2019年関屋記念 全頭評価。その5。

<トミケンキルカス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

・1400がベストでマイルは長い。

”2018年11月東京1000万条件”ではスローバランスを逃げて圧勝、初芝で休み明け2走目。”2018年市川S”ではほぼ平均バランスを2番手から、L1で失速して5着まで、1F長い感じ。”2019年新春S”ではハイペースバランスを2番手から、L3で一杯になり凡走、1F長い。”2019年晩春S”ではややハイペースバランスを逃げ争いをして2番手から、直線粘って3着まで、この時は休み明け。”2019年フリーウェイS”ではスローバランスをやや離して逃げて押し切り、1400の距離適性とスローバランスが良かった。”2019年パラダイスS”ではスローバランスをやや離れた2番手から、直線はトップスピードの質で見劣り5着。

「関屋記念へ向けて」好材料:・・・。悪材料:マイルは長い、継続騎乗。

ずっとダートを使われてきたが昨年秋に芝に転向していきなり1着、この時は1400mで圧勝だった、スローバランスだったが緩まない流れで持続力は見せた、フリーウェイSでも1400でスローバランスを逃げて押し切りで、この時も緩まない流れで持続力見せた。まぁまぁの心肺機能を見せたのが晩春Sで、逃げ争いでハイペースバランスになり後続を離していた、直線では粘って0.3差の3着なのでハイペースバランスでも勝負にはなる。トップスピードの質が低いのはパラダイスSで見せていて、スローバランスを離れた2番手からになり、直線で切れ負けした。適性距離は1400mまでで、ダート戦も含めて3着以内は全て1400m以下。

好材料はちょっと見つからないんだよね、新潟なら軽い高速馬場になればなんとかマイルをこなせる可能性も0ではないが、そうなるとトップスピードの質も問われてしまう。悪材料はズバリ距離で、マイルははっきり長いと思う。更に前走から引き続き柴田大知騎手で、前走はトップスピードの質が低いこの馬に、直線勝負をさせる謎騎乗だった。スローバランスにも拘わらず離れた2番手追走という手に出ているので、事前にこの馬の特徴を勉強していないんだと思う。今回は不安材料だらけで買えない馬ですね~。

<ミッキーグローリー>・心肺機能は高く、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。

”2018年むらさき賞”ではスローバランスを3、4番手先行、直線L2で抜け出したがエアウィンザーとアップクォークに差されて3着。”2018年阿武隈S”ではややハイペースバランスを中段のやや後ろから、向正面で中段の前まで上がり4コーナーで捲って押し切り、稍重で心肺機能を見せたがやや荒っぽいレースになった。”2018年京成杯AH”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外を回して直線差し切り、トップスピードの質と持続力を見せた。”2018年マイルCS”ではややスローバランスを中段の後ろから、4コーナー外目を回して直線も外からスムースだったが、内伸び馬場で5着まで、上がり1番時計タイでトップスピードの質と持続力を見せた。

「関屋記念へ向けて」好材料:コース適正は良い。悪材料:休み明け。

マイルCSでは直線内の方が優位な馬場を、上がり1番時計タイで外から5着まで伸びてきた、この時は初GⅠでディープ産駒らしく初めてのGⅠで好走してきた、これは初重賞になった京王杯AHも1着だった。トップスピードの質と持続力は高く、L4から11秒台に入るような展開でもL1で落とさずに伸びてくるタイプ。心肺機能は阿武隈Sで見せていて、この時は中段の後ろから向う正面で先団迄上がってくる、このレースは稍重でハイペースバランスだったので、おそらく中盤以降はずっと11秒台を連発してきたはず、さすがにL1ではやや落ちたが消耗戦に持ち込み力ずくで圧勝してきた。休み明けはピリッとしない感じで0-1-1-1と全て条件戦で1着がない。2カ月の間隔開けでは好走できるが、3カ月以上になると信用できなくなる、岡田スタッドの生産なのでどうしても外厩は弱くなる。

好材料はコース適正で新潟1800mを勝っている、東京の1400でも勝っているので問題はないはず。トップスピードの質と持続力は高いので、長い直線は合うはず。悪材料は休み明けの不安で、3カ月以上の休み明けでは条件戦でも1着はない、今回は9カ月弱の休み明けでかなり長い、軽度な骨折が原因のようだが果たして全力で走れるのかどうか。

<ヤングマンパワー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはまぁまぁ、瞬発力はない。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

