2020年函館SS 全頭評価。その1。

2016年より芝が変ったのかかなりの高速馬場になっていて、良馬場では1分7秒台の決着になっている、当然持ち時計の無い馬には厳しく3着以内の馬は1:08.0以下の持ち時計があった。他は3歳馬で軽ハンデだったので、今年は良馬場ならば1:08.0の持ち時計が一つの目安になりそうです。

赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。

<アリンナ>・心肺機能は低い、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はまぁまぁ。

”2019年浜松S”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが6着まで。”2020年サンライズS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが息切れ凡走。”2020年豊明S”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが7着まで。”2020年船橋S”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線ジリジリ伸びて3着。”2020年バーデンバーデンC”ではややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。

「函館SSへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>サンライズSでハイペースバランスを中段の前から、直線では早々に失速しているので、心肺機能は低い。

<パワーについて>船橋Sで中山の急坂を苦にしなかったので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>サンライズSで直線一杯になっているのは瞬発力の低さもあるが、L2で10.9に対応できていないことも大きな敗因だと思う、この程度の加速もできないところを見る瞬発力は期待できない。

<トップスピードの質について>これがまぁまぁしかないので、後方からでは届かないレースが多い。浜松Sで自身よりも後ろから直線に入った、ブリディカメントやキアロスクーロに差されているし、豊明Sでも自身よりも後ろからビリーバーに差されている。

<持続力について>これもままあの評価でL1ではどうしてもスピードが鈍り、自身よりも後ろから差されてしまう。

<その他について>バーデンバーデンCを勝ってOP入りしたが、この時はハイペースバランスを後方からで心肺機能は問われず、直線も外からスムースで差し切れたが、2着アンプロジオが二桁着順の常連なので、レースレベルは大いに疑問。余程展開が嵌らない限りOPでは苦しいと思う。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、OPでは武器になる特徴が無く、2019年道新スポーツ杯のように道悪にでもならないと苦しいはず。持ち時計も未達。

<エイティーンガール>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年桂川S”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2019年浜松S”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線前が壁になり凡走。”2019年ファイナルS”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに差し切り。”2020年シルクロードS”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年鞍馬S”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースだったが3着まで。

「函館SSへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

<心肺機能について>桂川Sで平均バランスを中段から進め、スムースだったがアイラブテーラーに差し切られてしまった、葵Sでも平均バランスで良くなかったし、前半ペースが上がると後半は失速してしまうんだと思う。

<パワーについて>ファイナルSが良い内容で、レースラップはL2が11.7にも拘わらず、L1で11.5に上げている、このL1ラップはこの馬のラップなので、坂でも失速せずしっかりと踏ん張った。

<瞬発力について>浜松Sで直線詰まってしまい、再加速に手間取り凡走したので、瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>ハイペースバランスをバテ差す形で良さを見せているように、トップスピードの質は高くはないが、まぁまぁの評価はできる。鞍馬Sですぐ前に居たタイセイアベニールを捉えきれなかった。

<持続力について>バテ差しになれば高い持続力を発揮するのは、ファイナルS、シルクロードS、鞍馬Sで見せている。

<その他について>心肺機能が低いので、後方からのバテ差しが得意パターンになっているが、当然展開待ちになり馬場状態次第では届かず凡走の危険を孕んでいる。非ノーザンF生産馬だが休み明けを苦にしない。

好材料はコース適性で、函館は初めてだが今の函館は洋芝だが高速馬場で、かなり軽い印象がある。平坦コースの京都で好走しているので、右回りでもありこなせると思う。休み明け2走目の上積みも期待できる。悪材料は特にないが、脚質が脚質だけに展開待ちは否めない、良馬場ではなかなかバテ差しも効かないと思うので、届かない危険は十分ある。前走1:07.8で走っているので、持ち時計はクリアしている。

