赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。
<センテリュオ>・心肺機能は低く、パワーはやや低い、瞬発力は低い。
・トップスピードの質はまぁまぁで、持続力は高い。
”2019年中山1000万条件”ではスローバランスを4番手追走、L5から11秒台に入るロンスパを押し切り。”2019年尼崎S”ではややスローバランスから、後半ロンスパになり2着、勝ち馬とは位置取りの差が出て差し切れない辺りがトップスピードの質・瞬発力の低さを露呈。”2019年下鴨S”ではスローバランスを最後方から、L4から11秒台に入るロンスパを4コーナー外を回して差し切り、上り32.8と持続力の高さは見せたが、トップスピードの質はこれでもまぁまぁのレベル。”2019年マーメイドS”ではややハイペースバランスを後方から、直線入り口まで前が空かず、外からジリジリ伸びたが瞬発力の無さを見せて4着まで。”2019年新潟記念”では平均バランスを中段のやや前から、直線中目から進めたが伸びあぐねて7着まで、この時休み明け。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを向正面で3番手に上がり先行、3,4コーナーでクロコスミアに付いて行かずに、直線やや外目からジリジリまでで4着。”2020年愛知杯”では重馬場でややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに5着。”2020年大阪城S”では稍重で平均バランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。”2020年マーメイドS”では稍重で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースに伸びて2着。
「オールカマーへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。
トーセンスターダムの全妹で特徴としては、心肺機能が高い持続力型という感じ。下鴨SでL4から11秒台に入る流れを、4コーナー外から差し切った持続力は相当に高い、ただ上り32.8をどう評価するか悩ましいところで、前日のオーストラリアT1000万条件でも上り32.9が出ている馬場だった。なのでトップスピードの質は高くはないと思う、尼崎特別でメールドグラースにL2の後半で一気に引き離されたし、瞬発力も低いはず。瞬発力の低さはマーメイドSでも見せていて、直線入り口まで前が空かずに追い出しが遅れている、これを外からサラスにぶち抜かれている。このマーメイドS、尼崎特別では坂で顕著に減速しているのでパワーも高くはないと思う。
下鴨Sを見直すと最後方から4コーナーでスムースに外に出し、直線も外からスムースだった。この時の2着がアクートで次の佐渡Sを2着ゴージャスランチ相手に圧勝しているので、相手関係を考えても好内容だった。2019年エリザベス女王杯では3,4コーナーでクロコスミアに付いて行かなかった、これはルメール騎手がこの馬を信じきれなかったんだと思う、内にラヴズオンリーユーが居たので仕方ない面もあるが、この辺りに重賞実績の無さが出てしまった感じ。
2020年愛知杯では重馬場で後方から、この時はややハイペースバランスで後方からだが前半1000m自身62秒くらいのはず、これで直線スムースだったがジリジリまでで、4着フェアリーポルカに明確に見劣った。2020年大阪城Sでは稍重で平均バランス、いつも通り後方からでスムースだったが届かず5着。ここでもトップスピードの質で勝負にならなかったが、ジリジリは伸びているので持続力は見せている。2020年マーメイドSでは稍重で平均バランス、この時は中段の後ろからでいつもよりもやや前だった、3,4コーナー最内を回して中段まで取り付き、直線最内からスムースに伸びて2着までだった。直線入り口までに中段に居ないとこの馬のトップスピードの質では勝負にならない。
前半のペースが速くなってしまうと後半トップスピードの質を発揮できない、後方からになるのはこの馬の心肺機能を考えると当然で、無理に中段辺りに行ってしまうと2019年新潟記念のように後半伸びなくなってしまう。この感じだとレースレベルが上がってしまうと苦戦が予想される。エリザベス女王杯みたいにドスローからL2最速戦になれば、中段の後ろ辺りからスムースに3F戦に持ち込み好走できそうだが、前半無理をしてしまうと苦しくなりそう。
好材料はコース適性で、条件戦だが同コースを勝っている、前走のマーメイドS2着も阪神内回りだし、尼崎S2着なので2200mの距離適性も良いはず。悪材料はクラス負けの危険で、昨年の新潟記念では53㎏でショウナンバッハにも後れを取ってしまったし、展開的には良かったエリザベス女王杯でも4着と、ちょっと足りなかった。このクラスになると前半もドスローになることは少ないので、ユッタリ入ってしまうと後方過ぎて届かない可能性が高くなる。
<フィエールマン>・心肺機能は高く、パワーはまぁまぁ、瞬発力は高い。
・トップスピードの質は高く、持続力はまぁまぁ。
・休み明けでも走る、疲労はディープ産駒通りと予想。
