2021年毎日王冠 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<シュネルマイスター>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。 

・トップスピードの質はやや高い、持続力は驚異的に高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。スローバランスだがL2で0.8の加速をしているので、まぁまぁの瞬発力を見せた。
ひいらぎ賞 1着 ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。4コーナーでやや狭くなったが、しっかり自分のコースを主張した闘志を見せたし、L2最速戦を持ったまま先頭に並びかけたので、やや高いトップスピードの質、やや高い瞬発力を見せたし、パワーも見せた。
弥生賞 2着 スローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。前半が遅過ぎて良さが出なかった。
NHKマイルC 1着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。前半の位置取りだけでなく、直線でソングラインを風除けにしたコース取りも完璧、持続力は驚異的。
2021年安田記念 3着 スローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びたが3着まで。持続力の高さは見せたが、トップスピードの質で若干見劣った。
総評
ひいらぎ賞がややハイペースバランスで自身も平均には入っていたはず、これで中緩みがあたっとはいえ圧勝したので、心肺機能も見せている。パワーと持続力にまぁまぁのトップスピードの質も見せているので、レースレベルが上がった方が良さが出そう。NHKマイルCではハイペースを確認して中段から、収支ソングラインを見る位置で進め、風除けにしながら差し切り、自身は11秒台の半ばを連発しているので驚異的な持続力を見せた。2021年安田記念では中段からでスムース、斤量は恵まれていたが初古馬戦でトップスピードの質では若干見劣った。それでもトップスピードの質はやや高いという評価で良いと思う。

「毎日王冠へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:展開。

好材料はコース適性で、マイルだがNHKマイルCを勝ち、前走や安田記念でも3着と好相性。距離も2000mの弥生賞で2着があるので問題はないはず。悪材料は展開で、このレースはスローからの3F戦になりやすいので、取りこぼした弥生賞と同じ展開。前に行ける馬だし、トップスピードの質もやや高いものを見せているので、大きな不安材料ではないが、古馬相手に56㎏だし若干不安はあるかな~。

適性:松-

<ダイワキャグニー>・心肺機能は高く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはなく、持続力は高い。

”2018年中山金杯”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったがジリジリと5着まで、後ろからブラックバゴに交わされてしまっているのでトップスピードの質は高くない。”2018年東京新聞杯”ではスローバランスを中段やや前、外から、直線外からスムースだったが3着まで、1着リスグラシュー、2着サトノアレスにはトップスピードの質で見劣った。”2018年メイS”ではハイペースバランスを中段から、直線中目からスムースに加速して押し切り、心肺機能と持続力の高さを見せた。”2018年エプソムC”では重馬場で平均バランスを中段から、4コーナー内から先団に取り付いたが、直線はのめってしまったのか伸びずにL1で諦め凡走。”2018年毎日王冠”ではスローバランスを中段から、直線中目からスムースだったが伸びずに凡走、2着ステルヴィオに並ぶ間もなく交わされてトップスピードの低さを見せた。”2018年キャピタルS”ではスローバランㇲを中段から、直線やや狭くなったがトップスピードの質で見劣り7着。”2019年白富士S”ではスローバランスを最後方から、直線外からスムースだったが4着まで、この馬のトップスピードの質では届くはずもない。”2019年東風S”ではややスローバランスを中段から、4コーナー外を回して直線バテ差し3着まで。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、4コーナー外を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2019年メイS”ではスローバランスを3番手先行、直線外からスムースに加速して押し切り、3F戦で持続力が生きた。”2019年新潟記念”では平均バランスを中段から、直線は伸びずに凡走、この時が休み明け。”2019年オクトーバーS”ではスローバランスを2,3番手先行、直線スムースに伸びて辛勝。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを逃げて6着、心肺機能と持続力、重馬場適性を見せた。”2020年白富士S”では平均バランスを逃げて凡走、この時は58㎏で休み明け。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを逃げて3着、休み明け2走目で好走。”2020年新潟大賞典”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切って1着。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに粘って2着。”2020年天皇賞(秋)”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年日経新春杯”では2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL2で一杯になり凡走。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを逃げて凡走。”2021年マイラーズC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し4着。”2021年安田記念”ではスローバランスを逃げて凡走。

