東京新聞杯 全頭評価。その3。

<サトノアーサー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2018年洛陽S”では稍重でハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースにバテ差して1着。”2018年メイS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線スムースに差し込み3着。”2018年エプソムC”では重馬場で平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー外を回して直線外からスムースに伸びて1着。”2018年毎日王冠”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線はスムースだったがトップスピードの質で見劣り6着。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線外からスムースだったが2着まで。”2019年キャピタルS”では不良馬場で平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが差せず差されて6着。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:コース適正。 悪材料:クラス負けの危険。

毎日杯ではスローバランスで高いトップスピードの質を見せて2着になっている、この時の1着がアルアインで3着がキセキなので、相手も強かった。ただ古馬になってからはトップスピードの質がやや下がった感じで、パワーと持続力、心肺機能の高さで好走するようになった。ディープインパクト産駒の割に瞬発力があまりないのも特徴で、スローバランスを中段よりも後ろから差す競馬では、取りこぼしも目立つ。

2018年の毎日王冠後に脚部不安で1年の休養、その復帰戦になったのが2019年ポートアイランドSでハイペースバランスを中段の後ろから、これをバテ差す形で2着までだった。この時の1着が54㎏のロードマイウェイだったので、ある程度の評価はすべきだと思うが、上がりが掛かる展開ではあったが3F34.4は馬場を考えるとやや不満。続くキャピタルSでは不良馬場で平均バランス、この時は中段のやや後ろから進めて、さすがルメール騎手という手綱さばきで4コーナー最内を回して直線入り口では先頭に並んでいたが、L1で一杯になって6着まで下がってしまったのは印象が良くない。道悪が原因でないことは2018年洛陽Sも稍重で勝ち切っているし、2018年エプソムCを重馬場で勝ち切っている。そのエプソムCでは中段やや前から進めて1着、この時は平均バランスだったので心肺機能の高さも見せた。

この馬はノーザンF生産馬で休み明けでも走る、長期休養明けだったポートアイランドSで2着だし、2018年洛陽Sは1着だったので、仕上げに不安はない。

好材料はコース適正で、メイS3着があるし重馬場だったがエプソムCでも勝ち切ってる。悪材料は長期休養明け後がイマイチな成績で、実はもともと良馬場の古馬混合重賞では結果が出ていない、毎日王冠で全く良いところなく6着とクラス負けの危険はあると思う。

<シャドウディーヴァ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

・前向き過ぎるところがあって、馬群の外だと掛かる。

”11月未勝利戦”ではスローバランスを中段から、直線は詰ったが馬群を割って伸びる、ドスローからのトップスピード戦になり瞬発力とトップスピードの高さを見せた。”フリージア賞”ではスローバランスを馬群の外で進めて掛かり気味、直線もバランスを崩しながらで伸びきれず3着、中盤迄掛かっていた。”フラワーC”ではスローバランスを中段の後ろから、最内を進めて折り合えたが直線は4着まで。”フローラS”ではスローバランスを中段の最内から、直線は詰ってL1でバテ差しハナ差2着、ここでもやや掛かり気味、詰まってから馬群を割る闘志は見せた。”オークス”では平均バランスを中段の最内から、直線はジリジリまで、疲労の影響かも。”ローズS”ではスローバランスを中段の前から、直線全く反応なく凡走、初輸送の影響だと思う。”秋華賞”では平均バランスを中段から、稍重で消耗戦になりバテ差し4着、直線入り口で狭くなり一瞬待たされているので、スムースだったら・・・。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを後方から、直線スムースだったが届かず、この時が休み明け3走目。”2019年常総S”では平均バランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースににけだし押し切り。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:コース適正。 悪材料:クラス負けの危険。

馬群割る闘志や瞬発力の高さなど、ハーツクライ産駒らしからぬ馬でヌーヴォレコルトに近い感じかな。フローラSでは内枠から中段の最内を進めたが、それでもやや掛かり気味だったので気持ちが前向き過ぎる感じ。直線詰まってしまい普通のハーツ産駒ならここでレースは終わるはず、ところがここから馬群を割って一気に伸びた、もちろんL1は11.5とバテ差しの形だが自身は11.2くらいは出ているはずで、持続力を発揮している。オークスでは平均バランスを中段やや前からレースをして、まずまずの結果だったので、心肺機能はまずまずのものを持っていると思う。フローラSからもトップスピードの質が高いとまでは言えないと思う、瞬発力はまぁまぁの物を持っているが、スムースに持続力を生かした方が良いと思う。

