2021年ヴィクトリアM 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<レッドベルディエス>・心肺機能はやや低く、パワーはある、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はやや高く、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
江ノ島S 10着 不良馬場でややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。直線入り口ですぐ前に居た1着ボッケリーニに、直線入り口から全く付いて行けなかったので、道悪は良くない。
長岡S 6着 スローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず6着。4F戦になっていてL3からは自身10秒台に入っていたはずで、トップスピードの質は見せたが、L1では差を詰めていないので持続力は高くはない。
関ヶ原S 6着 スローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になって凡走。瞬発力の低さを見せた。
逆瀬川S 3着 スローバランスを少頭数の後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず3着まで。スローからの4F戦でレースのL3は10.9だが、この地点では差を詰めていない。L2で後ろからコマノウィンクルに交わされているので、トップスピードの質では見劣った。
飛鳥S 1着 スローバランスを少頭数の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。スローからの4F戦で中段と言っても4コーナーでは前から3馬身程、直線L2で10.9の地点ではジリジリまでで、L1やっとこさ押し切った感じ。
総評
新馬戦はスタート良く先行してL2で一気に加速したが先行した分息切れして差される。未勝利戦では中段からL2で一気に加速、L1も落とさず圧勝。前半は溜めた方が良い。クイーンCではスタートやや悪くリカバリーして中段の前から、直線では全く加速せず5着、休み明けの影響。2020年長岡Sでは中段の後ろからで届かず、新潟なので特殊だがL1では差を詰めていないので、持続力は高いとは言えない。関ヶ原Sでは不味い騎乗で瞬発力の低さを見せたし、逆瀬川Sではトップスピードの質で見劣った。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はなし、条件戦で同コースを勝っているが、相手が弱く評価できない。クイーンCでも4着カレンブーケドールに0.3差だったので、コース適性は評価できない。悪材料はクラス負けの危険で、前走3勝クラスを辛勝したばかり、相手も弱くいきなりのGⅠで通用するとは思えない。

適性:梅

<スマイルカナ>・心肺機能まぁまぁ、パワーは高い、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”新馬戦”では平均バランスを逃げ切り、タイムは平凡だが持続力は見せた。”赤松賞”ではスローバランスを中段やや前から、かなり掛かっていて自滅。”ひいらぎ賞”ではスローバランスを逃げ切り、先頭に立って折り合う特徴を見せた。”フェアリーS”では平均バランスを逃げ切り、持続力とパワーを見せた。”チューリップ賞”ではややスローバランスを中段の前から、かなり掛かっていて自滅。”桜花賞”では重馬場でハイペースバランスを逃げて3着。”オークス”ではややスローバランスを逃げて凡走。”2020年米子S”では平均バランスを2,3番手から先頭へ、3,4コーナー最内を回して直線スムースに押し切り。”2020年京成杯AH”では平均バランスを逃げてハナ差2着、この時が休み明けでプラス14㎏。”2020年富士S”ではハイペースバランスを逃げ争いで凡走。”2020年オーロC”ではややスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。”2020年ターコイズS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2021年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線内目を回して直線入り口で一杯になり凡走。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>新馬戦はタイム自体平凡だったが、平均バランスでシッカリと押し切っている。フェアリーSの逃げ切りが高評価で、平均バランスで1:34.0で押し切った。この時は決して高速馬場ではなく前日の古馬2勝クラスマイル戦で1:34.4だった。このことから心肺機能はまぁまぁの物を見せている。桜花賞では重馬場でハイペースバランスを3着逃げ残り、道悪で差し・追い込み勢の末脚が鈍り粘り切った。2020年富士Sではハイペースバランスを逃げ争い、L1まで踏ん張っていたので心肺機能は評価できる。2020年ターコイズSではやや離れた追走集団の前からで、自身もギリギリハイペースバランスだったはず、これで押し切ったので心肺機能は見せた。

<パワーについて>中山での好走があり、逃げて押し切っているのでパワーは高い、ひいらぎ賞でもL1が11.7なので坂を苦にしていない。

<瞬発力について>逃げてしまえばL2で出し抜くだけの瞬発力を持っている、ひいらぎ賞でL3から11.6-11.1、フェアリーSではL3から11.8-11.2なので悪くない。

<トップスピードの質について>明確に見劣ったのが赤松賞で、直線スムースだったが全く伸びなかった、もちろんこの時は逃げられなかったことでかなり掛かっていたので、折り合いが付いた時の末脚は未知数だが。オークスが酷い騎乗で、L2手前まで追い出していない。当然トップスピードの質で見劣り凡走した。

