2020年根岸S 全頭評価。その4。

<ミッキーワイルド>・心肺機能は高く、パワーもある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”3歳500万条件芝”ではややハイペースバランスを2,3番手先行、直線L1でエントシャイデン3着を振り切って1着、心肺機能と持続力は見せたが2着の二コルハイウェイにハナ差まで差し込まれたのは印象悪い。”葵S”芝ではほぼ平均バランスを後方から、直線はスムースだったが伸びずに凡走、すぐ後ろに居たアサクサゲンキに明確にトップスピードの質で見劣り。”2018年10月東京1000万条件ダート”ではハイペースバランスを2番手から先行、直線粘って2着、初ダートで結果は出したが、ハイペースバランスから中緩みで12秒後半に落としているので、レースレベルは高くない。”2018年11月東京1000万条件”ではほぼ平均バランスをスタート悪くリカバリーして中段のやや前から、すぐ前のヴォ―ガを捉えきれず後ろからドリュウに差されてトップスピードの低さを見せた。”2019年1月京都1000万条件”ではハイペースバランスを2,3番手先行、直線は差が詰まらずに2着。”2019年鈴鹿特別”ではハイペースバランスを中段から、直線入り口でやや内に刺さったが、その後はスムースに加速してクビ差まで迫り2着、上り37.0でトップスピードの質が足りない。”2019年4月東京1000万条件”ではハイペースバランスを中段やや前外から、直線はL2半ばまで馬なりで先頭列に並びかけ、L1から追い出して持たせてしまい1着、この時がミルコ。”2019年麦秋S”ではややハイペースバランスを中段から、L2で先頭列に並びかけL1でバテ差し気味に突き放して圧勝、トップスピードの質と持続力だけでなく、L2で0.5位の加速を見せて瞬発力もまぁまぁ。”2019年プロキオンS”ではハイペースバランスを中段やや前から、直線スムースだったが2着まで。”2019年霜月S”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースに伸びて差し切り、この時が休み明け。

「根岸Sへ向けて」好材料:コース適正。 悪材料:特になし。

麦秋Sで準OPを圧勝したが、内容が圧巻でタイムも良かった。この時はトップスピードの質だけでなく、L2でまぁまぁの瞬発力も見せている。初の重賞挑戦になった2019年プロキオンSでは稍重でハイペースバランスを中段やや前から、すぐ前に居たアルクトスに半馬身差だったが、消耗戦で持続力の高さを見せた。この時は使い詰めだったのでロードカナロア産駒らしく、ストレスの影響が出た可能性はある。

休み明けで挑んだ2019年霜月Sではハイペースバランスを中段から、直線外からスムースに伸びて勝ち切った、ただゴール前でスマートアヴァロンに迫られているので、トップスピードの質はまぁまぁのレベルだと思う。もう少し前でレースをした方が良さが出そう。鈴鹿特別でも中段の後ろから消耗戦を差し損じ、キレッキレのトップスピードの質を持っていないことを見せている。

好材料はコース適正で霜月Sを勝っているし、麦秋Sも勝っているので相性が良いコース。ミルコへの乗り替りになるが、麦秋Sを勝った時の鞍上なので不安はない。その麦秋Sでは中段の前から進めたのは良かったが、L2の途中まで追い出しを待ってしまい結構慌てていたので、今回はそれを踏まえて早目に追い出すと思う。悪材料は特になく、3カ月弱の間隔空けもロードカナロア産駒であればむしろプラス、そもそもノーザンF生産馬に休み明けの不安は無いと言っても良いと思う。

<モズアスコット>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力も高い。”2018年阪急杯”ではほぼ平均バランスを中段の後ろから、直線は外から追い込んで2着まで。”2018年マイラーズC”では平均バランスを先行、粘ったところを差され2着、この時の1着がサングレーザー。”2018年安田記念”ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、直線はスワ―ヴリチャードの後ろから伸びてバテ差し1着。”2018年マイルCS”ではややスローバランスを中段の後ろから、直線全く伸びずに凡走。”2019年マイラーズC”ではスローバランスを中段から、直線全く伸びず。”2019年安田記念”ではスローバランスを中段のやや前から、直線は内からインディチャンプに一発もらったが、それを差し引いても全く伸びなかった、調教は良く体は出来ていた感じなので精神的な物かも。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを後方から、直線はスムースだったがジリジリと伸びただけ。”2019年スワンS”ではほぼ平均バランスを中段から、直線外からスムースに伸びて2着、まぁまぁのトップスピードと高い持続力でマイスタイルを差し切ったが、1着ダイアトニックにはトップスピードの質で見劣り、この時が中2週。”2019年マイルCS”ではスローバランスを中段から、直線全く伸びずに大敗、伸びない外からになった分を含めてもこのクラスでは苦しい。