ローズSは初輸送、初右回りでレースにならなかったが、本番の秋華賞では栗東滞在でしっかり調整してきた。中段から進めたが直線入り口で狭くなり一瞬待たされてしまった、松山騎手の弱い部分が出てしまった感じ。前が空いてからの伸びは良かったのでスムースなら2,3着はあったと思う。2019年エリザベス女王杯では後方から凡走、休み明け3走目で疲労の影響が疑われる。2019年常総Sでは平均バランスを離れた追走集団の前からなので、自身はややスローくらいだと思うのでややロンスパと考えて良いと思う、これを3,4コーナー早目に捲り追い込みで押し切っている、その上L2最速戦で11.5だからまぁまぁのトップスピードの質を見せた。ただ直線入り口で手前を替えたタイミングだと思うが、体がやや左に流れているので右回りにはやや不安がある。

この馬はノーザンF生産馬だがどうも休み明けがピリッとしない、フリージア賞では1番人気に支持されながら3着、道中掛かっていたし直線もバランスを崩していた。同じコースで行われたフローラSとは別馬のようだった。ローズSは休み明けだけでなく、初輸送の影響もあったと思う。疲労の影響が顕著に出たのが2019年エリザベス女王杯で全く良いところなく凡走、間隔空けず出走した常総Sを勝ち切っていることを考えると、肉体的な疲労よりも精神的な疲労の影響が大きいと思われる。

好材料はコース適正でオークスで0.5秒差6着を含めて1-3-1-1と好相性、右回りよりも左回りの成績が顕著に良いのも好材料だと思う。岩田騎手への乗り替りも好走実績十分でプラス材料でしょう。悪材料はクラス負けの危険で、前走は格下げ戦を勝ち切ったが古馬重賞は初めて、当然クラス負けの危険はあると思う。

<ドーヴァー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高いバテ差し型。

”2017年中山1000万条件”ではスローバランスを2番手先行、L2で11.0のラップを踏んで⒉馬身ほど出し抜いて押し切り。”2018年奥多摩S”では平均バランスを中段から、L1まで前に詰まってのバテの差しで1着、1:20.4はまぁまぁ。”2019年ニューイヤーS”では”超ハイペースバランスを中段から、バテ差し1着。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段から、直線外に出して追い込むも伸びず。”2019年京王杯SC”では平均バランスを中段から、トップスピードの質で見劣り8着。”2019年キャピタルS”では不良馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の中段の後ろから、終始最内を回して直線スムースにバテ差し1着。”2020年京都金杯”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:クラス負けの危険。

アドマイヤムーン産駒らしくハイペースバランスや道悪での消耗戦を得意としている、それが顕著に出たのが2019年キャピタルSでこの時は不良馬場、しかもハイペースバランスで消耗戦になっている。これを中段の後ろから進めてバテ差し1着、トップスピードの質が問われない展開で好走した。良馬場で好走したのが2018年奥多摩Sでこの時は平均バランスを押し切った、同日のオーロCと内容を比べると見劣りする。次の2019年ニューイヤーSが超ハイペースバランスで圧勝している、ここでも上り3F34.6とトップスピードの質が問われていない。

逆にトップスピードの質で見劣り凡走したのが2019年京王杯SC、2020年京都金杯だった。ハイペースバランスの消耗戦で凡走したのが2019年ダービー卿CTで、3,4コーナー外を回して直線伸びなかった。2か月半前のニューイヤーSと自身の走破タイムで0.3秒速く、上り3Fで0.4秒速かった、これでも凡走しているのでクラス負けの結果だと思う。

好材料は見つけにくく一応奥多摩Sを勝っているのでコース適正は良いと思う。悪材料はクラス負けの危険でダービー卿CTを見てもこのクラスでは足りない感じだし、京王杯SCではハッキリとトップスピードの質で見劣っている。もちろん道悪になれば問答無用で買うべき馬ですが。

コメント

  1. あれま より:

    クラス負けの危険。
    のコメントはお控えになってはいかが?
    来ることよくあるでしょう?

    研究熱心でとても私には及ばない鑑識眼をもたれた方なので、期待してお書きしています。

    • みやや より:

      あれまさん、コメントありがとうございます。
      仰る通りディープ産駒などは格上げ戦であっさり勝っちゃいますからね~、ベストアクターなんて見事な勝ちっぷりでした。
      同じクラスでもレース内容によってレベル差もあるので、もう少し精度上げて行けるよう努力を続けます。
      ご指摘ありがとうございました。