2019年NHKマイルC 全頭評価 その2。

2019年NHKマイルC 全頭評価 その1。

<グランアレグリア>・心肺機能は高くパワーは程々、瞬発力は高くはない。

・トップスピードの質は高く持続力はとても高い。

・休み明けでも走る。

”新馬戦”ではスローバランスを先行して圧勝、この時の2着がダノンファンタジー。”サウジアラビアRC”ではスローバランスを大きく出遅れるがリカバリーして2番手で先行、直線はL2で抜け出し圧勝、直線では明確に甘くなっているので、リカバリーの為に前半から足を使うと終いが甘くなるのかも。”朝日杯FS”ではスローバランスを先行して、直線アドマイヤマーズに寄られて怯むも踏ん張り3着、坂で苦しくなってクリノガウディ―に差されているので、パワーが足りないかも、この時は初輸送。 ”桜花賞”ではスローバランスを中段の前から、L3の下りで一気に仕掛けて勝負を決めてしまった、レコード決着だがかなりのスローバランスで前半楽をしている。

「今回に向けて」どうしてもサウジアラビアRCの終いの甘さが気になる部分、出遅れてリカバリーしたことでレース自体はスローバランスも自身では平均くらいにはなっているはず、目視だが1秒程度の出遅れで補正すると自身の800m通過は47.3になり、平均バランスになっている感じだった、これで上がり34.0は立派と言えば立派だが・・・。ハイペースバランスや平均バランスでの実績が無いのは不安と言えば不安だが、ルメール騎手の継続”騎乗はペース不安を吹き飛ばすほど強力。トップスピードの質や持続力の高さは証明済みで、不安よりも期待の方が大きい。こういう馬が負ける時は後方から全く別のレースをしてきた馬に、差し切られるパターンが考えられるので、コースを考えると1着と決めつけるのは怖い。

<グルービット>・トップスピードの質は高くはない、持続力はある。

・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

”500万条件”ダートではハイペースバランスを中段やや前からバテ差し1着、中緩みのできる展開でL3の13.0からL2で12.1へ引き上げる、13秒台のラップを2F踏んで息が入ったことで、瞬発力を見せたが流れた中ではどうか。”新馬戦”ではハイペースバランスを中段の後ろからバテ差しで1着、芝スタートで行き脚が付かなかった。トップスピードの質が低くバテ差しタイプ、持続力はある。”ファルコンS”ではハイペースバランスを中段から、外々を回してスムースだったが、4コーナーから手が動きズブさを見せた、直線はバテ差しで差のない2着まではきたが、後ろから差してきたハッピーアワーにはトップスピードの質で見劣り。

「今回に向けて」まず前走の内容からハイペースバランスへの対応は出来ている、その上でバテ差して来たように心肺機能もしっかりしており、例年のNHKマイルCの展開ならば中段からバテ差してくる可能性はある。不安要素としてはトップスピードの質で、差しに回ると足りない可能性がある。現状見せているものが全てではないにしろ、切れるほどのトップスピードを隠し持っているのかどうか不明、ロードカナロア産駒なので距離延長には対応できそう。瞬発力に関しては500万条件で見せたL2の加速だけでは・・・L4,L3で13秒台からのもので何とも言えないので、内枠に入ると苦しくなる可能性はある。乗り替りについてはD・レーン騎手、オーストラリアの若手でオーストラリアに移籍したトーセンスターダムでG1を2勝しています。4月27~28日で重賞1勝を含む5勝2着1回、3着1回で複勝率500と大爆発、最初だけなのか日本の水が合っているのか、評価を下すのは早計ですが騎乗自体は非常にクレバーで進路の取り方も上手い、新潟大賞典で見せた直線のコース取りはロスなくスムースでした。

<ケイデンスコール>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く持続力もある。

・前半が速くなると後半苦しくなる。長距離戦の方が合いそう。

“新潟2歳Sではスローバランスを離れた追走集団の中段から、直線は大外をスムースに加速してトップスピードの質と持続力で差し切り。朝日FSではスローバランスを後方から、追走一杯になってしまい凡走、前半800m47.7で一杯になっているのでAT値が低い可能性がある。毎日杯ではスローバランスを中段やや後ろの最内から、直線は前が壁になるシーンもあったがジリジリ伸びて4着、800m48.7で最内を回せたことが大きかったか感じ、スムースに外を回したヴァンドギャルドに差されたのは進路取りの差。

