2019年マイルチャンピオンシップ 全頭評価。その5。モズアスコットの中3週は良い。

<モズアスコット>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力も高い。

”2018年阪急杯”ではほぼ平均バランスを中段の後ろから、直線は外から追い込んで2着まで。”2018年マイラーズC”では平均バランスを先行、粘ったところを差され2着、この時の1着がサングレーザー。”2018年安田記念”ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、直線はスワ―ヴリチャードの後ろから伸びてバテ差し1着。”2018年マイルCS”ではややスローバランスを中段の後ろから、直線全く伸びずに凡走。”2019年マイラーズC”ではスローバランスを中段から、直線全く伸びず。”2019年安田記念”ではスローバランスを中段のやや前から、直線は内からインディチャンプに一発もらったが、それを差し引いても全く伸びなかった、調教は良く体は出来ていた感じなので精神的な物かも。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを後方から、直線はスムースだったがジリジリと伸びただけ。”2019年スワンS”ではほぼ平均バランスを中段から、直線外からスムースに伸びて2着、まぁまぁのトップスピードと高い持続力でマイスタイルを差し切ったが、1着ダイアトニックにはトップスピードの質で見劣り、この時が中2週。

「マイルCSへ向けて」好材料:コース適正、中3週。悪材料:クラス負けの危険。

2018年マイルCS以降どうも体調が良くないようで、香港マイルを挟んで2019年の始動戦であるマイラーズCでも、ダノンプレミアムに1.0秒も離されて7着と、2018年安田記念1着馬とは思えないほど。馬体重も2108年秋の始動戦だったスワンSで+10kg、これでロードクエストに後ろから差し切られてしまったし、マイルCSでも+2㎏で凡走、年明け初戦のマイラーズCでも+2㎏で凡走している、絞れないということはどこかおかしいのかな~。外厩は宇治田原優駿SでノーザンFと比べると可哀想、昨年連闘で勝ち切ったように外厩に頼れないために、間隔開けずにレースを使って仕上げた方が良いのでしょうね。

2018年安田記念を振り返ると心肺機能とトップスピード、持続力の高さを見せたレースで、もちろんルメール騎手の直線のコース取りは素晴らしかった。2018年のマイラーズCも平均バランスで先行して2着に粘り切った、この時の1着がサングレーザーだったので心肺機能の高さは折り紙付きですね。非ノーザンF生産馬んなので外厩には頼れない、使い減りしないので使いながら良くなるタイプなんだと思う。

2019年毎日王冠で後方から1着ダノンキングリーにトップスピードの質で大きく見劣った、それでもジリジリとは伸びているので距離の問題というよりは、トップスピードの質が落ちてきた可能性がある。もちろんこの時は休み明けだったのでそこは割り引いて考えるべきだが、後方で足を溜めていながらダノンキングリーに比べて0.6も遅い上がりでは勝負にならない。

フランケルの産駒は旬が短い感じで、一度調子を崩すとなかなか復調してくれない、というか一度調子を崩すと復活しないんだよね~、ソウルスターリングも良くないしミスエルテは引退しちゃったからね~。と思っていたら2019年のスワンSで僅差の2着に好走してきた、休み明け2走目で中2週と一叩きされて少しはピリッとした感じ。

好材料はコース適正で昨年のマイルCSは凡走したが、2018年マイラーズCを2着しているしスワンSも京都外回りで2年連続2着と好相性。今回は中3週で間隔を空けていないのは良いと思う、外厩が期待できないので使いつつ良くなっていくタイプで使い減りしない、前走も中2週で2着に復活の狼煙を上げた。悪材料はクラス負けの危険でGⅠ馬に使う言葉ではないんだけど、前走の相手がやや小粒だった感じがある、1着ダイアトニックが直線で大きく外に膨れてロスが大きかったにもかかわらず差し切られている、3着のマイスタイルをやっとこさ差し切ったように現状でGⅠを好走できるかはやや不安かな~。前走の調教が栗東坂路37.5-11.8なので、これくらいのタイムは出して欲しいかな~。

<レイエンダ>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。・ハイペースバランスではトップスピードが削がれてしまう。