<グランドボヌール>・心肺機能はやや足りない、パワーは有る。

・トップスピードの質は低く持続力タイプ。

・前半34.0が分水嶺でそれ以下では凡走。”トリトンS”ではスローバランスを2番手先行して押し切り、左回り、前半34.9。”淀短距離S”ではハイペースバランスを2番手先行して凡走、前半34.0、右回り。”フリーウェイS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、前半34.0、左回り、休み明け。”2019年安土城S”ではややハイペースバランスを3番手の外から先行、直線は早々に一杯になり凡走、心肺機能の低さを見せた。”2019年CBC賞”では不良馬場の平均バランスを3,4番手先行、L3,L2でトップスピードの質で見劣り流れ込むだけ。”2019年中京記念”では平均バランスを2番手先行、直線入り口で先頭に立ったがL1で一杯になり5着まで。”2019年阪神C”では平均バランスを2番手先行、直線入り口で一杯になり凡走。”2020年オーシャンS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムース、そのまま粘って4着。

「函館SSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

安土城Sも心肺機能の低さを見せてしまった、前半33.9なのでこの馬の好走できるレンジではない。安土城Sが前半33.9のハイペースバランスで10着、トリトンSが前半34.9のスローバランスで1着、淀短距離Sが前半34.0のハイペースバランスで11着、中京日経賞が前半34.6のスローバランスで1着、三鷹特別が前半33.8のハイペースバランスで10着、神奈川新聞杯が前半35.7のスローバランスで5着だがこの時は休み明け。休み明けと前半34.0以下のスローバランス、これがこの馬の分水嶺ですね。

上記の好走条件なら1200~1400では安定しているどころか勝ち切っているので、思い切って最後方からレースを進めるようだと、自身はスローバランスになるはずで、届くかどうかにはなるがチャンスはありそうだが、ここまではっきりした特性を示しているにも関わらず、今まで後方から進めたことはないので1度試して欲しいけどね。

一点だけ覚えておきたいのは、こういうタイプの馬は重馬場以上に悪化した時に台頭する可能性ですね、この馬は重馬場を走ったことが無いのですが、持っているスピードが芝の短距離では足りないうえに、心肺機能も低いが中京で3勝しているようにパワーは有りそう。馬場が悪化して速いラップを要求されなければ、可能性は少し上がるかもしれませんね。

2019年CBC賞ではその不良馬場の中で3,4番手先行、最内からコースロスが無かったが、L3,L2でトップスピードの質で見劣った。不良馬場の前半34.9は速かった可能性がある、元々心肺機能が低いので平均バランスから、L3、L2でもう一足求められる展開では苦しい。2019年中京記念では稍重で平均バランスを2番手先行、直線入り口で先頭に立ったがL1で一杯になった、この時の前半3Fが35.3で好走条件に合っているがL1で失速しているので1F長かったんだと思う。この感じだと1400mの道悪がベスト条件になりそう。2019年阪神Cでは前半33.9で逃げて凡走。意外な持続力を見せたのが2020年オーシャンSで、この時はハイペースバランスを中段から、自身でもややハイペースバランスで33秒台には入っていたはず、これを粘って4着だったが3着タワーオブロンドンとハナ差だった、もちろんタワーが万全ではなかったが1200mならば前半33秒台でも持つことは示した。ただ相手関係や3着タワーオブロンドンが、昨年使い詰めの影響でかなり力が落ちていたことを踏まえると、高い評価はしない方が良いと思う。走破時計も1着ダノンスマッシュより0.7秒も遅い、1200mで0.7秒差は致命的だからね。

好材料は距離適性で、前走の4着は3着タワーオブロンドンとハナ差なので驚いた。ただタワーオブロンドンのその後を見ると、昨年使い詰めだった影響でかなり力が落ちているし、58kgを背負っていたことを考えると高くは評価できない、ナックビーナスから3馬身も離されてるからね。中山はL1が急坂なのでトップスピードの質も問われなかったし、キングハートは中段より後ろから、ダイメイプリンセスは大幅な体重減で本調子ではなかった、かなり恵まれたよね。それでも1200mでハイペースバランスを中段から進めて4着なら好材料で良いと思う。悪材料は前走で0.7秒も差を付けられているのでクラス負けの危険、目安になる1:08.0に0.1秒足りないので悪材料で良いと思う。