2022年宝塚記念 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ウィンマリリン>・心肺機能はやや高い、パワーは高い、瞬発力はやや高い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線押し切り圧勝。”若竹賞”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線外に出したが伸びずに5着。”ミモザ賞”では稍重で平均バランスでやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”フローラS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”オークス”ではややスローバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出したが2着まで。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の2番手から、3,4コーナー最内を回して直線一瞬待たされてから伸びたが4着まで。”2021年AJCC”では不良馬場でスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが6着まで。”2021年日経賞”ではスローバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに出し抜き快勝。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年オールカマー”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線一瞬待たされたがコースが空いて1着。”2021年エリザベス女王杯”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して4コーナーで一杯になり凡走。“2022年大阪杯”ややハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「宝塚記念へ向けて」好材料:コース適性、栗東滞在。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>フローラSがハイペースバランスを先行して押し切っている、直線かなりの向かい風でトップスピードの質を問われなかったことも良かったが、L1を12.1で纏めているので、心肺機能は高い。

<パワーについて>新馬戦、ミモザ賞で小回り急坂の中山と阪神内回りを快勝、新馬戦ではL1も12.0で纏めているので、パワーは武器になるほど高い。2021年オールカマーではL1でコースが空いてから抜け出しているので、パワーの高さを見せた。

<瞬発力について>若竹賞でL2の11.6に反応できずに手応えが悪かった、直線入り口でも一瞬待たされてしまい、再加速できずに凡走している。逆に快勝した新馬戦、ミモザ賞、フローラSでは直線スムースだったので、特にミモザ賞ではL2で出し抜いているので、まぁまぁの評価。2020年AJCCでは4コーナーで一瞬待ってしまった、これで6着は休み明けを考えてもやや物足りないので、瞬発力で勝負するべきではない。2021年日経賞では3番手先行からL2最速戦、ここでインから抜け出し快勝したので瞬発力を見せた。

<トップスピードの質について>現状ではまぁまぁの評価しかできないが、良馬場でドスローだった新馬戦でもL2が11.5なので、武器になる程のトップスピードの質はないと思う。オークスでは先行して押し切るところをデアリングタクトに差された、この日は良馬場だが結構かかっていたので、トップスピードの質は問われなかった展開も含めて嵌った印象が強い。2020年エリザベス女王杯では4コーナーで一瞬待たされてしまい、トップスピードの質で見劣った。

<持続力について>快勝したレースはいずれも3F戦になっていて、3Fまでで持続力の高さを見せている。現状では4F以上の持続力については不明だが、血統的にもフローラSの感じからも対応できそう。2021年オールカマーでは4F戦で快勝しているので、持続力は高い。

<その他について>ミモザ賞でも4コーナーで馬群を割ってコースを確保したし、フローラSでも内からこじ開けてきた、かなりの闘志を持っているようで馬群に怯まない。オークスでは2番手先行、やや間隔を空けて絶妙なペースで追走して、4コーナーでミルコが仕掛けたがそこで”待って、直線L2から追い出して2着と横山典騎手が好騎乗を見せた。大外から2番手を取れたしコーナーは終始最内、仕掛けのタイミングもドンピシャでこれ以上の騎乗は出来ない程完璧だったので、同じことをもう一度できるかは微妙。

秋華賞では先行したが凡走、この時はオークス以来の休み明けでプラス12㎏、直線も伸びない内を通して全く伸びなかった。更にこの時は初輸送だったことも影響したはず。2021年天皇賞(春)では中段から5着、斤量56㎏と距離は克服している。2021年エリザベス女王杯では中間に肘腫の影響があり、仕上げ切れずに凡走。2022年大阪杯では先行したが4コーナーで一杯になり凡走、調教は良かったので輸送の影響かもしれない。

この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くない、秋華賞が5カ月弱の間隔で大敗、この時は裂傷の影響も。2021年AJCCでも2カ月強の間隔で6着だった。2021年日経賞では2か月の間隔で快勝、この間隔までが好走条件だと思う。2021年オールカマーでは休み明けで好走、手塚厩舎なので休み明けでも仕上げてきた。

好材料はコース適性で、2020年のエリザベス女王杯で0.4差4着なので、阪神内回りは好材料で良いと思う。距離もオールカマーを快勝している。前走休み明けでマイナス10kg、輸送の影響もあった感じの負け方だった。今回は1週前に栗東に輸送されるようなので、大きな好材料になる。悪材料はクラス負けの危険で、2021年エリザベス女王杯は肘腫の影響で凡走した、前走の大阪杯では休み明けと輸送の影響だとすれば大きな不安はないが、古馬GⅠでは3着以内がないので足りるかどうか。

適性:竹+

エフフォーリア ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はやや高い。 

・トップスピードの質は高く、持続力も高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 1着 平均バランスを少頭数の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し1着。
百日草特別 1着 スローバランスを少頭数の中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。
共同通信杯 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
皐月賞 1着 平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
ダービー 2着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがハナ差刺されて2着まで。仕掛が一瞬早かった感じはあったが、これは責められない。
天皇賞(秋) 1着 スローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。トップスピードの質と持続力の高さを見せた。
2021年有馬記念 1着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。持続力の高さを見せた。
2022年大阪杯 9着 ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
百日草特別ではスローバランスで掛かり気味、直線もL2過ぎまで抑えていてL1だけで快勝した。L3から11秒台前半を3連発した流れを、抑えていたのでトップスピードの質は高そうだし、持続力も高いものを見せた。共同通信杯ではスローバランスで4F戦を押し切り、L2の10.8は自身のラップでトップスピードの質が高いことを見せたし、L1でも差を広げたので持続力も見せた。L3が11.5からL2で0.7の加速をしているので、瞬発力も見せた。皐月賞では平均バランスを中段やや前からで、自身も平均に入っていたはずなので心肺機能もまぁまぁ、L1までしっかりだったので持続力も見せた。