”ラジオ日経賞”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー大外を回してL1だけで2着まで、強烈な瞬発力を見せた。”菊花賞”では超スローペースを中段から、L2で自身10.5くらいのトップスピードの質と瞬発力を見せて、エタリオウを振り切り1着。”2019年AJCC”ではスローバランスを中段から、加速自体は良かったが坂で鈍って2着まで。”2019年天皇賞(春)”ではスローからのL2 最速戦、瞬発力とトップスピードの質で勝ち切る。”2019年札幌記念”では平均バランスを中段やや後ろから、4コーナー外を回して直線外からスムースだったが3着まで、この時が休み明け。 ”2019年有馬記念”では離れた追走集団の中段やや後ろから、3コーナー外目から早目に動いて直線垂れてしまい4着まで。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。
「オールカマーへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。
ルメール騎手に変わってスタートは改善。ラジニケ賞、菊花賞、天皇賞(春)で強烈なトップスピードの質と高い瞬発力を見せている、ラジニケ賞ではL1、菊花賞と天皇賞(春)ではL2で10秒台のラップを踏んでいるはずで、ここで勝負を決められるほどの武器になってる。反面持続力にやや難があり、アメリカJCCではL4から11秒台に入る流れでL1で伸びを欠いて、シャケトラを捉えきれなかった、L2の10.9には反応できたがL1でやや鈍ったのは、トップスピードを維持する持続力がやや低いためだと思う、これは菊花賞や天皇賞(春)でも見せていて、菊花賞では先に抜け出したエタリオウをL2だけで一旦交わしたが、L1で再度並び返されてしまい僅差の辛勝だった。天皇賞(春)でもL4から11秒台に入る流れを1頭分外を回したグローリーヴェイズにL2で反応されてしまい、なんとか押し切った感じで、決して持続力は高くないと思う、高くないと言っても並の馬ではないので、最高レベルからはやや落ちるという程度。元々疲れやすいディープ産駒で、ノーザンファーム生産馬なので最高の外厩施設を使って、休み休み使われていながらしっかり結果も出している。
2019年札幌記念では平均バランスを中断やや後ろからすすめ、4コーナーで外を回して直線外からスムーズだったが3着まで、この時の1着がブラストワンピースでブラストワンピースとは4コーナーのコース取りが違った。かなり外を回してしまったので距離ロスがあったのは確かだし、次の凱旋門賞へ向けて叩き台だったので3着でも悪くはないと思う。2019年有馬記念では離れた追走集団の後方からで自身ややハイペースバランスくらいのはず、3コーナーから外目を回し早目に仕掛けたこともあり4着まで、直線では舌を出していたのでかなり苦しかった感じ。この時は凱旋門賞帰りで2か月半の間隔空けだった。2020年天皇賞(春)では中段のやや後ろから進め、向正面でミッキースワローの押上にも動かず、3、4コーナー内目を回して差し切り、高速馬場で4F戦になったことで、自身L2最速戦にして差し切る昨年と同じ展開。札幌記念の負け方からも時計の掛かる馬場は苦手で、軽い高速馬場を得意としている感じ。
好材料はコース適性で、2019年AJCCで2着、この時はシャケトラの方が1㎏軽く、道中も前に居た分だけクビ差届かなかった。直線入り口で外からメートルダールに締められたし、スムースではなかったので2着は悪くない結果だと思う。有馬記念でもリスグラシューは別格だったが、サートゥルナーリアとワールドプレミアとは2㎏差あって僅差だったので、中山コースは苦にしないはず。悪材料はなし、クラス負けの危険は当然ないし、ルメール騎手の予定なので騎手不安もない。強いてあげれば道悪かな~、札幌記念が良馬場だが1度も11秒台の前半が出せずに3着だった、この馬はトップスピードの質と瞬発力が武器なので、道悪になってパワーと持続力の勝負になった時に取りこぼす不安がある。
<ミッキースワロー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はあまり高くない。
・トップスピードの質は高く、持続力も高い。
”2017年セントライト記念”ではスローバランスを中段から、直線は外からスムースに加速して、L1最速の11.0で差し切り、この時の2着がアルアインでトップスピードの高さを見せた。”2018年AJCC”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、L4から前を追いかけたがL1で甘くなって2着、この時の3着が逃げたマイネルミラノで半馬身差なので、持続力はやや低い感じ。”2018年大阪杯”ではスローバランスで後半ロンスパを後方から、4コーナー外から押し上げて行ったがL1で甘くなり5着。”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、直線は全く伸びず、心肺機能の低さを見せた。”2018年ジャパンC”ではスローバランスで後半ロンスパを後方から、直線外からスムースで上がり3F33.9は最速だが、勝負にはなっていない。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、直線やや狭くなったが馬群を割って伸びて2着、この時は57.5㎏を背負わされていたし、3F戦でしっかり伸びた。”2019年エプソムC”ではスローバランスを後方から、直線スムースだったが伸びず、トップスピードの質で見劣り凡走。”2019年七夕賞”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや後ろから、自身平均バランスくらいからL4手前で上がって行って、外から捲って押し切り。”