2019年ステイヤーズS 全頭評価。その1。

<アルバート>・心肺機能は高く、パワーもある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・外人騎手と好相性。

”2015年ステイヤーズS”では中段の後ろから、L4から11秒台に入る流れを中目を回して直線馬群を割って圧勝、馬群に怯まない闘志と、底なしのスタミナを見せた。”2015年有馬記念”では後方から、3,4コーナー外を回して直線伸びずに凡走、内、前の決着で出番なし。”2016年天皇賞(春)”では中段の後ろから、終始最内を回して直線馬群をぬってジリジリ伸びたが6着まで、後ろからは差されていない。”2019年アルゼンチン共和国杯”では中段やや後ろから、4コーナー中目を回してシュヴァルグランのすぐ後ろから、トップスピードの質では見劣ったが持続力を生かして2着まで。”2016年ステイヤーズS”ではやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線バテ差しの形で辛勝。”2017年ダイヤモンドS”では中段の後方から、4コーナー外を回して直線大外から追い込んで1着、高速馬場とは言え上がり3F33.4は立派。”2017年アルゼンチン共和国杯”では中段から、4コーナー外を回して4着まで、1着スワ―ヴリチャードには離されたが、2,3着には僅差だった。”2017年ステイヤーズS”では中段から、3,4コーナー外から進出して直線しっかり伸びて圧勝。”2017年京都大賞典”では追走集団の中段後ろから、4コーナー外を回して3着まで、1着サトノダイヤモンドのすぐ後ろだったがL2の11.2のラップには対応できなかった。”2019年京都大賞典”では平均バランスを最後方から、3コーナー手前で中段まで上がり3,4コーナー大外を回して大きく距離ロス、直線は全く追わずに凡走。

「ステイヤーズSへ向けて」好材料:レース適性、外国人騎手、休み明け2走目。悪材料:前走大敗の力落ち。

ステイヤーズS3連覇だけでなく2017年にはダイヤモンドSも圧勝している最強ステイヤー、中距離でも心肺機能と持続力が問われる展開ならば十分勝負になる。まずステイヤーズS3レースだが、ここでは底なしのスタミナを見せた。高い心肺機能と持続力で全く他馬を寄せ付けなかった、もちろんこれはステイヤーとしての心肺機能と持続力で、中距離戦ではスピードが足りない。

しかし2016年、2017年のアルゼンチン共和国杯や2017年の京都大賞典で好走しているように、まぁまぁのトップスピードを持っているので、完全なトップスピード戦にならなければ中距離戦でも十分勝負になる。2017年の京都大賞典では3,4コーナーで1着のサトノダイヤモンドのすぐ後ろに居たが、4コーナーから直線入り口にかけてのL2で11.2のラップに反応できずに、サトノダイヤモンドに一気に引き離されてしまった、瞬発力の低さを見せたが、その後は持続力を生かしてシュヴァルグランを差して3着を確保したのは高評価。

2019年京都大賞典は約1年ぶりのレースで転厩もあった、日本人騎手と言うだけでなく酷い騎乗で、なぜかわざわざ距離ロスを自分から取りに行く謎騎乗だったし、4コーナーからは諦めたのか追いもしなかった。叩き台と言うか超休明けだったのでレースで走れるのかどうかを確かめたようなレースだったので、この凡走は度外視していいと思う。

騎手には注意が必要で、外国人騎手が乗った場合は7-0-2-7で複勝率5割6分3厘、日本人騎手の場合は2-2-1-12で複勝率294と大きな違いがある。この馬は非常にズブイ印象で外国人騎手がパワーに物を言わせて、全身を使った激しいアクションで追うことで、馬が反応している感じ。非力な日本人騎手との差が出ているんだと思う。

好材料はレース適性で2015、2016、2017年と3年連続1着と好相性、昨年は右前肢ハ行で出走取りやめなので、このレースでは負けていない。外国人騎手との相性がとても良いので、マーフィー騎手に乗り替わるのは好材料。休み明け2走目だけでなく前走は超休明けだったので、上積みは期待できる。悪材料は前走大敗してしまったことで、力落ちの可能性が出てきた点、さすがに8歳だし力が落ちても不思議ではない。転厩後2戦目で戦歴が少なく結果を出していないのは不安材料かな~。

<オジュウチョウサン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発威力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2018年開成山特別”では稍重でややハイペースバランスを中段の前から、3コーナーで捲って押し切り、2F目以外は11秒台に入らないラップでトップスピードの質を問われなかった。”2018年南部特別”ではスローバランスを2番手から、1000m過ぎからペースが上がるロンスパになりL2で離れた前を捉えて押し切り、持続力を見せた。”2018年有馬記念”では稍重で平均バランスくらいをやや離れた追走集団の2番手から、直線はトップスピードの質で見劣り9着。”2019年六社S”ではスローバランスを2番手先行、直線はトップスピードの質で見劣り10着。”2019年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを逃げて凡走、直線で粘り切れずにスピード負けした感じ。

