2019年皐月賞 全頭評価。

馬場改修後過去4年で複数回3着以内に来ている種牡馬は、ディープインパクト5回、ルーラーシップ2回です。良馬場で行われた3年間ではディープ産駒が5頭と過半数を輩出、2016年に至っては3頭全てディープ産駒でした。2015年にはブラックタイド(ディープの全兄)も来ているのでディープ兄弟が圧倒的に相性が良いレース。良馬場で行われた3年の展開は平均バランスとハイペースバランスで推移していました、2016年はハイペースバランスでふるいに掛けられ、L4,L3が12秒台に落ちたところを、後方で足を溜めたディーマジェスティーとマカヒキの追い込みでL2、L1が再び11秒台に入る変速的なラップ推移でした。稍重の昨年はディープ産駒が3着以内に来ず、5着のキタノコマンド―ルが最先着。稍重だった2012年も勝ったのはゴールドシップでステゴ産駒、ディープ産駒は2着3着には入りましたが、馬場が渋るようだと割引かもしれませんね。

では1頭ずつ見ていきます。

<アドマイヤマーズ>・ダイワメジャー産駒で心肺機能とパワーの両立型、一本調子の展開や消耗戦向き。

・瞬発力はあまりなく、トップスピードの質は低い。

・スタートで左に寄れることがある。   朝日杯FSではまっすぐにスタートして3番手でやや掛かったが前と間隔取って折り合った。4F戦になりL4からL3で0.5秒の加速ラップを踏んでいるが、下り坂でのギヤチェンジで対応、L1で大きく落とす消耗戦を粘り切った。デイリー杯2歳Sではスタートで左に寄れてドナウデルタが遅れる。先頭に立ち折り合ってドスローに落としてL2最速戦、ギヤチェンジは苦手だが前半のスローで脚が余っていたので対応、しかしペースの割に上がりは33.9と平凡。共同通信杯ではスローバランスを逃げて2着、ダノンキングリーにトップスピードの質で見劣り。

<サトノルークス>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。  

すみれSではスローバランスを先行、L2最速戦にして押し切り、後半58.9でまぁまぁ。500万条件では平均バランスを中段から、直線前が壁になるがバテ差しで1着。

<ファンタジスト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は?

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。

・休み明けでも走る。・右回りが苦手な可能性がある。   

2018年朝日杯FSではスローバランスを中段から、L3の加速に一瞬置かれてL1でバテ差し4着、4コーナーで一瞬バランス崩す。京王杯2歳Sではスローバランスを中段の最内から、直線では長くいい脚を使って1着、この時が2カ月の間隔開けで2着がアイルアウェイ。小倉2歳Sではハイペースバランスを先行して押し切り、4コーナーで内に刺さる仕草がある。スプリングSでは平均バランスを中段の後ろから、4コーナー外からやや外に傾きながら伸びて2着まで。

<ダノンキングリー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。   

新馬戦では4番手からスローのL2最速戦、パワーで坂を上ってL1もしっかり。トップスピードの質でカレンブーケドールにやや見劣る。柊賞ではスタートでやや遅れリカバリーしつつ中段の外を追走、ハイペースバランスの中で外から捲って圧勝。共同通信杯ではスローバランスを中段やや前から、直線はトップスピードの質と持続力で圧勝、この時の2着がアドマイヤマーズ。

<ランスオブプラーナ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。  

きさらぎ賞ではスローバランスを逃げて3着まで、瞬発力で見劣り。アルメリア賞ではスローバランスを逃げて1着、3Fに持ち込み持続力を生かした。毎日杯ではスローバランスを逃げて1着、ここでも3F 戦に持ち込み持続力を生かした。

<クラージュゲリエ>・キンカメ産駒で休み明けでも走る。

・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。  

札幌2歳Sではかなり重い馬場で中段やや後ろから掛かり気味、コーナーで外から加速したがジリジリで届かず3着。京都2歳Sでは中段で折り合いに専念、L3から目視11.0→11.2→11.6と長くいい脚を使って1着。軽い馬場で本領を発揮した感じだが、タイム自体は平凡で2着のブレイキングドーンもホープフルSで5着とレースレベルには疑問も。共同通信杯ではスローペースバランスを中段から、直線で瞬発力で見劣りバテ差し3着。