・間隔空けても走る。

”2016年富士S”では前半ドスローに落としてからの4F戦に持ち込み1着。”2016年関屋記念”では自身のラップは平均でL1バテ差し。新潟は得意で平坦コースの粘り込みで注意。”2017年マイラーズC”ではスローバランスから4F戦になり3着。”2019年東京新聞杯”では先行したが1400m地点で一杯になり失速。心肺機能が低下してマイルは長くなった、1400まで。”2019年阪急杯”ではスタートで右に寄れたラインスピリットの影響で後方からになり凡走。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを先行、L2で一杯になり凡走。

「関屋記念へ向けて」好材料:コース適正。悪材料:マイルは1F長い。

2016年に関屋記念、富士Sと重賞を連勝したが、その後はマイラーズCで3着があるくらいでパッとしない成績。それでも新潟のマイルは合うようで、関屋記念で2015年から2018年まで掲示板を外していない。平坦コースでスローバランスや平均バランスくらいなら心肺機能も持ちそう。年齢とともに適正距離が短くなってきた感じで、マイル以上を使われ続けて凡走を繰り返している。2019年の東京新聞杯でややハイペースバランスを先行して、L1標識まで先頭列で頑張っていたがそこから垂れてしまい凡走。なので1400で期待したのだが、阪急杯ではスタートでラインスピリットに寄られてしまい後方からになり凡走、なので本当に1400がベストなのかは結論が出ていない。トップスピードの質と瞬発力が低いのは再三見せていて、後方からになった時点で距離や展開に関係なく万事休すだと思う。

好材料はコース適正で、新潟のマイルは1-1-1-2と着外の2回も4着で掲示板を外していない。間隔空けても走るタイプで、昨年4着時もマイラーズCから4カ月弱の間隔が空いていた。悪材料は近走を見る限りマイルは1F長いこと、1400が本当にベストなのかどうかは結論が出ていないが、最近のレース振りからは1F長いと思う。騎手も武藤騎手へ乗り替りで、陣営も期待していない可能性が高いかな~。

<リライアブルエース>・ディープ産駒、休み明け良くない、疲れやすく休み明け3走目以降は注意。

・心肺機能特化型で瞬発力とパワーは不足気味、外から一本調子に加速すれば伸びるが、坂では加速が鈍る。

・坂上での粘りは心肺機能を生かしてなかなか。

”2018年中京記念”では内枠から後方になり直線スムースに長くいい脚を使って3着、ハイペースになり周りが苦しくなったところを心肺機能を生かしてのバテ差し、グレーターロンドンと同じような位置だったがパワーの差で見劣り。”2018年京王杯SC”では平均バランスを中段の後ろから、直線で揉まれて伸びきれず6着。”2018年晩春S”では内枠から直線で空いた内をスムースに伸びて1着、坂は4コーナーからの勢いで克服している。サトノアラジンからパワーを割り引いた感じ。直線でスムースに加速し前がバテたところを心肺機能を生かして差し込むのが得意パターン。”2019年東京新聞杯”ではややハイペースバランスを中段のやや後ろから、外枠にもかかわらず直線は内で詰まって凡走。”2019年阪急杯”では平均バランスを後方から、直線はいつも通り内に突っ込んでコースが無くなり凡走。2019年京王杯SCでは0.3のややスローバランスを中段の後ろ最内から、直線はジリジリ伸びたが前が止まらず6着まで、スタート決めて中段を確保できたのは収穫。”2019年安土城S”ではややハイペースバランスを中段やや後ろの最内から、4コーナー最内をロスなく進めて直線一旦先頭に立つも、L1でダイアトニックとリバティハイツに差され3着、内回りで直線が短く持続力が生かせなかった感じ。”2019年米子S”ではスローバランスを中段やや前から、稍重馬場でトップスピードの質を生かせず2着まで。”2019年福島テレビOP”では稍重でややスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナーで中目を回して直線は外からスムースに伸びて差し切り、2着のマウントゴールドは58㎏で2㎏貰っていたのでまぁまぁの評価。

「関屋記念へ向けて」好材料:トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高いのでコース適正は良い。悪材料:使い詰め。

トップスピードの質と持続力は昨年の中京記念で見せている、ハイペースバランスを後方からで直線は外からスムースだった、1着のグレーターロンドンにはトップスピードの質で見劣ったが、0.3差の3着は十分評価できる。この中京記念ではハイペースバランスを後方からだったとは言え、心肺機能の高さも見せている。特に持続力は高く米子Sや福島テレビOPでもスムースだったことでしっかり伸びてきた。負ける時は大体直線で詰まって進路変更を強いられてのもので、瞬発力の低さは再三見せている。