「毎日王冠へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:近走の不振。

2018年のメイSを見てもトップスピードの質は高くはないが、心肺機能と持続力は高いのでハイペースバランスを先行して押し切るのが合っている、ところがスローバランスを容認してしまうレースが続いて、トップスピードの質で見劣り凡走してしまう。特に酷かったのが2018年の白富士Sで、横山典騎手お得意のポツンで届かずだった、東風Sやダービー卿CTでも中段以降からレースをして、東風Sこそ3着にバテ差してきたが、ダービー卿CTは凡走している。2019年のメイSではスローバランスだったが3F戦に持ち込んで圧勝、この時は57㎏のトップハンデだったが相手も弱かった。ここでもトップスピードの質は低く、上り33.5は平凡だった。2019年ジャパンCでは逃げて6着、重馬場の中でややハイペースバランスだったが心肺機能と持続力、道悪適性の高さを見せた。

2020年白富士Sでは逃げて凡走、休み明けで58㎏だったので度外視。2020年金鯱賞では逃げて超スローバランスに持ち込み3着、休み明け2走目で上積みもあり、初の中京コースも左回りであっさり克服。2020年新潟大賞典ではややスローバランス、スタートでやや遅れてリカバリーして中段やや前、こうなると当然トップスピードの質で見劣り凡走した。それだけでなくこの時は57.5㎏だった、2019年新潟記念で57.5㎏16着、2020年白富士Sが58㎏で7着と斤量負けの可能性がある。2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを先行、ジャパンCでも道悪適性を見せていて、ここでもしっかり勝ち切った。キンカメ産駒の蓄積疲労を懸念したが、トップスピードの質と瞬発力が問われなかったことが良かった。2020年毎日王冠では稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の前から、スタート後にペースを読んで間隔を空けた内田騎手の好判断。これでスムースに粘り込んで2着を確保した、この時は去勢明けだったが調教はいつも通りだった。2020年天皇賞(秋)では2番手先行からで直線失速、トップスピードの質が足りないことを見せた。

2021年日経新春杯ではスローロンスパで後半6Fが11秒台という消耗戦、L2過ぎで一杯になっているので、さすがに先行して6F戦では分が悪かった。2021年東京新聞杯では逃げたが、高速馬場でスピード負けして凡走。2021年マイラーズCでは離れた追走集団の中段のやや前から、自身もギリギリ平均バランスに入っていたはずで、トップスピードの質が問われなかったことで4着に粘れた感じ。2021年安田記念では逃げて凡走、スローバランスでトップスピードの質が足りず。

好材料はコース適性で、昨年のこのレースで2着に好走。府中1800mはエプソムCとメイSも勝っているので好相性。悪材料は近走の不振で、キンカメ産駒の7歳なのでトップスピードの質が下がっている、昨年の毎日王冠は2着だが自身の上り3F34.9、これと同じ上がりを記録した今年の安田記念は11着と凡走したので、今のこの馬のトップスピードの質では苦しいはず。もちろんハイペースバランスになったり、道悪になって先行、もしくは逃げてしまえばチャンスはある。

適性:梅

<ダノンキングリー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや高く持続力も高い。・58㎏では斤量負けする。

