2019年新潟記念 全頭評価。その3。

<ゴールドサーベラス>・スクリーンヒーロー産駒でギヤチェンジは苦手。

・3F以上のロンスパ戦で台頭する。・心肺機能が足りないために重賞では苦しい。・パワーにものを言わせてバテ差しが効く中山は得意。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2018年幕張S”では前半800mが47.5とややスローな展開で楽に追走して1着。”2018年ダービー卿CT”では 800m46.2で追走一杯で凡走。”2018年函館記念”ではほぼ平均ペースを中段やや前で追走したが、直線ではズルズル後退。心肺機能の低さを見せた。”2018年京成杯AH”ではスローバランスを中段から、L3で外から押し上げて直線先頭列迄並ぶ手前で、外からミッキーグローリーに交わされて5着、トップスピードの質は高くないが、持続力は高いものを見せた。”2018年富士S”では平均バランスを中段の後ろから、直線前が空かなかったが、トップスピードの質で見劣り凡走。”2019年京都金杯”では平均バランスを中段の後ろから、直線馬群の中からジリジリ伸びたが9着まで。”2019年東京新聞杯”ではややハイペースバランスを中段から、直線は伸びずに凡走。”2019年谷川岳S”ではスローバランスを中段の後ろから、L1で11.8に落ちるレースラップを外からバテ差しで僅差の4着、持続力が生きた。”2019年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを後方から、バテ差しで伸びてきたが届かず4着。

「新潟記念へ向けて」好材料:・・・。悪材料:2000mの適性、トップスピードの質を問われる展開での切れ負け。

最近の1着は2018年の幕張Sまで遡るんだけど、この時はややスローバランスを後方から、L1で先に抜け出していたプロディガルサンをバテ差しで仕留めている、決してトップスピードの質が高い訳ではないので、パワーと持続力を生かしたレースだった。京成杯AHでは5着だったが勝ったミッキーグローリーよりも先に仕掛けて粘った、トップスピードの質では見劣ったが持続力の高さはここで見せてきた。富士Sや東京新聞杯ではトップスピードの質が足りないことを見せてしまったし、函館記念ではほぼ平均バランスで心肺機能の低さを見せてしまった、ただこの時は2000mだったので距離の問題かもしれない。いずれにしろトップスピードの質が高くないことは確かだが、持続力はやたら高いので谷川岳SみたいにL4辺りから流れる展開でのバテ差しが得意。

好材料は谷川岳Sで4着があるコース適正だが、この時は1600mだったので2F延びる2000mを好材料にするのは難しいかな。悪材料はその距離で、2000mでは0-0-0-3と結果が出ていない、前走七夕賞が2000mで4着だったが、稍重馬場でハイペースバランスを最後方からになり、ロードヴァンドールと0.1差をどう評価したものか・・・。良馬場で流れてしまった時に2000mで最後までもつのか不透明。トップスピードの質は決して高くないので、いつもの様に後方からではなかなか届かないと思う。

<サトノキングダム>・心肺機能は不明、パワーは高い、瞬発力は低そう。

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。

・スタートは速くない。

”2018年新発田城特別”ではスローバランスを中段から、直線外に出してしっかり伸びて圧勝、自身L3から10秒台に入るペースで持続力を見せた。”2018年白井特別”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内を回して直線外目にスムースに出したが2着まで、1着フローレスマジックよりも2㎏重かった、持続力とパワーは見せた。”2018年オリエンタル賞”ではややスローバランスをやや離れた追走集団の先頭から、L3で先頭に取り付き圧勝、目視L3から11.1、11.0、11.7というラップで持続力とL2の坂でのパワーを見せた。”2019年多摩川S”ではスローバランスを3番手先行、逃げた1着ファストアプローチを捉えきれずに2着まで、この時は6カ月強の休み明け。”2019年阿武隈S”ではスローバランスをやや離れた追走集団の先頭から、3,4コーナー外を回して力でねじ伏せ1着。

「新潟記念へ向けて」好材料:2カ月の間隔、コース適正。悪材料:初重賞でのクラス負けの危険。

新発田城特別でトップスピードの質と持続力の高さを見せた、オリエンタル賞でも持続力の高さを見せたし、この2つは重賞でも通用するレベルにあると思う。パワーも白井特別で2㎏軽いフローレスマジックを追い詰めたので、十分持っている。OP入りにここまで時間がかかった理由としては、休み明けが良くないことが1つある、社台ファーム生産馬なので外厩はノーザンFよりは期待できない、3カ月程間隔空けてしまうと2着が3回、3カ月弱でも0-0-1-1とピリッとしない。瞬発力が低いこともあって、2018年4月22日の500万条件では、直線外から被せられてしまいコースが空いてから加速できずに5着だった。右回りでも左回りでも手前を替える時にややバランスを崩すことがあり、直線大きく寄れたのが新発田城特別だった、白井特別でも直線でやや寄れてはいた。

好材料は2カ月の間隔で出走できることで、休み明けの良くないこの馬にはいいローテーションだと思う。コース適正は新発田城特別を圧勝しているし、東京でも好走歴があるので問題ないはず。直線で寄れる癖も長い直線なら誤魔化せると思う。悪材料は初重賞でクラス負けの危険があることだが、格上げ戦に強いディープ産駒だしそれ程不安視することはないかな。石橋騎手も何度も乗っていて新発田城特別を勝っているので、大きな不安はないと思う。スタートがあまり良くないので、内枠を引いて中段の内に包まれるようだと、瞬発力の無さを見せてしまうかもしれない。

