2022年東京新聞杯 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<トーラスジェミニ>・心肺機能は高い、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2020年中山2勝クラス”ではややハイペースバランスを逃げて押し切り。”2020年節分S”ではスローバランスを逃げて凡走。”2020年但馬S”ではスローバランスを2番手から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着。”2020年幕張S”ではハイペースバランスを逃げて押し切り。”2020年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを逃げて3着。”2020年巴賞”ではスローバランスを逃げ切り。”2020年函館記念”では平均バランスを逃げて4着。”2020年札幌記念”ではスローバランスを逃げて凡走。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを逃げて凡走、良馬場並みのハイペースで自滅した。”2020年福島記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線早々に一杯になり凡走。”2020年ディセンバーS”ではスローバランスを逃げ切り。”2021年小倉大賞典”ではややハイペースバランスを逃げて凡走。”2021年東風S”では重馬場でハイペースバランスを逃げ切り。”2021年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年安田記念”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2021年札幌記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2021年毎日王冠”では平均バランスを逃げて凡走。”2022年京都金杯”ではややハイペースバランスをやや離れた中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:展開。

<心肺機能について>勝った2019年中山2勝クラスがややハイペースバランス、現状でこの馬のベストレースと言ってよい幕張Sがハイペースバランスで押し切っている。かなり高い心肺機能を見せていて、十分武器になると思う。2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを逃げて3着、改めて心肺機能の高さを見せた。2020年函館記念でも平均バランスを逃げて4着、先行馬の中では唯一掲示板に残っているので、ここでも心肺機能の高さを見せた。2020年毎日王冠では稍重にもかかわらず、良馬場並みのハイペースで逃げてしまいさすがに凡走した。2021年ディセンバーSではスローからの後半5F戦に持ち込み逃げ切り、心肺機能と持続力の高さを見せた。2021年七夕賞では稍重でハイペースバランスを2番手先行で押し切り、心肺機能の高さを見せた。

<パワーについて>中山2勝クラス、幕張Sと中山の坂をものともしないで押し切っているので、高いパワーを見せた。2021年東風Sではハイペースバランスを逃げ切り、この時は58㎏のトップハンデで1㎏軽いボンセルヴィーソをクビ差抑えたのは好印象。

<瞬発力について>2021年毎日王冠では中緩みを作ってしまい凡走、一旦緩めると再加速をしてくれない感じ。

<トップスピードの質について>ハッキリ低い、スローバランスで逃げた節分S、スローバランスを容認して2番手から進めた但馬Sで凡走している。トップスピードの質で勝負する馬ではない。面白いのが2020年巴賞で、この時は前半800m49.1、後半800m46.9とかなりのスローバランスを逃げ切り、この展開ならば通常ならばトップスピードの質で見劣るはずだが、L5から11秒台に入れてL1まで11秒台で踏ん張っている、トップスピードの質を補うにはこれが正解かもしれない。2021年小倉大賞典ではややハイペースバランスを逃げて凡走、この時は高速馬場だったが4F目、5F目で11.3を踏んでしまったので、トップスピードの質と言うかAT値を超えてしまった感じ。2021年毎日王冠では平均バランスを逃げて凡走、中緩みを作ってしまい3F戦にした騎手が大問題。

<持続力について>幕張Sが非常に良い内容でL1で12.7まで落しているが、2着アラガスをしっかりと押さえ切ったし、中山2勝クラスでもL1が12.4だが終始11秒台のラップを踏んで押し切るなど、高い持続力を見せている。2020年巴賞で5F戦を11秒台連発で逃げ切っているので、改めて持続力の高さを見せた。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の前からで自身スローバランス、L5から11秒台に入っていて直線早々に一杯になっているので、距離の可能性が高い。2021年安田記念ではスローバランスを2番手から、持続力は見せたがトップスピードの質では見劣り。

