2021年マイラーズC 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<カイザーミノル>・心肺機能はやや高く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
納谷橋S 7着 ややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。この時休み明け。
秋風S 7着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。トップスピードの質が低く差せなかった。
大原S 5着 稍重でややスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、ここでもトップスピードの質で見劣り。
キタサンブラックM 7着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが7着まで。バテている感じはないので、心肺機能はまぁまぁ。
斑鳩S 1着 ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。1400で中緩みがなかったために、バテ差しが効いた。
2021年オーシャンS 5着 ややハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。前残りの馬場を読み切った横山典騎手の好判断だったが、L2で0.2の加速に対応できなかった。
総評
マイル戦ではトップスピードの質で見劣ったが、これは中緩みから再加速するのに手間取ることも原因。斑鳩Sで1400mらしい一本調子のペースを差し切ったように、バテ差しが効く展開ならばよさを見せる。非ノーザンF生産馬で、休み明けは走ったり凡走したりで信用できない。

「マイラーズCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はコース適性で天神橋Sで同コース1着。悪材料はクラス負けの危険で、前走初めての重賞で5着、稍重だったが前残りを読み切った好騎乗だったので、額面通りには受け取れない。天神橋Sを見るとキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、差しに回ると危険だなので荻野極騎手だと危ない感じ。

適性:梅

<ギベオン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力の高い先行粘り込みタイプ。

・良馬場で2000mまで、渋れば1800までだったが、良馬場でもペースが上がると2000mでも長い。

”2018年NHKマイルC”では平均バランスのハイペースを中段の前から直線L2で抜け出したところをトップスピードの差でケイアイノーテックに差される。”2018年セントライト記念”では大きく離れた追走集団の3番手で実質スローバランス、L3から仕掛けてしまいL1で息切れ大敗。”2018年中日新聞杯”では離れた追走集団の中段から実質スローバランスをL2手前から仕掛けて、一旦ショウナンバッハに前に出られるも差し返して辛勝、トップスピードの質では見劣ったが、2Fの持続力で勝ち切った感じ。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを先行したが稍重の影響かL1で失速、休み明けだったがL1まで踏ん張っていたので休み明けも走るが・・・。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを先行集団の5番手から、L1の坂で苦しくなって5着、斤量が57.5㎏でハイペースを追走してしまい力尽きた。”2019年鳴尾記念”ではスローバランスを躓き後方から、直線外に出すもトップスピードが足りずに4着まで。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを中段から、直線内からスムースだったがトップスピードの質で見劣り7着まで、この時が休み明け。”2019年チャレンジC”ではスローバランスを中段から、4コーナー馬群の中から進め直線も前が壁になり押し出せずに凡走。”2020年中山金杯”では中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時が57.5㎏。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線詰まって4着まで。”2020年新潟大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回し直線スムースだったがL1で一杯。”2020年中日新聞杯”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年白富士S”ではスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線狭くなって流れ込むだけ。”2021年金鯱賞”では重馬場でややスローバランスを逃げ切り。

「マイラーズCへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:・・・。

2019年ダービー卿CTは57.5㎏で前半800m45.1というハイペースバランスを、先行集団に取り付いていた。L2までは踏ん張っていたがさすがにバテて、後方からも差されているが、差してきたプリモシーンは54㎏、ダイアトニックは55㎏、同じ位置に居て3着のマイスタイルは55㎏、前に居て勝ち切ったのが55㎏のフィアーノロマノだから、斤量を考えれば大健闘かもしれない。NHKマイルCを見ても分かるようにトップスピードの質は高くないし瞬発力も低い、しかし持続力は高いので平均バランスを先行すれば垂れない。

2019年金鯱賞ではスローバランスを先行してL1で失速、これは休み明けと稍重馬場で1F長かったのかも。2018年中日新聞杯でも平均バランスを中段からバテ差す格好で伸びた、ショウナンバッハにあわやの所まで詰め寄られてしまったのは、おそらく休み明けの影響でしょうね。2019年毎日王冠でもトップスピードの質で見劣り7着だったが、この時も休み明け。2019年チャレンジCではデットーリ騎手が中段から進めてしまい、終始馬群の中から直線に入って前が壁になり凡走、トップスピードの質と瞬発力の無さを露呈してしまった。

弱点のトップスピードと瞬発力を誤魔化せるのが阪神コースで、阪神は1-1-0-1、これはL3、L2が下り坂で動き出しの瞬発力をごまかせるからでしょうね。2020年中山金杯ではややスローバランスを中段やや前から、スムースにレースをしたが直線伸びずに凡走した、この時は57.5㎏を背負っていた。L1で一杯になっていたので2000mは1F長い可能性が高い。2020年金鯱賞ではスローバランスを3,4番手から最内を回したが、直線入り口で福永騎手お得意のどん詰まりで4着まで、瞬発力とトップスピードの低さを見せた。この馬は社台F生産馬なので休み明けが良くない、セントライト記念、2019年金鯱賞、2019年毎日王冠と良くなかった。