「根岸Sへ向けて」好材料:距離適正。 悪材料:初ダート、休み明け。

2018年マイルCS以降どうも体調が良くないようで、香港マイルを挟んで2019年の始動戦であるマイラーズCでも、ダノンプレミアムに1.0秒も離されて7着と、2018年安田記念1着馬とは思えないほど。馬体重も2108年秋の始動戦だったスワンSで+10kg、これでロードクエストに後ろから差し切られてしまったし、マイルCSでも+2㎏で凡走、年明け初戦のマイラーズCでも+2㎏で凡走している、絞れないということはどこかおかしいのかな~。外厩は宇治田原優駿SでノーザンFと比べると可哀想、2018年安田記念を連闘で勝ち切ったように外厩に頼れないために、間隔開けずにレースを使って仕上げた方が良いのでしょうね。

2018年安田記念を振り返ると心肺機能とトップスピード、持続力の高さを見せたレースで、もちろんルメール騎手の直線のコース取りは素晴らしかった。2018年のマイラーズCも平均バランスで先行して2着に粘り切った、この時の1着がサングレーザーだったので心肺機能の高さは折り紙付きですね。非ノーザンF生産馬んなので外厩には頼れない、使い減りしないので使いながら良くなるタイプなんだと思う。

2019年毎日王冠で後方から1着ダノンキングリーにトップスピードの質で大きく見劣った、それでもジリジリとは伸びているので距離の問題というよりは、トップスピードの質が落ちてきた可能性がある。もちろんこの時は休み明けだったのでそこは割り引いて考えるべきだが、後方で足を溜めていながらダノンキングリーに比べて0.6も遅い上がりでは勝負にならない。

フランケルの産駒は旬が短い感じで、一度調子を崩すとなかなか復調してくれない、というか一度調子を崩すと復活しないんだよね~、ソウルスターリングも良くないしミスエルテは引退しちゃったからね~。と思っていたら2019年のスワンSで僅差の2着に好走してきた、休み明け2走目で中2週と一叩きされて少しはピリッとした感じ。2019年マイルCSでは終始外を回されたが、大敗してしまったのでこのクラスでは苦しいと思う。

好材料は距離適正で、マイルはやや長い感じになったので1400mはベストな距離だと思う。2019年スワンSでも1400mへの短縮で久々に2着に好走したので、距離自体は好材料だと思う。もちろんルメール騎手への乗り替りは好材料ですね。悪材料というか未知数なのが初ダート、フランケル産駒の芝複勝率は347、ダートは132なのでダート替わりで期待が上がるとは言えない。この馬は非ノーザンF生産馬で外厩は宇治田原優駿S、間隔空けると良くないので2か月半の間隔空けは良くないと思う。

<ワイドファラオ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

”京都未勝利戦”ではややスローバランスを逃げて2着、マイルだが内回り、L2で加速して2番手以下を引き離すも、外からスムースに加速したマイネルウィルトスに差される。”中京未勝利戦”ではややハイペースバランスを4番手で先行、坂を上り切ってから抜け出し1着、L1での垂が少なく持続力の高さを見せた。”ニュージーランドT”ではスローバランスを逃げ切り、L3で0.7の加速ラップを踏んでから終いまで落とさない持続力を見せた。高速馬場で前半かなり楽な展開で恵まれた感はある、翌日の隅田川特別が1:33.5なのでタイムには不満もある。”2019年NHKマイルC”ではややハイペースバランスを中段の前から、直線はトップスピードの質で見劣り9着まで。”2019年ユニコーンS”ではハイペースバランスを逃げ切り、L1で落しているがトップスピードの質が問われない展開で押し切れた。”2019年みやこS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、4コーナーで狭くなり下がってしまい5着まで。”2019年チャンピオンズC”ではややスローバランスを中段から、終始外を回したこともありL2で一杯になり凡走。

「根岸Sへ向けて」好材料:1400mへの短縮、コース適正。 悪材料:初の58㎏。

京都未勝利戦のL2で見せた瞬間的な加速は、逃げ馬として大きな武器になるが、外からスムースに加速したマイネルウィルトスに差されているようにトップスピードの質は高くはない。この辺りが京都コースの内・外の違いで、外回りは4コーナー出口がきつく外からスムースに加速するのが難しい。内回りはコーナー出口が緩やかなので、外からの加速が付きやすいこともも関係している。瞬間的な加速はニュージランドTでも見せていてL4からL3で0.7の加速、この時は番手のメイショウショウブが付いてきたが、メイショウも瞬間的な加速を武器にするタイプで、デイリー杯でのL3からL2への加速で見せている。直線でメイショウに詰め寄られたが振り切っていることからも持続力は高い物を見せているが、前半が楽をし過ぎていて高評価とまでは言えない。中京の未勝利戦でややハイペースバランスで勝ち切っている、当日はまぁまぁ時計の掛かる標準的な馬場で、タイム自体は割り引く必要はないと思うが、上がり3F35.3だったことから、NZTも含めてトップスピードの限界は見せた感じ。