<その他について>まずダービー卿CTの敗因だが、恐らく使い詰めの疲労だと思う。何しろ使い方がめちゃくちゃで動物愛護団体に糾弾されそう。2歳7月にデビューして6カ月で9戦も走らせ、これが祟ったか1年の休養を余儀なくされる、まぁこの間にもダービーに登録していたようなので、馬のことなど全く考えていない感じ。復帰したのが2019年秋で、ここからまたもや懲りずに使い続ける。5カ月で7走も使ってダービー卿CTで凡走と、まぁ当然と言えば当然の凡走だった。2020年エプソムCで不良馬場をハイペースにして3着に粘った、心肺機能は見せていたが道悪適性も見せた。

2020年函館記念ではL1で失速しているので、平均バランスでは2000mは1F長いかもしれない。2020年札幌記念ではスローからの4F戦を逃げたが、L1で一杯になっている、決して苦手な展開ではなかったが、ここまで失速したのは使い詰めの影響だと思う。2020年福島記念でも休みなく使われて逃げて凡走、一緒に逃げていたテリトーリアルが3着なので、疲労の影響は大きいはず。2021年ダービー卿CTではトップハンデの57㎏で凡走。2021年札幌記念ではL4で反応が悪く凡走した、使い詰めの反動が出た感じ。

2022年京都金杯の負け方から、前半が速くなると苦しくなる傾向が見られる。前後半のバランスでハイペースバランスが悪い訳ではなく、単純に前半800mを46秒台前半よりも速いと苦しくなる感じ。なので前半ゆったり入って、後半も時計の掛かる時に激走しそう。

好材料はコース適性で、安田記念で5着があるので好相性。休み明け2走目も上積みが期待できる。悪材料は展開で、この馬は前半が速くなると苦しくなるが、前半が遅くても後半速い上がりを使えるわけではない。なので前半ゆったり入って後半も時計が掛かる条件が必要。さらに中緩みを作ってしまうと良くないので、外的要因と騎手のペース認識の両方が噛み合わないと好走は見込めない。

適性:竹

<ファインルージュ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。 

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 2着 ややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。
未勝利戦 1着 稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
フェアリーS 1着 ややハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り圧勝。
桜花賞 3着 ややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。
オークス 13着 平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。L2で一杯になったので距離適性を見せてしまった。
紫苑S 1着 スローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。持続力の高さを見せた。
秋華賞 2着 スローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着まで。持続力は見せた。
総評
新馬戦では4コーナーでペースが上がったところで置かれているので、瞬発力が低い可能性がある。未勝利戦ではスローバランスで直線L2標識まで馬群の中、流れていたので待たされていないが、ここからやや高いトップスピードの質を見せた。L1でも持ったまま圧勝したので持続力も見せている。フェアリーSではややハイペースバランスを中段の後ろから、L4から捲り気味に上がって行ったので、持続力の高さを見せた。桜花賞ではややハイペースバランスを中段やや前で、自身平均くらいで心肺機能で若干見劣った感じ。オークスではL2で一杯、母系を見ると短距離型と見て良いと思う。

紫苑Sではスローからの5F戦になっていて、中段やや前からL3で上がって行った、外からなので11秒台の前半に入っていたはずで、L2の11.4で先頭に並んでいるので、自身は11.0位を踏んでいるはず、持続力だけでなくやや高いトップスピードの質も見せている。秋華賞では中段やや後ろから、4コーナーで外を回した分だけ届かなかった感じで、パワーと持続力の高さを見せた。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

好材料は距離適性で、この馬自身マイル以下は2-1-1-0、母系からも短い方が良さそうなので距離適性は合うと思う。悪材料は特になく、初の古馬混合の重賞だが、桜花賞で0.1差のソダシが、札幌記念を快勝しているのでいきなりでも勝負になると思う。休み明けはノーザンF生産馬で、桜花賞3着、紫苑S1着とむしろ得意。秋華賞で初手の位置取りがやや後ろになったので、届かない可能性はあるかな~。