2020年新潟大賞典では中段の後ろから、終始スムースだったが伸びずに凡走した、トップスピードの質が低いにもかかわらず出たなりで中段の後ろだったので、騎手が岩田望騎手なので調教師の指示だった可能性がある。57.5㎏で斤量も重かったし2か月の間隔空けも良くなかったが、L1で一杯になっているので距離も2000mは長くなってきたかもしれない。2020年エプソムCでは不良馬場で1F長くなってしまいL1で一杯になった。2020年中日新聞杯では中段やや後ろから、直線スムースだったが伸びなかったのはトップスピードの質が低いから、岩田望騎手は3度目の騎乗で前走と同じような負け方。2021年白富士Sでは先行したが、直線で狭くなってしまい追い出しが遅れて5着まで、この時は59㎏も影響したはずだが、スムースでなかったことが致命傷になった。2021年金鯱賞では重馬場でややスローバランスを逃げ切り、トップスピードの質が問われない展開に持ち込んだことで良さが出た。

好材料は距離適性で、NHKマイルC2着なのでマイルは合うはず。悪材料は・・・、まず前走金鯱賞が重馬場で古馬重賞初勝利、展開が向いたのでクラス負けの危険は引き続きあると思う。トップスピードの質では勝負できないと思うのは変わらず、高速馬場でスローバランスになると怪しくなると思う。

適性:竹

<ケイデンスコール>・心肺機能はやや低い、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや高い、持続力もある。

・前半が速くなると後半苦しくなる。

“新潟2歳S”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、直線は大外をスムースに加速してトップスピードの質と持続力で差し切り。”朝日FS”ではスローバランスを後方から、追走一杯になってしまい凡走、休み明けの影響か。”毎日杯”ではスローバランスを中段やや後ろの最内から、直線は前が壁になるシーンもあったがジリジリ伸びて4着、800m48.7で最内を回せたことが大きかったか感じ、スムースに外を回したヴァンドギャルドに差されたのは進路取りの差。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段の後ろから、直線はスムースに外に出して追い込むも2着まで、トップスピードの高さと持続力は見せた。”2019年関屋記念”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが伸びず。”2019年キャピタルS”では不良馬場で平均バランスを中段の後から、直線スムースだったが全く伸びずに殿負け。”2020年東京新聞杯”では平均バランスを中段から、直線スムースに外目に出したが伸びずに凡走。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年新潟大賞典”ではややハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年ポートアイランドS”ではややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線詰まって凡走。”2020年信越S”では平均バランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず5着まで。”2020年オーロC”ではややスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに6着まで。”2021年京都金杯(中京)”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線1回進路変更したがスムースに伸びて1着。”2021年中山記念”では平均バランスを離れた追走集団の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて2着。

「マイラーズCへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

トップスピードの質、持続力自体は高い物を見せていて、NHKマイルCではハイペースバランスを中段の後ろから、2着まで持ってきた。新潟2歳Sと毎日杯で見せたトップスピードの質と持続力も破壊力十分、これを生かすためにも前半いかに無理をしないかが重要、瞬発力はあまり高くないようなので内枠で、直線捌けないようだと苦戦しそう。外目の枠から直線スムースに加速できた方がいいと思う。

休み明けがどうもピリッとしない、ノーザンファーム生産馬だが3か月半の休み明けだった朝日FSが13着、3カ月強の休み明けだった毎日杯が4着と一叩きされた方がいい感じ。2019年関屋記念ではややスローバランスを中段の後ろからスムースに直線に入ったが、全く伸びずに凡走。同じ位置で直線に入った1着ミッキーグローリーにはっきりとトップスピードの質と持続力で見劣り、後ろからロードクエストにも差されている、この時が休み明け。2019年キャピタルSでは不良馬場が影響したのか、休み明けなのか分からないが殿負けだった。両方が影響した可能性が高いと思うが。

母系を見るともう少し長い距離の方が良いのかもしれない、叔父にフェイムゲームが居るくらいなので、もしかしたら中長距離の方が良いのかも。2020年東京新聞杯でも中段から進めて伸びなかった、トップスピードの質で見劣っただけでなく休み明けも良くなかったはず。2020年金鯱賞では中段から進めて凡走、休み明け2走目で距離延長と変わり身を見せられるかと思ったが、この条件で伸びなかったことを考えると成長力に疑問符が付く。

2020年ポートアイランドSではややハイペースバランスを後方から、直線詰まるまではいい脚を見せたので、バテ差しで台頭しそうな気配を見せた。2020年信越Sではややハイペースバランスを後方から、スムースだったが届かず5着だったので、トップスピードの質はまぁまぁまで。2020年オーロCではややスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線入り口では中段やや前まで上がったが、ここからの伸びがイマイチだった、すぐ隣に居たイベリスを交わせなかったので、ここでもトップスピードの質が高くないことを見せた。

2021年京都金杯(中京)では中段やや前から、岩田騎手は何度も乗ってトップスピードの質が高くないことが分かったんだと思う、これで3,4コーナー内を回して直線入り口では中段の前、直線で1回進路変更をしたが流れた中での進路変更で瞬発力が問われなかった。ペース的には前半ゆったりで中緩みがなかったことで、後方の馬が取り付けずに押し切れた感じ。2021年中山記念では離れた追走集団の中段からで自身はスローバランス、直線しっかり伸びたので1800mへの適性も見せたし、後半のロンスパにも対応した。

好材料は距離適性でNHKマイルC2着、今年の京都金杯で1着と好相性。前走中山記念でもGⅡ2着とクラス負けの危険もない。悪材料は特になく、前走中山記念で右回りも好走したし、ロードカナロア産駒なので2か月の間隔もむしろ好材料。

適性:松