ディープ産駒は瞬発力と心肺機能を生かした乗り方がベスト。パワーはあまりなく気性のコントロールが難しい。前回に引き続きディープ産駒の特徴を書いていきます。今回は身体的、気性的な競争能力についてです。
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まず身体的な特徴です。心肺機能が高い、瞬発力が高い。パワーがない。心肺機能はディープ自身が非常に高く、これは研究データからも明らか。この心肺機能の高さを多くの産駒が受け継いでいます。具体的には最大心拍数時の血液スピードが速い、これは筋肉への酸素や栄養を早く届けることができるということ。運動を止めてから心拍数が落ちるスピードが速い、これは運動を止めた時だけでなく、レース中に息を入れるような時でも同じです。
つまり心拍数が上がりにくく下がりやすいという事、心肺機能が高いためにこのような特徴が出るのです。人間のトップアスリートも同じような特徴がありますよ。この能力が発揮されるのが京都の外回り。このコースはディープ産駒の庭と言われるほど相性の良いコースで有名。3,4コーナーから下りが続き直線も平坦というコース形態で、いわゆる長くいい脚を要求されることが多いから。この”長く”というの味噌で心肺機能が低いと息切れしてしまうんですね~。
瞬発力の高さはディープ自身が”ゴムまりのよう”と言われた筋肉の持ち主で、瞬発力が抜群でしたね。この能力も多くの産駒に受け継がれています。筋肉がゴムまりのように柔らかいということは、良く伸び良く縮むという事。これが瞬発力を生み出します。人間でもそうですよね、トップアスリートの中に柔らかい筋肉を持っている方が多い。ディープ産駒の筋肉は特にこの傾向があります。
そしてパワーがない、ディープ自身がどうかは不明ですが、ディープは稍重までしか走っていません。ヨーロッパの重い馬場でも凱旋門賞では失格でしたが、入線は3着でした。これはみややの予想ですがパワーはあまりなかったのではないかと思います。まぁ小柄な馬でしたからね。そしてこのパワーの無さはしっかりと産駒に現れています。ダートと短距離戦での苦戦です。
気性についてはディープ自身かなり荒い馬でしたね。この傾向も産駒に受け継がれ、掛かる馬が多い。この気性のコントロールは距離短縮と内枠で前に馬を置くことで解消されます。外枠や距離延長で緩い流れになった時には、コントロールが効かず自滅することが多い。
長くなりましたが、具体的な産駒を上げて見ていきましょう。まず京都外回りで好走した馬から、トーセンラーを見てください。京都外回りでは1着3回、2着1回、3着4回、4着2回。全て掲示板です、新馬戦以外すべて重賞ですからいかにこのコースを得意としていたか分かりますね。圧巻だったのはマイルチャンピオンSの後方からの追い込み勝ちです。3,4コーナーの坂から一気に速いラップを踏んで、4Fを41秒くらいで走っているはず。並の馬なら息が持ちません。これは心肺機能が高くなくては出来ない芸当です。トーセンラーは瞬発力よりも心肺機能が勝ったタイプで、この特徴を掴んで乗っていたのが豊騎手です。ミルコが乗って4着になった京都記念では直線の瞬発力勝負に出てしまったのが敗因ですね。
ゴムまりのような筋肉が生み出す瞬発力が特に優れているのが、リアルスティールです。毎日王冠を見てください、この馬はミルコが中段でしっかり折り合いをつけ、直線では外からサトノアラジンが並びかけてくる残り300mまで溜めに溜めます。残り300mは坂の途中なんですが、そこから猛然と伸びて1着です。このレースはミルコが追い出したL2のラップが10.7と速いのですがそれを上回るラップを踏んでいるんです。恐らく10秒フラット位、L1も10秒台でしょう。このように溜めて溜めて爆発させると強烈な瞬発力を発揮します。
サトノアラジンは瞬発力と心肺機能を高いレベルで両立しているタイプです。勝った安田記念を見ましょう、2着のロゴタイプが締まったペースで逃げたことで、心肺機能が並の馬は直線で伸びませんでした。この馬は4コーナーから全開です、4コーナー出口から瞬発力を生かして一気に加速して、心肺機能を生かしてトップスピードを3F維持する。この馬が勝てた要因です。この馬の面白いところは高い瞬発力を直線で2度は使えないというところ、そこがなかなかG1を勝てなかった理由です。直線で加速した後に進路変更したり、前に詰まって待たされると再加速に時間が掛かってしまうんですね。高い瞬発力を何度も使えるわけではないってこと。
ここがレッドファルクスとの違いですね。2017年の安田記念にはレッドファルクスが出ていました、ファルクスは直線で前が壁になり、進路変更後に猛然と伸びてきましたからね。アラジンの場合は負ける時は、前が壁になっての再加速に手間取った時、追い出しが遅く届かなかった時と敗因がはっきりしてるんです。