「今回に向けて」トップスピードの質、持続力自体は高い物を見せているが、前半流れてしまうと息切れするように凡走してしまう、おそらくAT値が低いために早目に無酸素運動領域に入ってしまうのではないだろうか。前半から流れることの多いNHKマイルCでは苦しい展開になりそうで、最後方からでも息が持つかどうかは不安。ドスローからのトップスピード戦になることはほぼ無いと思うが、新潟2歳Sと毎日杯で見せたトップスピードの質と持続力は破壊力十分、これを生かすためには前半いかに無理をしないかが重要、位置を取りに行く石橋騎手が前半無理をさせてしまうと・・・、後半特化の為にも内枠でじっとしている必要があり、直線もスムースに加速するために内が空く必要があるなど課題は多い。

<ダノンチェイサー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピード質はまぁまぁで持続力は高い。

”きんもくせい特別”ではほぼ平均バランスを掛かりながら先行、直線入り口で先頭に立つもL1で差されて2着、スタートで寄れて隣の馬にぶつかりテンションが上がったように掛かってしまった、前半47.3とこの時期の2歳戦にしては速く、全体でも1分46秒台の決着は高速馬場を考えても速過ぎた感がある。ここを掛かりながら先行して僅差2着は高評価。”こうやまき賞”ではスローバランスを中段から、直線外からスムースに加速して僅差だが1着、ここでも前半掛かっていて折り合いには苦労していた。”きさらぎ賞”ではスローバランスをやや離れた2番手から、直線L2から追い出して圧勝、目視L3から12.0-11.3-11.5くらいで、京都外回りにしては瞬発力が問われた中でしっかり加速、当日はかなり重い馬場で前日のエルフィンSも1分35秒台と時計の掛かる馬場、その中で瞬発力見せてきたのは高評価。

「今回へ向けて」きんもくせい特別、こうやまき賞で見せた気性の悪さは不安材料、きさらぎ賞では川田騎手への乗り替りで折り合いが付いたので継続騎乗は良い。きんもくせい特別で平均バランスを掛かりながら僅差2着しているので、心肺機能の高さはこのレースへ向けて良い材料になる。トップスピードの質はこうやまき賞で掛かりながら上がり3F33.5、L1でやや甘くなったが折り合いさえ付けば更に良くなりそう。3カ月の休み明けだがNFしがらきでの仕上げ、これはきさらぎ賞も一緒で不安はない。

<トオヤリトセイト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”万両賞”では平均バランスを出遅れ後方から、ジリジリ上がって中段の最内で直線、コースが狭くなり伸びきれずに4着、スタートの悪さ、瞬発力の無さを見せた。”500条件”では”スローバランスをやや出遅れ、直線は外からスムースに伸びて差し切り、上がり3Fは33.0でトップスピードの質と持続力を見せた。”アーリントンC”ではややスローバランスを出遅れ後方から、4コーナースムースに外を回して直線は良く伸びたが3着まで、カテドラルにトップスピードの質で見劣り。

「今回へ向けて」トップスピードの質、持続力は高い物を持っているが、いずれもトップクラスとは言えない。アーリントンCでカテドラルに明確にスピード負けしている、瞬発力の無さから内枠で揉まれた時の対応は大いにに不安。ゲートの遅さは治りそうもなく、前半でポジションをあえて取らないのは後半特化のこの馬にはむしろプラスで、変にポジションを取りに行くと逆に後半の良さが削がれるはず。スタートが遅いために福永騎手も覚悟して乗っているようで、後半特化に腹を括っている感じは良いと思う。

<ハッピーアワー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

・休み明け良くない。・右回りでは直線入り口でバランスを崩す。

”デイリー杯2歳S”ではスローバランスを出負けして後方から、直線入り口でバランスを崩し追い出しが遅れて3着まで、トップスピードの質は見せた。”シンザン記念”ではハイペースバランスを後方から、直線入り口でバランスを崩して伸びず、この時が休み明け。”ファルコンS”ではハイペースバランスを中段の後方から、直線はスムースで外からバテ差しで1着、トップスピードの質の高さと左回りでのスムースさを見せた。

「今回へ向けて」まず右回りの直線入り口でのバランスの悪さが、今回は左回りで心配しなくていいのは好材料。非社台、非ノーザン生産馬なので休み明け2走目で走れるのも好材料。スタートが遅くポジションはどうしても後方になり届くかどうかになるので、内枠に入った時に捌けない危険は付き纏う。吉田隼騎手はゴールドアクターくらいしかG1での印象が無く、G1の舞台ではどうしても不安はある。