<種牡馬研究>ハービンジャー その1

初年度産駒からはベルーフが重賞制覇、3世代目でモズカッチャン、ディアドラ、ペルシアンナイトが大活躍、そして2018年有馬記念を制したブラストワンピースを送り出したハービンジャー産駒を研究します。
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現役時代

 9戦6勝GⅠ勝ちは1つですが重賞は5勝しています。キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスGⅠ勝ちは休み明け4走目でのもので、しり上がりに調子を上げてくるタイプで、使い減りしないのも特徴ですね。この特徴は産駒にも色濃く受け継がれています。キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは史上最大着差、勝ち時計の2分26秒78もコースレコードとスピードの持続力が非常に高い馬でした。このスピードの持続力も産駒に受け継がれていますね。

 その後2010年夏に左前脚の管骨を骨折してしまい引退、社台グループが買い取り、社台スタリオンステーションで種牡馬入りしました。

種牡馬としての特徴

 使い減りしないタフさ、モズカッチャンのオークス2着は、デビューから休みなく使われて6戦目、ペルシアンナイトの皐月賞2着も休み明け4走目でした。全く使い減りしないタイプでしり上がりに調子を上げてくる特徴は父譲りですね。半面休み明けあまり良くないのもこの産駒の特徴で、ペルシアンナイトは休み明けの富士Sで2年連続の5着、中山記念も5着と調子が出ません。モズカッチャンも休み明けのローズSで7着、京都記念4着と低調。

 トップスピードの持続力も特徴の一つで、4Fから3Fのスピード持続力はかなり高いレベルにあります。ペルシアンナイトのマイルCS1着時は4Fを11秒台連発で前がバテたところを差し切り。モズカッチャンのエリザベス女王杯1着時はL2最速戦でした。L2最速戦でも対応してくるようにギヤチェンジの性能もかなり高く、小回りで直線の短いコースでも好走できます。ディアドラのクイーンSがL2最速戦でした。前半が速いペースで流れてしまうと良さが出ないのも特徴です。安田記念のペルシアンナイトは休み明け3走目で走り頃だったはずも7着、ディアドラの桜花賞もいわゆる前傾ラップで6着でした。

 もう一つの特徴はパワーが豊富というもの、重馬場の秋華賞ではディアドラが1着、モズカッチャンが3着。パワーの要るコースの大阪杯ではペルシアンナイトが2着とパワーも兼ね備えていることがはっきりしています。

では詳細に見ていきましょう。

使い減りしないタフさ

 モズカッチャンを見てください、オークスは上記したようにデビュー以来休みなく使われて6戦目でのもの。秋華賞3着は休み明け2走目、更にエリザベス女王杯1着は休み明け3走目でものでした。ペルシアンナイトも見てみましょう、皐月賞2着はやや変則的なローテーになりますが休み明け4走目、マイルCS1,2着時は休み明け2走目、大阪杯も休み明け2走目でものもです。ディアドラの秋華賞1着も休み明け3走目でのものです。このように全く使い減りしない特徴はハービンジャーからしっかりと受け継いでいます。ただしディアドラのクイーンSのように休み明けでも勝ち切ってしまうこともあります、これは相手関係なので本調子で勝ち切っているわけではないはずです。モズカッチャンの札幌記念も3着に好走していますが、4着以下の相手は弱い相手になりますので、相手関係次第ですね。

トップスピードの持続力

 心肺機能はそれほど高くはないのですが、4Fくらいの時間で高い運動強度を維持できるタイプです。これはルーラー産駒とはやや違う特徴です。高い運動強度保つ時間が限られているが、その時間内ならかなりレベルの高いスピードを持続できるタイプですね。ペルシアンナイトのマイルCS1着時は4F戦になっていますが、後方で足を溜めて実際ギヤを入れ替えたのはL3辺りから、3Fを高い運動強度で走り切ったことで、周りが垂れたところでの差し切りに成功しています。大阪杯2着も4F戦になった流れでインコースで足を溜めつつしぶとく差してのもの。大阪杯で注目すべきはラスト4Fのラップ推移です、 11.2 – 11.1 – 11.4 – 11.6とL4から11秒台の前半に入れて全く落ちなかったんですね、これを中段に居たペルシアンナイトはL1でスワ―ヴリチャードに0.1差まで詰め寄ります。このラップは3コーナー手前で捲り切ったスワ―ヴのものです、L1ではスワ―ヴと3馬身ほどあった差をゴール前で並ぶところまで詰めているということは、ペルシアンナイトのL1は11.2位でしょう。ペルシアンナイトの上り3Fは33.7なので11.2を連発していると推測されます、これはすさまじいトップスピードの持続力です。

 ディアドラの府中牝馬Sも見てみましょう、このレースはカワキタエンカが単騎逃げで後続を10馬身離して4コーナーを回りました、ディアドラは後方2番手の位置で前に2着のリスグラシューという位置。前半1000m58.2、後半4Fのラップ推移は11.7 – 11.4 – 11.6 – 11.8になりますが、L2までは逃げたカワキタエンカのものなので、ディアドラの推定ラップは10.5 – 10.5 – 11.3くらいではないかと思います。ここでも驚異的なトップスピード持続力を発揮しています。前に居たリスグラシューを風除けに使えたとはいえ、L1でも11秒台前半で踏ん張ってしまうのですから驚異的です。

今回はここまでです。その2ではギヤチェンジ性能の高さ、豊富なパワー、弱点の休み明けなどを書いていきます。

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