2022年ジャパンC 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<トラストケンシン>・心肺機能は低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年秩父特別”ではほぼ平均バランスを最後方から、稍重表記の割に流れてバテ差しが届いて1着。”2019年むらさき賞”ではスローバランスを中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り4着まで。”2019年垂水S”ではハイペースバランスを後方から、4コーナー中目を回して直線ややスムースさを欠き5着まで。”2019年六社S”ではスローバランスを中段のやや前から、1着アフリカンゴールドと同じ位置から直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り2着まで。”2019年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナーで取り付き直線ジリジリ伸びて5着。”2021年甲斐時S”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年中日新聞杯”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年日経新春杯”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線進路変更を強いられて伸びずに凡走。”2022年日経賞”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年目黒記念”ではスローバランスをスタートでやや伸び上がり遅れ中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線詰まって凡走。”2022年オクトーバーS”では平均バランスをスタート五分に出て中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「ジャパンCへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

トップスピードの質はまぁまぁで高速馬場を後方からでは届かないことが多い、むらさき賞でフランツに後ろからあっさり交わされているし、スムースさを欠いたとはいえ垂水Sでもアイスストームにははっきり見劣っている。秩父特別のような展開が理想的で、バテ差しが得意パターンになりそう。六社Sは2着と好走したが、あまりレベルの高いレースではなかったし、アフリカンゴールドにトップスピードの質で見劣ったのは印象が悪い。

2021年甲斐時Sではややスローからの5F戦を、中段のやや後ろから差し切り。持続力の高さとまぁまぁのトップスピードの質を見せた。2021年中日新聞杯ではスローからの5F戦だったが、前残りの馬場で届かず、トップスピードの質が高くないことを見せた。スタートは五分くらいに出ているが二の足が遅い。2022年日経新春杯ではスローからの4F戦、すぐ横に居たヨーホーレイクにL2で瞬発力とトップスピードの質で見劣り凡走した。

2022年日経賞ではスローからの3F戦を中段から、トップスピードの質で見劣り凡走。2022年目黒記念ではスタートでやや伸び上がり、スタート自体は五分に出たが出して行かずに中段のやや後ろから、直線包まれてしまい凡走。2022年オクトーバーSではスタート五分に出て中段のやや後ろから、直線スムースでL1過ぎに弱冠詰まったが伸びずに凡走。トップスピードの質で見劣りしたがこの時休み明け。

好材料はなし、条件戦で府中2000mを勝っているが、相手も弱く高評価はできない。悪材料はクラス負けの危険で、重賞では全く勝負にならないのでここでは苦しい。

適性:梅

<ユニコーンライオン>・心肺機能はやや高く、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを先行して、持続力勝負で1着。”つばき賞”ではハイペースバランスを中段からバテ差し2着、この時の1着がワールドプレミアでタイムはかなり良い。”スプリングS”では平均バランスをスタートで立ち上がってしまい後方から、追走でもやや苦労しながら直線は着を拾うだけで凡走、この時が初輸送。”アーリントンC”ではややスローバランスを3番手先行、直線粘ったが5着、0.1差なので悪くはない。”2019年八雲特別”ではほぼ平均バランスをやや離れた2番手先行、L2最速戦を押し切って1着、持続力を見せた。”2019年松前特別”ではスローバランスを3番手追走、L3から11秒台に入りL1で12.5に落とす消耗戦を持続力を生かして差し切り。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、トップスピードの質で見劣り5着。”2020年STV賞”ではややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ストークS”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年弥彦S”では稍重でスローバランスを並んで逃げて押し切り。”2021年鳴尾記念”ではスローバランスを逃げ切り。”2021年宝塚記念”ではスローバランスを逃げ粘り2着。”2022年札幌記念”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。“2022年京都大賞典”では稍重だが実質超高速馬場でスローバランスを逃げて凡走。”2022年福島記念”ではハイペースバランスを逃げ切り。

「ジャパンCへ向けて」好材料:なし。 悪材料:距離適性。

外国産馬でイマイチ血統的な特徴は把握できなていないが、母系にサドラーズウェルズが居るので、パワーと持続力が武器だと思う。実際のレース結果でも持続力は相当なものを見せているし、アーリントンCも坂でしっかり頑張っていた。心肺機能もまぁまぁの物を見せていて、八雲特別では平均バランスをやや離れた2番手から押し切っている、洋芝の函館コースだしL2最速戦でまぁまぁの瞬発力も見せた。トップスピードの質は低いが、先行していい脚を長く使うタイプですね。スプリングSで大敗しているが、出遅れていたし追走も苦労していたので、初輸送の影響で体調がイマイチだったのだと思う。

2020年STV賞では中段の前からで、直線前に馬が居たが詰まる感じではなったので、トップスピードの質で見劣っている。2021年ストークSでは直線スムース、L2の11.1では差を詰めていないので、トップスピードの質は評価できないが、L1の坂で差を詰めているので、パワーと持続力は見せた。2021年弥彦Sでは逃げ切り、スローバランスで心肺機能を問われず、稍重でトップスピードの質も問われない特殊な展開だった。

