2020年京都記念 全頭評価。その3。

<クラージュゲリエ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

”札幌2歳S”ではかなり重い馬場で中段やや後ろから掛かり気味、コーナーで外から加速したがジリジリで届かず3着。”京都2歳S”では中段で折り合いに専念、L3から目視11.0→11.2→11.6と長くいい脚を使って1着。軽い馬場で本領を発揮した感じだが、タイム自体は平凡で2着のブレイキングドーンもホープフルSで5着とレースレベルには疑問も。”共同通信杯”ではスローペースバランスを中段から、直線は瞬発力で見劣りバテ差し3着。”皐月賞”では平均バランスを中段から、直線は流れ込んで5着。”ダービー”では離れた追走集団の中段やや前から、4コーナーで外目を回してしまい伸びきれず6着。

「京都記念へ向けて」好材料:コース適正。 悪材料:クラス負けの危険。

この馬は好走した時と凡走した時で条件がはっきりしていて、それがコーナーの数。好走凡走の定義がややこしいので、ここで定義しておくと、好走は皐月賞(5着)、ラジニケ賞(1着)、新馬戦(1着)、凡走は共同通信杯(3着)、札幌2歳S(3着)。コーナーが4つあることでペースが緩んだ皐月賞、ラジニケ賞で好走しているようにコーナーで息を入れられることが好走要因かなと。もちろんコーナー2回でも前半緩めば問題はないけど、距離も1800までになってしまうので緩むことは少ないはず。

2019年ダービーでは離れた追走集団のやや前から進め、よく粘って6着だった、後ろからヴェロックス、サートゥルナーリア、ニシノデイジーに差されているので、トップスピードの質は高くないが、持続力は発揮している。共同通信杯でもダノンキングリーとアドマイヤマーズには瞬発力で見劣ったが、持続力はゴール前まで良く伸びていたので高いものを見せた。ただ直線入り口ではダノンキングリーと同じ位置に居たので、トップスピードの質と瞬発力では大きく見劣ってしまった。もう一点気になるのが2歳時になるがラジニケ杯2歳S、この時は次の12Rが1000万条件のマイル戦で1:33.5が出る高速馬場だった、クラージュゲリエの上りは33秒台を出しているが、物足りなさはある。

好材料はコース適正でラジニケ杯2歳Sを勝ち切っている、上り3F33.8で差し切っているので軽い高速馬場の方が良いのかもしれない。悪材料はクラス負けの危険で、初古馬混合重賞になるので未知数な部分がある。サートゥルナーリアにはボロ負けしているので、古馬だけでなく1線級の牝馬相手にどこまでやれるのか。

<クロノジェネシス>・バゴ産駒でかなり掛かる、外枠は危険。

・強烈な瞬発力がありトップスピードの質は高く持続力はまぁまぁ。

・心肺機能も高いがハイペースバランスでは割引。

・パワーも有り坂でも加速できる。

”アイビーS”では内枠から中段の前で何とか折り合って直線、コースを取り切るのにやや手間取るが坂から一気に加速して圧勝。”阪神JF”ではスタートで出遅れ最後方から折り合いに専念、4コーナーでダノンファンタジーの外を回された分2着に。”クイーンC”ではスローバランスを外枠から掛かりながら中段から、直線はビーチサンバが来てからL2で追い出し圧勝。”桜花賞”ではスローバランスをインコースの中段から、序盤掛かっていたが中盤で折り合う、直線は前が壁になり外に出してから瞬発力とバテ差しで3着。”オークス”では平均バランスを先行、4F戦になり脚が溜まらず3着まで。”2019年秋華賞”ではハイペースバランスを中段から、稍重で消耗戦になりバテ差し1着、この時が休み明け。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを中段やや前から、直線は全く伸びずに5着まで、前走の反動かも。

「京都記念へ向けて」好材料:コース適正、休み明けでフレッシュ。 悪材料:特になし。

馬のポテンシャルだけならグランアレグリアを凌ぐ可能性がある、強烈な瞬発力、高いトップスピード、まぁまぁの持続力と非の打ち所がないっように見えて、実は大きな弱点を抱えている、それが気性でとにかく掛かる。アイビーSなんかは内枠で折り合ってから強烈な瞬発力で圧勝している、クイーンCでは外枠で行きたがったがマイルで何とか勝ち切った、この時も掛かっていて上り33.1だがやや物足りない。桜花賞では内枠で直線前が壁になり絶望的な状況だったが、前が開いてからの強烈な瞬発力で3着まで持ってきた、もちろん褒められた騎乗ではなくスムースなら2着はあったはず。オークスも内枠を引けて折り合えたことで3着、ただL2の坂が苦手なカレンブーケドールにやっとこさ並んだだけで、L1では突き放されてしまったので恐らく距離が長かったんだと思う。本質的にはマイルから1800mまでじゃないかな~。秋華賞は稍重でハイペースバランス、やや離れた追走集団の中段やや前で馬群の中と絶好のポジションだったし、直線入り口でスムースに外に出せたことも大きかった。距離は2000mだったが稍重の割に流れていて、折り合いがしっかりと付いたので圧勝したんだと思う、この感じから心肺機能や筋持久力では2000m以上でも持つが、気性的な問題で距離制限が掛かる可能性がある。道悪になれば折り合いは付くはずなので、2000m以上でも距離不安は解消されそう。

ノーザンF生産馬なので休み明けは問題ないと思う、2か月の間隔を空けたクィーンCを圧勝している。2019年エリザベス女王杯では前半やや掛かり気味にレースを進め直線伸びなかった、前走休み明けでかなり厳しいレースを激走したので反動かもしれない。可能性は低いと思うがバゴの産駒なので燃え尽きた可能性も、ビッグウイークが菊花賞後に全く鳴かず飛ばずだった、まぁバゴ産駒のトロワボヌールがダートではあるが、息の長い活躍をしているので不安はないと思うが。このエリ女では直線で前のラブズオンリユーがフラフラしていたので、再三進路変更したがコースが空いていない、最内を突いたラッキーライラックがスムースだったことを考えると、コース取りの差は大きくこの辺りは騎手の差も考慮すべき。

好材料はコース適正でエリザベス女王杯は5着だったが、直線ですぐ前に居たラブズオンリユーがフラフラしてコースが空かなかった、迷っているうちに最内をラッキーライラックに行かれてしまったので、着順ほど悪い印象はない。内回りだったが秋華賞を勝っているのでコース適正は高いと思う。その秋華賞を休み明けで圧勝しているので、今回の休み明けもプラスの評価でいいと思う。悪材料は特になく、カレンブーケドールと1㎏の斤量差くらいでしょうか、重馬場になりそうなので外枠でも掛かる可能性は低くなったし、血統的に重馬場は得意のはずなので好走確率は高いと思う。