2023年中山記念 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

ドーブネ ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは不明、瞬発力は不明。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 1着 平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。
ききょうS 1着 ややハイペースバランスを逃げ切り快勝。心肺機能を見せた。スタートでやや遅れ。
朝日杯FS 7着 ハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
スプリングS 6着 稍重でスローバランスをスタート遅く後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
プリンシパルS 4着 ややスローバランスをスタート五分に出てやや離れた2,3番手先行で掛かり気味、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着まで。
武田尾特別 1着 スローバランスをスタートやや早く逃げ切り圧勝。
逆瀬川S 1着 スローバランスをスタート五分に出て中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。
2023年白富士S 2着 スローバランスをスタートやや早く逃げ体勢、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。
新馬戦では中段の後ろから、3,4コーナー外を回しているので距離ロスは大きかったが、ショート捲りを決めて圧勝した、L4から11秒台を連発したはずで、持続力の高さを見せた。ききょうSではややハイペースバランスを逃げ切り快勝、この時も若干スタート出遅れていて、内から上手くリカバリーできた。2F目の10.6は自身のものなので、心肺機能と持続力を見せた。この日の2勝クラス1400mで1:20.6が出ているので、中緩みもあって高評価まではできない。

朝日杯FSでは中段の後ろから、差しに回るとトップスピードの質で勝負にならない。スプリングSではスタートのタイミングが合わず後方から、稍重でスローからの2F戦になり届かなかった。プリンシパルSではスタート五分に出てやや離れた2,3番手先行、掛かっていて3コーナーでやや下げて中段のやや前、直線は差し返す形で伸びてきたが4着まで、ゴール前で減速率が大きくなったので、前半掛かったことを考えれば2000mは守備範囲だと思う。

武田尾特別ではスタートやや早く逃げ体勢、スローからの3F戦に持ち込み圧勝、L2の10.4は自身のもので下り坂を考えても、やや高いトップスピードの質を見せた。この時はスンナリ先頭に立ったからか、プリンシパルSよりも遅いペースだったが折り合いが付いていた。逆瀬川Sではスタート五分に出て中段の前から、折り合いが付いていたのでペースの問題かも。スローからの4F戦をL3最速10.9に対応して押し切ったので、やや高いトップスピードの質と高い持続力を見せた。

2023年白富士Sではスタートやや早く逃げ体勢、発馬でやや左に寄れている。前半47秒台で折り合いは付き、後続をやや離す。スローからの3F戦でL1の後半で減速率が大きくなってしまい2着まで、1800mがベストになっている感じ。

「中山記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は距離適性で、条件戦を2連勝して勝ち上がったのが1800m、前走の白富士Sを見ても2000mだとゴール前が甘くなるので、1800mがベストだと思う。悪材料はクラス負けの危険で、古馬の重賞は初めてだし、今回は1線級が顔を揃えそうなので通用するかは未知数。

適性:竹

<トーラスジェミニ>・心肺機能は高い、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2020年中山2勝クラス”ではややハイペースバランスを逃げて押し切り。”2020年節分S”ではスローバランスを逃げて凡走。”2020年但馬S”ではスローバランスを2番手から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着。”2020年幕張S”ではハイペースバランスを逃げて押し切り。”2020年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを逃げて3着。”2020年巴賞”ではスローバランスを逃げ切り。”2020年函館記念”では平均バランスを逃げて4着。”2020年札幌記念”ではスローバランスを逃げて凡走。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを逃げて凡走、良馬場並みのハイペースで自滅した。”2020年福島記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線早々に一杯になり凡走。”2020年ディセンバーS”ではスローバランスを逃げ切り。”2021年小倉大賞典”ではややハイペースバランスを逃げて凡走。”2021年東風S”では重馬場でハイペースバランスを逃げ切り。”2021年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年安田記念”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2021年札幌記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2021年毎日王冠”では平均バランスを逃げて凡走。”2022年京都金杯”ではややハイペースバランスをやや離れた中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年東京新聞杯”では平均バランスを逃げて凡走。”2022年中山記念”ではハイペースバランスをやや離れた2番手先行、4コーナーで一杯になり凡走。”2022年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL1で失速凡走。”2022年エプソムC”では重馬場でスローバランスを逃げて凡走。”2022年七夕賞”ではややハイペースバランスをスタートやや早く2番手先行、L3標識手前で苦しくなり凡走。