ダービーでは直線入り口でスパートしてしまったことで、ゴール前でハナ差後ろから差された、直線も外の斜めに走ってしまったので距離ロスもあった。2021年天皇賞(秋)では中段のやや前から、スローからの4F戦で、持続力の高さでコントレイルを寄せ付けなかった。2021年有馬記念ではハイペースバランスを中段から、4コーナーからショート捲りに行って快勝、持続力の高さを見せた。2022年大阪杯では中段からスムースだったが伸びずに凡走、3,4コーナーで外目を回したが4コーナーで手応えが悪くなった。恐らく初輸送の影響だと思う。

「宝塚記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:輸送。

好材料はコース適性で、前走の大阪杯では9着に凡走したが、有馬記念を快勝しているので、阪神2200mは好材料で良いと思う。当然クラス負けの危険もない。悪材料は輸送で、前走は初輸送だったので度外視しても良いが、これで輸送を克服できるかどうかは未知数。ダノンザキッドやシャドウディーヴァは輸送を克服できていないので、不安材料にはなると思う。

適性:松-

<オーソリティ>・心肺機能はやや高い、パワーは高い、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや高い、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し1着。”芙蓉S”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”ホープフルS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。”弥生賞”では重馬場でややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”青葉賞”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線L2標識まで前が壁、空いてからジワっと加速して差し切り。”アルゼンチン共和国杯”ではややハイペースバランスをやや離れた3番手追走、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2020年有馬記念”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回してスムースだったが早々に一杯になり凡走。”2021年ダイヤモンドS”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出したが2着まで。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して4コーナーで一ピアになり凡走。”2021年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”2021年ジャパンC”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し2着。

「宝塚記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:コース適性、輸送。

<心肺機能について>弥生賞で重馬場でややハイペースバランスを中段から、一旦は先頭に立ったが差されているので、まぁまぁの評価までかな~。2020年アルゼンチン共和国杯ではややハイペースバランスをやや離れた3番手からで、自身は平均バランス位だった、これでL3から自身11.0くらいを連発したので、心肺機能はやや高いという評価に。

<パワーについて>芙蓉SではL1の坂をグイグイ伸びて圧勝してるので、パワーは高い。青葉賞でL2の坂区間でジワっと加速しているので、パワーは見せた。2020年アルゼンチン共和国杯でL2の上り坂を11.0くらいを出して勝負を決めてしまった、パワーの高さを見せている。

<瞬発力について>青葉賞でL2標識まで前が壁、空いてからジワジワ伸びて差し切っている、このレースはL2が11.5なので自身は11.3くらいを出している、上り坂区間であることを考えるとまぁまぁの瞬発力は見せた。2020年アルゼンチン共和国杯のL3が12.6から11.0くらいに一気に加速している、この地点では後続を明確に出し抜いているわけではないので、瞬発力は高くはない。

<トップスピードの質について>芙蓉SのL2が11.2で、これを内から3頭目を回して先頭列迄上がってきたので、自身は10.9くらいは出しているので、トップスピードの質はやや高い。2021年アルゼンチン共和国杯ではL3、L2で11.1を出しているので、ここでもトップスピードの質はやや高いものを見せた。2021年ジャパンCでは中段のやや前から、L2でコントレイルに切れ負けしたので、トップスピードの質はやや高いという評価で良いと思う。

<持続力について>青葉賞で5F戦を差し切っている、、3、4コーナー内を回しているが、L1まで自身11.3くらいを維持しているので高い持続力を見せた。2020年アルゼンチン共和国杯でL3から自身11.0くらいを連発、L1は12.4迄落としているが後続はL1の前までで足を削がれてしまったので、持続力の高さは見せた。2021年アルゼンチン共和国杯ではL1で引き離しているので、4F戦を先行して押し切っていることからも持続力の高さを見せた。

<その他について>ホープフルSではスタート直後に内から一発もらって掛かってしまった、向う正面でもキックバックに嫌がるような所がありスムースさを欠いていた。2020年有馬記念ではプラス体重で、返し馬から舌を出していて集中力がなかった。木村厩舎の仕上げが良くなかった感じで、1流厩舎でないリスクが顕在化した。2021年ダイヤモンドSでは汗がかなり目立っていて、マイナス体重だったが仕上がっていなかった可能性が高い。2021年天皇賞(春)では折り合いを重視してか中段の後ろから、4コーナーではウインマリリンのすぐ後ろだったが、ここで一杯になっているので斤量の可能性と、クラス負けと両方かも。

好材料は距離適性で、2走前のネオムターフCで2100mを勝っているし、1800~3400mまで幅広い距離で好走している。悪材料はコース適性で、右回りは2-0-1-2で好走した3レースは2,3歳のレース。有馬記念14着、天皇賞(春)10着と右回りで凡走、輸送や体調も影響したはずだが負け過ぎ。陣営も右回りが良くないことを認識している可能性があり、一貫して左回りを狙っているので右回りの不安は大きい。輸送も天皇賞(春)で10着なので対応できるかどうか。

適性:竹