<ヴェロックス>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。   

東スポ杯ではスローバランスを中段から、直線で一発寄られてバランスを崩すがジリジリ伸びて4着まで。若駒Sではスローバランスを中段から、3F戦を押し切り。若葉Sではスローバランスを3番手から3F戦で圧勝、この時の2着がワールドプレミア。 

<ニシノデイジー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで、持続力は高い。・掛かる。   

札幌2歳Sではハイペースバランスを中段から、直線バテ差しで1着、この時の3着がクラージュゲリエ。東スポ杯ではスローバランスを中段から、直線では馬群を割って1着。ホープフルSではスローバランスを中段から、直線前が空かずにサートゥルナーリアに瞬発力で見劣り3着。弥生賞では平均バランスを中段からかなり掛かりながら、直線はジリジリしか伸びず、この時が休み明け。

<メイショウテンゲン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・ディープ産駒らしくなくバテ差し型。  

未勝利戦ではハイペースバランスを中段の後ろから、長くいい脚を使ってバテ差し。きさらぎ賞ではスローバランスを中段から、L2最速戦で凡走、瞬発力とトップスピードの質で見劣り。弥生賞では平均バランスを中段の後ろから、重馬場で消耗戦になり長くいい脚を使ってバテ差し1着。

<シュヴァルツリーゼ>・持続力は高い、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・コーナーリングが下手でフォームがかなり乱れる。  

新馬戦ではスローバランスを掛かりながら中段から、直線はL1でのバテ差しで1着。弥生賞では重馬場で平均バランスを最後方から、4コーナーからのバテ差しで2着まで。

<ラストドラフト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。  

新馬戦ではスローバランスを中段の内から、直線前が壁になり抜け出すのに手間取ったが何とか1着、トップスピードの質と瞬発力で見劣り。京成杯ではスローバランスを2番手から、出し抜けないが坂で粘って1着。弥生賞では重馬場の平均バランスを逃げて凡走、前半消耗した感じ。

<サートゥルナーリア>・心肺機能は不明、パワーは有る。

・瞬発力とトップスピードの質は高いが持続力は不明。   

新馬戦ではスローバランスを先行、直線では前が壁になりながら強烈な瞬発力で圧勝。萩Sではスローバランスを中段から、直線では1F半位を持ったまま圧勝。ホープフルSではスローバランスを先行、直線前が壁になり残り150m位で瞬発力を生かして圧勝。

<ブレイキングドーン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。  

ラジニケ杯ではスローバランスを中段やや前から、L2最速の3F戦で2着、この時の1着がクラージュゲリエ。ホープフルSではスローバランスを中段の前から、直線ではトップスピードの質と瞬発力で見劣り5着まで。弥生賞では平均バランスを中段の後ろから、直線バテ差しで3着まで。

<ダディーズマインド>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。  

500万条件ではスローバランスを逃げ切り、2F戦でトップスピードの質と瞬発力で出し抜き。きんもくせい特別ではややスローバランスを中段の前から、直線インコースから出し抜いたところをマイネルサーパスに差される。

<クリノガウディ―>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。   

朝日杯FSではややスローバランスを先行してL1バテ差し2着、3F戦になったことで持続力が生きた形。東スポ杯2歳Sではスローバランスを先行して7着、後半11秒台連発の持続力を問われる展開になったが、トップスピードの質で見劣り。新馬戦ではスローバランスを中段から、L2最速戦に反応してL1は11.0くらいを引き出して1着、前半が遅かったことが良かった感じ。スプリングSでは平均バランスを逃げて6着、この時が休み明け。

<タガノディアマンテ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。   

きさらぎ賞ではスローバランスを後方から、L3から仕掛けて長くいい脚を使って2着。スプリングSでは平均バランスを中段後ろ外から、直線はバテ差しで4着まで。

<アドマイヤジャスタ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・スタートで遅れることがある。・トップスピードの質は低く持続力は高い。   

2018年ホープフルSではスローバランスを先行して2着、サートゥルナーリアの瞬発力に明確に見劣り。2019年すみれSではスローバランスを中段から、L2最速戦の瞬発力勝負で見劣り2着。

<ナイママ>・パワー型で心肺機能と瞬発力は低い。

・トップスピードの質が低く芝では苦しい。        

コスモス賞では稍重でトップスピードの質が問われずパワーで押し切り。東スポ杯2歳Sではスローペースを先行してトップスピードの質で見劣り大敗。

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