2019年富士S 全頭評価 その1。

<アドマイヤアルバ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”京都新聞杯”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが2着まで、高速馬場で前が止まらずステイフーリッシュを捉えきれず。”ダービー”ではスローバランスを最後方から、直線はジリジリ伸びたが9着まで、休み明け4走目で疲労の影響。”神戸新聞杯”ではスローバランスを後方から、直線は外からスムースだったが、後ろからエポカドーロにも並ぶ間もなく交わされて凡走。”2018年オクトーバーSではスローバランスを後方から、直線は外からスムースだったが前が止まらず5着まで、後方過ぎて届かず。”2019年京都金杯”では平均バランスを中段から、直線前が壁になって追えずバテ差しで4着まで。”2019年白富士S”ではスローバランスを中段から、直線スムースだったが伸びず。”2019年六甲S”ではややスローバランスを後方から、直線最内を突いたが伸びずに凡走。”2019年谷川岳S”ではスローバランスを後方から、直線は外からスムースだったが伸びずに凡走。”2019年小倉記念ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外を回して上がって行ったが、直線入り口で力尽き凡走。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが全く伸びずに凡走。

「富士Sへ向けて」好材料:なし。悪材料:走る気を失くしている。

3歳の京都新聞杯でステイフーリッシュの2着に好走したのを最後に、凡走を繰り返している。その京都新聞杯で見せたのが、まあまあの心肺機能とトップスピードの質、高い持続力だった。この時は高速馬場でややハイペースバランス、コーナーで外を回して直線も外から2着までだったので、ㇳップスピードの質は高いとは言えないと思う。

ダービーでは上がり最速で9着だったが、道中最後方になってしまったのは休み明け4走目の疲労が原因だと思う、結果的にここで無理をしたことが尾を引いているのか、3歳秋以降全く良いところがない。唯一好走と言っていいのが2019年京都金杯で、中段から直線で待たされたがL1でバテ差し4着まで持ってきた。これで一定の目途が立ったかと思ったが、その後は再び凡走街道に入っている。左回りの成績が良くなくて、中京の下級条件で2着が3回あるが、オクトーバーS,白富士S,谷川岳Sと凡走を続けたので、左回りは特に注意した方がいいと思う。

好材料は見つけられない、調教が余程良ければ別だが、どうも走る気を失くしてしまった感じ。これが悪材料ですね、もう一点ハーツクライ産駒なので休み明け3走目の疲労も不安材料です。

<アドマイヤマーズ>・ダイワメジャー産駒で心肺機能とパワーの両立型、一本調子の展開や消耗戦向き。

・瞬発力はあまりなく、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・スタートで左に寄れることがある。

”朝日杯FS”ではまっすぐにスタートして3番手でやや掛かったが前と間隔取って折り合った、4F戦になりL4からL3で0.5秒の加速ラップを踏んでいるが、下り坂でのギヤチェンジで対応、L1で大きく落とす消耗戦を粘り切った。”デイリー杯2歳S”ではスタートで左に寄れてドナウデルタが遅れる。先頭に立ち折り合ってドスローに落としてL2最速戦、ギヤチェンジは苦手だが前半のスローで脚が余っていたので対応、しかしペースの割に上がりは33.9と平凡。”共同通信杯”ではスローバランスを逃げて2着、ダノンキングリーにトップスピードの質で見劣り。”皐月賞”では平均バランスを中段の前から、L1で垂れて4着まで、距離の影響。”NHKマイルCでは”ハイペースバランスを中段から、L5.L4で緩んだところを馬なりで取り付き、直線も持続力を生かし外から伸びて1着。

「富士Sへ向けて」好材料:休み明けでフレッシュ、得意距離、コース適正。悪材料:特になし。

ダイワメジャー産駒で瞬発力には不安があるタイプで、平均バランスや、ハイペースバランスで良さが出るタイプ、報知杯中京2歳Sで平均バランスを先行して圧勝しています。皐月賞では平均バランスを中段のやや前から、距離不安を露呈してL2で失速しましたが、逆に言えば1600mまでは勝負になっており、ダイワメジャー産駒らしさをよく表しているとも言えますね。スローバランスでも共同通信杯で2着と3F戦に持ち込むことで良さが出ている、ダノンキングリーにはトップスピードの質の差で見劣ったが、休み明けで大事に乗った面もあり及第点。皐月賞は距離が長かった感じでL1で一杯になってしまった。NHKマイルCがハイペースバランスで中段から、中緩みで取り付き外から持続力を生かして勝ち切った、トップスピードの質はまぁまぁだが持続力の高さは最高レベルにある。

好材料は休み明けでフレッシュな点で、デイリー杯が休み明けで快勝しているし、ノーザンF生産馬なので何の不安もない。マイルは得意距離でNHKマイルC含めて5戦全勝、コース適正も最高に良い。悪材料は特になく、初の古馬重賞での力関係だけだが、斤量も優位で大きな不安はない。

<アンノートル>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く、持続力も高い。

・休み明けは良くない。

”鞍ヶ池特別”ではスローバランスを中段のやや前から、L3でジワっと先団に取り付き直線ジリジリ伸びて1着、馬場が超高速という程ではなかったがジリッぽい感じで、瞬発力は高そうにない。”中山1000万条件”では重馬場で平均バランスを中段の外から、L3からジワっと先団に取り付きL1で突き放した、心肺機能とパワーの高さを見せた。”春興S”ではスローバランを中段馬群の中から、直線も馬群の中で流れ込むだけ。”湘南S”ではスローバランスを中段の後ろから、直線は前に居たサンラモンバレーに付いて行く形で差し切り、トップスピードの質と持続力の高さを見せた。”2019年エプソムC”ではスローバランスを中段の外から、直線はスムースだったがL1でショウナンバッハに見劣っているので1F長い感じ。