「ステイヤーズSへ向けて」好材料:距離適正、騎手強化。悪材料:クラス負けの危険。

障害の絶対王者が2018年、何を思ったか有馬記念挑戦を表明して平場に再挑戦してきた、500万条件からの再出発になったが、開成山特別は稍重で3コーナーからの捲りが決まり快勝、この時は12秒台のラップで捲れるほどなのでレースレベルは低い。続く南部特別がまぁまぁのレースで、1000m過ぎからの超ロンスパ戦になった、この時は高速馬場ではあったが展開的にトップスピードの質を問われない流れだった、ここで持続力の高さを見せた。有馬記念では稍重でもトップスピードの質で見劣っている。さらにトップスピードの質で見劣ったのが2019年六社Sで、スローバランスからⅬ3最速戦にしてしまったので騎手のミスだと思う。L3で11.0を踏んだことで自慢の持続力が削がれているので、速いラップを踏んでしまうと簡単に失速するんだと思う。2019年アルゼンチン共和国杯でもスローバランスを逃げて凡走した、トップスピードの質が低い馬なのでなぜスローバランスにしたのか謎騎乗だった。

好材料は距離適正で、障害レースだが4000m以上のレースでも圧勝している、トップスピードの質が低いので消耗戦になれば期待が持てる。今回はミルコへ乗り替り、松岡騎手からの乗り替りなので当然大幅な騎手強化で好材料。悪材料はクラス負けの危険でメンバーは弱いと思うが、平場では2勝クラスしか勝っていない条件馬だという事は忘れない方が良いと思う。

<チェスナットコート>・心肺機能は低く、とパワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや高く持続力も高い。・ロンスパでは息が持たない。

・休み明け良くない、ハーツ産駒らしく疲れやすいが、間隔空けても走る。

”2018年目黒記念”ではスローバランスを中段から、直線は失速、この時が休み明け3走目。”2018年天皇賞春”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、直線外をスムースに回して5着。”2018年日経賞”ではスローバランスを中段の後ろから、L3から追い出して2着まで、持続力を見せてバテ差し。”2019年日経賞”ではスローバランスを中段のやや後ろ、後半のロンスパに対応できずに凡走。”2019年天皇賞(春)では高速馬場のL2最速戦で6着、L4で11.7に入っているがこの地点は下り坂で脚を使わずに済んだ。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを中段から、直線は伸びず、前半が速く心肺機能が足りなかった。”2019年丹頂S”ではスローバランスを中段から、L3で手応えが怪しくなり凡走、この時が休み明け。”2019年京都大賞典”では平均バランスを中段やや後ろから、終始最内を回したが直線伸びずに凡走。

「ステイヤーズSへ向けて」好材料:休み明け3走目、距離適正。悪材料:近走のリズムの悪さ。

2019年日経賞と2019年天皇賞(春)で展開が随分変わって、何が違うかと言えば、11秒台のラップをどこで踏むか。日経賞では稍重でL5から11秒台のラップを踏まされて凡走、天皇賞(春)では良馬場の高速馬場でL4の下りから11秒台でL2最速戦だった。心肺機能が低いために早目に速いラップを踏まされてしまうと一杯になってしまう。展開的にはスローからの3F戦が最も得意なタイプ。2018年の日経賞がスローバランスの3F戦と最も得意の形だった、ここでまぁまぁのトップスピードの質と高い持続力を見せた。ハーツクライ産駒らしく疲れやすいようで、2018年の目黒記念は間隔開け3走目で凡走した、2019年の目黒記念も休み明け3走目で凡走と、疲労には弱い。この馬は下河辺牧場生産で休み明けは良くない、2019年丹頂Sが休み明けで、OPを凡走しる程なのでピリッとしないどころではない。2019年京都大賞典では休み明け2走目でまだ仕上がっていなかった感じ。

好材料は休み明け3走目で上積みが期待できる点、この馬は非ノーザンF生産馬で下河辺牧場の生産なので外厩は期待できない。なので使いながら仕上げていく感じで今年の目黒記念も休み明け3走目、7着だが0.7差なので悪くはないと思う。距離適正は2018年天皇賞(春)が5着だし、今年の天皇賞(春)でも1.8秒差6着だがリッジマンには先着している。悪材料は近走の着順の悪さで休み明けだったが丹頂Sの9着は印象が悪い。前走も休み明け2走目の上積みに期待したが全く伸びなかったし、3着以内に入ったのは2018年日経賞まで遡らなければいけないので、不安は大きいと思う。