NHKマイルCで芝でのトップスピードの質に見切りをつけたようでダートに矛先を替えてきた。初ダートのユニコーンSではハイペースバランスを逃げ切りと、道中のスピードとトップスピードの質が問われない展開での持続力を見せてきた。みやこSが残念な内容で、かなりのハイペースバランスを第2先行の形からバテ差しに行くところでアクシデントがあった、4コーナーでウェスタールンドが狭いところを割ってきた時に、接触もあって投げ出してしまった。馬群の中でコースを主張する程の闘志は持っていない感じ。ただこのアクシデントが無ければ先行勢では唯一好走できそうな感じは見せたし、ここにきて心肺機能も更に良くなった感じを見せた。2019年チャンピオンズCでは終始中段の外を回してL2で一杯、距離が長かったし終始外を回してしまい展開も合わなかった。

この馬は非ノーザンF生産馬で外厩は吉澤SW、その割に休み明けでも仕上がりが早く、2019年ニュージーランドT、2019年テレ玉杯を好走している、この辺りは名門角居厩舎の手腕でしょうね。2カ月弱の間隔になった2019年みやこSはありえない程のハイペースになったし、勝負所で不利も受けているので度外視していいと思う。

好材料は1400mへの短縮で、みやこSこそ不利もあった割に5着と着自体は悪くなかったが、1.2秒差だったので距離が長かった可能性はあるし、次のチャンピオンズCでも終始外を回したこともあり凡走しているので、1800mはハッキリと長いんだと思う。1400mはテレ玉杯でも好走しているし、ユニコーンSがマイル戦で勝ち切っているので短縮は良いはず。今回は福永騎手への乗り替りになるが、全盛期のミルコからだとハッキリとマイナスだが現状では割り引く必要はないと思う。福永騎手もテン乗りではなくユニコーンSを勝っているので、問題はないでしょう。

悪材料は初めての58㎏になる点で悪材料というか、未知数だからこその不安材料ですね。もちろん未知数なので消し材料にはなりませんが、高い評価はしにくいですね。

<ワンダーリーデル>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2018年BSイレブン賞”ではハイペースバランスを3,4番手の外から、直線は中目から伸びて1着、L2の11.8に反応して瞬発力はまぁまぁ。”2018年オータムリーフS”では平均バランスを中段の最内から、直線はⅬ1で一瞬待たされて3着まで、同じ位置に居たコパノキッキングと互角の動きで好評価。”2019年ジャニュアリーS”ではハイペースバランスを中段から、直線狭くなって3着まで、脚を余している。”2019年根岸S”ではハイペースバランスを中段やや前から、直線はジリジリ伸びたが5着まで、コパノキッキングにトップスピードで見劣ったがこの時は休み明け4走目。”2019年欅S”では平均バランスを中段から、直線はジリジリ伸びたが前を捉えきれずに3着まで、この時が休み明け。”2019年アハルテケS”ではハイペースバランスを中段から、4コーナー外から直線スムースに伸びて圧勝、まぁまぁのトップスピードの質と持続力の高さを見せた。”2019年グリーンチャンネルC”ではハイペースバランスを 中段の後ろから、直線は外からスムースにバテさして3着ま。”2019年武蔵野 S” ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3、4コーナーで最内を回し馬群に取り付いて直線はスムーズに外に出してから伸びて1着。”2019年チャンピオンズC”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだが伸びずに凡走。

「根岸Sへ向けて」好材料:コース適正、1400mへの短縮。 悪材料:2カ月強の間隔空け。

2018年BSイレブン賞は休み明け2走目、2018年オータムリーフSは休み明け2走目、2019年ジャニュアリーSは休み明け3走目。根岸Sは休み明け4走目、2019年フェブラリーSは休み明け5走目だった。休み明けはピリッとしないが休み明け2,3走目がベストで、それ以降は下降線というのがこの馬のパターンなのでしょう。この馬は非ノーザンF生産馬なのでどうしても外厩は弱い。

2018年オータムリーフではL2で勝ったコパノキッキングと同じ位置に居ながら、L1で前に詰まって待たされた分届かず3着だった。詰まった後も再加速しているので瞬発力はあるし、動き自体はコパノキッキングと互角だったので高評価。2019年ジャニュアリーSでは超ハイペースバランスを中段最内を回したとはいえ、直線狭くなりながらしっかり伸びた、1200とは言え心肺機能の高さと持続力は見せたので、稍重以上に悪化したマイルなら距離は持つはず。 2019年のアハルテケSでは重馬場になったことでマイルでも勝ち切れた、2019年武蔵野ステークスではハイペースバランスの1400m戦のようなレースになり 、 バテさす形で1着と展開次第ではマイルまで適正を見せている。2019年チャンピオンズCではでは後方から直線スムースだったが伸びずに凡走、1F長い。

好材料はコース適正で、東京のダートでは好走歴が多い、1400mも得意距離なので好材料でしょう。悪材料は2カ月強の間隔空けで、この馬は非ノーザンF生産馬なのでどうしても休み明けは良くない、2カ月強の間隔空けは過去に1回あって2016年5月の500万条件5着なので、あまり参考にはならないが、間隔空けは良くないと思うので不安材料ではある。