「富士Sへ向けて」好材料:コース適正、距離適正。悪材料:休み明け。

湘南Sで後方からになったが、直線で前の馬が加速してくれたのでそれに乗る形で伸びてきた、サンラモンバレーに引っ張ってもらったとはいえ、ここまでのトップスピードを持っているとは意外だった。同日のNHKマイルCとはペースバランスが違うので比較しにくいが、トップスピードの質だけなら2着のケイデンスコールと遜色ない。高速馬場での適性を見せて居るので東京は合うと思うし、実際東京のマイルが一番好走歴が多い。距離に関しては好走しているのはマイルで、1800以上では顕著に成績を落としてしまう。超高速馬場の場合は適性距離よりも1Fくらいは誤魔化せることが多い、東京新聞杯のロードクエストみたいに。この馬はマイネル軍団の馬なので外厩はどうしても弱くて、休み明けは良くない、2017年500万条件が4カ月の休み明けで14着、2017年古作特別が4カ月の休み明けで13着だった。

好材料は東京のマイル戦で、最も得意としている舞台、湘南Sのようにスローバランスになるかは分からないが、中段やや後ろからになれば平均では入れると思うので、心肺機能も足りると思う。悪材料は休み明けで全く良いところがない、今回は4カ月の休み明けで期待薄。

<イレイション>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”2017年刈谷特別”では稍重でスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー外を回して直線外からスムースに伸びて圧勝。”2017年阪神1000万条件”では重馬場でほぼ平均バランスを中段から、3,4コーナー馬群の中から直線スムースに抜け出し3着、前を捕まえ損ねているのでトップスピードの質は高くない。”2017年有松特別”ではハイペースバランスを離れた追走集団の前から、4コーナーから外に出して直線スムースだったがミリッサに差されて2着、トップスピードの質で見劣り。”2019年中山1000万条件”ではハイペースバランスを離れた追走集団のやや前から、4コーナー外を回して直線スムースに伸びて圧勝、消耗戦になりトップスピードの質を問われなかった。”2019年幕張S”ではスローバランスを中段やや前から、4コーナー中目から直線スムースだったが逃げたショウナンライズを捉えきれず、トップスピードの質の低さを見せた。”2019年春興S”ではスローバランスを逃げ切り、L1最速戦の流れで3F戦に持ち込めたことが大きかった。

「富士Sへ向けて」好材料:・・・。悪材料:コース適正、休み明け。

春興Sはかなり特殊なラップ推移になっていて、スローバランスから3F戦のような感じだが実はL1最速になっている、それも逃げたこの馬がそのままL1最速のラップを刻んでいるので、道中は相当楽なペースになっている。これはかなり恵まれた1戦で、2着がトロワゼトワルだがこの馬もトップスピードの質は低い。稍重や重馬場、トップスピードの質を問われない平均バランスで好走しているように、トップスピードの質は高くない、有松特別でミリッサに差し切られてしまったし、スローバランスの東京でも凡走している。春興Sのパターン、スローバランスからの3F戦で後続が仕掛け遅れてくれることが良いんだけど、なかなかそんなパターンはないので、OPでは苦しいかもしれない。

好材料は見つけにくく、東京のマイルは2回とも凡走している、トップスピードの質を問われるコースなので、このコースでは苦しいと思う。悪材料は休み明けで、この馬はダーレ―の馬なので外厩はノーザンFよりは良くない。この馬自身も500万条件では勝っているが、1000万条件の葉山特別では5着だった。

<エメラルファイト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・バテ差し型。

”スプリングS”では平均バランスを中段から、L2最速戦を持続力で押し切る。”白梅賞”ではややハイペースバランスを中段のインコースでコースロスなく進めて、直線外からバテ差し1着。”朝日杯FS”ではややスローバランスを後方から、バテ差しで6着まで。”アイビーS”ではスローバランスを3番手先行して3着、直線は上がり33.1だがクロノジェネシスには明確に見劣り、コスモカレンドゥラにもやや劣る、高速馬場でへの適性の低さ、トップスピードの質、瞬発力の低さを見せた。”ダービー”では離れた追走集団の前から、直線では中目を進めるが伸びずに凡走。

「富士Sへ向けて」好材料:マイル戦。悪材料:休み明け、クラス負けの危険。

白梅賞、スプリングSと流れた中で好走してきたのは、一定の評価をしないといけないと思います。アイビーSで高速馬場への適性の低さを露呈しているように、良馬場でスローバランスになれば出番はないと思いますが、ハイペースバランスや重馬場になれば可能性は高まると馬ですね。トップスピードの質が低いのは再三見せていて、好走したスプリングSも消耗戦をバテ差したもの、クロフネ産駒らしく持続力は高いので前半からハイペースで進めたいが、スタートが不安定だし、騎手もハイペースを促すような騎手は乗っていない。距離は良馬場なら1800まで、道悪なら距離適正は不問。一点気になるのはクロフネ産駒は牡馬よりも牝馬の方が圧倒的に成績が良い点、スプリングSも相手が弱かったし重賞で何度も好走できるかどうかは大きな不安。

好材料はクロフネ産駒なのでマイル戦は合うはず、ここまでマイル戦は3戦2勝と好相性なので距離適正は良いし、コース適正もアイビーSで3着、新馬戦1着があるので良いと思う。悪材料は休み明けの不安で札幌2歳Sが2か月半の間隔空けで4着、この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは不安材料。スプリングSを勝っているがメンバー低調であまり評価できない、初めての古馬戦でどこまでやれるかは大きな不安材料ですね。