「中山記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>勝った2019年中山2勝クラスがややハイペースバランス、現状でこの馬のベストレースと言ってよい幕張Sがハイペースバランスで押し切っている。かなり高い心肺機能を見せていて、十分武器になると思う。2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを逃げて3着、改めて心肺機能の高さを見せた。2020年函館記念でも平均バランスを逃げて4着、先行馬の中では唯一掲示板に残っているので、ここでも心肺機能の高さを見せた。

2020年毎日王冠では稍重にもかかわらず、良馬場並みのハイペースで逃げてしまいさすがに凡走した。2021年ディセンバーSではスローからの後半5F戦に持ち込み逃げ切り、心肺機能と持続力の高さを見せた。2021年七夕賞では稍重でハイペースバランスを2番手先行で押し切り、心肺機能の高さを見せた。2022年中山記念では4コーナーで一杯になり凡走、前半がかなり速く心肺機能で見劣り。2022年七夕賞ではややハイペースバランスを2番手先行、L3標識手前で一杯になったので、心肺機能が衰えた可能性がある。

<パワーについて>中山2勝クラス、幕張Sと中山の坂をものともしないで押し切っているので、高いパワーを見せた。2021年東風Sではハイペースバランスを逃げ切り、この時は58㎏のトップハンデで1㎏軽いボンセルヴィーソをクビ差抑えたのは好印象。

<瞬発力について>2021年毎日王冠では中緩みを作ってしまい凡走、一旦緩めると再加速をしてくれない感じ。

<トップスピードの質について>ハッキリ低い、スローバランスで逃げた節分S、スローバランスを容認して2番手から進めた但馬Sで凡走している。トップスピードの質で勝負する馬ではない。面白いのが2020年巴賞で、この時は前半800m49.1、後半800m46.9とかなりのスローバランスを逃げ切り、この展開ならば通常ならばトップスピードの質で見劣るはずだが、L5から11秒台に入れてL1まで11秒台で踏ん張っている、トップスピードの質を補うにはこれが正解かもしれない。2021年小倉大賞典ではややハイペースバランスを逃げて凡走、この時は高速馬場だったが4F目、5F目で11.3を踏んでしまったので、トップスピードの質と言うかAT値を超えてしまった感じ。2021年毎日王冠では平均バランスを逃げて凡走、中緩みを作ってしまい3F戦にした騎手が大問題。

<持続力について>幕張Sが非常に良い内容でL1で12.7まで落しているが、2着アラガスをしっかりと押さえ切ったし、中山2勝クラスでもL1が12.4だが終始11秒台のラップを踏んで押し切るなど、高い持続力を見せている。2020年巴賞で5F戦を11秒台連発で逃げ切っているので、改めて持続力の高さを見せた。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の前からで自身スローバランス、L5から11秒台に入っていて直線早々に一杯になっているので、距離の可能性が高い。2021年安田記念ではスローバランスを2番手から、持続力は見せたがトップスピードの質では見劣り。2022年ダービー卿CTではスタート五分で中段の前から、3コーナーで2番手に上がって直線スムースだったが、L1で失速して凡走したので、11秒台を連発する末脚が無くなっている。

<その他について>まずダービー卿CTの敗因だが、恐らく使い詰めの疲労だと思う。何しろ使い方がめちゃくちゃで動物愛護団体に糾弾されそう。2歳7月にデビューして6カ月で9戦も走らせ、これが祟ったか1年の休養を余儀なくされる、まぁこの間にもダービーに登録していたようなので、馬のことなど全く考えていない感じ。復帰したのが2019年秋で、ここからまたもや懲りずに使い続ける。5カ月で7走も使ってダービー卿CTで凡走と、まぁ当然と言えば当然の凡走だった。2020年エプソムCで不良馬場をハイペースにして3着に粘った、心肺機能は見せていたが道悪適性も見せた。

2020年函館記念ではL1で失速しているので、平均バランスでは2000mは1F長いかもしれない。2020年札幌記念ではスローからの4F戦を逃げたが、L1で一杯になっている、決して苦手な展開ではなかったが、ここまで失速したのは使い詰めの影響だと思う。2020年福島記念でも休みなく使われて逃げて凡走、一緒に逃げていたテリトーリアルが3着なので、疲労の影響は大きいはず。2021年ダービー卿CTではトップハンデの57㎏で凡走。2021年札幌記念ではL4で反応が悪く凡走した、使い詰めの反動が出た感じ。