好材料はコース適正を上げたいが、なぜか新潟では良くなくて昨年の関谷記念6着を含めて0-0-0-3と、なぜか相性が悪い。しかしこの馬の適性を考えると相性が良さそうだが・・・。2018年の関屋記念は2017年の秋以降使い詰めだったから、その影響もあったかもしれない、中京記念の前に2カ月ちょっとの間隔を空けているので、中京記念の反動なのかも。悪材料は今回も休み明け5走目の不安、ディープ産駒だから疲れやすいはずだし、前走稍重で勝ち切った反動はあると思う。

<ロードクエスト>・パワー型でトップスピードの質はまぁまぁ。

・休み明けでも走る、疲労にも強い。

・1400がベスト。

”パラダイスS”ではスローバランスをやや離れた追走集団の前から、直線は伸びたが前が止まらず2着、この時が休み明け。”2018年スワンS”ではハイペースバランスを後方から、直線スムースに外に出してモズアスコットをマークして差し切り、この時が休み明け4走目、1400でやや力の要る馬場。”2019年東京新聞杯”ではややハイペースバランスを中段から、直線はコースを探しながら伸びて4着、軽い高速馬場でマイルでも持った。”2019年阪急杯”では平均バランスを中段のやや後ろから、直線コースが無くなりL1バテ差して来たが4着まで。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、直線は詰って6着まで。”2019年安田記念”ではスローバランスを中段のやや前から、直線は伸びず。”2019年中京記念”では稍重で平均バランスを後方から、直線スムースだったが全く伸びずに凡走。

「関屋記念へ向けて」好材料:コース適正は良い。悪材料:使い詰め、距離。

年齢とともに適正距離が短くなってきた感じで、現状では1400がベストだと思う、ただ東京新聞杯が高速馬場で4着しているように、高速馬場なら十分チャンスがある。2018年スワンSでは後方から持続力を生かして1着、モズアスコットを目標にして追いつく勢いを殺さずに差し切る絶妙なコース取だった。2019年東京新聞杯でも軽い高速馬場だったことから、マイルでも息が持った感じで伸びはまずまず、直線で2回進路変更したことを考えても力は衰えていない。京王杯SCこそ大チャンスだと思ったが、超高速馬場で中段より前で決まったために、後方からになったこの馬には苦しかった、直線も何度も狭くなったしL1では諦めて追うのを止めてしまった。

好材料はコース適正で、昨年の関谷記念は5着だったが新潟2歳Sを圧勝しているようにコース適正は良い。マイルは1F長い可能性があるが、2019年の東京新聞杯で見せたように軽い高速馬場なら持つかもしれない。トップスピードの質はまぁまぁ持続力の高さは折り紙付きなので、直線スムースなら伸びてきてもおかしくないと思う、この辺りはミルコだからコース取りは問題ないと思う。悪材料は馬場が標準馬場であった場合は1F長くなること、前走に引き続き使い詰めは大きな不安だと思う。何しろ昨年のパラダイスS以降はまとまった休みを取っていないので、疲労は懸念材料だと思う。

<ロシュフォール>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く、持続力も高い。

”2018年三年坂特別”ではスローバランスを中段から、L3で11.7と上がり切らず瞬発力が問われて2着まで。”2019年アメジストS”ではスローバランスをやや出遅れ中段の後方から、L4で取り付きL3から高いトップスピードと持続力で圧勝。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを後方から、上がり1番時計で追い込んだが3着まで。”2019年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを後方から、L4手前で動き出したミッキースワローに反応できずに、直線外目からスムースだったが伸びずに凡走、心肺機能と瞬発力が低い。

「関屋記念へ向けて」好材料:コース適正。悪材料:特になし。

トップスピードと持続力が最大の武器で、新潟大賞典では初重賞にも拘わらず上がり1番時計で3着まで追い込んできた、それまでも東京など直線の長いコースでトップスピードの質を生かして好走している。七夕賞では心肺機能と瞬発力の低さを見せてしまった、同じ位置に居たミッキースワローの動き出しに反応できず、直線も全く伸びなかった。ハイペースバランスで稍重だったことが、かなり堪えた様子だった。

好材料はコース適正で新潟大賞典で3着、500万条件だが1800mでも圧勝している。田辺騎手への乗り替りは最近の好調さを見るとマイナスとは言えないが、プラスともいえないと思う。悪材料は特になくてマイルも京都で2着があるし、斤量も1㎏のプラスで56㎏なら許容範囲だと思う。間隔空けつつ使っているので疲労もないと思うし、前残りの馬場になった時に後方から届かずという懸念くらいかな。