”新馬戦”では4番手からスローのL2最速戦、パワーで坂を上ってL1もしっかり。トップスピードの質でカレンブーケドールにやや見劣る。”ひいらぎ賞”ではスタートでやや遅れリカバリーしつつ中段の外を追走、ハイペースバランスの中で外から捲って圧勝、心肺機能の高さを見せた。”共同通信杯”ではスローバランスを中段やや前から、直線はトップスピードの質と持続力で圧勝、この時の2着がアドマイヤマーズ。”皐月賞”では平均バランスを中段の前から、直線入り口で待たされた分届かず3着。”ダービー”では離れた追走集団の前目から実質スローバランス、直線は伸びたがロジャーバローズを捕まえられず2着。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを後方から、直線スムースに外から伸びて圧勝、持続力とトップスピードの質を見せたし、この時が休み明け。”2019年マイルCS”ではスローバランスを中段最内から、直線スムースだったが最内が伸びずに5着まで。”2020年中山記念”ではややスローバランスを中段の前から、3.4コーナー最内を回して直線差し切り1着、この時が休み明け。”2020年大阪杯”ではスローバランスを逃げて3着、逃げ馬不在で押し出されてしまい目標にされた。”2020年安田記念”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがジリジリまでで7着。”2020年天皇賞(秋)”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線全く伸びずに凡走。”2021年安田記念”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて差し切り。

「毎日王冠へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

共同通信杯で見せたトップスピードの質と持続力はかなりのもので、新馬戦で追い詰められたカレンブーケドールが、オークスで僅差の2着もこの馬の評価を上げる。さらに評価を上げるのがひいらぎ賞で、ハイペースバランスを力でねじ伏せ、高い心肺機能を見せつけた。問題は皐月賞で直線入り口で明らかに待たされている、それでも僅差の3着だったのは高評価。もちろん瞬発力の低さは見せてしまったので、直線詰まったり追い出しを待ってしまうと危険ですね。ダービーではロジャーバローズを捉えきれなかったが、クビ差まで追い詰めたし、持続力の高さを改めて見せた。

2019年毎日王冠で初の古馬混合戦で改めて素質の高さを見せてきた、相手がアエロリットとインディチャンプで、どちらも休み明けを苦にしないしアエロリットのホームコースでもある。これで最後方から1頭だけ次元の違う末脚を繰り出してきたので、今後も古馬相手に十分戦えることは証明した。ただここでも直線外からスムースだったので、瞬発力は見せていない。2019年マイルCSでは直線最内が伸びずに5着までだった。2020年中山記念では離れた追走集団の前から進め、L3からしっかり追い出し圧勝、馬場読み、追い出しのタイミングが抜群で騎手の能力が非常に大きかった。この馬は瞬発力には不安があるのでL4から前を捕まえる勢いで、L3からしっかり追い出してL2で10秒台に入るトップスピードの質も見せた。

2020年大阪杯では逃げて3着、元々持続力の高さは持っている馬なので、悪い作戦ではないが風除けもなく目標にされたので仕方ない面もある。懸念された輸送はクリーアしているので、今後は不安視する必要はない。2020年安田記念では中段やや前からで、終始内目を回したし直線もスムースだったが、L2で瞬発力で見劣り7着までだった、トップスピードの質でも見劣っている。2020年天皇賞(秋)では中段からスムースだったが凡走、安田記念でも58㎏で7着なので、斤量負けの可能性が高い。2021年安田記念では58㎏を克服して差し切り、トップスピードの質と持続力の高さを見せた。

この馬は三嶋牧場の生産だが、外厩はノーザンF天栄なので休み明けでも不安はない。2019年毎日王冠で休み明けを快勝している、だけだなく相手はアエロリットとインディチャンプなので、休み明けからかなり高いレベルで仕上げてきた。2020年中山記念でも休み明けで圧勝している。

好材料はコース適性で、2年前のこのレースを勝っているし、前走の安田記念で58㎏背負って勝ち切ったので好相性。悪材料は特になく、川田騎手の継続騎乗のはずだし、隠れノーザンなので休み明けも不安なし。内枠で包まれた時に、瞬発力で見劣り取りこぼす可能性はあるが、川田騎手ならうまく誘導すると思うので、大きな不安はないかな~。

適性:松