では欠点のパワー不足を見ていきましょう、これはディープ産駒としては皆理解しているからか、ダートや短距離にはあまり使ってきませんね。パワー型短距離馬は硬い筋肉を無理やり伸ばして一気に縮めることで爆発的なパワーを引き出しています。人間でもスプリンターはボディービルダーのような体型ですよね。筋肉も硬く柔軟性はありません。しかし距離が短いためそれで持ってしまうんです。心肺機能は低くてもパワーをスピードに変えられれば勝てるのです。
ミッキーアイルは?と思いますよね。ミッキーは逃げ馬でした、抜群の心肺機能からペースを緩めず走り切ることで、後続からリードを奪い逃げ残る戦略でしたからね~。それでもレッドファルクスや、エアロヴェロシティー、ストレイトガールなどの純粋スプリント王者には屈してしまうのです。
気性はこの産駒の大きな弱点でもあり、強みでもあります。上手くコントロールして直線で爆発させれば、強烈な瞬発力を生み出します。これをコントロールするのが内枠や、前に馬を置くこと。毎日王冠のリアルスティールはしっかりコントロールしていましたね。逆に外枠や距離延長でゆったり流れると、ペースが遅すぎて押さえが効かなくなります。
まとめ
ディープ産駒の気性コントロールは内枠、短縮で生きる。心肺機能と瞬発力がどう配分されているかを見極めて、適したコースを選ぶ。心肺機能特化型は京都外回り。瞬発力特化型は東京。両立型は直線の長いコースで外枠。以上前回の結論と一緒に、ディープ産駒を狙う時の参考にしてくださいね。
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コメント
逆でしょ
ディープはロングスパートで加速してる時点で、明らかに瞬発力はない
同じく、柔軟性が高いと評されてるゴールドシップに対して、瞬発力があると言える?俺は言えないと思うけども
正直、ゴールドシップはディープと同じ分類の馬だと思うし
瞬発力が高い馬はオルフェやオペだよ
オルフェはピッチ走法故に、加速力が高い
0から100に到達時間見ても明らかに速い
オペもそう
有馬記念なんて、ラスト1ハロンの加速のみで包囲網突破して勝ってる
瞬発力があると評したディープが同じ事出来るか?と言われたら、明らかに無理と言わざるを得ないんだけどな
コメントありがとうございます、古い記事まで読んでいただけて嬉しいです。
ディープインパクトはL4辺りからの泣くり追い込みが多かった馬で、L4から他の馬とは次元の違う足を繰り出していました、ダービーなどがそんな感じでしたけど、このL4で一気に引き上げる感じを瞬発力の高さと見ました。その上で持続力を発揮しての圧勝という印象ですね。
テイエムオペラオーの有馬記念は、L1で周りが減速している中で、オペラオーの減速率が周りよりも低かったからだと思っています。
オルフェーブルやドリームジャーニーは仰る通りだと思います、ピッチ走法で瞬時に加速していましたね。
こういうご意見を聞けるのは凄く勉強になるので、今後もよろしくお願いします。
オペは意識的にラストの上がりでしか勝負してないと和田本人が言ってるよ
前に出るとソラ使うから、あえて圧勝はしないスタイルだった
有馬に関しては偶然あの形になって、オペが上がった形だけど
皐月賞見れば、オペに瞬発力がないとは言えないと思う
それと、個人的には2012年天皇賞春のウインバリアシオンのラップ分析見て欲しいと思ってる
あのラップ見たら、ウインバリアシオンが本当にG1取れなかったのが不思議で仕方ないと感じるよ
オルフェと同じタイミングでスパート掛けて、同じスピードで加速して、ラスト3ハロンがディープと同じとか実はウインバリアシオンは怪我さえ無ければ凄い馬だったんじゃないかと錯覚すると思う
なんせ、ラスト4ハロン、5ハロンのタイムがディープより速いんで
https://americanboss.hatenablog.com/entry/20120430/p1
2012年天皇賞春の上位入選した馬のラップ
こんばんは、オペラオーはソラを使うところがあったんですね、あえてあの形をって言われても、見てる方はヒヤヒヤですね。
もちろんオペラ―に瞬発力がないとは思っていません、どこで脚を使うかで、見え方が変わってくるのでしょうね。
ウインバリアシオンは確かに未冠に終わったのが不思議ですね、2012年天皇賞(春)ではビートブラックの逃げが決まり凄い配当が話題で、ウインバリアシオンは霞んでしまいましたね。
天皇賞(春)で3分13秒台に入ったのはディープインパクトとビートブラックだけですから、馬場はかなり軽かったはず、これだと前に行った2頭に楽をさせ過ぎた感じでしょうね。
ウインバリアシオンは屈腱炎もあったし、株式会社ウィンがマイネル軍団の岡田さんに買われたりで、色々ありましたからね~。
特にノーザンF生産馬ですから、岡田さんに買われてからも外厩はノーザンFを使っていたと記憶しています。こういうチグハグさも馬や騎手に影響したのでしょうかね~。仰るように一番いい時期を屈腱炎で休んでしまったのは不運でしたね。でも無事に種牡馬になれて良かったですよね。
改めて2006年と2012年の天皇賞(春)を見返しましたが、近年のレースがこじんまりしているように見えるほど、味のあるレースでしたね。