2019年オールカマー”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが2着まで。”2019年福島記念”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線スムースにバテ差したが3着まで、この時は58.5㎏。”2020年AJCC”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外を回してアクシデントの影響を受けてロスが有り4着まで。”2020年日経賞”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外目から差し切り。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを中段の後ろから、3コーナー手前で中段まで上がり3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。
「オールカマーへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。
正直よく分からない馬で、2019年七夕賞では稍重で自身平均バランスからロンスパの捲りで勝ち切ったし、2019年エプソムCでは同じ稍重でスローバランスから、直線全く伸びずに凡走している。2年前になるがセントライト記念が強い勝ち方で、L1最速11.0という珍しい展開を中段から差し切ったのは驚いた、2Fくらいを11秒を連発するような脚質なのかな~と。それはロンスパになった2018年AJCCや2018年大阪杯で甘くなっているので間違いではないと思うし、2018年札幌記念でハイペースバランスを全く良いところなく凡走しているので、心肺機能は高くはないはず。2018年ジャパンCでは後半のロンスパで5着にはなっているが、全く勝負にならない位置に居たし、超高速馬場だったことも心肺機能に余裕があった理由ではないかと。
問題は勝ってしまった2019年七夕賞で、もちろんローカルGⅢで相手は弱かった、2番人気が初重賞のクレッシェンドラブだからね。それと稍重で離れた追走集団の中段の後ろからと、自身の1000m通過は目視60.0くらいで平均バランスだった。福島競馬場は全面にエクイターフが採用されていて、その上から洋芝がオーバーシードされている、雨には割と強い馬場のはずなので、恐らくこれらの点からも心肺機能には余裕があったと思う。その上でL4から11.8-11.8-12.1-12.1とあまり落としていないことからも余裕のある勝ち方だったのではないでしょうか。
ジャパンCで5着があるので左回りが苦手ということはないが、ジャパンCの時も直線入り口で外に顔を向けて大外まで出していた、これはエプソムCでも同じようだったし、2着に好走した新潟大賞典でも直線入り口では外へ流れていた。なので左回りはやや割り引いた方が良いと思う。2018年札幌記念の凡走は勝負所の直線入り口で、前をモズカッチャンにカットされている。もちろんその前に進路を確保したかったが、動き出しが遅かったので瞬発力がやや低いのかもしれない。道悪に関してはトニービンの血がある馬は、重馬場でも問題なく走る馬が多いので不安材料にはならないと思う。
2019年オールカマーでは後方からスローバランスの4F戦になり届かなかった、2019年福島記念ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して捲って行ったので自身L3から11秒台に入っている可能性が高く、58.5㎏の斤量も含めて強い内容だった。自身平均バランスくらいで心肺機能は求められていないが、持続力の高さは見せている。どうしてもスタートが遅いので中段の後ろからになり届かないレースが続いているので、展開に左右されてしまう。2020年AJCCではスタートを決めて中段から、4コーナーでアクシデントの影響を受けてブレーキしている、これが響いたのか直線では4着までだった。2020年日経賞ではスローバランスだがかなり消耗しやすいラップに付き合わずに、中段の後ろで足を溜めていた。これで3,4コーナー中目を回して直線バテ差し1着、持続力とパワーの高さを見せつけた。2020年天皇賞(春)では中段から進めたが、3コーナー手前で前のフィエールマンを交わして中段まで上がり、3,4コーナーは中目を回したが3着まで。直線でフィエールマンにあっさり交わされてトップスピードの質で見劣ったが、L1ではジリジリ伸びて持続力の高さを見せた、輸送を克服したのは好材料。
好材料はコース適性で昨年のこのレース2着、この時は菊沢騎手が乗っていたので2着でも高評価。セントライト記念で1着、AJCCで2着とこのコースとの相性は抜群。今年のAJCCでは4着だったが、マイネルフロストの故障の影響があったので度外視して良いと思う。今回は休み明けになるが、昨年の新潟大賞典でも2着があるので大きな不安はないですね。ノーザンF生産馬なのでしっかり仕上げてくるはず。悪材料は特になく、2018年の札幌記念が休み明けで大敗しているが、ハイペースバランスが原因かと思ったが、4コーナーから馬群の中で狭くなっていたので、スムースなら結果は違ったはず。好走している時はいつもスムースな競馬なので、揉まれると良くないと思うが、その辺りは乗り慣れた横山典騎手だし、多頭数になりそうもないので心配はないと思う。