬場のマイルこそベストで、出来ればワンターンが良いと思う。前走も3勝クラスで13着、前々走も同クラスで9着だから、重賞でいきなり好走するかは不安ですね。

<リリックドラマ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはまぁまぁ、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2018年ノエル賞”ではスローバランスを逃げて5着、良馬場だが小雨が降りかなり遅いペースで粘ったが、1㎏軽い3歳馬に差された。”2019年大宰府特別”ではややハイペースバランスを離れた2番手から、L3で先頭に立ち直線粘って3着、重馬場で上がりが掛かる展開が良かった。”2019年四国新聞杯”ではスローバランスを逃げて凡走、軽い高速馬場ではスピード負けしてしまう。”2019年赤倉特別”ではスローバランスを逃げて3着、直線はよく粘ったがスピード負けしてしまった。”2019年北斗特別”ではスローバランスを逃げ切り、稍重馬場でトップスピードの質を問われなかった。

「クイーンSへ向けて」好材料:・・・。悪材料:継続騎乗、クラス負けの危険、開幕週の高速馬場はスピード負けする。

逃げ馬なのでトップスピードの質が低いのは仕方ないが、サラブレッドであることを疑うレベルで遅い、なので良馬場ではスピード負けしてしまう。心肺機能はまぁまぁの物を持っていて、500万条件の土湯温泉特別で平均バランスを逃げて押し切っている、福島では2017年500万条件、浄土平特別でも平均バランスで好走している、しかし騎手がペースを認識できないのか、馬の特性を理解していないのかスローバランスでレースをしてしまい、なかなか勝ち上がれていない。逃げ馬なので2,3着には残れるんだけど、スローバランスだとどうしてもなにかに差されてしまう。

菱田騎手の継続騎乗で近3走すべてスローバランス、前走はスローバランスでも重馬場でトップスピードの質を問われなかったので1着だったが、今回は開幕週の高速馬場でそういうわけにはいかない、もちろん重馬場になればチャンスはあるが。実は上記の217年福島500万条件で好走した時に菱田騎手が乗っていて、平均バランスで2着している、しかしその次のレースではスローバランスで凡走、その次が日田特別でややハイペースバランスを2番手先行しながら、L2最速戦にして凡走してしまう。ペースを全く認識できていないので、継続騎乗は大きな不安要素。前走は北斗特別を勝ったが2勝クラスで当然重賞でのレース経験はない、クラス負けする危険は大いにある。

<リンディーホップ>・心肺機能はやや低い、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2019年美濃特別”ではややハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや前からで自身はスローバランスくらい、L2で先頭に立って押し切り、L2で0.9の加速ラップを踏んでいるので、パワーと瞬発力、持続力はまぁまぁ。”2019年テレ玉杯”ではハイペースバランスを離れた追走集団の先頭からで自身はスローバランスくらい、直線はスムースだったがトップスピードの質で見劣り僅差の2着、1:57.8だが当日は超高速馬場でヴィクトリアMが1:30.5だった。”2019年かもめ島特別”ではスローバランスを2番手先行から、クビ差差し切って1着、L3から11秒台に入ったが重い馬場でトップスピードの質を問われなかった。

「クイーンSへ向けて」好材料:・・・。悪材料:開幕週でトップスピードの質で見劣りそう。クラス負けの危険。

トップスピードの低さはテレ玉杯で見せていて、自身スローバランスを直線で早目に先頭に立って持続力で押し切ろうとするところを、外から差し切られた。高速馬場で上がり3F34.7と言うのは、速いとは言えないレベルだが持続力は見せた。持続力を見せたのは美濃特別も、この時はL2で0.9の加速ラップを踏みパワーと瞬発力を見せたうえで、L1も12.4で纏めて1着と持続力はなかなか。かもめ島特別では馬場が重くかなりのスローペースだった上に、上がりも掛かる展開だったのでこの馬にはおあつらえ向きのレースになった。

好材料はなかなか見つけにくいが、ハーツクライ産駒なので非根幹距離は良いはず、ただコース形態と開幕週の馬場状態を考えると、期待できるほどではない。これはトップスピードの低さも足を引っ張る要素だし、ハーツクライ産駒って格上げ戦には弱い印象がある。この馬も2勝クラスを勝っただけで、もちろん重賞経験もない、クラス負けの不安は大きいし、今回は荻野極騎手で、テン乗りでどう乗るのか・・・。