”夏木立賞”では離れた追走集団の後方からで平均バランスくらい、L2から一気に伸びて先頭を捉えL1も落とさず1着、馬場を考えればタイムは物足りないがこの時は骨折明け。”松前特別”ではやや離れた3,4番手追走でややスローバランス、L3から徐々に掴まえに行って圧勝、L1最速戦という珍しい展開なのでレースレベルは低い。”セントライト記念”では離れた追走集団の後方から、4コーナーも中目を回して伸びたが2着まで、トップスピードの低さを見せてしまった。”2018年チャレンジC”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、コーナーは中目を回してロスが無かったが、直線伸びずに凡走、すぐ前に居たステイフーリッシュにも離されてしまったので、トップスピードの質は低い。”2019年東京新聞杯”ではややハイペースバランスを最後方から、直線は馬群に取り付くまでで凡走、上がり32.8で1番時計だが最後方から全くレースに参加していないので評価はできない。”2019年メイS”ではスローバランスを中段の後方から、直線はスムースだったが伸びずに凡走、同じ位置で直線に入ったショウナンバッハに直線だけで3馬身も離されてしまったのは印象悪い。。”2019年エプソムC”ではスローバランスを2番手先行、直線はトップスピードの質と持続力を生かして差し切り。”2019年新潟記念”では平均バランスを中段から、直線中目を通してスムースだったが全く伸びずに凡走。”2019年富士S”ではスローバランスを後方から、直線はすぐ前に居たノームコアを追走してスムースに伸びて2着、前半がスローだったので末脚が生きた感じ。

「マイルCSへ向けて」好材料:・・・。悪材料:休み明け3走目、反動、初コース。

言わずと知れたレイデオロの全弟で、デビュー前から期待されていたが新馬戦後の軽度の骨折で1年弱の休養、復帰してからは2連勝でセントライト記念で2着まではマズマズだったが、その後古馬混合の重賞でボロが出ている。まずチャレンジC、初めての関西輸送もあったので当時は大目に見てあげようかと思っていた、ただそれでもステイフーリッシュに直線で離されたのは印象悪い、ステイフーリッシュもトップスピードの高い馬ではないからね~。このトップスピードの低さはセントライト記念でも見せていたので、ここで改めて確認された格好になってしまった。セントライト記念や条件戦にはなるが松前特別で持続力の高さは見せたが、最近はスタート後の行き脚が悪く後方からになり凡走を続けている。

年明けの東京新聞杯で異変があった、ここまで継続騎乗だったルメール騎手が、非ノーザンのゴドルフィン・タワーオブロンドンを選択してきた、ノーザンFxキャロットクラブxルメール騎手の関係を考えれば、この乗り替りは3者が納得したもののはず、ということはルメール騎手はレイエンダに見切りをつけたのか?とも思ったが2019年エプソムCで再度ルメール騎手が乗って1着。展開もかみ合ったがルメール騎手に戻ったとたんこれではね~。

そのエプソムCでは稍重でドスローを先行させて、上がり3F32.7で勝ち切った。前半が遅かったことで東京特有の雨でも速い馬場を味方にした感じ。ただ東京新聞杯でも最後方から上がりだけは1番時計を出していたし、能力の片鱗は見せていたと考えても良いと思う。当時は最後方から全く別のレースをしただけで、評価は出来なかったがトップスピードの質は高いと思って良いと思う。キンカメ産駒なので突如覚醒する馬もいる、ラブリーデイなんかがこれに当たるんだけど、ここで覚醒したと見るかどうかはまだ未知数かな。

2019年新潟記念でこの馬の特徴が固まったと思う、心肺機能の問題で凡走していたことがはっきりした。この時は平均バランスを中段から直線全く伸びなかった、エプソムCのようにドスローならトップスピードを引き出せるが、平均バラン以上で流れてしまうと心肺機能が一杯になってしまうんだと思う。良馬場では前半が速くなって息切れしてしまうか、後方からになり息は持っても届かない。稍重になるとドスローを先行したり、スローバランスを中段の後ろからでも、バテ差しが効いて好走すると。こういうタイプなのかもしれませんね。