<持続力について>逃げての押し切りが好走パターンだし、L1での落ち込みも悪くないので持続力は評価していいと思う。2020年オーロCではややスローバランスを先行して2着、トップスピードの質では見劣っているが、持続力で粘り切った。

<その他について>この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは不安がある、赤松賞は3か月半ぶりで凡走したが、この時は逃げていないので度外視していい。2020年京成杯AHでも休み明けプラス14㎏で2着だった、この時は逃げられたし52㎏の軽ハンデだったので、粘れなかったのは休み明けの分だろう。レース振りを見るといわゆる「先頭に立ちたいリーダータイプ」なんだろうと思う、逃げられなかった時にかなり掛かって自滅しているので、怖がらずに逃げた方が好結果が出そう。逃げて良かったのが桜花賞で、重馬場でハイペースバランスに持ち込んだことで、後続の脚を削げたことが良かったが、次も同じように乗れるのかどうか。騎手不安がモロに出たのがオークスで、この日は超高速馬場だったが前半から遅くペース認識は最悪だった、しかも何を思ったのかL2まで追い出していないので、トップスピードの質で見劣り当然のように凡走した。2021年ダービー卿CTでは休み明けで凡走、休み明けにも拘わらずマイナス10㎏と厩舎不安が出てしまった。もう一点気になるのがダービー卿CTでは前半4Fが45.6で凡走、ターコイズSでは前半4F46.5で1着、富士Sでは前半4F45.4で凡走、2020年京成杯AHでは前半4F46.7で2着と、前半4Fが45秒台では後半きつくなる感じ。

好材料は距離適性で、マイルは桜花賞3着に加えて5勝もしているので好相性。悪材料はクラス負けの危険で、このレースは道悪にでもならない限り前半4Fは45秒台が普通、今までの結果からは前半4F45秒台では苦しくなると思うので、雨待ちかな~。

適性:梅

<ダノンファンタジー >・心肺機能はやや低く、パワーはある、瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”ファンタジーS”外回りではスローバランスを中段から、直線大外から差し切り圧勝、トップスピードの質を見せた。阪神JFでは平均バランスを後方から、L3最速の流れを外から差し切り、トップスピードの質と持続力を見せた。”チューリップ賞”ではスローバランスを最内先行、直線は内に詰まってL1だけでバテ差し、L3、L2で流れたことで差せた。”桜花賞”ではスローバランスを中段のやや前で外からになり掛かってしまう、L3でグランアレグリアの反応にやや遅れながら付いて行き、直線はL1で失速4着。”オークス”では平均バランスを中段の前から、4F戦になり5着まで、距離かも。”ローズS”ではスローバランスを中段から、L2で外に出してから伸びて差し切り。”秋華賞”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年阪神牝馬S”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに5着まで。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びきれず5着。”2020年府中牝馬S”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の先頭から、3,4コーナー中目を回して直線L1標識付近で一杯になり凡走。”2020年阪神C”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2021年阪急杯”では平均バランスをスタート遅れて中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:距離適性 悪材料:休み明け3走目の疲労。

桜花賞では掛かってしまい勝負所で反応が悪く、直線でもL1で一杯になってしまったので、折り合いが重要でしょうね。阪神JFでも後方からやや掛かっていたが、この時は前にグレイシアが居たこと、平均バランスで流れたことで我慢できていた。チューリップ賞ではスタート抜群で最内を先行、ここでもやや掛かり気味でコントロールに苦労はしていたので、折り合いがカギになるのは間違いない。阪神JFでビーチサンバ相手にトップスピードと持続力で圧倒しているし、クロノジェネシスとは互角にやれている、もちろんビーチはいつもの福永騎手で追い出しが遅かったが。トップスピードの質はまぁまぁで、阪神JFで長くいい脚を使ってきたので持続力は非常に高い。

秋華賞では距離の不安が出てしまった感じで、2000mでハイペースバランスを、加えて稍重馬場で3番手先行した。これでL1甘くなってしまって8着まで後退した、前半の追走は問題なかったが、3,4コーナー中目に出した分も含めて、直線苦しくなかった感じ。2020年阪神牝馬Sでは平均バランスを中段の前から進めて5着までだった、この時は休み明けでプラス22㎏も影響した感じ、ただし掛かる素振りを見せなかったので、ペースも速かったが今後に向けて懸念材料が減ったかもしれない。2020年ヴィクトリアMでは中段やや前からロスなく進めて完璧な騎乗だったが5着、前走休み明けで大幅に増えていた馬体重も20㎏絞っていたし、道中掛かってもいなかったので完全に力負け。