2021年鳴尾記念ではスローからの4F戦に持ち込み逃げ切り、前日の雨で良馬場だが直線は乾ききっていなかった感じで、直線差し勢の末脚が鈍ったことでの逃げ切りだと思う。2021年宝塚記念ではスローバランスを逃げて2着、スローからの4F戦という得意パターンに持ち込めたことと、L1で競り落としたレイパパレの距離適性にも助けられた。もちろん前残りの馬場も味方になったので、嵌った感もあるが58㎏を克服したし、前でレースを作れるのは強み。

2022年札幌記念では2番手先行したが、4コーナーで一杯になり凡走、全盛時まで戻っていない。2022年京都大賞典では逃げて凡走、今回はL1標識辺りまで踏ん張っていたので、前走よりもかなり戻ってきた感じ。2022年福島記念ではハイペースバランスを逃げ切り、スタート早くすんなり逃げて持続力と心肺機能で快勝した。

2021年宝塚記念後に蟻洞で1年の休養。

好材料はなし、悪材料は距離適性で、前走は長休後初めて好走したが2000m、2走前の京都大賞典でもL1標識まで踏ん張ったが垂れている、2200mまでは持つが2400mだと1F長いと思う。

適性:梅

<ユーバーレーベン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では不良馬場でスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して中段まで上がり、直線スムースに抜け出し差し切り。”札幌2歳S”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに粘って2着。”アルテミスS”ではスローバランスを中段から徐々にポジションを下げて後方、3,4コーナー内目を回して直線やや待たされたが届かず。”阪神JF”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”フラワーC”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”フローラS”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず3着まで。”オークス”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”秋華賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ジャパンC”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線若干狭くなり進路変更して6着まで。”2022年京都記念”では稍重でスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年札幌記念”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年天皇賞(秋)”ではハイペースバランスを離れたメイン集団の後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「ジャパンCへ向けて」好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>札幌2歳Sでハイペースバランスを後方から進めた、自身はスローバランスだがL4から大捲りに行って僅差2着と、心肺機能がまぁまぁであることは見せた。

<パワーについて>新馬戦、アルテミスSとL2の坂自体は克服しているので、パワーは十分にある。特に新馬戦は不良馬場だったので、その中で坂区間のラップが11.3というのは好印象。フラワーCでは4F戦でL1バテ差して来たのでパワーは高いものを見せた。

<瞬発力について>フローラSではL2で差を詰められなかったので、瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>新馬戦は不良馬場だし、アルテミスSは後方からになって届かず、トップスピードの質はまぁまぁまで。阪神JFでは後方からショート捲りで3着まで、まぁまぁのトップスピードの質を見せた。フローラSではL2までは差を詰めていないので、トップスピードの質はまぁまぁまで。2021年ジャパンCでは直線すぐ前に居たコントレイルに見劣り、トップスピードの質が高くないことを見せた。2022年天皇賞(秋)では直線でトップスピードの質で見劣り凡走。

<持続力について>高い持続力を見せたのが札幌2歳Sで、L4から大捲りに行って僅差2着、この時の1着がソダシなので高評価で良いと思う。ゴールドシップ産駒らしさが出た感じで、後半の持続力が最大の武器になりそう。阪神JFでも後方からショート捲りを打って3着まで来たので、持続力は高い。フラワーCでは4F戦でL1バテ差して来たので持続力は高い。オークスでは中緩みのない平均バランスで、トップスピードの質が問われなかったことで持続力が活きた。

<その他について>アルテミスSの直線で首を右に向けていたのが気掛かり、右回りの方がスムースな可能性がある。持続力の項でも書いたが、この馬はゴールドシップ産駒でお父さんによく似ている。スタートが不安定部分までそっくりで、そのため自分でレースを作れないのは弱点ですね。ハイペースバランスになれば縦長になりまくっても距離ロスが最小限、これが札幌2歳Sだった。ただ前に持続力と心肺機能の秀でた馬が居ると差し切れないことも見せてしまった。

阪神JFではややスローバランスをショート捲りで3着、この日は直線だけ含水率が上がった馬場で、パワーと持続力を見せた。秋華賞では消耗戦を後方からで、適性的には合っていたが全く伸びず、この時は休み明けだった。2022年京都記念では休み明けで凡走。2022年札幌記念では休み明けで凡走。

好材料はコース適性で、オークスでこのコースを勝っているし、フローラSでも3着と府中は好相性で良いと思う。この馬はビッグレッドファーム生産馬で休み明けは良くない、今回は一叩きされて上積みが見込める。悪材料はクラス負けの危険で、昨年のジャパンCで0.8差6着、どうしてもトップスピードの質で見劣ってしまうので、バテ差しが聞く展開待ちになってしまう。

適性:梅