<サトノワルキューレ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

・直線で前に詰まると再加速に手間取る。・休み明けでも走るが3走目は疲労が出る。

”2018年フローラS”ではスローバランスを後方から、直線大外をスムースに加速して圧勝。”2018年オークス”では離れた追走集団の中段で実質スローバランスを、直線外から追ったが伸びきれず、この時が休み明け3走目。”2018年ローズS”ではスローバランスを最後方から、直線前が壁になってから追い出してバテ差し、伸びたが6着まで。”2019年金鯱賞”では稍重でややスローバランスを中段の後ろから、直線全く伸びずに凡走、稍重で全く反応できなかった。”2019年阪神牝馬S”ではスローバランスを後方から、前が止まらない流れで凡走。”2019年ヴィクトリアM”ではややハイペースバランスを最後方から、直線外からスムースだったがジリジリで13着、この時が休み明け3走目で輸送もありマイナス10㎏だった。

「新潟記念へ向けて」好材料:間隔空けてフレッシュな状態、コース適正、2000m。悪材料:道悪の予報、騎手が・・・。

トップスピードの質と持続力が非常に高く、オークスこそ6着に負けているが、この時は休み明け3走目では疲労の影響、トライアルのフローラSをメイチで仕上げたはずで完全にお釣りが無かった。そのフローラSはいつも通り後方から、自身はL4から仕掛けて纏めて差し切りトップスピードの質と持続力を見せた。ローズSでは後方から直線で詰まって凡走、再加速に手間取るなど瞬発力の無さを見せる。その後腰に疲れが出て半年休養しましたが、これは不安材料ではないはず。復帰後の金鯱賞は稍重馬場で合わず、阪神牝馬Sでは高速馬場のスローバランスで出番なしと、好走と凡走の理由がはっきりしている馬ですね。2019年のヴィクトリアMも距離が短かった印象もあるが、休み明け3走目で馬体重がマイナス10㎏だったからね。

好材料は休み明けでフレッシュな点、下河辺牧場の生産馬なのでノーザンFと比べると外厩が弱い、休み明けでどこまで仕上げられるかは未知数だが、ローズSでは6着とは言え内に詰まったもので、上がりも1番時計を出しているので悪くはないはず。フローラSを見ても直線が長いコースが合っているはずで、コース適正は合いそうだし、2000mも勝っている距離。悪材料は道悪になりそうな天気予報で、金鯱賞では稍重だったが全く走れなかった、新馬戦こそ重馬場で勝っているがタイムも遅いし参考外だと思う。3場開催で騎手が不足しているのは分かるが、大野騎手では期待はできないかな~。

<ショウナンバッハ>・心肺機能はやや低い、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高かったが年齢とともにやや下がった。

・持続力も年齢とともにやや下がった。

”2018年中日新聞杯”では離れた追走集団のやや後ろから、直線外から追い込んで一旦ギベオンの前に出るも差し返される、持続力低下の影響。”2018年新潟記念”ではスローバランスを後方から、直線追い込んで3着、この時は53㎏でトップスピードの質が高い馬が少なかった。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを後方から、稍重でトップスピードの質を問われなかったが、全く伸びずに凡走。”2019年メイS”ではスローバランスを後方から、直線は中目から伸びて3着まで、この時が54㎏で適正距離が短くなってきた可能性がある。”2019年エプソムC”ではスローバランスを後方から、4コーナーで内を回してポジションを上げて、直線外目に出して伸びた、トップスピードと持続力が生きたが後方からになり届かず。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを後方から、直線は伸びずに凡走。

「新潟記念へ向けて」好材料:コース適正。悪材料:2か月半の休み明け。

元々トップスピードの質と持続力で勝負するタイプで、噛み合えばすごい勢いで追い込んでくる馬、瞬発力や心肺機能を問われると凡走している。メイSでは上り33.1で3着まで伸びてきた、斤量が54㎏だったことは良かった。ただ斤量だけでは新潟大賞典での凡走は説明が付かないので、距離の可能性もあると思う。年齢とともに適性距離が長くなったり短くなったりすることはあるので、この馬の場合短くなってきた可能性はあると思う。今後はマイルも試して欲しいかな~。

エプソムCは上がり最速32.7で4着まで追い込んできた、もちろんドスローでトップスピード戦になり、これを後方からだから褒められたものではないが、トップスピードの質と持続力を見せたのは確かだし、56㎏で4着は意外だった。これも稍重での適性が生きたのは確かだと思うし、ステゴ産駒らしい部分ではある。

好材料は昨年3着のコース適正で、もともと長い直線はトップスピードの質と持続力を生かせるので得意、もちろん53㎏の恩恵はあったはずなので大きな期待が出来るほどではない。ただ今年の新潟大賞典は内枠だったし、直線も外に出すのが遅過ぎて馬の責任よりも騎手の責任での凡走だと思う。悪材料としては2か月半の休み明けで、あまり纏まった休みを取らない馬だが、福島テレビOPが2年連続で3カ月強の間隔を空けて凡走、2016年になるがオールカマーも3カ月強の間隔開けで凡走している。今のこの馬には2000mもやや長い感じだし、8歳になっているので衰えもあるはず、馬場が悪化して消耗戦になれば可能性は出てくると思うが・・・。