2021年キーンランドC 回顧。馬場の影響でスピード勝負にならず。


走破時計1:09.1    前半600m34.0     上り3F35.1 

まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計が示すように良馬場とは思えない程で、重賞になってから良馬場で行われたこのレースの中では1番遅い走破時計でした。草丈が12~16㎝なのでちょっと長めに刈っているんですよね、なので前半が遅かったわりに後半も時計が掛かっているのは、草丈の影響ではないでしょうか。バテ差しというよりも速いラップを踏みにくい馬場だったのかなという印象でした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2020年ファンタジーSのグラフです。

メイケイエールですが、L1標識手前で一杯になり凡走しました。ファンタジーSのラップとレース内容からは、心肺機能で見劣る馬ではないので、休み明けで20㎏増が堪えた感じですね。ファンタジーSではスタートイマイチから、3コーナー手前までに中段の前まで上がって行きました、なのでこのグラフよりも自身のラップは速かったはずです、3,4コーナーでも外々を回して大きく距離ロスをしていましたが、これでも押し切ってしまいました。この時の1200m通過は1:08.1ですから、芝が違うとはいえここまで負ける馬ではないはずです。

今回は休み明けでプラス20㎏、調教再審査もあったのでレースへ向けて仕上げるというよりは、調教再審査をクリアするために強い調教でストレスを与えないようにしたのかも。この辺りは厩舎が1流ではないので、休み明けは不安定と理解しておいた方が良いでしょうね。

2着に好走したのがエイティーンガール、昨年の1着馬でコース適性の高さを見せましたね。ヨハネスブルクの産駒で速い上がりを使えないが、パワーと持続力は非常に高い馬ですね、今回は良馬場でしたが、レースの上り3Fが35.1も掛かっていますし、自身の上り3Fが34.0なのでこういう馬場があっているんでしょうね。ヨハネスブルクの産駒だとネロが道悪得意でしたし、トウショウピストも道悪で大穴を空けていました、ダートでパワーと持続力を生かしたのがエイシンバッケンですから、ヨハネスブルク産駒は時計が掛かる時に狙いたいですね。

逃げたのはメイケイエール、2番手にレイハリア、カイザーメランジェ。中段の前からロードアクア、セイウンコウセイ、ダイアトニック、マイネルアルケミー。中段のやや前にミッキーブリランテ、中段からソロユニット、ヒロイックアゲン。中段やや後ろからアストラエンブレム、エイティーンガール。中段の後ろからシュウジ、ジョーアラビカ、後方からカツジ、タイセイアベニールという並びでした。

逃げたメイケイエールですが、スタートは五分くらいで良くはなかったですね。豊騎手もあわよくば中段で折り合わせたかった感じで、手綱を引いていました。それでも押さえが効かないと分かって逃げの手に出ました、ソロっと出して最初の1F目で先頭に並んでいるので、自身の1F目は11秒台だったはずで3Fは33秒台に入っていたのでしょう。

抜群のスタートから先頭に居たレイハリアですが、3F目に入る辺りで2番手に控えました、この操縦性は大きな武器ですね。3コーナー入り口では1馬身半程の間隔を空けて、外から来たカイザーメランジェと並んでいました。その後ろが中段の前で、ここにセイウンコウセイが居ました。ミッキーブリランテは前走よりも前、中段のやや前辺りでした。スタートは五分でしたが二の足が遅く、押して押して上がて行ったのでここで脚を使ってしまった感じ。

2着のエイティーンガールは前走よりも前、中段のやや後ろ辺りでした。スタートは最悪で一番後ろからでしたが、二の足でスーッと上がっていて中段のやや前へ、ここで一旦足を溜めていましたね。ミッキーブリランテが押して押して上がって行ったのに対して、エイティーンガールは馬なりで上がって行ったので、この差が大きかったと思います。ジョーアラビカ、カツジはいつも通り中段の後ろから、タイセイアベニールはまさかの最後方、出して行く素振りも見せなかったので、最初から追い込み一発狙いだった感じですね。

4コーナーです、メイケイエールが先頭で、2番手レイハリアに先んじてカイザーメランジェが上がって行きました。カイザーメランジェが外から上がってきても、レイハリアはムキになることもなく落ち着いていました。左側にだけ付けたチークピーシーズの効果でしょうか、外から来られても落ち着いていたことも、今後に向けて期待が膨らむ部分ですね。この辺りでダイアトニックの反応が悪くなりました、正直ちょっと早いかなと思います。この地点は800m辺りですから単純に心肺機能で見劣った感じではなく、減速に入っている地点ですがスピードの持続力が落ちてしまった感じですね。