ここにきて弱点が見えてきた感じで、心肺機能が低い可能性が出てきた。この馬が好走する時はスローバランスを先行して、何とか折り合いをつけた時、これがローズS、チューリップ賞。逆に平均バランス以上でで先行すると、秋華賞や阪神牝馬Sのように凡走する。阪神JFも平均バランスだったが、後方から進めて自身はスローバランスだったので、心肺機能が問われなかったはず。平均バランス以上で先行すると心肺機能が持たない、スローバランスを先行すると折り合いを欠く、結構厄介な状態になっていますね。1400m以下なら心肺機能が持つ可能性もあるので、思い切って距離を短縮した方が良いかも。2020年府中牝馬Sでは重馬場でハイペースバランスを、離れた追走集団の前からで自身は平均くらいのはず、これで直線一杯になって凡走しているので、心肺機能だけでなく距離適性も出た感じの負け方。2020年阪神Cでは中段の前から、平均バランスで流れたために折り合いも付き、直線入り口で前に居たヤマカツマーメイドが外に膨らんだので、スムースに抜け出し1着、1400mへの適性の高さを見せた。2021年阪急杯ではスタート出遅れ、中段までリカバリーしたが、直線スムースにもかかわらず5着まで。トップスピードの質が高くないので、このクラスで中段からだと苦しい。2021年高松宮記念では重馬場で凡走、道悪適性は低い。

好材料は距離適性で阪神JF1着だしチューリップ賞も1着、昨年のヴィクトリアMでも5着だが、ノームコアからは0.2差なので高評価で良いはず。藤岡佑騎手で前に付けて結果を出しているので、前半4F45秒台で流れれば折り合えるはずだし、阪神Cで先行押し切りを見せているので、展開は合うはず。悪材料は休み明け3走目の疲労で、前走が重馬場だったので回復しているかどうか。3歳時にチューリップ賞、桜花賞、オークスと3走続けて好走したが、徐々に着順を落としているので不安材料ではある。

適性:松

<テルツェット>・心肺機能はまぁまぁ、パワー有る、瞬発力はまぁまぁ。 

・トップスピードの質はやや高く、持続力はまぁまぁ。 ・スタートが良くない。

レース名 着順 内容
ミモザ賞 3着 稍重で平均バランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。
村上特別 1着 ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて快勝。
国立特別 1着 スローバランスを少頭数の中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。
節分賞 1着 スローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。
ダービー卿CT 1着 ハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。
総評
ミモザ賞ではL2でウインマリリンに瞬発力で見劣り、L1ではウインキートスに持続力で見劣り。村上特別では中段から差し切り、ややハイペースバランスで自身も平均には入っていたはず、なのでまぁまぁの心肺機能とL2最速戦をL2で先頭に立ったのでまぁまぁの瞬発力とトップスピードの質も見せたし、L1でも差を広げているので持続力も見せた。ミモザ賞との比較ではマイルで良さを見せてきた感じだが、新潟だったので額面通りには受け取れない。国立特別ではスローバランスで、L3から10.8-11.0-11.6をL2で差を詰めているので、自身は10秒台を2連発したはずでトップスピードの質と持続力を見せた。

節分賞ではスローバランスで中段のやや後ろから、この時は中緩みが11.7と大きくなかったことで、トップスピードの質が問われる比率は大きくなかった、これでもL2で一気に差を詰めているので、パワーと持続力を見せた。ダービー卿CTではハイペースバランスを中段のやや後ろからで、自身はややスローくらいだったはず、これで外から差し切ったのでバテ差しが嵌った。この時すぐ後ろに居たカテドラル56㎏にゴール前で詰め寄られたので、まぁまぁの評価まで。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、届くかどうか。

好材料はコース適性で国立特別、節分賞と府中マイルを2連勝、マイルに替えてからは底を見せていないので距離適性も良い。悪材料はクラス負けの危険で、前走牡馬混合の重賞を勝ったが、ハンデ戦で自身は最軽量の53㎏、2着カテドラル56㎏は4コーナーで2馬身程後ろに居たが、ゴール前では1馬身に詰められているので、高評価までは出来ない。国立特別で0.1差3着のノルカソルカがエアロロノアといい勝負をしていて、そのエアロロノアがマイラーズC5着であることを考えると、初めてのGⅠで通用するかは未知数。もちろんディープインパクト産駒なので初GⅠは苦にしないと思うが。この馬はスタートが良くないので中段辺りを取るのは難しい、ミルコもスタート良くないので、届かない危険がある。厩舎不安はもっと大きく和田厩舎は開業13年目で重賞3勝(障害除く)だけ、もちろんGⅠ勝ちなどなしでは不安がある。

適性:梅