好材料はルメール騎手が乗ることくらいでしょうか、前走もスミヨン騎手が上手く乗りましたが、ルメール騎手も超一流ジョッキーでスミヨン騎手に全く劣りませんからね。他に好材料が見つからないんですよね~。悪材料は休み明け3走目の疲労が不安な点、キンカメ産駒なので疲労には弱いはず。近走は好走と凡走を繰り返しているので反動も気になる。初めてのGⅠになる点も不安材料で、GⅢを勝っているが稍重だったし前半はドスローであまり評価できない。不安材料が多過ぎてルメール騎手でも買いにくいかな~。

<レッドオルガ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

・休み明けでも走るが疲れやすい。

”2018年ターコイズS””は休み明け3走目で前走1着の反動、出遅れ外から追い込んだが届かず。”紅葉Sで””は内で詰まったが外に出してからL1でバテ差し、”湘南S”ではドスローを先行して4F戦に持ち込みL3最速のギヤチェンジも克服して押し切り。”2019年東京新聞杯”ではやや離れた中段から、実質ややスローバランスを直線伸びて2着、インディチャンプには瞬発力で見劣り。”2019年阪神牝馬S”ではスローバランスを後方から、直線では前が止まらずに凡走。”2019年ヴィクトリアM”ではハイペースバランスを中段の後ろから、直線は詰って失速。”2019年富士S”ではスローバランスを中段から、直線はL1標識手前まで前に詰まってしまい、外から勢いを付けてきたノームコア、レイエンダに差されて3着まで、酷い騎乗だった。

「マイルCSへ向けて」好材料:距離適正、休み明け2走目。悪材料:騎手未定。

エリモピクシーの子ってことで東京のワンターンを最も得意としている、このコースとの相性は1つ上のお姉ちゃんレッドアヴァンセがヴィクトリアM3着、弟のレッドヴェイロンもNHKマイルC3着、お兄ちゃんのクラレントも安田記念3着とまさにこの一族の庭になっている。自身も東京新聞杯で2着と府中ワンターンのコース適正の高さは筋金入り、2着とは言え相手がインディチャンプで前半800m45.7のややハイペースバランスと、レースレベルも高かった。もちろん府中専用というわけではなく、お兄ちゃんのレッドアリオンが洛陽S、マイラーズCを勝っているように外枠から揉まれなければ、どこの競馬場でも好走できる。

この馬だけでなくこの兄弟は内で揉まれると良くなく、直線は進路変更せずに加速することが必須条件なので内枠は良くない。東京新聞杯が内枠だったが直線で上手くコースが空いたので、スムースに伸びた。逆にヴィクトリアMが直線L2過ぎに前が壁になり、思いっきり詰まってしまい凡走している、実は詰まった後が問題で全く再加速できていない、なので瞬発力が非常に低い。2018年長岡Sでも馬群の中で進めて直線狭くなり凡走している、明らかに馬が嫌がっているので、揉まれるのは良くないんだと思う。2019年富士SでもL1標識手前まで前が壁になり、追い出しが遅れて3着までだった、ただこの展開で3着に来たのは力のある証拠で騎手さえまともならGⅠでも勝負できるはず。キレッキレのトップスピードを持っているわけではないので、後方からでは届かないのは阪神牝馬Sで見せているので、最低でも中段を取れることが重要だと思う。

ノーザンF生産馬なので休み明けは苦にしない、2019年富士Sが休み明けで直線の大きな不利をはね返して3着だったし、2019年東京新聞杯も2カ月弱の間隔を空けて2着と好走している。むしろ間隔空けてフレッシュな方が良いかもしれない。

好材料はマイル適性で2019年東京新聞杯が好内容、相手がインディチャンプなので2着とは言え0.1差だからね~、2018年紅葉Sもスローバランスと展開は合わなかったが、まぁまぁのトップスピードの質を見せた、ただどちらも府中。休み明け2走目は上積みが期待できる、ノーザンF生産馬なので休み明けでも走るのは前走見せたが、紅葉Sが休み明け2走目で勝ち切ったように実績もある。悪材料というか現時点では騎手が未定な点かな~。ミルコが先行させて2戦2勝なので1番いいんだけど、こればかりは決まらないと何とも。クラス負けはしないと思う、ヴィクトリアMが直線詰まって凡走しただけで、決してレースにならなかったわけではないし、東京新聞杯でインディチャンプ相手に0.1差2着があるのでチャンスはあると思う。