ミッキーブリランテは大外から、その後ろに居たのがエイティーンガールでスムースでした。ジョーアラビカはその後ろで持ったまま、L3でスムースに加速できないと伸びない馬なので、ここで待ってしまっては馬の能力を発揮できませんね。セイウンコウセイは3コーナーまで内から2頭目でしたが、4コーナーでジワっと外に出して直線入り口ではマイネルアルケミーの外、非常にスムースなコース取りでした。

直線Ⅼ1標識付近です、ここでメイケイエールが一杯になります。カイザーメランジェが抜け出し、レイハリアはその外へスムースに持ち出しましたね、ここから伸びて差し切りです。先に抜け出したカイザーメランジェと、レイハリアの外に居たマイネルアルケミーはゴール前30m位で失速してしまいましたね。この辺りが持続力の差でしょうか。セイウンコウセイがマイネルアルケミーの外からスムース、その外からエイティーンガールが伸びてきました。

エイティーンガールの上り3Fは34.0、キレッキレのトップスピードの質ではないのですが、パワーと持続力でグイグイ来ますね。今回は前走よりもポジションを取ってきて、届く位置から進めたことが好走要因ですね。カツジは外にタイセイアベニールが張り付いていて、L1標識付近でジョーアラビカに詰まってしまいました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はレイハリア、休み明けを不安視しましたが全く問題なかったですね、斤量51㎏だけでなく、左にだけチークピーシーズを付けるなど陣営も工夫をしていました。これで落ち着て走れたことが大きかったと思います。時計の掛かる洋芝もこなせるパワーもありますし、葵Sでは心肺機能も見せていますから、3歳で斤量優位なので本番も楽しみですね。

2着はエイティーンガール、レイハリアとは4㎏差でしたし、牝馬の斤量からも1㎏重かったので、頭差は斤量の差でしょうね。前半のポジションが非常に良く、中段のやや前で届く位置だったことが大きかったですね。スタートが良くなかったので内枠は良くないですね。

3着はセイウンコウセイ、休み明けのこの馬が3着に来ている、これをどう考えるかですが、芝丈の長い洋芝でパワーと持続力が問われ、トップスピードの質が問われなかったことが好走要因だと思います。もちろん58㎏を背負っての好走なので、まだまだ力落ちはないはずで、次回は休み明け2走目で上積みも見込めますから、本番も怖い存在になりそう。

4着がカイザーメランジェ、2年前の函館SSを勝っていますが、この時は薬物問題と稍重など条件が特殊過ぎて度外視、それ以外の重賞では箸にも棒にも掛からない馬ですから、このレースも条件が特殊と考えた方が妥当でしょうね。1F目が12.3も掛かる入りだったので前に行けましたし、馬場状態にも助けられての好走だと思います。

5着はアストラエンブレム、4コーナーまでは中段のやや後ろで最内、直線入り口に掛けて外に出しましたが、この時点ではすでにエイティーンガールが前に居ました。この馬のトップスピードの質では届かないので、もう1列前が欲しかったですね。吉田隼騎手も今回は外へ出す前に振り返って安全確認、先週制裁を受けていますから慎重でしたね。

ダイアトニックは14着、心肺機能で見劣った感じではなく、筋力が落ちているような負け方。1年弱の休み明けで馬体重はマイナス2㎏、むしろ大きく増やして出てきてくれれば次への期待も出来ますが、筋肉が落ちて脂肪が付いた状態だと、次走へ向けてどこまで筋力を戻せるかですね。メイケイエールは休み明けを一叩きされて上積みを期待したいですね、もちろん外枠を引いた方がベター、と言うか次はどこに出てくるのでしょうか。ミッキーブリランテは10着、直線入り口ではすぐ横に居たセイウンコウセイに見劣り、すぐ後ろからエイティーンガールに並ぶ間もなく交わされてしまいました。1200mでは前半が忙しい感じで、函館SSのように中段の後ろから進めた方が良さそうですね。

馬券の方は完敗でした、セイウンコウセイは無印ですし、レイハリアは休み明けを嫌って低評価にしていたので、お恥ずかしい結果でした。次回は1週空けてセントウルSの予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    お疲れ様でございます。
    いやーメイケイエールさん、、調教もパドックもゲートもよく見えてこんなことなるとは…やはり管理能力なんですかねぇ。。
    エイティーンガールはまるでここに照準を合わせたかのような好仕上がりで、出脚は遅れましたが前年と違いスムーズに上げて来て勝ちを確信しましたが斤量差 でも複勝派なので十分です!
    なお2歳Sでやらかしましたw