2022年京都金杯の負け方から、前半が速くなると苦しくなる傾向が見られる。前後半のバランスでハイペースバランスが悪い訳ではなく、単純に前半800mを46秒台前半よりも速いと苦しくなる感じ。なので前半ゆったり入って、後半も時計の掛かる時に激走しそう。2022年東京新聞杯では前半46.4で凡走。2022年エプソムCでは重馬場でスローバランスを逃げたがL1で一杯、スローバランスに持ち込んでいたので心肺機能ではなく、距離適性が短くなっている可能性がある。

好材料はコース適性で、2020年になるがディセンバーSで同コースを逃げ切ったし、マイルだが東風Sでも中山で1着と好相性。悪材料はクラス負けの危険で、2021年の安田記念で0.4差5着に好走したが、2021年札幌記念以降芝では二桁着順ばかり、前走の七夕賞でも2番手先行したが、L3標識で一杯になり殿負けするなど、全く勝負になっていない。昨年のこのレースも殿負けなので、好走の可能性は低いと思う。

適性:梅

ヒシイグアス ・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
スプリングS 5着 平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着。この時は自身も平均バランスで心肺機能の問題かもしれない。
ラジオNIKKEI賞 9着 不良馬場で平均バランスを中段から、3手前で下げていき4コーナーでは最後方を中目を回して、直線伸びずに凡走。この時は54㎏だったが不良馬場で前半が速く、追走に苦労した感じ。
2020年中山2勝クラス 2着 稍重でスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線待たされてから抜け出し2着。4コーナーから直線入り口で待たされてしまい、瞬発力が高くないことを見せてしまった。ついでにスローバランスでの好走からも、心肺機能は低い可能性がある。
2020年冨里特別 2着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。スローバランスから直線スムースだったが、L4から全て11秒台でトップスピードの質で若干見劣った、持続力は見せている。
2020年石和特別 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差して1着。ここでもスローからの4F戦でまぁまぁのトップスピードの質とやや高い持続力を見せた。
2020年ウェルカムS 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り1着。ここでもスローからの4F戦でゴールへ向けて加速していくイレギュラーなラップ推移、これでスパッと切れたわけではなく力でねじ伏せた感じなので、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高いものを見せた。
2021年中山金杯 1着 スローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。ここでもスローからの4F戦で、L1の坂もグイグイ上ているのでパワーも見せた。ただしこの時は54㎏。
2021年中山記念 1着 ”2021年中山記念”では平均バランスを離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて差し切り。自身はスローバランスで4F戦に持ち込んだ、得意のパターンにした松山騎手の好騎乗。
天皇賞(秋) 5着 スローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。
2022年大阪杯 5着 ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。
2022年宝塚記念 2着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。
スプリングSが平均バランスを先行してL1で一杯になっているので、心肺機能は不安要素。2020年石和特別からの3連勝は全てスローからの4F戦で、まぁまぁのトップスピードの質と持続力で押し切っている。2021年中山記念では自身スローバランスだったので心肺機能は問われず、パワーと持続力で押し切った、L2の11.5では差を詰めていないのでトップスピードの質はまぁまぁかな~。

2021年天皇賞(秋)では外枠から中段のやや前で、初手で脚を使った感じもあったが5着まで持ってきたのは高評価で良いと思う。ただL3で内のコントレイルに見劣ったので、トップスピードの質はまぁまぁまで、L1で差を詰めてきたので持続力は高いものを見せた。2022年大阪杯では中段から、3,4コーナーで中目を回してしまい、直線で伸びがイマイチだった。この時は調教でクビを上げるなど良く見えなかったが、5着まで来ているので調教は不問で良いと思う。

2022年宝塚記念ではスタート良く出たが、2F目の10.4に付き合わずに下げて中段から、3,4コーナー内目でスムースに回して直線伸びたが2着まで。レーン騎手が最高の騎乗を見せた。

「中山記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:長休明け。

好材料はコース適性で、2021年のこのレースを勝っているし、その前の中山金杯も勝っているので好相性。悪材料は長休明けで、この馬は長期休養が結構あるが、まぁまぁ走るのが厄介。ウェルカムSは7カ月間隔で勝ったし、2021年天皇賞(秋)は8カ月間隔で0.8差5着、この時は不利な外枠だったので相手を考えても悪くない。大阪杯が4カ月弱の間隔で0.3差4着。ノーザンFしがらきで仕上げてくると思うので、走れるとは思うが・・・。

適性:竹+