適性:松

<プリンスリターン>・心肺機能はやや高い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力はやや高い。

”新馬戦”ではややハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー外目を回して直線バテ差しで1着。”函館2歳S”ではハイペースバランスを中段の前から、直線はスムースだったがタイセイビジョンにトップスピードの質で見劣り3着まで。”すずらん賞”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り6着まで。”ききょうS”ではスローバランスを2番手先行、直線入り口で先頭に立ち押し切り。”2019年朝日杯FS”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナーやや外目を回して直線外からバテ差しで5着まで。”シンザン記念”では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出したが2着。”アーリントンC”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して粘ったが3着まで。”2020年NHKマイルC”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年谷川岳S”ではスローバランスを少頭数の中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年米子S”では重馬場でややハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず凡走。”2021年小倉日経OP”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年ポートアイランドS”では平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年キャピタルS”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、休み明け。

新馬戦、函館2歳Sとハイペースバランスを先行して好走してきたが、函館2歳Sでタイセイビジョンにトップスピードの質で見劣り、ビュッフェには持続力で見劣ったためかすずらん賞では後方からのレースを試した、当然のようにトップスピードの質で見劣って6着に凡走。これを受けてききょうSでは先行して押し切った。2019年朝日杯FSではかなりのハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナーやや外を回したがコーナーリングがぎこちなく直線入り口でもバランスを崩している、ききょうSでも直線入り口で手前を替える時に左に寄れているので、手前を替える時にスムースさを欠く癖があるのだと思う。左回りで再度評価をしておいた方が良い。

朝日杯FSではなぜか中段の後ろまで下げてしまい、直線入り口ですぐ隣に居たタイセイビジョンに瞬発力とトップスピードの質で大きく見劣った、ところがL1ではバテ差しでジリジリと差を詰めているので、差しに回っては分が悪い。これは戦前から分かっていたことだが、ここで騎手不安が出てしまった。シンザン記念では平均バランスを先行して押し切る寸前で2着、この時の1着がサンクテュエールで悪くはないがやや物足りない。ここではシッカリと先行したが、平均バランスでもまだ遅い感じ。

アーリントンCではハイペースバランスを先行、タイセイビジョンとギルデットミラーに差されたが、この時は休み明けで右回りもあり直線でバランスが悪かった。朝日杯FSでも休み明けで直線でバランスが悪かった。この馬は非ノーザンF生産馬で休み明けが良くないのは朝日杯FS、アーリントで見せている。特にアーリントンCでは休み明けでマイナス4㎏、大きな馬ではないし3歳春の段階で休み明けマイナス体重は今後に不安を残した。NHKマイルCではスタートがイマイチで中段の前から、平均バランスだが馬場を考えると遅過ぎて直線トップスピードの質で見劣り凡走。

2021年谷川岳Sでは少頭数の中段から、直線全く伸びていない。2021年米子Sでは重馬場が良くなかったのか、直線入り口では中段の後ろになり届かず凡走。2021年小倉日経OPではスローからの4F戦で差し切り、持続力の高さを見せた。2021年ポートアイランドSでは中緩みのない平均バランスを中段やや前から差し切り、まぁまぁの心肺機能と持続力の高さを見せた。2021年キャピタルSでは中段から、中緩みがあってからの3F戦で、直線入り口では前が壁になっているがこの地点では加速ラップなのでブレーキしていない。L2で進路変更してからⅬ1で差し切ったので持続力の高さを見せた。

好材料はコース適性で、前走のキャピタルSで同コースを勝っている。マイルは2連勝しているので距離適性も良い。悪材料はクラス負けの危険で、OPとリステッドを3連勝しているが、前走のキャピタルSは2着がトラインで昨年のこのレース5着、昨年のこのレースでは1着のカラテとトラインの差が0.4秒なので、単純な比較ではカラテから0.1秒後ろに居るはず。勝ち切るのは難しいかも。この馬は非ノーザンF生産で外厩はアカデミー牧場を使っています、意外と言っては失礼だが休み明けでも走っているので、大きな不安はないが。

適性:竹